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18歳の立つことができない犬

2008/09/28

18歳の犬が、3日前から立つことが出来ないと来院。開口一番、助かりますか?  まだ、診察をしていません。私の診察は簡単です。あまり、血液を取って検査をしたり、レントゲンを撮ったりしません。耳を触って、身体を触って、温かいかどうかを見ます。温かいということは、心臓が頑張って、血を送っていることになります。足の先の方が、冷たい時は、心臓があまり働いていないことになります。
 この犬は、ものすごく洗い呼吸をしています。肺炎かなと思わせる呼吸の仕方です。

 質問されますから、質問に先に、返事をすることにしました。
立つことが出来ない。これはよほどのことでない限り、座るぐらいのことはしますから、相当悪いです。この呼吸の仕方は、精いっぱい頑張って呼吸をしています。18歳は、十分生きてきた年齢です。
 従いまして、死ぬ方が多いですとお話しました。

耳は、温いので、熱があると思われました。体温計を肛門にさし込み、測りますと、39.0度ありました。少し、熱があることになります。
 熱がありますと、犬は汗をかきませんので、呼吸数を増やして、熱を発散させようとします。
 聴診器を使うことにしました。呼吸をする音が聞こえすぎて、心臓の音が聞き取り難いのですが、どうにか、聞き取れる心音は、雑音もないし、リズムは良いので、心臓は悪くないと判断しました。ただ、立てないときは、心臓が悪い時が多いので、心臓の診断は、お預けです。
 呼吸をするたびに、雑音が聞こえます。肺炎の時の様な音ではなく、肺が大きくなったり、小さくなったりするたびに、どこかに擦れているのではないかと思える音です。こちらも良く判りませんので、お預けです。
 次は、触診です。手で身体を触っていきます。お腹。パンパンに大きくなっています。このようなときは、肥満・腹水が溜まっている・子宮に膿がたまっている。尾中の中にある肝臓や脾臓などが腫れている。腹水の時は、例えば、両手でお腹を支えて置いて、右手で、お腹を押しますと、中の水に力が伝わり、園水の力が、左手に伝わります。しかし、この犬は伝わりません。右の後の足に目を移しますと、足がむくんで倍の太さになっています。
 ああ、これは、心臓は悪くないから、腎臓が悪くて、おしっこが上手く作れないので、お腹に水を貯めたと考えました。あまりにも、ため過ぎて、貯める余地が無いので、脚の皮下に貯めている状態であると判断しました。

お腹に太い針を刺して、復水を抜きました。血を抜いたかと思えるほどの、腹水が出てきました。全部抜いたり、急速に抜きますと、抜いている最中に死ぬことがありますから、体重の一割ほどの700ccを抜いた所で中止にしました。
この水が、胸の方を圧迫していましたから、呼吸が出来なくて、精一杯呼吸をしていたことになります。しばらくすると、呼吸は楽になりました。

 次の日に、もう一度来て貰いました。犬は楽になって、歩くことが出来るようになりました。食欲も出ました。足のむくみも、残ってはいますが、随分改善されていました。
 しかし、足のむくみは、診断間違いをしていました。
前日は、立つことができませんので、右足だけを診ていましたが、左もむくんでいると思っていました。次の日は、立つているのでみましたら、むくんではいますが、右足ほどではありませんでした。そこで、右足を良く見ますと、先の方は、それほどむくんでいません。腹水が進行した時に、足がむくむのですが、その時は、ある部分から先が全部、腫れるのですが、少し違いました。
 前日に、ロープが足に巻きついていたそうです。
 診察は丁寧にしないといけない見本です。

私の診察は、短時間で行いましたが、飼い主さんは、病気に関して、素人でも、毎日、よく観察しておられますと、もっと、早く異常を発見出来ると思います。
 上にかきました要領で、チェックして貰いますと、発見し易くなります。

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創刊日:2008-09-24  
最終発行日:  
発行周期:一週間に一回   
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