小説

深読み・斜め読み/イーザウ文学解体マガジン

ドイツのベストセラーファンタジー作家ラルフ・イーザウ。



日本では『ネシャン・サーガ』(あすなろ書房)、『暁の円卓』(長崎出版)などが



有名ですが、彼の作品世界は、これからもはてしなく広がっていきます。



イーザウのはてしない宇宙を遊泳する道しるべとして、このメールマガジンをご愛読



ください。

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深読み・斜め読み/イーザウ文学解体マガジンvol.1 2008/06/06

2008/06/06

ドイツのベストセラーファンタジー作家ラルフ・イーザウ。
日本では『ネシャン・サーガ』(あすなろ書房)、『暁の円卓』(長崎出版)などが
有名ですが、彼の作品世界は、これからもはてしなく広がっていきます。
イーザウのはてしない宇宙を遊泳する道しるべとして、このメールマガジンをご愛読
ください。
(ドイツ文学者・翻訳家 酒寄進一)
 
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ラルフ・イーザウ公認サイト
秘密の図書館〜イーザウのはてしない宇宙
http://isau.jp
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  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
    
    1 ラルフ・イーザウ大解説
       進化=深化する作家ラルフ・イーザウ その1
               〜『ネシャン・サーガ』から『ミラート年代記』へ〜
 
    2 おすすめコラム
      聖書から紐解くラルフ・イーザウ 
      〜新約聖書の四福音書〜
      
  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
 

――── 1 ラルフ・イーザウ大解説  ───────────────
                                   
   進化=深化する作家ラルフ・イーザウ その1           
    〜『ネシャン・サーガ』から『ミラート年代記』へ〜        
―───────────────────────────────―――
 
「イーザウさんは進化する作家ね」というのは、『ミラート年代記1』のイラストを
描き終えたばかりの佐竹美保の感想。
『ミラート年代記』三部作がドイツで世に問われたのは2005年。
出世作『ネシャン・サーガ』が出版されてからちょうど10年目だ。両方を読み比べて、
進化の跡をたどるのも一興だろう。
といっても、『ネシャン・サーガ』の世界観が古びていると思ったらおおまちがい。
じつは当初から、ネシャン世界を創ったメレヒ=アレスがさらに五つの世界を創った
というアイデアができあがっていて、ミラート世界もそのひとつなのだ。
双子の主人公エルギルとトウィクスは、夢の兄弟ヨナタンとジョナサンの進化形だし、
双子が覚醒させるシリリムの力「通力」は、杖ハシェベトを通じてヨナタンとジョナ
サンが獲得する力「コアハ」をより深化させている。
双子は通力で時空を越える力を手にするが、かといって勝手気ままに使えない事情が
ある。そこが、神から授けられ、自分自身の力でない「コアハ」と似ている。力を行
使するときの、微妙なさじ加減、そこにイーザウが一貫して訴えたいなにかがあるよ
うだ。
 
●『ミラート年代記1』無料立ち読みはこちら
http://isau.jp/library1/
●『ネシャン・サーガ』についてはこちら
http://isau.jp/asunaro/no1.html
●「メレヒ=アヒス」「コアハ」の用語解説についてはこちら
http://www.wako.ac.jp/~michael/wiki/index.php
(Front Page→幻想の20世紀データベース→ネシャン・サーガ)
 

―──― 2 おすすめコラム ────────────────────
                                  
   聖書から紐解くラルフ・イーザウ                       
    〜新約聖書の四福音書〜                
――───────────────────────────────――
 
「人間」と「鷲」と「獅子」と「雄牛」は新約聖書の四福音書の象徴である。
 
マタイによる福音書=人間
マルコによる福音書=獅子
ルカによる福音書=雄牛
ヨハネによる福音書=鷲
 
それぞれ、キリストが人間になったこと、すべての王であること、献げ物をする司祭
であると同時にみずから献げ物になったこと、高みからすべてを見通していることを
意味するといわれている。
またこの四つの生き物は、エゼキエルの預言にあらわれている。
(旧約聖書エゼキエル書第1章第10節を参照)
 
この四つの象徴は、『ネシャン・サーガ』三部作に登場する裁き司の職権をしめす杖
「ハシェベト」にも表れている。それには、イェーヴォーの力「コアハ」を生み出し、
裁き司に超自然的な能力を与える。杖には古代文字で裁き司の名前がきざまれている。
「暖かい赤みを帯びた木でできていて、柄は純金のように輝き、人間と鷲と獅子と雄
牛の四つの顔がかたどってあり、金具で本体に固定してある」
(『ネシャン・サーガ1』より)
 
●『ネシャン・サーガ』についてはこちら
http://isau.jp/asunaro/no1.html
●ハシェベトの画像はこちら
http://www.isau.de/werk/images/haschevet.gif
 

【ラルフ・イーザウ】
1956年ベルリン生まれ。コンピュータ・プログラミングの仕事のかたわらファンタジー
小説を書きはじめ、作品がミヒャエル・エンデの目にとまり、作家デビュー。1997年、
『盗まれた記憶の博物館』(あすなろ書房)で、ドイツ児童書界で権威あるブックス
テフーダー雄牛賞を受賞。
おもな著書に『ネシャン・サーガ』シリーズ(あすなろ書房)、
『暁の円卓』『ラルフ・イーザウの宇宙』(長崎出版)、
『ファンタージエン 秘密の図書館』(ソフトバンククリエイティブ)などがある。
 
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ラルフ・イーザウの公式サイト(独・英・日)
http://www.isau.de/
ラルフ・イーザウ公認サイト「イーザウの宇宙」
http://members.jcom.home.ne.jp/grand-blue/
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【酒寄進一(さかより・しんいち)】
1958年生まれ。上智大学、ケルン大学、ミュンスター大学に学び、新潟大学講師を経
て、現在、和光大学表現学部教授。児童文学を中心に、現代ドイツ文学の研究紹介を
おこなっている。おもな訳書にラルフ・イーザウの諸作品、
『ベルリン』三部作(理論社)、『黒い兄弟』(あすなろ書房)、
『影の縫製機』『三文オペラ』(長崎出版)などがある。
 
●酒寄研究室
http://www.wako.ac.jp/~michael/wiki/index.php?FrontPage
 

◇◆◇編集後記
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イーザウの作品が日本ではじめて紹介されてから9年になります。タイトル数も30を
越えようとしています。熱心なファンの皆さんの応援なくしてはできなかったこと
です。このたび皆さんへの感謝の気持ちを込めて、立ち読みコーナーつきの新たな
公認サイトを立ち上げました。サイト名はドイツ語にすると
Ralf Isaus Geheime Bibliothek。イニシャルはRIGB「リグビー」。ぜひ「リグビー
見た?」を合い言葉にイーザウの宇宙を楽しんでください。(酒寄進一)
 

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創刊日:2008-06-04  
最終発行日:  
発行周期:しばらく休刊  
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