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大石英司の避難空港

発行日:12/31

**
▲▽絆から再生へ▽▲

 昨日の朝日新聞の朝刊「リスク社会を生きる−放射能が列島を分断する」とい
う新連載のプロローグが掲載されていました。私は、そのタイトルを読んだ瞬間
「放射脳で列島を分断せよ!」と脳内変換してしまったわけですがw。プロロー
グ自体は、わりとまともな内容だったような印象です。週刊AERAの煽り文句
とは違って。

 今年は辛い一年でした。原発周辺の住民は未だに戻れず、被災地の復興はまだ
まだ遠い話です。しかしそれだけの大災害にも拘わらず、日本経済は回っていま
す。公務員の給料が3割カットされるでなく、自殺者が急増したという話も聞か
ない。震災倒産も、恐らくは、当初懸念されたほどではなかったことでしょう。
 そして年明けからは、いよいよ復興需要が景気指数に反映されるだろうと期待
もされています。洪水のような報道から一歩下がって見ると、私たちは、起こっ
てしまった災難による経済リスクをミニマムなレベルに留め置くことに成功して
いる。

 それはなぜか、日本人の我慢強さももちろんあるでしょう。大きく効いている
のは、政府の財政支出です。本来、30兆程度で済ませなければならない予算を、
100兆以上もの金額で組んでいる。その付けは国債として膨らんでいく。
 その財政支出の中でも、社会保障の膨らみが凄まじい。毎年1兆円増えます。
私は以前から、世代間戦争を仕掛けよ! と訴えて来て、書き始めた頃は、自分
でもちょっと過激だな、とは思ったけれど、最近やっとネットの中では市民権を
得つつある。新聞も、控え目ながらも、「世代間格差」という表現をするように
なった。
 しかし一方で、後の世代に付けを回しているのは、年寄りだけじゃありません。
ありとあらゆる業界が、政府の庇護下にあり、既得権益を貪っている。サービス
業とて例外ではない。それら既得権益がもたらす稼ぎで暮らしているという意味
から言えば、この国に、自分はそれらと無縁だと言い切れる人間は恐らくいない。
形骸化しているにも関わらず、出版業界にも再販制がある。輸出業界ですらが、
円高を是正せよ、と政府に文句を言ってくる。それが出来ないことは解り切った
話なのに。

 今年は、多くの神話が暴かれた一年でもありました。原発の安全神話が暴かれ、
堤防が気休めに過ぎなかったことが暴かれた。改革幻想が暴かれたけれど、処方
箋は何処にも無い。
 日本の原発はデタラメだったということが暴かれたけれど、これにも即効的な
処方箋は無い。日本の財政が酷いデタラメに陥っていることを国民は皆知ってい
るけれど、幸いまだメルトダウンに陥っていないから、われわれは今日もそれを
せっせと燃やして運転している。メルトダウンなしに、それを冷温停止まで持っ
て行けるのか。
 しかし、明るい面もあります。日本人は、そこに問題があると理解したら、解
決へ向けて知恵を出す民族です。原発は、世論の冷温停止が達成されれば、その
方向へ向かうでしょう。自然災害もそうです。犠牲を払いつつも、われわれは立
ち向かってきた。最後に残るのは、政治です。民主党政治が失敗したことは明白
です。所が一方で、自民党政治にさえ戻れば、全ては解決するかのような幻想を
未だに抱く人々がいる。すでに空だき状態の日本の財政が溶け始める前に、政治
を建て直す必要がある。

※ 生活保護受給者囲い込みの病院「彼らは上客」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111231-OYT1T00140.htm?from=main2
*生活保護者、公費負担で高頻度通院…厚労省調査
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111231-OYT1T00024.htm

 年末に国民を鬱にさせてくれるようなニュース。厚労省も嫌らしいのは、ニ
ュース枯れする31日まで取って置くんですね。記者さんに耳打ちして。
 生活保護で良い暮らしをしたければやっぱり大阪です罠。こういう状況を変え
ないと、本当にそれを必要としている人々がサービスを受けられなくなるから。
ふと思ったんだけど、肉体的な苦痛を伴う検査を強いてみたらどうだろう。「じ
ゃあ念のため、たまには腰椎穿刺してみましょうか?」とか。「あと、新しい規
則で、通院二回毎に採血して諸々検査することになりましたからぁ」。金が掛か
らず、患者に肉体的苦痛をもたらす検査って何か無いだろうか。

※ ユーロ、一時99円40銭台 NY市場
http://www.asahi.com/business/update/1231/TKY201112310069.html
*NYダウ、前年末比640ドル高で終了
http://www.asahi.com/business/update/1231/TKY201112310068.html

 NYダウは、通年に均して見ると、リーマンショック以降、戻してはいるんで
すね。リーマンショック前の高値まで復活しないだけで。そこは日本の株価と比
較すると、遙かに良い兆しと言える。
 問題は、中国経済が支えられるかどうかにしても、ユーロ経済が鍵です。ユー
ロが持つかどうか。ドイツ人が動くかどうか。
 イタリア経済は、日本から見ると、ギリシャ経済とたいして違いは見えないか
も知れないけれど、実は日本より遙かに健全だった。国債にしても、6割は国内
で消化されていた。にも関わらず、今の状況を招いてしまった。日本も、財政問
題を軟着陸させる過程で、中国が日本の国債を大量保有するチャンスも出て来て、
国内での消化率は徐々に落ちていくことでしょう。国内消化率が低下する過程で、
市場から何かを仕掛けられる可能性はある。

※ 陸山会事件(下) 「事件は妄想だ!」 報告書の“作文”に「証拠隠し」
… 検事から爆弾証言で新局面
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111231/trl11123107000001-n1.htm

 まともな司法制度を持つ欧米なら、これはとっくに公訴棄却になっています。
所が日本の、検察偏重の司法制度の下では、事務的に糊塗しようがないミスを除
いては、検察の意図的な作為不作為によって公訴棄却になることはまず無い。日
本の裁判は、まずサラリーマン判事が検察のご機嫌を取ってナンボですから。
 それに、石川さんらの一審判決を見ても、そう期待できるものではない。

※ 「読まずに死ねるか!」内藤陳さん死去
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20111230-OYT1T00609.htm

 私が初めてお酒の美味さを知ったのは深夜プラスワンででした。冒険作家クラ
ブでも長いことお世話になり、度々お顔を出して頂きました。また会の終わりの
パーティでも、体調を押して駆けつけて頂きました。
 気さくな方でしたが、私にとっては、とても隣りに座って気楽に酒を飲めるよ
うな相手ではなく、陳さんとはいつも畏まってお話していたような記憶がありま
す。ご冥福をお祈りします。
 最近、デビュー前後にお世話になった方々の訃報に接する機会が多くて、自分
ももうそんな歳になったんだなぁ、と思う日々です。

※ 2012年終末からの脱出、「ノアの箱舟」券が中国のネットショップで大好評
販売中
http://karapaia.livedoor.biz/archives/52057966.html

 マヤ歴の時代って、災難と言えば、天変地異でしょう。今年、われわれは、未
だに天変地異こそが、人類社会に災厄をもたらす元凶だということを思い知らさ
れたけれど、世界的に見れば、全地球規模で破滅をもたらすものは、もはや自然
災害ではなく、経済危機です。その終末をもたらすものが、天変地異の類ではな
く、経済危機でなければ良いですが。
いんや、マジな話……。

※ 防衛研 新たな戦史を編さん
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111230/t10014990801000.html

 よろしいんじゃないでしょうか。でもやるとなったら、これが最後の試みにな
るんでしょうね。どの辺りが論点になるんだろう。

※ 【NewsBrief】F15戦闘機を米国がサウジアラビアに売却へ
http://jp.wsj.com/World/Europe/node_368081?mod=WSJ3items

 サウジの人口は2500万人。うち1/4が外国人労働者。そんな国を相手に、
バカスカと最新鋭の兵器を売りつけている。実質的に、日本の1/5しか人口が
いない国で、そんな最新鋭の戦闘機を売り込んで、どうやってパイロットを選抜
するんでしょうね。

※ 楽天で販売されているパソコン型インテリア(張りぼて)を激安PCと間違い
全て完売 返品を訴える声も
http://getnews.jp/archives/160344

 これは詐欺かどうかちと微妙ですわな。でも動かない外車をインテリアと言っ
て売る商売はありそうな気がしますが。

※ 村西とおるの反原発活動観 山本太郎に「反モチ運動」を提案
http://www.news-postseven.com/archives/20111230_77880.html

 凄く真っ当なご意見ですが、金だよ、という話になると、また怒る人々がいる
んですよね。

※ 今年の海外ドラマを振り返る。

 いつもなら、このテーマだけで別エントリーを立てるのですが、今年は不作で
した。「イベント」も「V(リメイク版)」も第1シーズンで転け、辛うじて残
ったのは、「テラノバ」だけです。まだ4話放映されただけですが、悪く無いで
す。向こうでも第1シーズンが終わったばかりで、第2シーズンにまでゴーが出て
いないのですが、たぶん大丈夫でしょう。
 MAD MENは相変わらず良いですが、これはドラマ好きにしか勧められない。あ
と1960年代のアメリカの文化や政治に関心のある人々にしか。来年は、
「Person of Interest」が上陸して来ます。これが若干楽しみかなという程度。
同じくJ・J・エイブラムスの「ALCATRAZ」は、こちらは虚仮威しで終わりそうな
気がしますが。「フリンジ」は今第2シーズンが始まったばかりですが、そこそ
こです。Xファイルを楽しめた人には勧めて良いでしょう。

※ フカシ先生

 業界的には、正直、あの人は今、状態です。ある日ネットのタイムラインから
フカシ先生の名前が唐突に流れてきて、何やっているんだろうと覗いたら、「あ
あ、壊れちゃっんだ……」状態。
 一方の町山さん。宝島時代の活躍を知らない私より若い世代にとっても、町山
×ガース柳下の抱腹絶倒の対談が読みたくて映画秘宝を買っていた業界人が一定
数いる。そういう世代にとっては、「へぇ〜、町山さんアメリカにいたんだ……。
あ、やべぇ! 他社に先んじて仕事を頼まなきゃ」、状態。収入倍増w。もう町
山さんは、フカシ先生に足向けて寝られませんよ。稼ぎの1/3くらい寄付して
も良いくらい。ここまでの落差は、普通あり得ない。それが起こってしまい、わ
れわれはそれをリアルタイムで目撃させられた。
 フカシ先生の炎上戦略は、自分を窮地に陥れこそすれ、インカムの向上に全く
貢献しなかった。肥溜めの中で、自分が何を握っているのか気付かずに辺り構わ
ずうんこをぶちまけている状況。じゃあ、フカシ先生はもう駄目なのか?
 時々地方で、聞いたこともないような町内カルトが事件になったり話題になっ
たりするでしょう。主婦が、訳の分からん教義を掲げてご近所の家族丸ごと抱え
込んで破産させるようなお話が。
 今のフカシ先生はそういう状態なんです。どんなに脱線しようが、彼を支持す
る数十人のファンがいる。それはセミナーに来てくれるほんの10人だったり、 
Twitter やFacebook にイイネと反応してくれる30人だったりするんだけど、
カルトって、ご町内ほんの数十人のガチな信者を囲えば、教祖だけはそこそこ良
い生活を送れたりするでしょう。その閉じた世界では、外に対して、きてれつな
ロジックや稚拙なホラ話が認められる必要は無い。やれ集金システムだ、物販グ
ッズだと余計なことは考え無い。あくまでも教祖対信者で、中抜きを防ぐシステ
ムを組み上げる。
 あの状態なんです。その信者は、新刊が出る度に千冊単位で買ってくれるわけ
ではないけれど、セミナーにも顔を出してくれるし、小金を集めるだけの資源に
はなっている。
 この一年の彼の炎上戦略は、明らかに余計でした。それはもう破滅的までに
痛々しかった。業界の信頼を失っただけ。
 しかし、自分の発言を無条件に受け入れてくれる限られた人間だけを相手にす
るというのは、ビジネスモデルとしては悪く無い。業界的には明らかに非伝統的
手法と言えるけれど、彼はそういう試みが昔から好きだった。
 ご本人はご本人で、それなりにお幸せなのでしょう。他人を巻き添えにしない
分には、周囲があれこれ言うべき問題では無いのかも知れない。問題は、他人を
巻き添えにするたびに、長年築いた自分の名声をボロボロにしている点ですが。

※ 前日の空虚重量71.3キロ

 金曜? 昼前からかりかりして年賀状印刷。日本人の悪癖orz。何かこれを止
める適当な理由がないものだろうか。同時に、忘年会に持参するパリのDVDを
焼く。
 18時直前、れいによって手書き文面一切ないまま郵便局に持参して投函。そ
れから次男をだまくらかして南武線。空いている。まずラゾーナに向かう。電飾
があると期待するも何もなし。がっかり。
 ペットショップでポポンデッタ・フルカタなる熱帯魚を購入して東口に。数年
ぶりにコミケ流れの宴会会場に向かう。ドアを開けた途端、「うわ!? みんな、
まんま老けている(^_^;)」状態。コミケの平均年齢て今どうなんだろう。次男、
マスターから結構な出来映えの食玩オモチャを貰う。ディスクを渡し、ビール一
杯頂戴して帰路に。ノクティのキラリデッキはまだ電飾きらきら、ラゾーナなん
かより遙かに派手。
 帰宅してから、CXの震災特集の予約録画に失敗したことに気付く。前半しか
録れてなかった。結構辛い番組だったらしいことを後で知る。

※ 来年は、絆から再生の年にしたいものです。今日は私が年に一度だけ、制服
集団に感謝の意を表する日です。
 菅政権が自衛隊の10万人出動を命じた時、自衛隊のことが解っていない、無
理だという批判がありました。私にそれに対して、これは総力戦である、と書き
ました。自衛隊はその総力戦を見事にやってのけました。
 恐らくこの後、自衛隊の中で、震災前、震災後というフレーズが使われること
でしょう。「あの戦争を共に体験したか?」が一つのメルクマールになる。
 遺体を拾い集めた隊員の経験を国民が知ることは今後も無いでしょう。恐らく
多くの隊員がPTSDに陥っているはずです。これを機会に、PTSD対策やそ
のカウンセリング導入が進むことを望みます。
 われわれが平和を願う時、それは主に戦争からの平和を意味します。来年から
は新たに、自然災害からの平和も願うことになる。でも国民の思考の片隅には、
もし何処かで何かが起こっても、陸や空や海から、救いの手を差し伸べてくれる
頼もしい集団がいてくれると刻まれたことでしょう。
 自衛隊は今後、そのややもすると過度な期待にも応えなければならない。原発
事故時の放水任務のように。今宵、離島のレーダーサイトで歩哨に立つ兵士に感
謝します。東シナ海で中国漁船の見張りに立つ巡視船の乗組員にも。駅前交番に
立つお巡りさんに。入院病棟の夜勤で正月を迎える看護師さんに。そして今年、
休む暇もなく、被災者のために奮闘した自治体の職員の皆様に、国民の一人とし
て感謝を申し上げます。
 今年もお世話になりました。皆様、良い新年をお迎え下さい。例年通り、メル
マガ&ブログの再開は、3日からになります。

※ 有料版おまけ 現代のビッグブラザー、Google の世界支配に抗う術もない
われわれに関して。

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