国際情勢

台湾は日本の生命線!

中国の軍拡目標はアジア太平洋での覇権確立。そしてその第一段階が台湾併呑。もし我が「不沈空母・台湾」が「中国の空母」と化せば日本は・・・。政府・媒体が敢て語らぬ生命線防衛の重要性を訴える。


全て表示する >

【メルマガ台湾は日本の生命線!】産経「正論」欄にも中国宣伝工作の影響が―台湾に対して中国を「大陸」と呼んではいけない理由とは

2016/06/08

産経「正論」にも中国宣伝工作の影響が―台湾に対して中国を「大陸」と呼んではいけない理由とは

ブログ「台湾は日本の生命線」より。ブログでは関連写真も↓
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2863.html

2016/06/07/Tue

産経新聞の六月七日の「正論」欄は西原正・平和安全保障研究所理事長による「浮き彫りになった孤立化…中国のアジア外交は頓挫した」。先日のシャングリラ対話で、「ここ数年の会合に続いて中国の一方的な力による現状変更への批判がなされ、中国の外交的孤立は歴然としてきた」と指摘している。

そして「中国のアジア太平洋地域に対する外交は過去8カ月ほどで頓挫してしまった」とも。具体的には下のような状況が見られてきたという。

―――昨年9月の習近平国家主席のワシントン訪問は南シナ海の人工島化に関する米中見解の対立激化などで失敗に終わった。しかも中国は翌月に南シナ海の軍事拠点化に対抗する米艦艇の「航行の自由作戦」を受けて苦しい立場におかれた。

―――12月末、日韓が慰安婦問題の解決に目途をつけたことで、中国の日韓離反工作の失敗が明らかとなった。加えて本年1月初めに北朝鮮が実施した核実験や2月の長距離ミサイル発射への制裁強化に対して、中国が慎重な姿勢を示したことに、韓国から強い不満を買ってしまった。韓国は中国が反対する米軍の最新鋭地上配備型迎撃システム、高高度防衛ミサイル(THAAD)の導入を検討し始め、また大規模な米韓合同軍事演習などをするに至った。

―――韓国の対中離反に加えて、5月には台湾に大陸との距離をおく蔡英文民進党政権が登場した。馬英九総統が築いてきた大陸との協調体制が崩れたのである。

―――5月下旬のオバマ米大統領によるハノイ訪問も成功した。(中略)こうして米中均衡は米国に有利に働いた。

―――習近平主席は昨年9月3日に天安門広場で行った抗日戦争勝利70周年記念のための軍事パレードに主要国を招待したが、(中略)東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳で参加したのはインドシナ3カ国、それにミャンマーだけであった。中国がいまやアジア太平洋地域で外交的に孤立していることは明白である。

もちろん以下を特記することも忘れていない。

―――主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の首脳宣言では、中国の強引な海洋進出に関して「東シナ海・南シナ海の状況を懸念」と明記された。先進7カ国(G7)が足並みをそろえたことで、懸念は国際的認知を得ることになった。

そして「欧州主要国に対して認識を深めさせたのは安倍外交の成果である」と強調しながら、「中国に対しアジア外交が失敗していることを想起させることが必要だ」とも訴えている。

以上のように、実に示唆に富んだ論説ではあるが、ただその一部について、私は問題があると思っている。

「台湾に大陸との距離をおく蔡英文民進党政権が登場した。馬英九総統が築いてきた大陸との協調体制が崩れたのである」というくだりを見よ。

ここにおいてだけ「中国」が「大陸」に書き換えられている。

要するに台湾を中国領土と看做しているに等しいのだ。「中国大陸」とは「中国台湾」に対する呼称である。

たとえば今年二月に台湾で報じられて話題になったのに中国国営新華社通信の内部資料「新聞禁用詞」(報道禁止用語)があるが、そこには「台湾を中国と並列させてはならない。『中台』ではなく『大陸と台湾』とすべし」とある。つまり「一つの中国」の原則に従うべきで、「一つの中国・一つの台湾」を認めてはならないとする言論統制なのだ。

一方台湾でも、「一つの中国」を掲げながら二〇〇八年に発足した馬英九政権は、中国との関係改善を進める上で「二つの中国」「台湾独立」を進めていると疑われないよう、「中国」を「中国大陸」と呼び変えるよう政府機関(国営中央通信社も含む)に通達している。

しかし「一つの中国」とはあくまで虚構宣伝だ。国共両党は戦後一貫して「大陸と台湾が一つの中国に属する」と強調し、国民党は台湾支配を、そして中共は台湾併呑の国家目標をそれぞれ正当化してきたが、領土問題は国際法の観点で考えなくてはならない。

国共両党は「一つの中国」の法的根拠として、一九四五年におけるカイロ宣言に基づいた日本の中国(当時は中華民国)に対する「台湾返還」を挙げるが、それがまったくのフィクションなのである。日本は一九五二年に発効のサンフランシスコ講和条約に従い、いずれの国にも割譲することなく「台湾放棄」を行っただけなのだ(当時すでに台湾は国民党の亡命政権の独裁支配下にあったが)。

しかしこのフィクションは、国共にとっては政権の死活に関わるものである。それだけにそれぞれが形振り構わず「一つの中国」宣伝を繰り返した結果、日本政府は当初は国民党との、そしてその後は中共との関係悪化を恐れて真実を口にするのを憚り続け、マスメディアの多くも中共の圧力を受けてその宣伝を受け入れ、かくして圧倒的多数の国民もそのフィクションを鵜呑みにし、台湾に対して中国を「大陸」と呼ぶ習慣も身に付いてしまったという訳だ。おそらく今回の論説を読み、この点に気付いた読者もあまりいないのではないだろうか。

「台湾と中国は別々の国だ」との認識を持ちながらも、そうした言葉が口を付いて出てしまう者も少なくない。宣伝によって植え付けられた潜在意識はかくも恐ろしいものなのである。今回の論説を書いた国際問題の専門家である執筆者ですら、またそれをそのまま掲載した産経新聞社ですら、そうした宣伝の被害者ということか。

そしてこのように書く私に対し、「『大陸』の二文字程度で騒ぎすぎだ」と思う人がもしいれば、その者もまた宣伝の犠牲者と言えるだろう。実際にはこの問題は極めて大きく、深刻なものなのである。

そもそも中共が日本に対し、一貫して「一つの中国」原則を押し付けようとするのは、まずは「台湾問題は中国の内政問題」であるとの認識、印象を日本人に抱かせ、「中国統一」なる侵略行為は侵略ではないと思い込ませるためだ。この謀略は非常に成功している。

「それは侵略だ」と非難する言論はマスメディアを含めどれだけ見られるだろうか。「戦争反対」を叫ぶ左翼勢力にかぎって「統一」支持の声が大きいのもその一例だ。

そしてさらには、将来の台湾攻略の際、日米同盟が台湾救援のために発動されるのを日本人に阻止させるとの狙いもある。おそらくその時に至れば、「中国内政問題に介入するな」として、自衛隊の米軍への後方支援に反対する声が広がることは大いに考えられよう。特に日米同盟に反対の左翼勢力やマスメディア、そしてそれらに煽られた一般庶民の間からだ。

そしてもしそのようにしているうちに台湾が中国軍の手に落ち、日本が自らの首を絞めるような事態に立ち至ったらどうするのか。

このよおうに、目下中国の「アジア外交」は失敗しているとしても、「一つの中国の宣伝工作」は着実に成功を収めているということだ。

それではあの国の宣伝工作に打ち勝つにはどうすればいいかといえば、それは「騙されない」こと。「中国」を「大陸」と呼んではいけないという認識を広めたい。

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2008-04-07  
最終発行日:  
発行周期:毎日  
Score!: 98 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。