ジャーナリズム

ゲンさんの新聞業界裏話

新聞拡張員ゲンさんが、悪質な勧誘員から身を守る方法、営業理念や人生勉強に役立つ情報、新聞業界の裏話などを語りかけます。全編関西弁で語られているゲンさんの軽妙で面白く、含蓄の深い世界をお楽しみください。


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第540回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■報道の危機……その14 現日本相撲協会側に荷担した新聞報道の愚行

2018/10/12

■報道の危機……その14 現日本相撲協会側に荷担した新聞報道の愚行


新聞は現在、末期的症状を呈しつつある。

これは年々、百万部単位で部数が減少しているとか、実質的な新聞購読率が7
0%台に落ち込んでいるといった点を指して言うてるのやない。

もちろん、それらの事実に目を背けるつもりはないが、それを以て『末期的症
状を呈しつつある』とまでは言わん。せいぜいが厳しくなりつつあるといった
程度や。

どのような状況に置かれようと、ピンチになろうと、やり方次第では十分、挽
回の余地はある。挽回とまではいかなくても生き残る術なら無数にある。

少なくともワシらは、そう信じてこのメルマガ誌上で具体的な方策を数多く示
し、提言してきたつもりや。

今後も、それに変わりはないが、ワシらでは、どうにもできん問題がある。

それは、新聞の報道姿勢というものや。

日本新聞協会が宣言する『新聞倫理要領』には、

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 国民の「知る権利」は民主主義社会をささえる普遍の原理である。この権利
は、言論・表現の自由のもと、高い倫理意識を備え、あらゆる権力から独立し
たメディアが存在して初めて保障される。新聞はそれにもっともふさわしい担
い手であり続けたい。

 おびただしい量の情報が飛びかう社会では、なにが真実か、どれを選ぶべき
か、的確で迅速な判断が強く求められている。新聞の責務は、正確で公正な記
事と責任ある論評によってこうした要望にこたえ、公共的、文化的使命を果た
すことである。
   
 編集、制作、広告、販売などすべての新聞人は、その責務をまっとうするた
め、また読者との信頼関係をゆるぎないものにするため、言論・表現の自由を
守り抜くと同時に、自らを厳しく律し、品格を重んじなければならない。

自由と責任

 表現の自由は人間の基本的権利であり、新聞は報道・論評の完全な自由を有
する。それだけに行使にあたっては重い責任を自覚し、公共の利益を害するこ
とのないよう、十分に配慮しなければならない。

正確と公正

 新聞は歴史の記録者であり、記者の任務は真実の追究である。報道は正確か
つ公正でなければならず、記者個人の立場や信条に左右されてはならない。論
評は世におもねらず、所信を貫くべきである。

独立と寛容

 新聞は公正な言論のために独立を確保する。あらゆる勢力からの干渉を排す
るとともに、利用されないよう自戒しなければならない。他方、新聞は、自ら
と異なる意見であっても、正確・公正で責任ある言論には、すすんで紙面を提
供する。

人権の尊重

 新聞は人間の尊厳に最高の敬意を払い、個人の名誉を重んじプライバシーに
配慮する。報道を誤ったときはすみやかに訂正し、正当な理由もなく相手の名
誉を傷つけたと判断したときは、反論の機会を提供するなど、適切な措置を講
じる。

品格と節度

 公共的、文化的使命を果たすべき新聞は、いつでも、どこでも、だれもが、
等しく読めるものでなければならない。記事、広告とも表現には品格を保つこ
とが必要である。また、販売にあたっては節度と良識をもって人びとと接すべ
きである。

……………………………………………………………………………………………

とある。

新聞業界人として誇れる実に立派な宣言である。この姿勢がある限り、新聞は
永久に不滅だと信じられる。

今は低迷していても、この姿勢を続けていけば、いつかは多くの人に支持され
る時が来ると。

しかし、これが、ある特定の人物に関する報道になると、途端に怪しくなる。

それについては、去年、2017年12月27日に発行した『第499回 ゲ
ンさんの新聞業界裏話 ■報道の危機……その9 日本相撲記者クラブ報道の
大罪』(注1.巻末参考ページ参照)の中でも詳しく話したが、貴乃花親方に
関する新聞報道の数々である。

ちなみに、その回の話をすることになったキッカケは、複数の読者からの投稿
やった。

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ゲンさん、ハカセさん、こんばんは。

いつもメルマガを楽しく拝見しています。

今日は新聞報道についてお訪ねしたいことがあってメールしました。

私は大の相撲好きで毎場所欠かさずテレビで観戦していますし、本場所へも何
度も足を運びました。

相撲に関する新聞記事見たさにY新聞とスポーツHを購読しているのですが、
ここ最近の横綱日馬富士の平幕、貴ノ岩への暴行事件の新聞報道には辟易して
います。

相撲協会に忖度した新聞記事が目立ち、被害者側の貴ノ岩や貴乃花親方が悪者
扱いされていることに憤りを感じます。

どんな理由があるにせよ暴力をふるい怪我をさせた人間が一番悪いはずです。
それにもかかわらず、なぜ被害者側が叩かれなくてはならないのでしょうか?

こんな新聞記事ばかりが続くのなら新聞の購読を止めようとさえ考えています。

どうか、お二人のご意見をお聞かせください。

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ご無沙汰しています。

単刀直入に質問しますが、このところ毎日のように大相撲の暴行事件が新聞や
テレビで報じられていることについて、ゲンさんは、どう思われますか?

私は、相撲協会寄りの憶測記事や報道ばかりが多くて納得できません。特に相
撲クラブ会友とかいう人たちの主張は、あまりにもおかしすぎます。

この点について、ゲンさんは、どう思われますか?

ぜひ教えてください。

……………………………………………………………………………………………

いつもメルマガを読んでいます。

今日は、横綱日馬富士の暴行問題について教えてほしくてメールしました。

新聞やテレビでは貴乃花に批判的な意見ばかり目立ち、世論をその方向に誘導
しようしているとしか思えませんが、実際のところは、どうなんでしょうか?

新聞やテレビでの報道に嫌悪感を抱いて、新聞離れ、テレビ離れが、今よりも
っと進行するのではないでしょうか?

是非、この問題をメルマガで取り上げてください。お願いします。

……………………………………………………………………………………………

と。

その時、ワシは、

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はっきり言うて、新聞、およびスポーツ紙の大半は、この事件が発覚した当初、
日本相撲協会の言い分ばかりを紙面に掲載していて、世論をその内容に沿った
ものに誘導しようとしていたのは、その後、発覚した様々な状況、証拠から考
えて、まず間違いないものと思われる。

事件当初の日本相撲協会の言い分とは、「貴ノ岩の怪我は大したことはない」、
「横綱に殴られた貴ノ岩にも責任がある」、「巡業部長である貴乃花親方が事
件の報告義務を怠っていた」、「理事としての対応が悪い」、「組織人として
なっていない」といったような内容のものばかりやった。

それは新聞紙面報道だけではなく、日本相撲記者クラブ会友に所属していると
いう記者やコメンテーターと称する人たちが、テレビなどで、揃って同じよう
な主張を繰り返していた。

一昔前、まだネットが普及していなかった頃なら、相撲協会寄りの新聞報道や
コメンテーターの主張も信用され信じる人が多かったやろうが、今は違う。

日本相撲協会の言い分ばかりを紙面に掲載し、テレビで発言することで、却っ
て日本相撲協会や新聞社の信用を落とす結果になっている。

ネットでは「日本相撲協会の言い分」の方がおかしいという論調の方が圧倒的
に多い。ヤフコメあたりの掲示板サイトでは9対1、もしくはそれ以上の割合
で日本相撲協会や新聞報道に対する批判的なコメントが、どの記事にも数多く
並んでいる。

つまり、一般読者の多くは、おかしな主張に誘導されて信じるほど愚かではな
いということやな。

自分自身に何の利害関係もないことであれば、人は客観的かつ的確に本質を見
抜くことができる。逆に利害関係が濃厚な人間は、どうしてもその組織の肩を
持つようになる。

日本相撲協会と相撲記者クラブとの関係が、まさにそれやと思う。それが世間
に透けて見えている。

ワシらのもとに届けられている読者の方からのメールにも、日本相撲協会の言
い分に理解を示す人は、今のところ皆無や。

それは、勧誘時にも言えることで、訪問先の客とこの問題で雑談を交わすこと
が最近増えているのやが、殆どの人が日本相撲協会および日本相撲協会寄りの
新聞報道、テレビでのコメントには否定的やさかいな。

そういう人たちから「こんな日本相撲協会寄りの新聞など読みたくないので止
めたい」と言われることも珍しくない。

しかも、それは、どちらかと言うと昔からの相撲ファンである高齢者の方から、
そう言われることが多い。これは、ある意味、新聞にとっては危機的な状況だ
と言える。

新聞読者層が最も多いのは、その高齢者層で、その人たちに、そっぽを向かれ
たら新聞は終いや。救いがなくなる。

過去、どれだけ新聞社が不祥事を起こそうが、誤報や捏造記事を載せようが、
高齢者の方々が「こんな新聞ならいらない。止めたい」と言ったことなどなか
った。

それが、今回に限っては、その高齢読者の方々に見捨てられようとしているわ
けや。これは新聞にとって、かつてない最大の危機やないかと危惧している。

……………………………………………………………………………………………

と言うたが、その思いは今も大差ない。

そして、それは、その当時、メールを送って来られた読者の方も同じやった。

その方から送られてきた最近のメールを紹介する。

……………………………………………………………………………………………

ゲンさん、ハカセさん、こんばんは。

以前、私のような者の意見を取り上げていただき、ありがとうございました。

ついに貴乃花親方が引退してしまいましたね。本人にとっては、その方が良か
ったのではないかと個人的には思っていますが、相撲協会に追い出されるよう
な形になったのは釈然としません。

去年の騒動で、私は相撲協会の理事たちに必ず鉄槌が下るだろうと信じていま
したのに残念でなりません。

私は現在、Y新聞の購読を止めてから、どの新聞も購読していませんが、いつ
か相撲協会を正面切って批判する新聞が現れないものでしょうかね。

ゲンさんとハカセさんに質問ですが、その可能性はあると思われますか?

いつでもいいので、ご意見をお聞かせください。

……………………………………………………………………………………………

この方が『Y新聞の購読を止め』たと言われておられるのは、『第502回 
ゲンさんの新聞業界裏話 ■報道の危機……その10 日本相撲協会と特定の
新聞社との癒着について』(注2.巻末参考ページ参照)で、

日本相撲協会とY新聞との癒着が強いという話をしたからやと思うが、それは
事実に基づいて話したことやから、それを見られた読者が、どう判断されたと
しても仕方のないことやと考える。 

『いつか相撲協会を正面切って批判する新聞が現れないものでしょうかね』と
いうのは、『相撲記者クラブ』に加盟している新聞社では、脱退でもしない限
り『相撲協会を正面切って批判する新聞』など現れんやろうと思う。

現在、日本の大手と言われる大半の新聞社は『記者クラブ』に固執しているよ
うなところがあるさかい、それを期待するのは現時点では無理やないのかと思
う。

『記者クラブ』に加盟していないのは週刊誌くらいなもので、それなら『相撲
協会を正面切って批判』しているところは複数あるがな。

どうしても『相撲協会を正面切って批判』している記事を読みたいのなら、そ
の手の週刊誌を買って読まれるしか今のところないやろうと思う。

去年の11月頃から、日本相撲協会と貴乃花親方の壮絶なバトルが本格的に展
開され、結果として、貴乃花親方は理事を解任され、理事選挙にも落選した。

それでも貴乃花親方は、怯まず、内閣府に告発状を提出するが、その直後、弟
子の貴公俊による付け人への暴力沙汰が発覚し、責任を感じた貴乃花親方は告
発状を取り下げざるを得なくなってしまった。

そして、ついには平の親方にまで降格し、「一兵卒として一から出直す」と宣
言するに至る。

その後は、日本相撲協会の命令、指示に唯諾々と従い従順な姿勢を示して来た。

日本相撲協会側はそれでも攻撃の手を緩めず、告発状の内容は事実無根であっ
たと認めるよう、貴乃花に圧力をかけ続けたという。

さらに日本相撲協会側は、あからさまに貴乃花親方を排除、もしくはその牙を
抜くため、ある決定を秘密裏に行った。

今年の6月、貴乃花は「一兵卒として一から出直す」と宣言していた手前もあ
り、自らの名前を冠した一門を解散し、無所属の親方になるが、7月の理事会
で、全親方は角内にある5つの一門のうち、いずれかに必ず所属しなければな
らないと、何の通知もなく一方的に決めた。

これは、明らかに貴乃花親方を排除する、あるいは、どこかの一門の傘下に組
み込み骨抜きにするためのものだというのは誰にでも分かることや。

そして、ある協会側の理事から「その決定に従わなければ協会員の資格を失う」
と聞かされたことで、貴乃花親方は部屋を畳み、引退する決意を固め、9月2
5日、引退会見を開くに至った。

……………………………………………………………………………………………

https://dot.asahi.com/dot/2018092500097.html?page=1    より引用

貴乃花親方の引退会見 全文【前編】「告発状の事実無根認めず、一門に所属
できなかったら廃業と言われた」


 貴乃花親方(46=元横綱)が25日夕方、日本相撲協会に退職届を出した後、
東京都港区の弁護士事務所内で会見を開き、「貴乃花光司は、年寄を引退する
という届けを提出いたしました」と語った。

 冒頭に代理人弁護士が状況を説明した。

「本日午後1時、公益財団法人日本相撲協会に対し、年寄貴乃花の代理人として、
年寄を引退する旨の引退届を提出し、併せて貴乃花部屋に所属する力士、床山、
世話人全員の代理人として全員が千賀ノ浦部屋に所属先変更願を提出いたしま
したことをご報告させていただきます。本日のご案内は退職届と記載しました
が、正式に提出した書類は引退届でございます。分かりやすい表現で退職届と
させていただきました。以上ご報告とさせていただきます」

 続いて貴乃花親方が引退に至る経緯を報告した。以下はその全文。


 私、貴乃花光司は本日、公益財団法人日本相撲協会に年寄を引退する旨の届
けを提出いたしました。引退の理由は次の通りです。

 本年、3月9日、私は貴ノ岩への傷害事件に対する日本相撲協会の対応につい
て、真実を隠さず追求したいという気持ちで内閣府公益認定等委員会に告発状
を提出いたしました。

 その後、私の弟子の不行き届きもあり、3月28日付けで告発状を取り下げまし
たが、告発状の内容には何ら真実に反する点はありませんでした。

 その後、私は先般、受けました、降格処分を真摯に受け止め、ゼロからスタ
ートさせていただき、部屋に所属する力士に対する指導、監督及び審判として
の業務に粛々と従事してまいりました。

 しかし、本年8月7日、日本相撲協会より協会が依頼された外部の弁護士の見
解を踏まえたとされる書面が届きました。

 その書面では<告発状は事実無根な理由に基づいてなされたもの>と結論付
けられておりました。

 それに対して、私は書面で<告発状の内容は事実無根ではないこと>をご説
明してまいりましたが、その後告発状の内容が事実無根な理由に基づいてなさ
れたものであることを認めないと親方を廃業せざるを得ないという有形無形の
要請を受け続けてまいりました。

 さらに今般、日本相撲協会理事会において、すべての親方は一門のいずれか
に所属しなければならず、一門に所属しない親方は部屋を持つことができない
という決定がなされたとのことですが、同時に私はいずれかの一門に入るため
の条件として、告発の内容は事実無根な理由に基づいてなされたものであると
認めるようにとの要請を受け続けておりました。

しかしながら、内閣府公益認定等委員会に提出した告発状は事実無根な理由に
基づくものではございません。真実を曲げて告発は事実無根であると認めるこ
とは私にはできません。

 一方で、このままでは私はどの一門にも属することはできません。これでは
貴乃花部屋に属する力士は相撲を続けることが困難になり、安心して鍛錬・精
進することができません。

 このような状況において、断腸の思いではありますが、貴乃花部屋に所属し
ております力士、床山、及び世話人は全員継承者である千賀ノ浦部屋に所属先
を変更させていただき、私貴乃花光司は年寄を引退させていただくことが最善
の道であると苦渋の決断をするに至った次第です。

 皆様方におかれましては、私の弟子たちに変わらぬご厚情、ご声援をいただ
きますよう、師匠として最後のお願いを申し上げるものでございます。

……………………………………………………………………………………………

その後、記者との質疑応答が延々と続く。ここで、そのすべてを示すのは無理
なので興味のある方は、引用したページを見て頂きたいと思う。

日本相撲協会は、「告発状の内容が事実無根な理由に基づいてなされたもので
あることを認めないと親方を廃業せざるを得ないという有形無形の要請を受け
続けてまいりました」という貴乃花親方の言い分を否定しているが、ワシには
本当のことを言うているようにしか聞こえない。

これは、おそらく多くの人が感じておられることやないかと思う。

貴乃花親方には、多少融通の利かない面はあるが、「ない」ことを「ある」と
言って嘘をつくような人物ではない。

対して、現日本相撲協会側は、その場凌ぎの嘘と欺瞞、ごまかしの多い連中ば
かりや。これもワシらだけやなく、多くの人が感じておられることやと思う。

そうなると、貴乃花親方の言い分を信じるしかないという結論になる。

もっとも、貴乃花親方の言い分を証明しろとなったら、日本相撲協会側が否定
している以上、「言った」「言わない」の水掛論になるさかい、それこそ録音
や録画のようなものでも残ってない限り難しいやろうが、そんな証拠はワシら
には必要ない。

心証さえあれば、それでええ。要は、どちらの言い分に真実味があり信じるこ
とができそうか、否か。それで十分判断できる。

その結論が、貴乃花親方の言い分を信じるしかないということや。

とはいえ、貴乃花親方の言い分が正しいと感じたとしても日本相撲協会側を糾
弾するつもりは、さらさらないがな。

ワシらが、ここで問題にしたいのは、貴乃花親方の言い分を否定、もしくは、
ただの勘違いで済まそうとした日本相撲協会側を擁護し続ける新聞の報道姿勢
に対してや。

その根底には、間違った報道をしてくれるなという思いが強い。

日本相撲協会側を擁護し続ける新聞の報道姿勢は、日本新聞協会が宣言する
『新聞倫理要領』に、ことごとく反していると感じるさかいな。

『新聞倫理要領』には『新聞の責務は、正確で公正な記事と責任ある論評によ
ってこうした要望にこたえ、公共的、文化的使命を果たすこと』、『読者との
信頼関係をゆるぎないものにするため、言論・表現の自由を守り抜く』と謳っ
てはいるが、現実は、そうはなっていない。

そう言えるのは『記者クラブ』があるからや。新聞各社は、あらゆる公的機関、
組織に『記者クラブ』を設置していて、情報を得るため、それらの公的機関、
組織に忖度した記事を垂れ流しているのが実状やと思う。

特に『相撲記者クラブ』というのが群を抜いて酷い。

『新聞倫理要領』で『新聞は公正な言論のために独立を確保する。あらゆる勢
力からの干渉を排するとともに、利用されないよう自戒しなければならない』
と明記しているのが哀しくなるほどに見事なくらい、『相撲記者クラブ』は日
本新聞協会側に立った報道ばかりに終始している。

その根拠、理由ならいくらでもある。

『貴ノ岩への傷害事件に対する日本相撲協会の不適切な対応や事実の隠蔽』、
『告発状の内容が事実無根な理由に基づいてなされたものであることを認めな
いと親方を廃業せざるを得ない』、

『7月の理事会で、全親方は角内にある5つの一門のうち、いずれかに必ず所
属しなければならないと、何の通知もなく一方的に決めた』といった事実を新
聞各社の『相撲記者クラブ』の記者たちを介して知っていながら、それらの事
実が発覚するまで、ただの1行も報じていなかったというのが、それや。

まあ、公の言い分としては「知らなかった」、「知らされていなかった」とで
もするつもりなのやろうが、それは通らない。

新聞社の多くが相撲記者クラブに加盟していて、所属の記者個人も理事や役員、
親方たちと日頃から懇意にしているさかい、彼らへの取材が自由にできる立場
にあり、日本相撲協会内で起きていることを知らんはずがないからや。

『第499回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■報道の危機……その9 
日本相撲記者クラブ報道の大罪』(注1.巻末参考ページ参照)の中で、

……………………………………………………………………………………………

相撲記者クラブに与えられた権益にしがみついて日本相撲協会に忖度した記事
ばかりを掲載し続けるようやと、本当に新聞は終わってしまう。

そうならんように、忖度抜きで多くの人が正しいと思える新聞記事を書いて欲
しいと思う。そうした新聞だけが生き残れるはずやさかいな。

……………………………………………………………………………………………

と言うて警告したつもりやったが、何の効果もなかったようや。

いみじくも「週間文春」、「週間新潮」といった相撲記者クラブに加入してい
ないメディアだけが真実に近い報道を続けているように思う。

ちなみに、新聞報道になかった事実が公になっているのは大半が、この両誌の
報道からやしな。

そのためか、どうかは分からんが、その問題に関して報道している両誌の売り
上げはかなり好調やと聞く。

以前、『日本相撲協会寄りの新聞など読みたくないので止めたい』と言われる
相撲ファンが多いという話をしたことがあるが、それが現在、さらに進行して
いる。

その怖さに気づいている新聞社は、今のところ皆無と言うてもええやろうと思
う。

昔からの相撲ファンには高齢者の方が多い。相撲も新聞と同様、どちらかと言
えば高齢者層のファンに支えられていると言っても過言やない。

新聞の読者層が最も多いのは、その高齢者層で、今回の件でその人たちに、そ
っぽを向かれ始めている。

この現象が起き始めたのが去年の今頃からやったから、まだその確かな数字は
表れていないが、この1年間で、相当数の高齢読者が離れていった可能性が高
い。

新聞読者の7割近くを占めると言われている高齢者が離れていったら新聞は終
いや。救いがなくなる。

過去、どれだけ新聞社が不祥事を起こそうが、誤報や捏造記事を載せようが、
高齢者の方々が「こんな新聞ならいらない。止めたい」と言ったことなどなか
った。

それが、今回の騒動に限っては、その高齢読者の方々に見捨てられようとして
いるのである。これは新聞にとって、かつてない最大の危機やないかと思う。

不世出の大横綱で、過去最高の人気者やった貴乃花親方を追い出すような形に
なった大相撲の人気が下落するのは仕方がない。

おそらく、近い将来、観客動員数は激減するはずや。閑古鳥が鳴く事態になる
かも知れない。

力士になりたいという子供たちも今以上に減るやろうし、何より、暴力行為に
寛大な処罰しかせず、隠蔽工作ばかりしていたと分かった日本相撲協会、相撲
部屋に我が子を預けたいと考える親御さんたちも今よりかは確実に減るやろう
しな。

さらに言えば、プロの競技者としての稼ぎも他のプロ野球選手、プロサッカー
選手、プロテニス選手と比べて格段に落ちるとなれば、昔ほど魅力のある職業
ではなくなっているということもある。

子供にとって格好良さというのは重要な要素を占める。どう見ても褌一丁の裸
同然で戦う姿というのは格好良さからは、遠くかけ離れているさかいな。

ワシらの子供の頃は、どんな小学校にも屋根付きの土俵があって、ほぼすべて
の子供が相撲していたもんやが、今は、そんな土俵もなければ相撲をして遊ん
でいる子供すら見かけることはない。

その人気のなさ、なり手のなさを外国人力士で補おうとしているのが現状やと
思うが、それで果たして日本の国技と、これからも言えるのやろうかと思う。

まあ、それに関しては日本相撲協会の考える問題やから、ワシにはどうでもえ
えことやが、そんな落ち目になりつつある日本相撲協会と共倒れになろうとし
ている新聞各社を憂いずにはいられないという気にはなる。

『相撲記者クラブ』を権益と捉えている新聞社は未だに多いようやが、忖度す
ることで、今後、どれほどの損益が生じるかも知れないという点を、もっと真
剣に考えた方がええのやないかと思う。

本来なら、ワシらの知り得ている日本相撲協会の悪質性をもっと話して糾弾す
べきなのかも知れんが、相撲の行く末を考えると、とてもそんな気にはなれん。

黙っていても衰退への道をひた走るのは歴然としているからや。

ワシらは、例えどんな悪人でも弱って倒れかけている者を、さらに叩きのめす
ような真似はしたくない。

もっとも、当人たちは自分たちが、そんな立場に立っているとは思わないし、
認めもせんやろうがな。

今後、貴乃花親方が政界に進出するだの暴露本を書くだのといっ憶測が新聞報
道を通じて巷に流れているが、それはご本人の問題で傍がとやかく言う必要の
ないことやと思う。

まあ、これなんかも日本相撲協会に仇なす可能性があるからネガティブに報道
することで、忖度しているつもりなのか、あるいはそう書くよう頼まれたのは
知らんがな。

いずれにしても、そんな記事を載せるだけで新聞としての品位が問われる。そ
んな憶測記事こそ、週刊誌や夕刊タブロイド紙に任せたらええのやないかと思
う。

『新聞の責務は、正確で公正な記事』と『新聞倫理要領』にもあるとおり、真
実だけを報道して、なるべくなら憶測記事は載せん方がええと言うとく。

貴乃花親方に対してネガティブな記事であればあるほど、新聞にとってマイナ
スに作用する可能性の方が高いから、そんな報道は百害あって一利なしにしか
ならんさかいな。



参考ページ

注1.第499回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■報道の危機……その9 日本
相撲記者クラブ報道の大罪』
https://archives.mag2.com/0000265583/20171229081455000.html

注2.第502回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■報道の危機……その10 日
本相撲協会と特定の新聞社との癒着について』
https://archives.mag2.com/0000265583/20180119084027000.html

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しばらくの間、このコーナーは休止とさせて頂きます。


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Mail  hakase@siren.ocn.ne.jp 管理人 ハカセ

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創刊日:2008-05-25  
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