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先端技術に投資しよう

新しい技術や産業が未来を創る。ところが日本は、新しいことへの障壁が多い。歴史に学び、リスクを取って新しい産業を育てる。それらが普及するための課題を示す。

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創刊日:2009-08-29  
最終発行日:2017-08-27  
発行周期:隔週刊  
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192号 老化に挑む

2017/08/27

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■  先端技術に投資しよう

■  192号 老化に挑む

───────────────────────────2017/08/27───

老化は遺伝や生活習慣、環境などの影響が関係し、老化のスピードには個人差がある。この
老化を牛耳っているのが、体の細胞。ヒトの体の細胞の数は老化により減少する。

細胞分裂の回数には限界があり、DNAの「テロメア」がこの限界を決めている。テロメアは、
染色体の先端に存在して遺伝子情報を保護し、細胞が分裂するたびに短くなる。そこでテロ
メアが短くならなければ老化を防げるのではないかという研究が行われている。

2015年、アメリカのバイオベンチャー企業、BioViva社の44歳のCEOが、自社で開発した
遺伝子治療を受けた。実験半年後には、白血球のテロメアが、約20年分も長くなっており、
生物学的には若返ったという結果が示された。遺伝子治療の詳細は明らかにはされて
いないが、テロメアの長さを伸ばす酵素「テロメラーゼ」を生成する遺伝物質を体内に投与
したのではといわれている。

終末糖化産物「AGE」は、体内の様々なタンパク質が糖と結合してでき、強い毒性を持つ。
AGEが皮膚に蓄積すればシワやたるみ、血管なら心筋梗塞や脳梗塞、骨なら骨粗しょう症、
目なら白内障の一因になる。老化を進める原因物質で、脳内のタンパク質がAGE化(糖化)
すると、アルツハイマー型認知症を引き起こすとも言われている。

体内でできるAGEの量は、「血糖値 × 持続時間」に比例する。つまり血液中のブドウ糖が
多いほど多くのAGEが発生する。また、食べ物に含まれるAGEの約 7 % は排泄されずに
体内に溜まる。そのため、AGEを多く含む食べ物を頻繁に食べると蓄積量が増加する。

AGEを発生させないためには、血糖値を上げないこと。ゆっくりした食事や、野菜から食べる。
腹八分目など生活習慣病を防ぐとの同じ対策が必要だ。

AGEは加熱する温度が高いほど多く発生する。揚げ物や炒め物、オーブン焼きなどはAGE
が多くなる。一方、ゆでる、蒸す、煮るといった調理法は、AGEの発生が少ない。一方、
ジュースなどに含まれる人工甘味料は、ブドウ糖の10倍の速さでAGEをつくる。

超長寿マウスはガンに非常になりにくい。成長ホルモンとガンの関係が明らかになってきた。
成長ホルモンは肝臓で、IGF-1というホルモンを作る。通常、細胞は、ダメージを受けると、
ガン細胞になるのをさけるため自ら死んでいく。この仕組みをアポトーシスという。

ところがIGF-1には、ダメージを受けた細胞をアポトーシスから守る作用がある。ダメージを
受けた細胞は、キズを持ったまま増殖する。このために、成長ホルモンが多いと、ガンになり
やすいと考えられる。

成長ホルモンが働かないマウスや人々は、糖尿病も皆無だった。インスリンの分泌量が少
なく、効率的に働く。成長ホルモンと糖尿病、老化が、関係していた。

老化と共にさまざまな病気、慢性腎臓炎、動脈硬化、脳出血、骨粗しょう症、慢性肝炎、心筋
梗塞が現れる。そのほとんどの原因は、免疫細胞にあることがわかってきた。

病原体を駆逐する免疫細胞(好中球)は、加齢とともに病原体への戦闘力が落ちる。それ
どころか、免疫細胞が本来守るべき細胞に害を及ぼすこともある。

原因は、免疫細胞の司令塔のT細胞。T細胞は、胸腺という臓器の中で育つが、胸腺は、
20代が終る頃にはなくなってしまう。若い時に生まれたT細胞が、老化して判断力が鈍り
暴走する。それに引きずられ、免疫細胞が暴走する。

老化全体をつかさどるメカニズムがわかれば、寿命を延ばしたり 老化による病気を減らす
ことができる。アメリカでは、老化のスピードを遅くする。

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