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[55] 情報を美味しくいただくコツ

2011/07/01

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      アクアタック研究室  mail magazine - 55  2011/7/1
             
                【 情報を美味しくいただくコツ 】

                    ライフスタイル ◇ エッセイ
               
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欲をいえばキリがありませんが、
いまどき、大抵の情報は簡単に手に入ります。
でも、ひとつひとつの情報を美味(おい)しくいただくことは、
できているでしょうか?


                           ☆    ☆    ☆


★ ―― 中国で聞いた 『運命』

20年ほど前、クリニックに勤めていた頃ですが、
中国で医学大会が開かれることになり、
院長のお供のひとりとして、現地での打ち合わせに同行したことがあります。

ある日、少し時間があり、ほとんど人のいない大広間で過ごしていました。
天安門広場に近い人民大会堂だったかと思います。
すると、スピーカーからベートーヴェンの第5交響曲が流れてきました。
「ダ・ダ・ダ・ダーン!」 の 『運命』 ですね。

何度も聞いている曲ですから、
いつもなら、「ああ、また鳴ってる」 と聞き流します。

ところが、この時は不思議な体験をしました。
まるで明治・大正の人になって “欧州の音楽” を聞いているような、
瑞々(みずみず)しい感覚があったのです。

なぜ?

そこには、当時の北京の空気があったように思います。

あくまでも私の見た範囲にすぎませんが、
首都北京といえども、の〜んびりしていました。
警官のような人が街なかで居眠りしていますし、
ビジネスマンが忙しく動いている気配なんて、微塵(みじん)もありません。
誰も働いていないのでは?  と思いたくなるくらい、のどかです。

そんなポカ〜ッと空いた空気感のなか、
人のいない大広間で ――
それが、『運命』 を新鮮に聞かせたのかもしれません。


★ ―― 小津映画のアパート

もうひとつ、よく似た経験があります。

小津安二郎の映画。
場面は、1950年代か60年代のアパートの一室です。

それを見ていたら、
子供の頃の気分がリアルに蘇(よみがえ)りました。
「ここに住んでいたら、絵を描いたり小説を書いたりしたくなりそう …」
想像力が膨(ふく)らみそうな場所なのです。

映画に登場したアパートは質素で、トイレも台所も共同らしい様子。
「住みたい所」 ではありません。
でも、そんな “なにもない部屋” だからこそ、
あの感覚が呼び覚まされたように思います。


★ ―― “すき間” があると情報は美味しい

中国での 『運命』 も、小津映画のアパートも、
余計なものがない、というより足りないくらいの空間が
背景になっています。

街を歩いていても、家で過ごしていても、
目からは映像、耳からは音楽やニュースが絶え間なく入ってくる ――
そんないまの日本とは正反対ですが、
そのおかげで、あの活きた感覚を味わえたのだと思います。

といっても、
古くて物のない時代がいい、
なんて懐(なつ)かしんでいるわけではありません。
そうではなくて、
物や情報が多い分、いまのわたしたちは “見えなくなって” いるのでは?
と思うのです。


絶えずものを口に運んでいる人は、
体のなかがゴミや老廃物で一杯になっています。
そして、感度が鈍り、
自分の体が本当はなにを必要としているのか、
わからなくなっています。

物も、持ちすぎていると、
ひとつひとつの “かけがえのなさ” が失われますし、
本当に必要なものがわからなくなります。

そしていまや、情報の過剰な時代です。
見聞きしすぎて、頭も心もゴミや老廃物で一杯。
それで、
自分が本当は何を欲しているのか、わからなくなっている、
そんな人が多いのではないでしょうか。
そろそろデトックスせねば!


★ ―― “情報断食” のすすめ

お腹をすかせたときに食べるものは味が引き立ちます。
すっきりした部屋に据(す)えられた置物や花は映(は)えます。

頭や心も、すき間ができていると、
情報を美味しくいただくことができます。

ネットサーフィンで情報を探し回ったり、
次から次へと本を読み漁(あさ)ったり、
息つく間もなく人の集まりに顔を出したり、
    ・・・・・

そんなことをしばらくお休みしてみてください。
美味しい風がす〜っと入ってきます。


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