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[150] ふるさと はプロジェクションマッピング

2017/05/11

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          アクアタック研究室 /片岡 章
          mail magazine Essay - 150  2017/5/11

          【 “ふるさと” はプロジェクションマッピング 】

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    ふるさとは遠きにありて思ふもの
                                  (室生犀星 『抒情小曲集』)

    あのね、わたし、出身が岡山なんですよぉ
    だもんで、岡山は大好きなんですわ
    けど、戻りたいとは思わんのよねぇー、これが
                                  (岩井志麻子 TOKYO MX 『5時に夢中!』)


               ☆    ☆    ☆


◎ なつかしいけど帰らない

わたしたちは、
“ふるさと” つまり “生まれた土地” に対して、
こんな想いを持ちます。

    なつかしい
    いつか帰るところ
    自分の原点


ところが、そう想いながらも、

    ついにそこには戻らず一生を終える

というひとが多いのも事実です。
それも、帰れないわけではなく、
自(みずか)ら望んで帰らない。

不思議ですよね?


◎ “ふるさと” は 《ふるさと》 ではない

   なつかしいけど帰らない

その理由は、

    生まれた土地 “ふるさと”は
    本来の 《ふるさと》 の仮の姿でしかない

ということに、
どこかで気づいているからではないでしょうか。

    え? (・。・)

つまり、こういうことです。

    いわゆる “ふるさと” は
    自分の奥にあるほんとの 《ふるさと》 を
    生まれた土地に投影したプロジェクションマッピング


そう、プロジェクションマッピングなのです。
ディズニーランドやイベント会場で建物に映像を映し出しますね、
あのプロジェクションマッピングです。

わたしたちは、
その投影された映像を
“ふるさと” と呼んでいるだけなのではないでしょうか。

ほんとうの 《ふるさと》 は、
わたしたちの奥深くにあって、見えにくいもの。
そこで、生まれた土地にそれを映し出し、
とりあえず 「見える化」 している。
なぜなら、イメージしやすいから ――

そう思うのです。


◎ ほんとの 《ふるさと》 って?

    わからなくなってきましたぁ
    じゃあ、ほんとの 《ふるさと》 って?  (・へ・;)

それは、指さして 「これ」 といえるものではないので
説明がむずかしいのですが、
あえていえば、

    《ほんとうのわたし》

です。

夏目漱石のなかに、
「父母未生以前」 という言葉が出てきます。
「ぶぼみしょういぜん」 と読みます。

禅宗の言葉だそうですが、
自分はもちろんのこと、
父や母もまだ生まれていない昔、という意味になります。

そんな悠久の昔からあるもの、

    “自分” を離れた、あるいは “自分” の奥にある
    本来の “自己”

とでもいいましょうか。

それが、《ほんとうのわたし》 です。


    大槻教授 : そんなの、あるわけないでしょ!
                    証拠を見せなさい、証拠を!

    韮沢さん : わたしはね、
                   その写真を宇宙人から預ってるんですよ

まあ、あるかないか、
ご判断はみなさんにお任せしますが。


◎ いつでもどこでも ♪

    《ほんとうのわたし》 = 《ふるさと》 を
    生まれた場所に投影したもの
    それが “ふるさと”
    だから、なつかしい感じがする

私はそう思っていますが、
ならば、
《ふるさと》 は、いつでも自分と一緒にあることになります。

遠くから “ふるさと” を想う、というのは、
生まれた土地や子供時代を想っているつもりが、
実は、自分の奥にある 《ふるさと》 を思い出している、
そういうことではないでしょうか。

あるいは、生まれた土地でなくても、
ふと風が運んでくるなつかしい匂(にお)い、
壁を染めるなつかしい夕日、
それらも、
《ふるさと》 に想いを馳(は)せるきっかけになります。

どんな形にせよ、
「なつかしい」 という想いが湧いたときは、きっと、
《ほんとうのわたし》 = 《ふるさと》 が垣間(かいま)見えているのです。

ですから、
「なつかしい」 に出会ったら、
ゆっくり味わっていただくといいですね。
それも、折に触れて、幾度となく ――

やがて、
《ふるさと》 は彩り(いろどり)鮮やかに根づき、
“わたし” の立ち位置を確かなものにしていきます。

「なつかしい」 は、
《ほんとうのわたし》 への扉を開く素敵なパスワードなのです。


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