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[131] 《生命》 と 《いのち》

2015/04/01

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            アクアタック研究室 - 片岡 章
            mail magazine - 131  2015/4/1

            【 《生命》 と 《いのち》 】

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《生命》 と 《いのち》 の違い、意識したことありますか?

ほとんどないと思います。
でも、言われてみると、なんとなく違うような気はしますよね。


               ☆    ☆    ☆


◆ いまの料理には 《いのち》 がない

先日、
料理研究家 辰巳芳子さんと華道家 川瀬敏郎さんの対談を
テレビで見ていたら、
辰巳さんが 《生命》 と 《いのち》 の違いを話しておられました。

    料理には 《いのち》 の観点が大事
    いまの料理はこれを忘れている


最近の料理では、
カロリーがどうの、ミネラルがどうのという側面ばかりが
クローズアップされます。
これは 《生命》 の観点。
もちろん大事なことです。

ですが、その一方で、《いのち》 のほうはどうでしょう?
料理を “生きもの” として見ているでしょうか?

辰巳さんの憂(うれ)いはそこにあるのだと思います。


◆ 医学は 《生命》 か 《いのち》 か?

《いのち》 が置き去りにされているのは、
料理だけではありません。

群馬大学病院では、
腹腔鏡手術や開腹手術で多数の犠牲者を出しましたが、
これは論外だとしても、
医学の世界に 《いのち》 の香りがしないのは事実でしょう。

お医者さんたちは、
「いや、自分たちは命を守ろうとしている!」
と言うかもしれません。

でも、このときの “命” は、
《生命》 でしょうか、《いのち》 でしょうか?


2012年、母が脳出血で倒れました。
手術はしたものの、治る見込みはなし。
あと1年ほどをどう過ごすかだけ。

そこで転院先を探すことになるのですが、
何ヶ所か見せていただいて、ぞっとしました。

病室には、
ただ横たわっているだけの患者さんが “並べられて” います。
動く気配はありません。
患者さんや病院の方には申し訳ないのですが、
まるでSF映画の実験施設を見ているようでした。
自分の親もそのなかの “ひとつ” になるのかと思うと …

やがて、転院先が決まり、そこに移ります。
家族としては、一縷(いちる)の望みをかけて、
嚥下(えんげ)訓練やリハビリをしてくれる病院を選びました。

いい病院ではありました。
看護師さんたちにも、よくしていただきました。
病院自体が尊厳死協会に入っていたので、
そのあたりの理解もありました。

しかしながら、
担当医は、やりがいを感じているようには見えませんでした。
日々自問自答している様子。
無理もありません。
治って喜ばれながら退院を見送ることはまずないのですから。

それはわかります。
ですが、こんな状況でも、
《いのち》 という観点から対応する余地はあるのではないでしょうか。
そして、もしそれができたならば、
患者さんにももう少し光が差すのではないでしょうか。
笑顔で退院を見送る機会だって増えると思います。


リンゲル液何cc、血圧はいくら、尿量はいくら、心拍数は …
鼻からの栄養チューブか、胃瘻(いろう)か …
残り寿命は?  あと何日延ばせる? …

病院の食堂もそうですね。
メニューのサンプルにはカロリー表示があるのですが、
どこか虚(うつ)ろです。
素材がどんな土地で育ったのか、どれくらい新鮮なのか、
料理人としては、なにを味わってほしいのか、
そんな 「食材の 《いのち》」 という空気は、これっぽっちもありません。
ただの熱量です。

医学も、最近は、
病院で辰巳さんのスープを採用する、という動きが現れるなど、
少しずつ変わってきてはいます。
ですが、
まだまだ 《生命》 の視点に終始しているように思われます。


◆ あちらでもこちらでも

いえ、料理や医学はほんの一部。
介護、教育、人づき合い、ペット、…
果ては、健康、波動、ファンタジーにいたるまで、
いまの時代、
あちらでもこちらでも 《いのち》 が抜けている ――
そう感じるのは私だけでしょうか?

いま、《いのち》 という非科学的なものにこそセンスを開かなくては、
と思うのですが …

いかがなもんでしょ?


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