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[58] 工場見学

2011/08/15

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      アクアタック研究室  mail magazine - 58  2011/8/15
             
              【 工場見学 】

          vision ◇ エッセイ
               
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いまでは半ば死語かもしれませんが、
《かまとと》 という言葉があります。
「かまぼこはおとと(魚)でつくるの?」
と世間知らずを装うところから来ています。

でも、私たちって、
世間知らずの ‘ふり’ ではなくて、
ほんとに 《かまとと》 なのかもしれません。
たとえば、
石鹸(せっけん)は最初から石鹸だったように
思っていませんでしたか?


                           ☆    ☆    ☆


◎ 工場見学

このところ工場見学が人気で、
予約3ヶ月待ちのところもあるそうです。
震災以降の自粛ムードのせいでは? とのことですが、
くりいむしちゅーの 『シルシルミシル』 も貢献しているのかもしれません。

私も、小学校から牛乳工場の見学に行った記憶がありますが、
工場や牛やミルクポットのジオラマが、
楽しい映像としていまでも頭に残っています。
(といっても、牛乳好きではなく、20歳以降は飲んでいません)


こういった工場見学、
レジャーとしては少々地味かもしれませんが、
とてもいいことだと思います。

というのは、先ほどの石鹸のように、
「身の回りのものは最初からその姿で存在していた」
そんなつもりで生活しているところが、私たちにはあるからです。

もちろん、少し考えれば、
石鹸だって、あの形のまま自然界にあるはずはない、
ということくらい、誰にでもわかります。
(魚が切り身で海にいると思ってる人はいるらしいですが …)
でも、その “少し考えれば” というのが、なかなかできないのですね。


こんな普段のものの見方に対して、
工場見学は、製品の向こうに広がる世界を見せてくれます。
石鹸ひとつをとっても、様々な色・形・効能のものがあって、
デザインする人、型をつくる人、色や香りをつける人 … と、
工程ごとに何人もの人が関わっていますし、
そのまた前段階にも後段階にも多くの人が参加しています。
手元に石鹸がひとつ届くだけでも大事業なのです。


◎ 『ファミリーヒストリー』

話かわりますが、
NHKの 『ファミリーヒストリー』 という番組をご覧になったことはありますか?

ひとりの俳優さんをゲストに迎え、
その人の父母や祖父母がどんな人生を送っていたのか、
というのを取材してゲストに見せる、という番組です。

そのなかで、
今月(8月)3日放送、浅野忠信さんのお爺様を取り上げた回は圧巻でした。
再放送があるでしょうから、
まだご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。

見ておられない方の楽しみを奪わないよう、詳細は伏せますが、
その回の内容はこうでした。

お婆様とお爺様との不思議な出会い、
オランダとのつながり、
ひとり帰国し音信不通だったお爺様が
最後まで娘(忠信さんのお母様)の写真を手放さなかったこと、
などなど、
ひとりの人間の背景によくもこれだけ膨大な物語があるものだと
圧倒されました。

2代遡(さかのぼ)っただけでもこの広がりです。
これが何百万年という人類の歴史になったら、
それこそ、気の遠くなるような物語が集積していることになります。

逆にいえば、
膨大な物語が流れ着いた一コマとして、
ひとりの人間がいることになります。


◎ ネットワーク

こういった光景に想像を巡らせるとき、
“ネットワーク” という言葉が思い浮かびます。

工場でつくられる石鹸にせよ、
ひとりの人間にせよ、
あるいは、虫1匹、塵(ちり)ひとつでさえ、
時間的、空間的に果てしなく広がったネットワークの、
奇跡のようなひとつの結び目としてこの世にあるといえます。

つまり、どのようなものも、
他から孤立して存在している、なんて、ありえないわけです。
塵ひとつに至るまで、無意味に生まれてはいないはずなのです。

そう考えると、自分がいまここにいる、ということが、
とてもスケールの大きな、意味のある出来事に見えてきませんか?
もし、「私なんて …」 と落ち込むことがあったら、
この膨大なネットワークに想いを馳せてみてはいかがでしょうか。

まずは工場見学から …。


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  • aquatack2011/08/22

    マーシャさま

    今回もまたコメントを寄せてくださいまして、ありがとうございます。

    やはり、最後に生きるのは、資格よりも“その人”でしょうね。

    医師や弁護士なら資格がなくては困りますし、その他でも資格があるに越したことはないのでしょうが、ほとんど活かされていないケースが多いと思います。

    資格とは別の話になりますが、安藤忠雄さんや武満徹さんも、専門の学校教育は受けず、独学で世界的な建築家や作曲家になっています。といって、「この人たちは才能があったから」で片付けられることではなく、実力をフルに発揮したからだと思います。誰でも、大きな背景を背負っているのですから、もっと底力があるはずです。まずはそこからでしょうね。

    でも、「カッパ捕獲免許証」なんかは、あってもいいかも …

  • マーシャです2011/08/21

    お久しぶりでございます。

    日々の雑多なことをこなしていると、ついつい形あるものだけに目を奪われ、形のあるものにこだわってしまう毎日を過ごしてしまっております。



    このところ私はといえば、とある検定試験なぞをいくつか受けてみたりしておりました。

    それもこれも、形あるもの(この場合は資格や免許のようなものですね)があることによって世間に認めてもらえるような、あるいは自分が少し偉くなったかのような自己満足のようなもの、が欲しくての行動でした。

    一応、いずれも受かることはできましたが、何となく、まだ何か足りないのですよね。



    今回の記事を拝見して、改めて感じ入りました。

    結局は自分に自信がないことで、なにか飾りが欲しいということでした。



    人間は勿論のこと、物質にしても、今この瞬間にここに存在しているということが、本当に奇跡であるということ。

    この世に存在しているものの、その背景にはものすごいドラマが隠れているということですね。

    全てが意味があってつながっているということなど、ついつい忘れがちの毎日です。

    それでも、時おり気づくことによって軌道修正ができて、少しずつでもスパイラルのように上がって行けるのかしらと思っております。



    今回も気づかせてくださいましてありがとうございます。