政治・経済

治統(ちとう)メールマガジン

日本初の総合的ロビーファーム・LSJ ロビーコーポレーション、チーフロビイスト岸田治子によるコラムです。日本では希少な国家間の折衝、紛争解決に携わる「国際ロビイスト」(政策活動の専門家)の観点から、最新の国際情勢と養成予報を誰にでもわかる易しい言葉で解説します。

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【LSJメールマガジン】ロビイストの国際情勢予報第18号

2008/12/03


     ◆◇◆◇「中東マネーと日本」◇◆◇◆

一昨日の12月1日(月)、NHKの『クローズアップ現代』にて「“中東マネー”
を獲得せよ〜日本の新戦略〜」を偶然観たが、その中に私の見知った顔、
例えばバーレーン王国のハリール・ビン・イブラヒム・ハッサン大使閣下
と夫人、またカタールのリヤド・アル・アンサーリ大使閣下などをお見受
けし、不思議な感じがした。

番組内容は、世界的金融危機以降、日本企業も欧米企業も投資に消極的に
なり、替わって莫大なオイルマネーを有する中東が日本で脚光を浴び、中
東マネーの獲得に企業が奮闘するというものだった。番組中に千代田区の
医療関係の某企業が研究費用に必要な2億円を調達するチャンスが訪れ、
そしてバーレーン大使閣下と夫人がその会社を訪問するというシーンが公
開されたが、それはバーレーンにとってどのように為になるのかが不明確
だったため、入手が困難という形で終わった。

融資を受ける側としては、融資する側としてどのような利益があるのかは
っきりしなければならない。特にハッサン閣下は本国では保健大臣だった
経歴もあり、またご夫妻とも医師でもあったので、医療関係の開発にはと
てもご理解を示していらっしゃった。しかし、本当にとても聡明で感覚の
鋭いハッサン閣下を千代田区の会社が説得できなかったのはとても残念で
あった。

千代田区の会社の詳細は分からないが、今回のハッサン閣下の説得に至ら
なかった要因は、研究内容の問題というよりは、会社側のバーレーンへの
言語・文化・国交、また国際情勢やバーレーン国内の最低限の知識が欠如
し、うまくアピールできなかったことにあると思う。どんなに素晴らしい
アイデアと才能を持っていても、相手に伝わらなければ宝の持ち腐れであ
る。

番組のスタジオに登場した中東情勢に詳しい専門家の話では、日本の多く
の中小企業などは(私としては多くの大企業も含まれると思うが)、中東
への人脈のパイプがないのではないのかとのことだった。また、その専門
家は日本産業への投資の為に、中東の為のファウンドの設立を提案し、予
想される効果の高さを示唆していた。

確かにその通りだとは思うが、私はいつもこの様に言うが、言葉にするこ
とと、実際に行動に移すこととは全く別のことである。よって、「こうす
べきだ」「ああすべきだ」「これが問題だ」と嘆いているのでは何もしな
いのとはなんら変わらない。批判するだけでは世の中は改善しないのであ
る。

弊社は現在、ある巨大なエネルギー関係のプロジェクトに携わっている。
このプロジェクトは多くの国々が関わり、またアイデアは6年前からあっ
たそうであるが、このアイデアを具体化するに至らず、そしてこの夏に弊
社が相談を受けた。これは単なるエネルギープロジェクトにはとどまらず、
国家レベルにて政治・外交、そして今後の国家関係の強化にも繋がるもの
である。

アメリカのロビイストに代表されるように、ロビーというと黒いロビー、
或いは金と権力といったイメージを持つ方も多いかもしれないが、しかし、
プラスの方向に大きな力を持つのもロビーである。この力を社会の貢献の
ために使うべきだと強く感じる。この力を使い、このプロジェクトが中東
諸国と日本の関係の曙となることを願って止まない。

このプロジェクトを通し、弊社は中東各国の大使閣下などとお会いするこ
とも増え、まだまだ勉強不足ではあるが、『クローズアップ現代』で示唆
された課題、どのように中東に関わるのか、これに対する答えを弊社は独
自に出しつつある。

弊社だけでできることは限られるので、諸先輩方や専門家の先生、よりご
資料や助けを頂き、また手も携え、また官僚の皆様も政治家の皆様も手を
携えて日本と中東諸国との新しい関係性の1頁を開きたい。

余談だが、例の千代田区の会社の場に、私がいれば恐らく違う結果を得ら
れていたのではないだろうか。おこがましくはあるが、それを思うと残念
でならない。

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創刊日:2008-06-18  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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