ジャーナリズム

ゲンさんの新聞業界裏話

新聞拡張員ゲンさんが、悪質な勧誘員から身を守る方法、営業理念や人生勉強に役立つ情報、新聞業界の裏話などを語りかけます。全編関西弁で語られているゲンさんの軽妙で面白く、含蓄の深い世界をお楽しみください。


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第469回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■押し紙問題で新聞業界は危機的状況に陥るのか?

2017/06/02


■押し紙問題で新聞業界は危機的状況に陥るのか?


「押し紙問題」というのは、「新聞勧誘問題」、「記者クラブ問題」と並んで
新聞業界3大タブーと言われているもので、過去このメルマガ誌上(注1.巻
末参考ページ参照)でも幾度となく取り上げ話してきた。

いつ頃から、どの新聞社が始めたことなのかは定かやないが、少なくとも30
数年前の1980年代には、すでにあったと考えられている。

ここで、押し紙が起きる構図について簡単に説明しとく。

押し紙というのは、系列の販売店に対して新聞社が決めた部数を強制的に押し
つけて買わせるところから、そう呼ばれているものや。

新聞各社は、戦後から現在に至るまで、長く部数至上主義を命題として貫いて
きたという歴史がある。

終戦直後の昭和20年頃、全新聞の発行部数は1400万部にすぎんかったが、
昭和60年頃には5000万部にまでなった。

その後、部数の伸びに翳(かげ)りが生じることになる。それからの20年間
は数字的にも微増、横這い状態にしかなっていない。

当たり前やわな。宅配率が93%を超して飽和状態になってしまい、新聞を新
規に増やすのは物理的に無理な状況になったわけやさかいな。

そんな中で部数増を目指すとすれば、他紙との熾烈な部数獲得競争に勝つこと
くらいしかないが、そんなことを繰り返しても一進一退にしかならん。

加えて、日本は少子化により人口が減少傾向にあるということが大きい。

日本の新聞は、日本に住む人間にしか売って読ませることができんものやから、
人口が減れば、当然部数も減少する。

しかも、ネットの普及に伴い新聞離れが年々顕著になりつつあり、長期購読者
として長年貢献してきた高齢者が毎年のように亡くなっていってるわけやから、
部数の減少が、さらに深刻な状況になるのは火を見るよりも明らかやった。

このままでは業績が下降して困ると判断した新聞社は、押し紙という方法を考
えついた。それが、1980年代頃ということや。

新聞社は営業成績を伸ばすために販売計画を立てる。しかし、実際には売り込
む先の一般読者が飽和状態なわけやから、その販売計画は立てた段階から無理
が生じていたことになる。

それでも新聞社は、系列の販売店に指定の部数を購入するように強要した。新
聞社にとっては、販売店に指定した部数分の新聞を売った段階で部数増になる
さかい、業績の伸びとしてはそれで良しということになる。

その新聞を客に売ろうが、売れ残ろうが、新聞社には関係がない。新聞社とし
ては発行部数さえ増えれば、それでええ。その考えのもとに押し紙が始まった
ということや。

その事実を新聞各社は現在に至るまで、ひた隠しに隠し、ネットを中心に問題
視されているのが、現在の状況やと考える。

その状況を憂いておられるJさんという業界関係者の方からワシらのもとに一
通のメールが送られてきた。

それに答える形で、これから「押し紙問題」について詳しく話したいと思う。

……………………………………………………………………………………………

ペンネームJです。先日は詳しい回答ありがとうございました。

数年前までは、新聞と各テレビ局は多大な影響力もあり、さらにはお互い強固
な関係のため、話題にすることなどタブーとされてきました。(現在も国民に
正確な情報を伝達する義務があるはずですが、怠っている)

しかし、現在はその新聞もテレビのニュースも視聴する人が少なくなり、さら
にはA新聞の捏造記事問題などで信用度が低迷していると思います。

日々の情報をインターネットやSNSで情報収集している方が多く、新聞の未読率
は50%近くの割合、テレビの視聴率の低さからして、新聞とテレビから情報収
集する時代から、インターネットで流れる情報の影響が高い時代にスイッチし
ていると感じています。

昨年あたりから、この押し紙問題について一部国会議員が国会で取り上げるま
でにもなり、さらには、弁護士会が本格的に追求するとも言われています。

我々は新聞業界で勤めていますので、押し紙や残紙と言われればすぐにわかり
ますが、国民のほとんどの方は今までメディアで絶対に取り上げない話題でし
たので、何のことかさっぱり解らない方が大半でしょう。

この押し紙が何が悪いかと言えば、広告主への詐欺罪が関係してくることです。

押し紙や部数水増しで販売店も経営は苦しくなるとは思いますが、新聞に掲載
して頂いた広告主、または各販売店に折り込みを注文して頂いた各企業様。。。

この方達は、公表されている部数が実配と捉え、全て頼んだ部数分がお客さん
の元に届けてくれていると思っていることでしょう。

まさか、30パーセント近くが押し紙で、せっかく作製した折り込みも配られ
ることなくゴミとして処分になっているなんて、依頼して頂いた広告主は誰も
想像出来てないと思います。

そういう業界の裏事情を知っている企業さんなら、おそらく依頼してこないと
思います。

過払金ではありませんが、過去5年から10年にさかのぼって折り込みの水増
し分を取り返そうと、本格的に新聞社、販売店を相手取り訴訟を起こそうと動
くことに躍起みたいです。

その額とは、桁の想像出来ない億単位。販売店なら即廃業、本社自体も国民か
ら信用が完全になくなり経営に行き詰まり、小さな地方の新聞社なら倒産する
くらいの、半端ない額を想定しているみたいです。

弁護士の方は借金の過払い金の訴訟である程度ひと段落したらしく、旨味がな
くなったため、次に儲けられる矛先としてこの押し紙訴訟にターゲットにして
いることも話題になっています。

それも、かなりの額なのでチャンスと捉え、美味しいと思う弁護士の方々も数
多くいらっしゃるみたいです。

影響力があるジヤーナリストの渡邊哲也さん(この方の押し紙をテーマに書い
た著書が現在Amazonで1位)や、経済評論家の上念司さんなど、この話題を強
くSNSやyoutube、ニコ動などで発信しています。

上記に書きましたが、もうテレビや新聞で隠蔽しようとしたって影響力はあり
ません。

最近、本格的に立ち上がり、この話題で新聞業界の膿を出そうとしているのが
伺えます。

私は、この押し紙問題がテレビで話題などされなくても、この立ち上がってい
る方たちの勢力的な行動でたちまち国民に知れ渡っていくと想像が出来ます。

新聞社は政治家と一緒でプライドが高いので、いくら落ち度のある話題が発覚
しても「悪いのは実は販売店なんですよぉ」と人のせいにして逃げたり、知ら
ないふりをするとは思いますが・・・

いずれにしても、この弁護士さんが本格参入してきたというのは、今までタブ
ーとされてきた話題でしたので、無かったことだと思います。

さらには債権を扱う人間も儲かる話題と感じているようで、一つ二つと法廷で
詐欺罪と確定していったなら、新聞という物の価値はゼロに等しくなり、広告
を出す企業などバカバカしくて現れなくなるでことしょう。

「新聞に出すくらいなら、ネット広告を使うわ!」と。

新聞の未読者増加による部数減少よりも、とても大きな波がこの新聞業界を崩
壊へと導くかもしれません。

立ち上がっている人は存在自体残ってしまうようでは意味がなく、最終目標は
「新聞業界の崩落」みたいです。

日本の新聞発行部数はダントツで世界一です。こんなに新聞を購読している国
は他にありません。

この新聞が読まれている理由は、新聞の記事が良いからではなく、販売店制度
があるこの日本の新聞販売店の皆さんが必死になって販売し、部数維持に努め
てきたから他にありません。

もし、新聞の記事が良かったからこの結果があると思っている本社の人間がい
たら、世間知らずと言わせていただきたい。

この新聞業界の膿は必ずどこかで出すべきであります。崩壊まで追い込まれな
い限り、本社の人間は不必要とされていることに気がつかないかもしれません
ので。

逆に、新聞に変わる新しい情報の発信の手段を模索するかもしれませんし。

その時は、今まで新聞販売を守り続けてきた現スタイルの新聞販売店というも
のは消滅するとは思いますが。

しかし、こちらも新しい形に変貌しているかもしれません。

時代のニーズにマッチした商品を作れないのならば、しがみつくよりも、潔く
消えるべきではないかと思っています。

商品に関しては、販売店側はどうすることも出来ませんから。

……………………………………………………………………………………………

と。

『昨年あたりから、この押し紙問題について一部国会議員が国会で取り上げる
までにもなり』というのは、

……………………………………………………………………………………………

https://www.dailyshincho.jp/article/2017/04190559/?all=1    より引用

国会で取り上げられた「朝日新聞」押し紙 新聞各紙は報じず


 天網恢恢疎にして漏らさず。これまで大新聞が頑として認めてこなかった
「押し紙」問題が、ついに国会で取り上げられるに至った。

 とりわけ、詳細な数字とともに実態を論(あげつら)われたのが朝日新聞で
ある。これに一体、どう応えるのか。

 新聞社が部数水増しのため、販売店に買い取りを押し付ける新聞が「押し紙」
。その存在は公然の秘密とされ、各社とも従来「残紙」「予備紙」といった言
い回しを用いてきた。が、3月30日、衆議院消費者問題特別委員会で質疑に立っ
た共産党の清水忠史代議士は、

〈昨年3月24日に公正取引委員会は、朝日新聞社に対して独占禁止法違反に繋
がる恐れがあるとして、違法行為の未然防止を図る観点から注意を行なってお
ります。しかし、その後も押し紙問題は解決しておりません〉

 そう切り出し、現状を詳らかにしていった。

「清水議員は、その前日に判決の出た『佐賀新聞押し紙訴訟』に言及。同社が
販売店の注文数に2割上乗せした部数を供給している実態を公にしました。

 また読売の販売店では残紙が混入し、前日の新聞が誤って届けられる事例が
あったこと、さらに毎日が現在、販売店との間で2件の訴訟を抱えている事実
など、次々明かしたのです」(政治部記者)

 瞠目すべきは、朝日についての“暴露”であった。

〈私が直接伺った朝日の販売店は、読者数が約2000人に対し、予備紙が700部。
読者のいない新聞が。これ3割以上ゴミになっているんですよ〉

 生々しい数字を上げて迫り、答弁に立った公正取引委員会の幹部から、

〈被害を申告したいという方々(販売所)と必要に応じて面談するなど、丁寧
にお話を聞くところとしている〉

 との言質を引き出したのだった。ちなみに、こうしたやり取りは新聞各紙で
は一切報じられていない。

新聞販売に詳しいジャーナリストの黒薮哲哉氏は、

「販売店のトラブルはここ1年で急増しています。そんな苦境にあって、国会
で質疑がなされたのは意義があることだと思います」

 そう前置きしながら、

「昨年、公取が朝日に注意してから、押し紙問題に関する世間の潮目が変わっ
たと感じます。佐賀新聞の裁判でも、販売所側が求めた契約更新拒絶の無効を
求める仮処分を裁判所が認めた形なので、公取は動かざるを得ない。仮にその
流れで公取の監視が強まれば、現在の新聞販売網は大混乱に陥るでしょう」

 元毎日新聞常務で『新聞社─破綻したビジネスモデル─』(新潮新書)の著
書もある河内孝氏も、こう指摘するのだ。

「予備紙、押し紙が意味を持っていたのはせいぜい1980年代頃まで。当時は販
売店が1、2割多めに受け、ビール券などを用いて拡張員が頑張っていた。部数
が増えれば本社からインセンティブが貰えるので、販売店も無理をする甲斐が
あったのです」

 それが現在では、

「販売店の統廃合が進み、経営的にも予備紙は無意味となっている。本社にと
っても百害あって一利なしなのに、いまだ上層部に『部数は力だ』と信じる人
がいるから、止められないのです」

 実情を晒された朝日は、

「部数注文は、販売所の自主的な判断でなされています。弊社はその注文に応
じて供給しています」(広報部)

 そろそろ、本当のことを記事にしてはどうか。

……………………………………………………………………………………………

という記事にあることやと思う。

一読する限り、「なるほど」と頷かれ、説得力がありそうに思われるかも知れ
んが、よくよく読めば、かなり強引な内容になっていることが分かる。

もっとも、新聞社のやり方を糾弾しようと考えている人たちだけの主張を中心
に書けば、そうなっても仕方ないがな。

『新聞社が部数水増しのため、販売店に買い取りを押し付ける新聞が「押し紙」
。その存在は公然の秘密とされ』までは、まったくそのとおりで問題ない。

しかし、『各社とも従来「残紙」「予備紙」といった言い回しを用いてきた』
と、如何にもそれが間違いであるかのように書かれていることには異を唱えた
いと思う。

この「押し紙問題」を追及する人たちの多くは、「残紙」イコール「押し紙」
という見方をしがちやが、それは違う。

正しくは、余剰紙(残紙)の一部に「押し紙」があるということや。そこを間
違えたらあかん。その考えがある限り、「押し紙」の真実に辿り着く、あるい
は新聞社の不正を暴くことなど到底できんやろうと言うとく。

その理由を話す。

新聞販売店に存在する余剰紙(残紙)の種類には、いろいろある。

1.配達時、バイクや自転車の転倒や事故により新聞が飛散したり、急な雨で
濡れたりといった突発的なアクシデントなどで配達不能となったロスト分、配
達員の誤配ミスによる不足分を補うために予備の新聞、予備紙が必要になる。

「品切れ」を理由に新聞の未配達など絶対できんと考えている業界ということ
もあり、予備紙も余分に準備しておきたいと考える新聞販売店経営者は多い。

予備紙の量は、各新聞販売店経営者の裁量の範囲内ということになっていて特
に決められていないさかい、そう考える度合いが大きければ大きい経営者ほど
予備紙の割合も増える。

新聞業界以外のあらゆる製造業において予備の商品をストックしとくというの
は普通にあることやさかい、このこと自体は問題視されるようなものやない。
                                              
そして、幸い何もなければ当然のように、その予備紙分は残紙として残る。

2.多くの新聞販売店では契約時、即入と言って、すぐに新聞を配達する顧客
に対して、月の途中であった場合、その月の新聞代金を「無料サービス」にし
ているケースが多い。当然、その分の新聞が余分に必要になる。

この月の途中での「無料サービス」に関しては、新聞業界に限らず他の多くの
企業、職種で行われていることで違法との指摘はどこからもないさかい、特に
問題はないものと思われる。

3.新聞業界には「試読サービス」というのがある。公式には1週間は見本紙
として各家庭に配布しても構わないということになっている。

現在、この「試読サービス」に力を入れている新聞社が多いため、その方針に
従う販売店も多いと聞く。新聞社から「試読サービス」の読者獲得をするよう
通達されて、そのノルマに四苦八苦していると。

新聞社の試算では「試読サービス」読者の7%が新聞の購読契約をするという
データがあるとのことやから、力を入れたがるわけやけどな。

そのため、「試読サービス」に力を入れている新聞社系列の販売店では、それ
用の新聞を常に用意しているのが一般的や。ただ、その量は予備紙と一緒で、
特に決められてはいない。

「試読サービス」を大量に増やして後々の勧誘に繋げようとの目論見が外れた
場合、多くの新聞が余剰紙として残るということも十分考えられる。

4.新聞販売店によれば、「無代紙サービス」というのをしている場合がある。
1年契約で1ヶ月〜3ヶ月の新聞代が無料になるというものや。一般の方でも、
それについてご存知の方も多いと思う。

但し、この「無代紙サービス」については多くの新聞社で表向きは禁止という
ことになっている。

もっとも、それを承知の上で新聞社に内緒でしている販売店も結構多いがな。
それに、公には禁止しているとはいうものの黙認しているのやないかと思われ
るフシはあるがな。

それでも新聞社に「無代紙サービスをします」てなことを宣言して堂々とやっ
ている販売店はいないやろうと思う。

無代紙サービスをしている販売店にすれば、いつ何時、顧客を確保できるか分
からんから、常にそのために必要な新聞を用意しておきたいと考えるのが普通
やと思う。その当てが外れると残紙になる。

5.積み紙というのがある。

「積み紙」は、「押し紙」とは逆で、新聞販売店が自らの見栄のため、あるい
は成績不良を隠すため、改廃逃れのためなどの理由で、新聞社には内緒でウソ
の納入部数を申告して新聞を仕入れることを指して言う。

「押し紙」を追及する人たちは、この事を認めたがらない。「積み紙」を認め
てしまえば「押し紙」を追及することが難しくなるからという理由らしいが、
これも確実に存在する。動かし難い事実として。

なぜ、新聞販売店が自らの見栄のため、そんな「積み紙」のようなことをする
のか?

『成績不良を隠すため、改廃逃れのためなどの理由』については特に説明せん
でも分かるやろうと思う。

新聞社からのノルマを達成できなければ、新聞社との業務提携が解消され「改
廃」、つまり廃業に追い込まれると考え、それを避けるために新聞を余分に買
うわけや。

これを新聞社が主導したものが「押し紙」になり、販売店の経営者が自らの意
志で、そうするものが「積み紙」になる。

これに関しては、その境界線が難しく、どちらとも言えないケースが結構多い。

個人的には同情の余地があるとは思うが、いずれにしても不正に与する大きな
要因になり得ることで、それに手を染めてしもうた後では、どんな弁明をして
も遅い。

ただ、そんな弁明とはかけ離れた理由で「積み紙」をする販売店経営者も実際
にいとる。

新聞業界では公売部数1万部を超えると大規模新聞販売店と新聞社から認定さ
れる。大規模新聞販売店になると、新聞社からの扱いも良くなり、仲間内の新
聞販売店経営者たちからも一目置かれる存在になる。

それを目指す販売店経営者もいる。

例えば、現在9千部の新聞販売店があったとする。その経営者が大規模新聞販
売店の仲間入りをしようと思えば、後1千部増やせば可能になる。そのため1
千部の「積み紙」をしてしまう販売店経営者が実際にいとるということや。

新聞社は、それを販売店の「虚偽報告」部数と位置づけている。事、こういっ
たケースでの「積み紙」に関しては、そう言われても仕方ないやろうと思う。

この「積み紙」には新聞販売店が何も知らず、従業員が独自にウソの部数報告
をしている場合もある。

たいていは、自身のノルマを達成させる目的で、そうする。ただ、悪質なケー
スになると、出入りの拡張員と結託してして架空の客を作り、勧誘したことに
して店から拡張報酬を騙し取る手口も存在していると聞く。

その多くは、実態のない正規の顧客として顧客名簿に記載され集金も成されて
いるが、新聞は配達されていない。その新聞が「残紙」として宙に浮く。

新聞業界全体として、どれだけの部数、それがあるのかは、まったく分からな
い。というか、分かりようがないと言うた方が正しいやろうと思う。

何しろ、これに関しては販売店経営者ですら把握できていない分があるんやさ
かいな。

6.背負い(しょい)紙というのもある。

「押し紙」、「積み紙」に関しては一般の人でも知っておられるかも知れんが、
さすがに、この「背負い紙」の存在まで知っている人は少ない。また、問題に
されることも殆どない。

「背負い紙」とは、「押し紙」、「積み紙」のある販売店で、さらに強制的に
買い取るよう従業員に押しつけている新聞のことを言う。

販売店の中でも立場の弱い従業員たちに、それが多い。世の中の仕組みすべて
について言えることやけど、理不尽な事というのは、常に立場の強い者から弱
い者へ順繰りに押しつけられていくという現実がある。

新聞社から販売店へ。販売店からその従業員へ。そして、従業員の中でも、店
長、主任クラスから一般従業員へと、より立場の弱い人間に、その負担がのし
かかるという構図になっとるわけや。

販売店の従業員にも当然のように勧誘のノルマがある。そのノルマが過酷な販
売店も珍しくはない。

そのノルマがクリアーできたら問題はないが、なかなかそれが難しく、できん
者の方が多い。きつい販売店やと、そのノルマが果たされへんかったら、かな
り厳しく叱責されるということや。

その叱責を逃れる目的で「背負い紙」をする。また、それを強要する販売店も
ある。つまり、「背負い紙」とはノルマの不足分を補うために、身銭を切って
新聞を買い取る行為のことなわけや。

これについても新聞社と同じ理屈で、新聞販売店は従業員の「虚偽報告」、
「てんぷら(架空契約)」として処理する。責任は従業員個人にあると。新聞
販売店は預かり知らんことやと。

ある新聞販売店などは、一旦、給料の全額を支払った後、改めてその「背負い
紙」分の新聞代金を徴収するのやという。

本人の意思でという形にすれば法律には触れにくいからという理由で。

その実態は強制以外の何ものでもないと嘆く従業員の方が実際におられる。
「背負い紙」分の代金を支払ってしまうと、手元に殆ど金が残らないと。

この「背負い紙」についても実態のない数字があるだけで、その新聞はどこに
も配られず余剰紙(残紙)の中に埋没する。

上記の「1.」〜「6.」までの項目の新聞部数は、当然のことながら「押し
紙」とは言わない。

それらの部数に「押し紙」が加わったものが、新聞販売店の余剰紙(残紙)に
なるということや。

ワシが、余剰紙(残紙)イコール「押し紙」やなく、余剰紙(残紙)の一部が
「押し紙」やと言う理由が、そこにあるわけや。

まず、大前提として、そのことを理解しておいて貰う必要がある。

『この押し紙が何が悪いかと言えば、広告主への詐欺罪が関係してくることで
す』というのは、「押し紙問題」を糾弾する人の定番のような台詞やが、残念
ながら新聞社に詐欺罪を適用するのは、まず無理やろうと思う。

あんたが、新聞社の『広告主への詐欺罪』と言われているのは、新聞紙面広告
代金の徴収に違法性があるということやと思うが、それは違う。

公表部数と実売部数の違いが、その根拠のようやが、ここでもその大前提に大
きな認識の誤りがある。

新聞社と一般企業との間で結ばれている新聞紙面広告代金の取り決めは、発行
部数1部につき、いくらとされている。

新聞の発行部数は、印刷工場の出荷分やから数字としては、ほぼ正確に分かる。

反して実売部数ということになると、新聞社としても把握しきれんのが実情や
と思う。「押し紙」を含めて新聞の余剰紙の数量は、すべて想像でしかないさ
かいな。

そんな不確かなもので広告代金を決めるわけにはいかんということで、より確
実に分かる発行部数を基準にして新聞紙面の広告代金を決めとるわけや。

もっとも、「押し紙」が存在しているのは、そのためとも言えるがな。新聞社
の収入の半分近くを占めると言われている紙面広告費を増やすには発行部数を
増やせばええということで。

しかし、それを実証するのは極めて難しい。今のところ、「押し紙」に関して
は、すべて想像の範囲、数字でしか語られることはないさかいな。

新聞の発行部数を基準に広告代金が決められている以上、その発行部数の操作
でもせん限り「詐欺罪」にはならんということや。

そして、新聞社は、ほぼ正確に発行部数の公表をしているさかい、法律的には、
それで何の問題もないと考えられている。

それに、新聞紙面に広告を掲載する企業の多くは、過去の実績から費用対効果
が上がると判断して広告の掲載に踏み切るのが普通や。

新聞紙面に広告を掲載することで効果があると思えば、そうするし、効果がな
いと判断すれば広告の掲載を控える。その傾向は新聞に限らず、すべての媒体
についても言えることやと思う。

確かに発行部数の何割かが残紙となって一般家庭や企業に行き渡らんと知れば、
ええ気はせんやろうが、それでも費用対効果を重視すれば、それほど大きな問
題でもない。

その証拠に、未だかつて「押し紙」を含め配達されない新聞があると知って新
聞社に苦情を申し立てた企業はないと言うさかいな。少なくともワシらは知ら
ん。

ちなみに、「押し紙」を含めた未配達の新聞が存在していることくらいは新聞
紙面に広告を掲載するほどの企業なら先刻承知のはずやと思う。というより、
知らん方が、おかしい。

当然やが、企業の営業部門に所属する社員なら、常にネット上の情報くらいは
間違いなく収集している。となればネット上には「押し紙」に関する情報が数
多く存在しているわけやから知らんことなど、あり得んわな。

これが、新聞販売店の場合やと、かなり微妙になる。新聞紙面広告と折り込み
チラシでは大きく違うさかいな。

新聞紙面広告は発行部数で広告費を決めると言うたが、折り込みチラシの場合
は、特にその取り決めがない。殆どの新聞販売店では余剰紙を含めた公売部数
を基準に広告代金を決めて受け取っている。

そのため、公売部数と実在部数との開きが発覚すれば違法性、つまり詐欺性を
問われる可能性があるということになる。

『公表されている部数が実配と捉え、全て頼んだ部数分がお客さんの元に届け
てくれていると思っていることでしょう』というのは、新聞販売店に直接、折
り込みチラシ広告の配布を依頼してくるような企業なら、そういうことも考え
られる。

もっとも、中には、その程度のことは先刻承知で、最初から公売部数の1割、
ないし2割減で折り込みチラシの配布を依頼してくる業者も結構多いと聞くが
な。また、その分の値引きを交渉してくる業者もいると。

『まさか、30パーセント近くが押し紙で、せっかく作製した折り込みも配ら
れることなくゴミとして処分になっているなんて、依頼して頂いた広告主は誰
も想像出来てないと思います』というケースも、なくはないやろうが、たいて
いの折り込みチラシ依頼業者なら、その程度のことは知っているはずや。

また知らなくても知ってしまう場合もある。実際、余った折り込みチラシをゴ
ミとして廃棄処分しようとして業者に見つかり、血の雨が降る寸前までいった
トラブルを、ワシ自身が目の前で見て経験したことがあるさかいな。

『そういう業界の裏事情を知っている企業さんなら、おそらく依頼してこない
と思います』というのも、その可能性が高いと思う。

ここ数年、殆どの新聞販売店で折り込みチラシの依頼が極端に減少しとると聞
くさかい、そうしたことが影響しているのやろうというのは十分考えられる。

ただ、『過払金ではありませんが、過去5年から10年にさかのぼって折り込
みの水増し分を取り返そうと、本格的に新聞社、販売店を相手取り訴訟を起こ
そうと動くことに躍起みたいです』というのは、どうかなとは思うがな。

『その額とは、桁の想像出来ない億単位』というのは、どこから仕入れた情報
かは知らんが、新聞販売店相手に、そんな額を請求するのは無理や。物理的に
もそれほどの被害額になることなどあり得ない。

折り込みチラシに関しては新聞社が関与しているケースは少ないから、『本格
的に新聞社』を相手取って損害賠償訴訟起こすこと自体無理やと思う。

全国に約2万店舗あると言われている新聞販売店の平均的な取り扱い部数は2
千部〜3千部。ここでは多めに見て3千部として計算する。

『30パーセント近くが押し紙』ということにすれば、3千部×30パーセン
ト=900部が配達されない新聞、つまり不正分だと主張する部数になる。

折り込みチラシ代金には各新聞販売店の規定、およびチラシの種類や大きさに
よりバラツキはあるが、平均すると1枚3円程度。

900部×3円=2700円が折り込みチラシ依頼業者1社、1日分の不正額
として損害賠償が見込める額になる。

毎日、折り込みチラシを入れ続ける企業なんか殆どないが、仮にあったとして
も2700円×30日=8万1千円が1ヶ月分。1年で、8万1千円×12ヶ
月=97万2千円。

『過去5年から10年にさかのぼって』請求したとしても、せいぜい500万
円弱〜1千万円弱にしかならん。

新聞販売店業界の中には大規模販売店とされる公売部数1万部以上の販売店も
あることはあるが、それにしても全体の1、2%程度と極端に少ない。

その販売店をターゲットにしたとしても、3倍強の1千500万円〜3千万円
強の請求がせいぜいや。それでは『その額とは、桁の想像出来ない億単位』と
は、ほど遠い。

損害訴訟を起こす人間の中には、無駄に印刷された折り込みチラシ代金分も損
害の対象に入っているという話を聞くこともあるが、その場合に限り1億円超
の被害額を請求できるかも知れん。

ただ、日本の裁判で、それが認められたケースというのは殆どないがな。賠償
額は、あくまでも直接的な被害に限定される。この場合やと、不当に支払わさ
れた折り込みチラシ代金分の返還が最高の結果やろうと思われる。

しかも、これは、あくまでも机上の計算で、実際には、そんな膨大な損害請求
金額になるわけがないし、認められることなどない。というより、訴訟を起こ
すこと自体が難しいと考える。

その大前提として、不正に折り込みチラシ分を搾取したと断定する「押し紙」
を含む残紙の数量を確定するのは、如何なる調査をもってしても外部からは絶
対と言い切ってええほど分からんということがあるからや。

当たり前やが、配達されない折り込みチラシ分に対する損害賠償請求をするの
なら、きっちりとした数字を出す必要があるさかいな。

「だいたいの被害額は、こんなもんや」と訴えても裁判所で、それが認められ
ることなど、まずない。日本の裁判では、訴えた側に実証責任があるとされて
いるから、きっちりとした数字を示す必要がある。

この場合、どのようにして実売部数を知るのかという実務的な問題がある。

先に余剰紙のところでも説明したが、残紙の正確な数量ですら、その新聞販売
店の経営者が知らんのに、外部の人間が、それを知るのは相当難しい。

もっとも、順路帳に書かれた実際に配達されている部数だけなら、その販売店
の誰かが、それを持ち出して知らせれば分からんこともないやろうが、それを
する者も、やらせる者も犯罪を犯すことになる。

それに、順路帳は短期間のうちに何度も書き換えられることが多く、正確性と
いう点で疑問符がつく。はっきり言うて月が変われば、それまでの順路帳など、
何の役にも立たんことなどザラにある。

当然やが、不正に折り込みチラシ代金を支払わされたから損害賠償しろと主張
するのなら、その不正があったとするすべての期間で、間違いのない部数を裁
判所に提示する必要がある。それでないと確かな被害額など計算のしようがな
いさかいな。

しかし、そんなことは、どんなに几帳面な新聞販売店で調べても難しいやろう
と思う。また、そんな情報を訴えた相手側に知らせる販売店もいないし、知ら
せる義務もない。

その難しさからか、実売部数を調べるのなら配達員の後を尾行して、実際に配
達するところをカウント、もしくは録画すれば良いと言う意見がネット上にあ
るが、そんな方法で実売部数を知るのは不可能に近い。

それをするには、狙いの新聞販売店と同様か、それ以上の人員が必要になる。

そんな仕事を引き受けるプロがおるとも思えんが、おったとしても莫大な費用
を請求されるものと予想される。

素人さんの集団では絶対無理や。ものの10分もせんうちにケツを割るのは間
違いない。最低でも尾行技術に長けた探偵社のようなところに依頼する必要が
ある。まあ、それでも無理やと思うがな。

朝刊の場合、深夜から早朝にかけて行われる。その時間帯は人通りが殆どない。

『新聞配達員の後を尾行』するには、バイクにはバイク、自転車には自転車で
ないと難しい。車で追跡する場合やと路地などの通行不可能な狭い道に入られ
たら、それで見失うさかいな。

バイクで尾行するということになると、それに気がつかん新聞配達員は、殆ど
おらんやろうと思う。

深夜のバイク音というのは、素人さんが考えておられるより、かなり遠くまで
聞こえるから、隠れて尾行するのは相当に難しい。

新聞配達の順路というのは前進するばかりやない。ある家に新聞を投函してU
ターンするというのを何度も繰り返す。そのどこかで、どんなに鈍い配達員で
も必ず尾行に気づく。

また、マンションやアパート、公団住といった集合住宅にバイクを停めて、一
定の部数をまとめて配達するということもある。

大規模なマンションや公団になると、『置き配』といって、数十部、数百部を
まとめて一個所に置き、そこの住人に配達して貰うというケースもある。

大規模マンションで、そうするのは、外部からの出入りが制限されているから
や。配達員さえ入れんような場所を追跡捜査で調べようというのは、どだい無
理な話やと思うがな。

また『置き配』には、バイクや自転車に乗れなくても配達のアルバイトがした
いという人のために、その地域にまとめて新聞を持っていくというケースもあ
る。

外部の侵入がそれほど規制されていない公団住宅などの場合で、『置き配』を
していない二戸一形式になっているような所では、1棟ずつ駆け上がってドア
ポストまで配達することになっている。

それが数十棟ある地域もザラで、よほど体力に自信のある者でないとバテるし、
それに馴れてない者がすると、歩くことさえ困難な状態にすぐなる。

ちなみに、公団での二戸一形式では上り下りを繰り返すさかい、どこかで必ず
その追跡者と鉢合わせすることになる。後をついていけば確実にバレるという
ことや。

そうかと言うて、階下からそれを見ているだけでは、どの家に新聞を入れるの
かが、分からんから、実際に入れた部数をカウントすることなんかできんわな。

また、尾行されていると分かれば、不審者として警察に通報されるということ
も十分考えられる。場合によれば『営業妨害』に該当することもあるし、女性
の配達員も相当数おられるから、『ストーカー行為』に問われる可能性もある。

犯罪行為を暴こうとして犯罪者になったんでは洒落にもならんわな。

また、尾行されて、ええ気のする人間はおらんやろうから、場合によれば、そ
こでトラブルになって喧嘩沙汰にもなりかねん。トラブルになった時点で警察
が介入してくるやろうから調査を続行するのは無理や。

さらに車で新聞を配達するというケースもある。これはワシ自身が実際にやっ
た経験があるさかい、よく分かる。

先に言うた『置き配』の他に、駅の売店、店舗、会社、ホテル、コンビニとい
った大口の顧客へは車で配達するというケースがある。

この場合の尾行は比較的簡単かも知れんが、一度に数部から多い所へは数百部
単位で配っていくから、その部数を把握するのは困難を極めるやろうと思う。

たいていは、指定された私有地内のどこかに置き、雨露に晒されて濡れんよう
にビニールなどで厳重に巻かれとるさかいな。

それを解いて調べようとすれば犯罪になりかねんし、そもそも、そんなことを
してたんでは、その車の尾行を続行すること自体ができんようになるわな。

夕刊の場合は、逆に交通量や人通りが多すぎて、尾行すること自体が難しいや
ろうと思う。無理をして追跡すると事故を起こす可能性が高いさかいな。

また夕刊の部数を調べても、朝刊のみ購読しているという人の方が多いから、
あまり意味がない。それで分かるのは単に夕刊の配達部数だけや。

そして、これが一番厄介なことやが、その調査を1日、2日するだけではあか
んということがある。

先にも言うたが、新聞は日々、購読、停止が繰り返される。その日は3千部や
ったものが、翌日には2千999部になったり3千1部になったりというのが
普通に続く。

不正分をきっちりとした数字で示すには、当然、不正とするすべての期間で調
べる必要があるということや。

正確な配達部数を調べることが簡単やないというのは、そのことだけを考えて
も分かるやろうと思う。

以上は尾行する場合の話やが、新聞を売るのは何も配達だけとは限らない。新
聞販売店という名のとおり、店舗でも新聞を売っている。

実際、朝の通勤の途中とか、現在の新聞販売店とトラブっているため、そこか
らは買いたくないという人たちが、他の新聞販売店まで出向いて新聞を買うケ
ースがある。

たいていの新聞販売店では、そのための新聞を折り込みチラシ入りで用意しと
るという。そのチラシ欲しさにエリア外から新聞を買い求めてくる客もいとる
さかいな。もっと言えば、折り込みチラシだけを欲しがって買っていく人もい
る。

そして、新聞自販機というのを設置しとる販売店もある。当然それでも新聞は
売れる。

店舗や自販機で売れる部数は日によって違うから、確かな数字を弾き出すのは
無理やわな。

当然やが、これについても配達されない新聞の部類に入る。しかも、これは残
紙にはならんさかい、話がよけい、ややこしくなる。

上記のような理由から、新聞の実売部数を外部から調査するのは不可能に近い
と言うしかないということや。

「押し紙」は内部の人間にしか分からない。実際、「押し紙裁判」で、それと
認められるような事案は、すべて新聞販売店経営者自らが暴露したものやさか
いな。

新聞販売店経営者が、そうするのは新聞社に追いつめられ廃業やむなしとなっ
て自棄糞になった時くらいのもので、そんな状態の販売店から損害賠償金をせ
しめることなど無理やというのは誰にでも分かることやと思う。

つまり、どっちに転んでも『折り込みの水増し分』を取り戻すのは限りなく難
しいやろうということや。

「押し紙」行為を糾弾したい人間や、それを美味しいと考える弁護士などが、
いくら後押ししたところで、よほどアホな折り込みチラシ依頼業者でもない限
り、民事裁判を起こそうとは考えんはずや。

その程度のことは、ちょっと考えれば誰でも分かることやしな。実際、今まで
一度として、その手の裁判が提起されとらんのが、それを証明しとる。

ワシらとしては後学のためにも、その手の裁判を起こして欲しいがな。そして、
そのお手並みを拝見したいものやと思う。

但し、『弁護士の方は借金の過払い金の訴訟である程度ひと段落したらしく、
旨味がなくなったため、次に儲けられる矛先としてこの押し紙訴訟にターゲッ
トにしていることも話題になっています』、

『それも、かなりの額なのでチャンスと捉え、美味しいと思う弁護士の方々も
数多くいらっしゃるみたいです』てな甘い考えで始めるつもりなら止めておか
れた方がええと忠告しとく。

『借金の過払い金の訴訟』なんかワシに言わせれば簡単すぎる。そもそも、そ
の証拠となる書類やデータが揃いすぎとるわけやさかいな。それを単に計算し
直せば簡単に処理できる。

その点、新聞販売店で「押し紙」を含む余剰紙を特定するだけでも先に言うた
ような困難さがあるわけや。並の弁護士さんの手に負えるものやないと考える
がな。もちろん、それでもやられると言われるのなら止めはせんが。

『影響力があるジヤーナリストの渡邊哲也さん(この方の押し紙をテーマに書
いた著書が現在Amazonで1位)や、経済評論家の上念司さんなど、この話題を
強くSNSやyoutube、ニコ動などで発信しています』というのは、そのとおりな
のかも知れんが、その影響力は限定的やないのかとワシらは見ている。

新聞の批判本やネットで発信したとしても、それはそれに共感する人たちにア
ピールするものでしかないと思う。

もともと、そうした人たちは新聞を購読していない、するつもりもない人たち
やろうから新聞の部数減という点から言うても影響は少ない。

少なくとも新聞の最大の顧客である高齢者の人たちに、その発信が届き、共感
を得ることは、まずないと考えるしな。

現在の高齢者の方々にとっては新聞が唯一無二の情報源で、その信頼度には絶
大なものがあるさかいな。

『もうテレビや新聞で隠蔽しようとしたって影響力はありません』というのは
違うと思う。

世の中で話題になり大問題に発展する事件、事案は、まだまだテレビや新聞に
よる影響力の方がネットよりも大きいと考えるがな。

ネットでいくら騒がれてもテレビや新聞で取り上げなければ、すぐに立ち消え
になる。ワシも、それではあかんとは思うが、それが日本の現状やと捉えるし
かない。

『最近、本格的に立ち上がり、この話題で新聞業界の膿を出そうとしているの
が伺えます』というのは、できることなら、是非、そうして貰いたい。やはり
不正な事や膿といったものは出し切った方がええさかいな。

『私は、この押し紙問題がテレビで話題などされなくても、この立ち上がって
いる方たちの勢力的な行動でたちまち国民に知れ渡っていくと想像が出来ます』
というのも水を差すようで悪いが、ワシらには、それほどの大問題になるとは
とても考え辛い。

そもそもな話になるが、新聞社に「押し紙」が存在したとして、一般の人にど
れだけの不利益が被るのかとなると、ほぼゼロ、ないに等しいと思う。

それにより、新聞代が値上げするわけでも安くなるわけでもないしな。まして
や新聞を購読していない人にとっては、まったく関係のない話でしかない。

人は自らに影響のない事柄については傍観者になることが多い。つまり、興味
を示さないということや。

「押し紙」を問題にしたい人たちは新聞社の不正を暴きたいのやと思うが、単
に、それだけでは多くの人は同調しない。

せめて「押し紙」があることで、これだけ世の中が悪くなる、人々に大きな不
利益が被るというものを示さん限りはな。

ワシらの知る限り、考え得る限り「押し紙」問題にそこまでのものは何もない
と確信しとる。

『さらには債権を扱う人間も儲かる話題と感じているようで、一つ二つと法廷
で詐欺罪と確定していったなら』というのは、先の説明と重複するので止めと
くが、「押し紙」問題で新聞社に対して詐欺罪を確定させることなど絶対に無
理やと、再度言うとく。

『新聞という物の価値はゼロに等しくなり、広告を出す企業などバカバカしく
て現れなくなるでことしょう』については、ワシらにとやかく言えることでも
ないが、これも先に説明したように費用対効果の善し悪しで広告主が決めるこ
とやと思う。

『新聞に出すくらいなら、ネット広告を使うわ!』と言う広告主が現れれば、
そうなるやろうし、「いやネット広告より、新聞紙面広告の方が、まだマシや」
と考える広告主がいれば、今のままということになる。

余談やが、ネット広告にも様々な問題があるので、そのうち、このメルマガ誌
上で取り上げたいと考えとる。中には「押し紙」の比やないほど、えげつない
ケースもあるしな。

『新聞の未読者増加による部数減少よりも、とても大きな波がこの新聞業界を
崩壊へと導くかもしれません。立ち上がっている人は存在自体残ってしまうよ
うでは意味がなく、最終目標は「新聞業界の崩落」みたいです』というのは、
誰が言うとるのかは知らんが、そんなことにはならん可能性の方が高いと思う。

前回のメルマガ『第468回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞購読のススメ
 その3 新聞を読むことで得をする、これだけの理由』(注2.巻末参考ペ
ージ参照)でも話したが、新聞を購読することで新聞業界のみならず、日本そ
のものを救うことになると信じている。

『新聞を読まないと人生の敗北者、落伍者になりかねん』とも。それについて
は数多くの科学的根拠、理由を挙げて説明しているさかい、見て頂きたいと思
う。

ただ、その人たちが『新聞業界の崩落』が最終目標と言うのなら、それはそれ
でええ。人の考えを否定するつもりも変えさせるつもりもないから好きにされ
たらええ。

しかし、ワシらはワシらで、断固それについて反論させて頂く。そうすること
が、新聞業界で働く多くの人たち、および日本の言論を守ることに繋がると本
気で考えとるさかいな。

とはいえ、いくら日本の新聞を守るにしても新聞社や販売店、それに付随する
組織には、現状のままやなく、「押し紙」をはじめとする新聞業界に巣くう悪
習、タブーをなくして欲しいという思いは強いがな。

それをせん限り、こうした不毛な争いが延々と続いていくだけやと思う。



参考ページ

注1.第158回 新聞拡張員ゲンさんの裏話  ■押し紙裁判の波紋
 http://siratuka.sakura.ne.jp/newpage13-158.html

第165回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■背負(しょ)い紙……その哀しき
実態    
http://siratuka.sakura.ne.jp/newpage13-165.html

第16回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■マイナーワーカー同盟座談会 その1
 押し紙問題について
http://siratuka.sakura.ne.jp/newpage19-16.html

第41回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■マイナーワーカー同盟座談会 その2
 新聞の闇と戦う人々
http://siratuka.sakura.ne.jp/newpage19-41.html

第42回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■マイナーワーカー同盟座談会 その3
 新聞の進むべき道について
http://siratuka.sakura.ne.jp/newpage19-42.html

第55回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■週刊新潮の押し紙特集記事について
http://siratuka.sakura.ne.jp/newpage19-55.html

第189回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■「押し紙」行為を暴くことは果たし
て可能なのか?
http://siratuka.sakura.ne.jp/newpage19-189.html

第220回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■押し紙裁判の多くはなぜ敗訴するの
か? 
http://siratuka.sakura.ne.jp/newpage19-220.html

注2.第468回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞購読のススメ その3 
新聞を読むことで得をする、これだけの理由
http://melma.com/backnumber_174785_6533756/


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■HP『新聞拡張員ゲンさんの嘆き』新着情報

しばらくの間、このコーナーは休止とさせて頂きます。


『新聞拡張員ゲンさんの嘆き』
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『第3話 大津坂本人情街道秘話』完結

『第4話 狙われた男たち』完結

『第5話 新聞大逆転の法則』完結

『第6話 黎明期の新聞拡張物語 神武梅乃の伝説』完結

『第7作 新聞業界暗黒物語 悪い奴ら』完結

『第8作 黎明期の新聞拡張物語 受け継がれる伝説』完結

『第9作 カポネによろしく』2017. 4.15 配信開始


著者 白塚 博士

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