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[151] 府中の 『浜喜屋』 さん

2017/05/28

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          アクアタック研究室 /片岡 章
          mail magazine Essay - 151  2017/5/28

          【 府中の 『浜喜屋』 さん 】

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今月はじめ、
東京府中 『くらやみ祭』 の雰囲気に触れてみようと、
大國魂(おおくにたま)神社周辺を散策してきました。

そのとき、祭とは関係ないのですが、
たまたま、スーパーかと思って、あるお店に寄ったのです。

すると、これが意外に新鮮!


               ☆    ☆    ☆


◎ 『浜喜屋』 さん

そのお店は、『浜喜屋(はまきや)』 さんといって、
『くるる』 というビルのなかにあります。

『くるる』 は、
京王線府中駅に直結する、今ふうの大型ショッピングセンターで、 
5階には 『TOHO シネマズ』、地下には 『トイザらス』 が入っています。
http://kururu.co.jp/

ところが、そんなビルでありながら、
1階は昭和レトロの商店街。
『浜喜屋』 さんは、その一角にあります。
スーパーと呼ぶには小さく、むしろ個人商店。


店に入ると、海の匂いに迎えられます。
中央には、ずらっと並ぶ魚たち。
それもそのはず、鮮魚中心のお店だったのです。

壁側には、地方の珍しい産物が所狭しと置かれ、
「買ってちょうだい!」 と言わんばかりに、
通路にまではみ出しています。

昨今(さっこん)のきれいなスーパーでは味わえない
“いきいき感” “なまもの感”!

たったひとつのレジには、
の〜んびりしたおばちゃんがふたり。
世間話をしながら、お勘定してもらいます。

その向かいの棚を見ると、
30cm四方のコーナーに、
なぜか、マクロビオティックの食品が数点。

おもしろいお店でした。
http://www.tama5cci.or.jp/hp/hamakiya/


◎ 昔の町、家、生活 …

子どものころ住んでいた町には、
そんな空気が満ちていました。

    家の前の道路に馬糞が落ちている
    かと思うと、自衛隊の戦車も通る

    玄関には 「押し売り」 のおじさんが来ていて、
    歯ブラシやゴムひもを並べている
    刑期を終えて出てきた人らしい

    子どもたちは、
    誰の持ち物かわからない空き地を探検する

    小学生が犬のフンを踏んづけ、同級生にからかわれる

    お好み焼きを買うと、新聞紙にくるまれている

    授業中、
    前の席にいる子のハゲを黙々とペンで塗ってるヤツがいる

    男の子たちは、
    街なかで成人映画のポスターを見ながら “お勉強”

    神社にはガマの油売り

        ・・・・・

レイ・ブラッドベリの 『たんぽぽのお酒』 には、
こんな世界が詩的に描かれています。
http://www.shobunsha.co.jp/?p=171


◎ きれいな今

一方、いまは “きれい” が蔓延(まんえん)しています。

    建物を入ると消毒液

    ハンバーグは手袋でこねられ
    文房具も抗菌、抗菌 …

    子どもたちのはしゃぐ声はどこへやら

    老人ホームは、
    管理が行き届いてお年寄りばかり

    ナメクジってなに?


そういえば、
秋葉原駅の脇には、
電気部品を売る小さな店が集まっていましたが、
あの “なまもの市場” のような一帯は、
まだあるのでしょうか?


◎ “きれい” の忘れもの

といって、
昔に帰りたい、なんて思いません。
“きれいな今” も好きですし、むしろそうあってほしいです。

ただ、それと引き換えに、

    いきいき感、なまもの感、
    怪しげ、不可解、へんてこりん …

そういった “忘れもの” が増えているように思います。


“きれいな世界” の貧しさは、
見えるものだけで完結しているところにあります。
“周縁” や “潜在的なもの” との繋がりが絶(た)たれていて、
「見えているものがすべて」 なのです。

そこには、
バイタリティーやファンタジーはありません。
創造の泉も湧きません。
“いのち” の気配(けはい)も失(う)せています。

“きれい” になればなるほど、
“世界の意味” は薄れていくのではないでしょうか。

    生きていることが空虚で、自分がいない

    無感情で冷淡で陰湿な事件

    検査値しか見ない医療

    店にだまって入り、だまって出ていく客

    他人が目に入らない歩行者、自転車

    マニュアルどおりの店員


「新しいもの」 や 「生きてる感」 は、
周縁や潜在する領域からそっとやってくるもの。
もしそれらを “消毒” してしまったなら …

“きれいな世界” をつくり出した “知性” って、
一体、なんだったのでしょうか。

    教えて!  “頭のいい” センセイたち


もっとも、救いもあります ♪ ―― 『うんこ漢字ドリル』
《周縁世界》 からのお茶目な反逆でしょうか。
https://unkokanji.com/


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おしらせです。

当メルマガの144号でお伝えしていた本が、
6月に出来上がるそうです。
出版されましたら、あらためてご紹介させていただきます。


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