国際情勢

台湾は日本の生命線!

中国の軍拡目標はアジア太平洋での覇権確立。そしてその第一段階が台湾併呑。もし我が「不沈空母・台湾」が「中国の空母」と化せば日本は・・・。政府・媒体が敢て語らぬ生命線防衛の重要性を訴える。


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【メルマガ台湾は日本の生命線!】時事が配信したのは国民党主席の宣伝文書―国共トップ会談を正当化する怪しげな内容

2016/11/02

時事が配信したのは国民党主席の宣伝文書―国共トップ会談を正当化する怪しげな内容

ブログ「台湾は日本の生命線」より。ブログでは関連写真も↓
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2997.html

2016/11/01/Tue

■台湾を中国領とする「一つの中国」原則はフィクション  

台湾で今年五月に蔡英文総統の民進党政権が発足して以来、台中関係が冷え込んでいるのはなぜかと言えば、中国が交流、対話を一方的に規制、停止しているからだ。あの国が対台湾交流の政治的基礎と強調する「一つの中国」原則を民進党政権が受け入れないことへの報復である。

それでは「一中」原則とは何なのか。時事通信の解説によればそれは以下のようなものだ。

―――中国は一つであり、本土と台湾は不可分の領土であるとする原則。1992年に中台の窓口交流機関が双方の立場で確認したとされる。「92年合意」と呼ばれ、台湾(国民党)側は「『一つの中国』は各自が定義する」との見解を示しており、「中国」をめぐっては、中国共産党が「中華人民共和国」、国民党が「中華民国」と解釈することになる。2008〜16年の馬英九政権は争点を棚上げし、この合意を基礎に中国との交流を進めた。民進党は合意の存在自体を認めていない。

時事は言及していないが、この「中国は一つであり、本土と台湾は不可分の領土である」とはフィクションである。

一九五二年、台湾が日本の領有を離れた以降、中国がこの島を領有した事実はない。確かに中華民国という中国政権はそこに亡命して今日に至っているが、中華人民共和国がこれを自国領土と主張し得る法的根拠は一切ないのである。

しかし中華人民共和国は台湾奪取を正当化するため、そして中華民国は亡命先である台湾の支配を正当化するため、こうしたフィクション原則を掲げてきたのだ。

■「一つの中国」の虚構を受け入れず対中関係は悪化

ちなみに「92年合意」は、「一中」フィクションを打破せんとする陳水扁総統の民進党政権を牽制するため、国民党が二〇〇〇年に案出したフィクションである。

当初は中国側もその存在を認めようとしなかったが、二〇〇五年に国民党が「聯共制台」(中共の力を借りて台湾人政権を制圧する)の策略に出るや、一転して「合意」の存在を認めるに至った。もっとも「『一つの中国』は各自が定義する」「国民党が『中華民国』と解釈する」との合意内容は認めていない。

要するに中国にとって「一中」原則とはあくまでも「台湾は中華人民共和国の不可分の領土である」とする原則。すでにまるで朝貢国のように中共の前で委縮する国民党は、その侵略主義的な姿勢に異を唱えることができずにきた。これが馬英九総統の国民党政権の台中関係改善の実相と言える。

そして、そうした「一中」フィクションに基づく不平等な台中関係の立て直しを図ったのが民進党政権なのだ。中国がそれに反撥し、交流の停止など様々な圧力を加えて来るのは当然のことである。

■台湾人政権の制圧が国共トップ会談の目的

さて以上のような認識を持った上で観察したいのが、十一月一日に行われる国民党の洪秀柱主席と中共の習近平総書記との国共トップ会談である。

この洪秀柱氏は、その急進的な中国統一思想のために一般の有権者はおろか国民党内でも評判芳しからざる中国系の中華民族主義者。今回の会談の狙いは言うまでもなく国共連帯による「制台」(民進党政権及びその支持者層の制圧)である。

まさに国民党による相変わらずの外患誘致の動きと言えるが、同党はこれを台湾や地域の「平和と繁栄」のためだ強弁している。

そして洪秀柱氏自身も会談前々日の十月三十日、「平和と繁栄を追い求めることこそ台湾の共通認識」と題する文章を時事通信に寄稿して来た。

そして時事は、その宣伝文書の要旨を即日配信している。

それは六項目にまとめられているので、以下にそのまま引用しよう。

一、台湾独立を主張する民進党が政権を取り、両岸(中台)関係は急激に悪化している。

一、台湾経済は両岸の交流と切っても切れない密接な関係にあるので、われわれは両岸関係の悪化を無視できない。

一、台湾の将来のため、両岸の平和を求めるために、われわれは中国に行って、習近平共産党総書記と対話する。

一、両岸関係の原則は、中華民国憲法および、国民党が9月に採択した政策綱領を基に、両岸の平和的発展を求めることにある。

一、(国民党の)馬英九前総統は2008年の就任演説で、両岸の平和協定の重要性を強調したが、惜しいことに実現できなかった。

一、われわれは両岸の間の疑念を払拭すべく全力投球する。両岸の平和と繁栄の追求こそ台湾の本当の共通認識だ。

■台湾では取材拒否を受けたメディアもあるというのに

国民党の「政策綱領」を基に「平和的発展を求める」とは、中国との平和協定を推進するという意味だ。

それを以って国共内戦を終結させる平和協定の締結は、国共両党のかねてからのコンセンサスと言えるが、中共の狙いはもちろん中国統一(台湾併呑)。それに台湾国民が猛反対したため、洪秀柱氏の言を借りれば、「惜しいことに実現できなかった」わけである。

台湾に限らずどこの国でも「平和と繁栄を追い求めること」は国内の「共通認識」だろうが、台湾の人々が求める「平和と繁栄」は、国民党が追及する中国の影響下での「平和と繁栄」ではなく、中国との統一によるそれでも更にないことは、先の総統選挙、立法委員(国会議員)選挙における国民党の惨敗をみれば明らかなのだ。

洪秀柱氏は「台湾の将来のため、両岸の平和を求めるために、われわれは中国に行って、習近平共産党総書記と対話する」と書いている訳だが、それであるなら彼女は習近平氏に対し、台湾に照準を合わせたミサイルの廃棄を訴えるだろうか。

それはしないだろう。国民党にとり中共の台湾への武力恫喝は、民進党を牽制するための頼もしい武器と映っていると言えば、日本人は驚くだろうか。

いずれにせよ「台湾の共通認識」なる怪しげな宣伝文書を、その怪しさについて解説することなく日本社会に配信した時事のやり方は、人々に正確な認識を妨げるものとして有害である。

もっとも配信記事は次の程度の解説は付してはいる。

―――平和協定は中台統一につながる可能性があり、国民党内でも慎重論が根強い。洪氏が会談で平和協定を取り上げた場合、党内外の反発を招くのは必至だ。

時事にしても、洪秀柱氏のこうした中国迎合の言動が国内で大きな反撥を招いて来ていることを知っているはず。それでも「平和と繁栄」「共通認識」といった欺瞞だらけの洪秀柱氏の自己宣伝アピールを配信したのは、やはり国民党か中共から依頼があったからか。それとも自ら進んでそれらの歓心を買おうとしたためか。

台湾では自由時報など三つのメディアが三十日になり、中国の行政院台湾事務弁公室によって国共トップ会談での取材許可を取り消された。

自由時報といえば台湾では発行部数で断トツ一位の人気紙。「一中」原則の虚構を暴き続けるなど、国民党、中共批判の最先鋒といえる。

こうしたメディアが一方で存在するというのに、それに比して時事のざまはどうだろう。

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創刊日:2008-04-07  
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