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先端技術に投資しよう

新しい技術や産業が未来を創る。ところが日本は、新しいことへの障壁が多い。歴史に学び、リスクを取って新しい産業を育てる。それらが普及するための課題を示す。

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創刊日:2009-08-29  
最終発行日:2017-07-16  
発行周期:隔週刊  
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190号 1%のゲノムの差

2017/07/16

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■  先端技術に投資しよう

■  190号 1%のゲノムの差

───────────────────────────2017/07/16───

真核生物の体細胞は,相同染色体を2本ずつもっている。ヒトは,父親と母親から23
本ずつの染色体を受けとるので46本の染色体が核内に存在する。生殖細胞の染色体の
DNA。DNAは二重らせん構造をもつ細長い分子で遺伝子の本体。このDNAにより
伝達される遺伝情報をゲノムという。

細胞分裂では,ゲノムは変化しない。1個の受精卵から細胞分裂でヒトの体細胞が作
られるので、細胞内のゲノムは同じで,どの遺伝子がはたらくかを変えることで,多種
多様に分化する。

20世紀の終わりに塩基性配列を自動的に読み取る装置が開発され、30億塩基対の人の
遺伝子もチンパンジーの遺伝子も読み取れるようになった。ヒトは、約600万年前に
共通の祖先からチンパンジーと人に分かれた。両者のゲノムの違いは 僅かに1%しか
ない。

ヒトだけが、火を使い、日常的に二足歩行し、言葉を操る。この600万年の間にいった
いなにが起き、どのようにヒト化が進化したのか? その答えは、それぞれの年代に
生きた人類のゲノムにあるはずだが、化石となった人骨から有用なゲノム情報を得る
ことは困難だ。

そこで、今も生きるさまざまな霊長類のゲノムとヒトのゲノムを比較して、過去におき
たゲノムの変化を推定している。遺伝子を詳しくみていけば、ヒトに至るなんらかの
ヒントが得られると期待されている。また、ヒトとチンパンジーの免疫システムや病気
に関わる遺伝子の変異を調べていけば、医学に役立つと考えられている。

遺伝子は情報であり、そのままでは何の作用をもたらすことはない。遺伝子のスイッチ
がオンになると遺伝子からその設計図に従ったタンパク質の製造が開始されて作用を
もたらすようになる。

例えばそのタンパク質が、生物の第二次性徴を促す重要な性ホルモンだとすれば、いつ
その遺伝子のスイッチがオンになるかによって、その生物が生後、どれくらいで性的に
成熟し、生殖行動を開始するかが左右される。

しかしヒトの場合は、ある年齢でどの遺伝子が活性化されているかを調べるのが難しい。
身体の内部、脳の内部となると、身体や脳を傷つけずに実験することはできないので、
事故死したご遺体からサンプル採取を行って遺伝子活性化の程度を調べていた。

最近になって数百とか数千というたくさんの遺伝子がどのようなタイミングで活性化
スイッチオン)されるかを解析できるようになった。その結果、HARIと呼ばれる大脳
皮質の神経細胞の生産に関する領域や、FOXP2という言語の遺伝子領域が加速領域で
あることがわかってきた。

人工知能とは異なるアプローチで人の脳の研究が進んでいる。日本が活躍できる場は
いくらでもある。

最新のコメント

  • 名無しさん2011-10-16 17:35:41

    大変科学的でよい。

  • 名無しさん2010-11-21 23:48:32

    始めて知る話だっただけにとても興味深く楽しかった。

  • 名無しさん2010-09-26 20:48:01

    凄い人だと感じた。このような人が日本にも大勢いるのに海外に出てしまうのはもったいなく感じる。

    大変面白い記事でした!

  • 名無しさん2010-08-30 09:46:54

    知らなかった。文章が分かりやすかった。

    面白かった。

  • 名無しさん2010-08-01 23:44:48

    分かりやすくとても面白かった!