国際情勢

台湾は日本の生命線!

中国の軍拡目標はアジア太平洋での覇権確立。そしてその第一段階が台湾併呑。もし我が「不沈空母・台湾」が「中国の空母」と化せば日本は・・・。政府・媒体が敢て語らぬ生命線防衛の重要性を訴える。


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【メルマガ台湾は日本の生命線!】実は小規模だった中国軍事演習―中国の心理戰に惑わされるな

2018/04/20

実は小規模だった中国軍事演習―中国の心理戰に惑わされるな

ブログ「台湾は日本の生命線」より。ブログでは関連写真も↓
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-3295.html

2018/04/19/Thu

■台湾行政院長の「独立」発言に怒る中国の実弾演習

中国軍は四月十八日、福建省沖の台湾海峡で実弾演習を実施。日本でも「台湾独立を志向する民主進歩党(民進党)の蔡英文政権への威嚇と、貿易交渉に絡み台湾に接近する米トランプ政権をけん制する狙いとみられる」(日経)といった報道が見られた。

「台湾独立を志向する民主進歩党の蔡英文政権」といえば、最近では頼清徳行政院長(首相)が、自身を「台湾独立を主張する政治家」「実務的な台湾独立主義者」とする発言を行い、中国を激怒させているところだ。

「台湾独立」(台独)とは何かと言えば、戦後外来の中華民国(チャイナ共和国)体制から脱却し、台湾人国家を打ち建てることである。

「中国」(チャイナ)」であることをやめるという訳だから、「中国統一」(台湾併呑)を国家目標に掲げる中国には、これだけは断じて許容できない。もし台湾が独立宣言を行うなら、中国は反国家分裂法に基づき、台湾に軍事進攻を行うこととなっている。

しかし頼氏は、本当に台独主義者と言えるだろうか。

■「台湾独立主義」を棄ても中国は民進党を許さず

頼氏が所属する民進党がかつて、台独を謳う党綱領を掲げていたのは事実だ。だが約二十年前、中国との緊張を嫌う有権者に配慮してそれを凍結。爾来「台湾は主権独立国家。その名は中華民国」との立場で今日に至っている。

つまり事実上、台独理念を放棄しているのだ。頼氏にしても、少なくとも公の場では、その党の見解から離れ出ることはない。つまり「台独主義」とはいっても、それは中華民国の独立状態を護持するということだろう。

日本のメディアの多くは民進党に言及する際、いつも枕詞のように(馬鹿の一つ覚えのように)「台湾独立志向の」と付け加えるが、したがってそれも正確ではないということになる。

もっともメディアに言わせれば、「中国は民進党を台独分裂勢力と見ている」と反論するかもしれない。それは確かに事実で、あの国は「一つの中国」(台湾は中国領土)の建前から、民進党がいかに「チャイナ共和国」の体制を維持しようとしても、中国の領土を分裂させようとする台独勢力と位置付けるのだ。同党が「一つの中国」なる虚構を受け入れず、自らが「主権独立国家」であるとの現実を強調し、「統一」を拒否し続ける限りは不倶戴天の敵なのである。

台湾は中国に支配されておらず、今後も支配されなければならない理由もない以上、「中国からの台湾独立」ということはあり得ないのだが、領土拡張の野心に駆られる中国に、そのような理屈は通じない。

そしてその中国の気迫に怖じ気づくのが日本のメディアらしい。懸命に中国の宣伝に追随し、民進党を「(中国からの)台湾独立志向」と呼び続ける訳だ。

■頼清徳氏への警告としての軍事演習と断じる中国メディア

さて、頼清徳氏の「台独主義者」発言だが、それに関して中国で対台湾工作を管轄する国務院台湾事務弁公室の馬暁光報道官は十一日、ヒステリックにも次のように論評した。

「狂ったかのような両岸(※台中)関係の現状に対する挑発であり、台湾海峡の平和と安定に危害を与える。彼の言論やそれへの支持、容認は非常に危険だ」

「危険だ」というのは「中国を怒らせるものだから危険だ」という身勝手な恫喝である。そして十三日、中国は更なる恫喝に出た。中共機関紙人民日報の姉妹紙、環球時報は社説で次のように論じたのだ。

「解放軍が十八日に演習を行うとの情報は島内(※台湾)世論を震撼させているが、誰もが知るようにこの演習は、最近の島内での台独活動の猖獗だ。特に頼清徳による公然たる台独主義者なる自称は、両岸関係において突出した緊張要因になっている

つまり頼氏の発言が、中国を大規模演習へと走らせていると宣伝しているのだ。これは後にも明らかになるように、単なる定例通りの演習なのだが、このように話を大きくし、緊張を走らせた。

そこで頼氏は十五日、そうした中国を宥めようと、次のようなコメントを出した。

「台湾は独立主権国家であり、改めて台独宣言を行う必要はない」と。まさに民進党の見解通りの発言である。

■「我々の警告を聞いたか」と台湾を恫喝したCCTV

中国に配慮し、台独を希求する有権者の失望を買うのも覚悟で「台独宣言は必要ない」と言い切った頼氏だが、もちろん中国はそれを聞き入れない。

この時、頼氏は更に「台湾の前途を決めるのは台湾の二千三百万人。その他の者ではない」とも言った。

これもまた「台湾の前途は台湾同胞を含む全中国人民が決める」と宣伝し続ける中共には、断じて許容できないものである(実際には「台湾の前途は中国共産党が決める」と考えている)。

翌十六日、国台弁の劉結一主任はメディア記者から「今回の演習には台独勢力への警告の意味があるか」と質問され、「祖国の主権と領土の完全性を守るためだ」(※台独に反対するの意)と答えた。そして「(頼氏の)台独主義者発言をどう思うか」と聞かれると、「彼がこそが台独だ」と吐き捨てた。

そして十八日朝、いよいよ軍事演習が始まった。そしてそれと同時に中国国営の中央テレビ(CCTV)は、「頼清徳どもよ(台独主義者どもよ)、我々の警告を聞いたか」などと、台湾を恫喝する報道を開始した。

■親中メディアが金門島の住民が演習に脅えたと報道

こうした恫喝報道には、台湾の親中メディアである中国時報や聯合報も呼応した。

演習が行われたのは泉州湾内で、台湾が支配する金門島からわずか六十キロの距離。その島の様子を中国時報はこう伝えた。

「島内で記者は、早朝から海岸で情報を得ようとしたが、演習が開始されると、軍に追い払われた。その時すでに砲声が鳴り響くのが聞こえた」

聯合報も、「演習中、金門県庁などの地域が突然停電となった。大勢の住民がこれに驚き、“解放軍が攻めて来たのか”と聞いていた。一番賑やかな東門市場でお爺さんに取材すると、“大陸(※中国)は攻撃するなら金門ではなく台湾にしてほしい。私達は統一を歓迎し、すぐに降伏する”と話していた」と報じた。

そして、この度は環球時報がこれら二紙の記事を引用し、次のように書いて世界に発信した。

「台湾当局は落ち着きを装い、全ての情報は把握していると言明するが、実際には島内(※台湾)は草木皆兵の状況」

「頼清徳の公然たる台独発言が緊張を引き起こしたことに、島内のマスメディアは“政治家は台独を弄ぶが、ひどい目に会うのは民衆だ”猛批判した」

台湾の「頼清徳ども」は平和を乱すトラブルメーカーだと宣伝したいのだろう。

■金門島は平穏―実は小規模な定例演習だった

実際には演習の間、金門島は平静だったそうだ。中国の泉州、アモイと同島とを結ぶ定期船は通常通りの運行で、大勢の中国人観光客が遊びに訪れたし、夜市(ナイトマーケット)もいつもながらの賑わいだったそうだ。台湾紙、自由時報によれば、「県庁付近の地下ケーブルが外れ、五分間停電したが住民は平静。外部だけが騒いだ」「民間の全ての業務は平常通り。一番賑やかな東門市場も買い物客で溢れ、生活に何の影響も見られなかった」という。

今回、中国メディア(及びそれに呼応する台湾の親中メディア)は、蔡英文政権ならびに同政権との関係強化を進める米国を恫喝、牽制したいとの一念で、相当誇大な演習報道を行ったようだ。そのため、あたかも異例の大規模演習だとの印象が持たれ、緊張が高まったが、実際にはどうだったのだろうか。

国民党のシンクタンク、国家政策研究基金会の掲仲研究員は次のように解説する。

「演習での管制範囲は非常に狭く、陸地からも十キロ以内の距離。つまりつまり通常の射撃訓練だった」

「一九九六年の李登輝総統の訪米が引き起こした台湾海峡ミサイル危機の状況は、演習範囲からも射撃目標からも、台湾を直撃しようというもので深刻だったが、今回はそれと異なる」

「メディアの操作で、簡単で小さな演習を大きく見せ、台湾に大きな効果を与えた。台湾に対する一種の心理戦であり、宣伝戦だ」

■誇大宣伝による中国の心理戦・宣伝戦に惑わされるな

一九九六年のミサイル演習は、台湾が中国に隷属しない主権国家であるとの事実を国際社会に向けて明らかにしようとした李登輝総統に対する警告だったとしても、それに比べれば今回の頼清徳行政院長に対する「警告」は、見せかけのものに過ぎないという訳だ。

今後もこのような手法の宣伝工作は繰り返されるものと思われるが、こうした心理戦、宣伝戦には、日本人も惑わされない方がいいだろう。

そしてメディアも民進党を「(中国からの)台湾独立志向」などと、不必要な誤報を繰り返すのを止めた方がいい。誤報は糾すべきだというのは素より、そのように中国の立場に立ち、同党をトラブルメーカー扱いにする中国の心理戦、宣伝戦に与してどうするのかということだ(すでにメディア自体が、心理戦、宣伝戦に惑わされているとも言える)。

そして中国がここまで手の込んだ宣伝謀略を展開するのはなぜかを考えるべきである。

要するに「台湾の前途を決めるのは台湾の二千三百万人。その他の者ではない」という真理の声を、それほどあの国は恐れているということだ。

そのような台湾人の声を揉み消そうとする中国に加担すべきか。それともあの国の覇権主義的動きに断固反対するべきかを、メディアを含む日本人はよく考えなくてはならない。

そして、「台湾人国家を打ち建てる」との台湾独立建国を求める声が上がれば、それに耳を傾けるのは当然なのである。少なくともそれをトラブルメーカー視するなど、もっての他と言うほかない。

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創刊日:2008-04-07  
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