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先端技術に投資しよう

新しい技術や産業が未来を創る。ところが日本は、新しいことへの障壁が多い。歴史に学び、リスクを取って新しい産業を育てる。それらが普及するための課題を示す。

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創刊日:2009-08-29  
最終発行日:2018-09-30  
発行周期:隔週刊  
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203号 インバリアント

2018/09/30

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■  先端技術に投資しよう

■  203号 インバリアント

───────────────────────────2018/09/30───

インバリアント分析は「いつもと違う動き」を見つけだす分析手法。平常時に成り立つ
「不変関係(インバリアント)」からモデルを作り、リアルタイムデータと比較して、
関係式の崩れから異常を検知する。この技術により、「しきい値」監視ではつかめ
なかったサイレント障害も検知できるようになった。

故障する前に故障の兆候(サイレント障害)を捉えて機器の故障を防ぐ。さまざまな
センサー情報の不変の関係性と過去の障害履歴から、誤報なくサイレント障害を検知
する。

センサー情報以外の情報、映像や音声などのメディアデータも活用して、より精度の
高い検知を可能にする。センサー設置を抑えるために、機器の電流波形を分析して、
機器の動作状態を捉える(電力指紋)技術も研究されている。

サイバー攻撃による発電所の停止事故が発生している。2020年は日本のプラントや工場
へのサイバー攻撃も多発するのではと懸念されている。機械学習により平常時の動作
モデルを構築し、その比較から、平常とは異なる状態を検知して、被害が出る前に早期
対策を行う自己学習型異常検知技術も研究されている。

ネットワークレベルでの高度な偽装や妨害攻撃に対しては、制御用のネットワーク
パケットや、工場内の無線LANを監視して、なりすましや妨害による攻撃を検知して
攻撃による誤動作などを防止する。

複数の工場やプラントを遠隔で監視する統合監視が知識の効率化を促進する。監視その
ものを提供する企業が現れ、監視はアウトソーシングへと変化していく。

機器の故障によって発生する異常は、インバリアント分析で発見が可能だが、他の
センサーと(線形な)関係性を持たない値の異常な動きは発見できない。

従来型の分析ツールと比べてインバリアント分析のメリットは三つある。

1.しきい値を設定する手間が不要になる。しきい値の設定は、長期間にわたって
妥当値を探すので手間と時間を要する。イベントや季節変動などに合わせて、
しきい値を変える必要もある。インバリアント分析は、時系列データが最小
百点あれば、平常時のシステムの挙動をモデル化できる。
2.システムの負荷が変動した際に誤検知しないこと。従来は、負荷が高まると、
たとえ問題が無くても、しきい値を超えたことで異常と見なされた。一方、
インバリアント分析は、モデルの関係性が崩れていなければ、誤検知しない。
3.サイレント障害を検知できる。

インバリアント分析の適用先はシステム監視に限らない。各種センサーから集めた情報
を分析すれば、プラントや構造物などの異常や予兆の監視が可能になる。

最新のコメント

  • 名無しさん2011-10-16 17:35:41

    大変科学的でよい。

  • 名無しさん2010-11-21 23:48:32

    始めて知る話だっただけにとても興味深く楽しかった。

  • 名無しさん2010-09-26 20:48:01

    凄い人だと感じた。このような人が日本にも大勢いるのに海外に出てしまうのはもったいなく感じる。

    大変面白い記事でした!

  • 名無しさん2010-08-30 09:46:54

    知らなかった。文章が分かりやすかった。

    面白かった。

  • 名無しさん2010-08-01 23:44:48

    分かりやすくとても面白かった!