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[29] “役に立たない” はいいことだ

2010/06/01

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        アクアタック研究室  mail magazine - 29  2010/6/1
             
                【 “役に立たない” はいいことだ】

                      カルチャー ◇ エッセイ風
               
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先回発行時に読者登録をしてくださった方、ありがとうございます。
“お得情報” ほぼ皆無のメルマガですが、よくぞ目を留めてくださいました。

このメルマガについて、以前からお読みいただいているある方が、
「ためになるメルマガ」と言ってくださいました。
それで気がついたのですが、
これは、
“役には立たないけどためになるメルマガ” なのかもしれませんね。
確かに、私はそれを目指しているようです。 (・_・)

そこで今日は、“役に立たない” のおはなし。


                               ☆    ☆    ☆


当然といえば当然なのですが、
世の中、“役に立つもの” がもてはやされています。

・ 賢い資産運用
・ 病気にならない食べ物
・ 時間短縮テクニック
・ 結婚式のスピーチ集
などなど …

いうまでもなく、ありがたいことです。
でも、いささかそちらに偏りすぎてはいないでしょうか。
たとえば …

────────────────
その1 ■ 明日から使えるトリビア
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この番組は好きで見ていたのですが、
司会者の 「明日から使える」 という一言には
ちょっと興醒め(きょうざめ)でした。

そもそも、馬鹿馬鹿しいハナシを楽しんでいるのですから、
それだけでOK。
使えなくたっていいと思うのです。
日本人のマジメな性質(たち)なのでしょうか、
「役に立たなければいけない」 という想いがどこかにあるようです。

─────────────────
その2 ■ モーツァルトで能力開発
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「モーツァルトの素晴らしさは?」 と尋ねると、
「脳の働きがよくなる」 「ストレスが解消する」 「植物が育つ」 …
そんな答しか返ってこない風潮がありませんか?

音楽好きではないけどモーツァルトを聞いている、
という人に多いのでしょうが、
“お役立ち” は、それはそれで良いとして、
なんだか寂しいものがありますよね。

─────────────
その3 ■ 笑える、泣ける
─────────────
「笑える」 「泣ける」 という表現も随分耳にしましたが、
聞いてブキミな感じがしたことはありませんか?

「笑える」 「泣ける」 にもふた通りあります。
(1) 思わず、笑ってしまう、泣いてしまう
(2) 笑うことができる、泣くことができる

このうちの (1) は、無理がなくて自然ですから、いいのです。
ところが、最近は、
(2) の使い方が微妙に浮上してきているような気がします。
それも、ちょっと冷たい感じで。

・ このお笑いネタは、笑うことができるのか?
・ この感動話は、泣くことができるのか?

あるテレビ番組では、それにランク付けをしていました。

まるで、
「この時計は使えるのか? 使えないのか?」 みたいな道具扱いですね。

要は、それだけ人間が笑いや感動に飢えている、ということなのでしょうが、
それにしても、
人の想いを 使える/使えない で分別(ぶんべつ)する様子にはぞっとします。
飢え死にしそうな人が荒野で食べ物を探している、そんな光景が重なります。

…  これは … 食える  …     …     これは …  食え … ない   …


       * * * * * * * * *


いかがでしょうか。
“役に立つ” ばかりがいいとも思えませんね。
それどころか、行き過ぎると、貧相にさえなるようです。

“役に立つもの” と “役に立たない(けど、ためになる)もの” との違いは、
言い換えれば、
“天国に持っていけないもの” と “天国に持っていけるもの” 
との違いだといっていいでしょう。

“役に立つもの” は持っていけませんが、
“役に立たない(けど、ためになるもの)” は持っていけます。

いまは、精神世界(スピリチュアリズム)でさえ
 “天国に持っていけないもの” が幅を利かせているように
私には見えるのですが、
みなさんは、どちらを大切になさいますか?


       * * * * * * * * *


最後に、先日テレビで目にした “至上の演技” をひとつ。

私は、水木しげるさんのデビュー前の様子が知りたくて、
朝の連続ドラマ 『ゲゲゲの女房』 を毎日見ているのですが、
その水木さんがNHKの 『あさイチ』 に
奥様と一緒に生出演されることを知りました。

それで、楽しみにしながら、チャンネルを合わせて待っていたのです。

ところが、ご自宅に入ったカメラの前には、奥様がただひとり。
「水木はまだ寝ております」

しかし、スタジオは大笑い。
そこには明らかに、水木さんが “出演” しておられたのです。

こんなの、誰にも真似できませんね。
ご本人は、ただ寝ておられただけなのでしょうが、
そのインパクトたるや、強烈なものがあります。
若手芸人が100のネタを披露してもかないませんし、
同じように出演せずに寝ていた日には、非難の嵐です。
これは、
長年月かけて醸(かも)された水木さんのキャラクターがあってのこと
に違いありません。

ただただ “役に立たなくて”、
しかし “ユーモラスで” “感動さえする” 光景、
それを見せていただきました。


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