経営

"成果給”・・・新戦略の核心か?ガン細胞か?

 日本の給与制度を席巻しつつある“成果給"!
 グローバリズムの下、導入不可避とされるこの制度の功罪を、報道される各社の人事問題等を題材に徹底検証してみたい。

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No.109戦中末期世代の抵抗(其の三)*委縮するメディア・墓穴掘る?「社会の木鐸」

2017/08/24

No.109                       戦中末期世代の抵抗(其の三)         (2017.8.24.)
            ***委縮するメディア・ 墓穴掘る?「社会の木鐸」*** 

 些か旧聞に属するが、都議会選挙日の早朝、ほぼ毎週欠かさないTBS「サンデー
モーニング」を観て驚いた。番組の締め括りのテーマが「風をよむ」だ。きっと政権
が目下手を焼いている官邸・霞が関間の『忖度』問題と思ったが、大違い。
 メディア各社が安倍政権の執拗で手の込んだ締め付け(介入・批判・差別)に悲鳴
をあげ、今や報道姿勢をセルフ・コントロールするムードに陥りつつある現状への、
『自己嫌悪』と『自己批判』めいた「ガス放出」番組だったのには、呆れると同時に
ガッカリした。しかも出演者の顔ぶれは、新聞・テレビ各社の合同チームだ!
   唯一の救いは、掉尾を飾る若い女性記者(東京新聞)からの現状打破への自省を
込めた努力表明だったが・・・。ドイツ語流の表現では「実現までに未だ大量の水が
ライン河ならぬ隅田川を流れそう」である。
   だがこの程度の知性度の政権相手に、予て惧れていた事態―メディアの自壊―が
 可成り進行している現実を目撃させられたのだ。「 素直でヨロシイ」と言いたいが、
「一寸おソマツでは? 」とも思う。対策に悩む業界の”恥部露呈" に他ならぬからだ。

 問題はメディアがこれでは憲法の保障する『言論、出版その他一切の表現の自由』
(21条)の侵害も”自由自在”ということだ。当面まず「自己防衛に汲々」が続きそう
で、累は当然国民全体に及ぶ。大統領選挙以来少々軽視している米国社会だが、少く
ともメディアの主流は反権力で一貫、至極『健在』だ。わが国でも出版業界主流の体
質は中小を含めすこぶる健全* 。原因は『問題意識』と『使命感』の強度差にある。
 (*註:本ブログNo.84「新聞を叩く−社会の木鐸の存在感?−」Feb.28.2013  
   I.「鈍感」過ぎる批判感覚・反原発 参照)
 この業界の謳い文句の「 社会の木鐸 」とは、『 社会の人々を覚醒し、導く人』の謂  
(広辞苑)である。毛主席が説いた「 反面教師 」(見習ってはいけないお手本)になら
れては、「第三の権力」と認める程手放しで 影響力を過大評価する気はないものの、
国民は困る。
       1.      異常な業界DNA:「 権力」への伝統的 ”親和性”
   
 それにしてもわが国のメディアの現状は情けない。業界の政権に対する姿勢が分裂
する結果、権力の専横を許す「腰砕け」が続く。第二次安倍政権発足以来、鼎の軽重
を問われる事件が枚挙に遑なしだ。先ず中身が不透明で拡大解釈の懸念が濃い「特定
秘密保護法」の制定 (Dec.2013)、次いで自衛隊の実力行使・海外活動の拡大を狙う
「集団的自衛権」の解釈変更−事実上の解釈改憲−(Oct.2014)と「安全保障関連法」
の成立(Mar.2015)、さらに終戦まで悪法の定評が高かった治安維持法の ”復活”と
視られる「共謀罪法」の、強行採決による成立 (Jun.2017) だ。
 政権共々、この業界の情勢判断が甘すぎた「ツケ」は、即座に回る。既に先般、新任
の小野寺防衛相は、北朝鮮による「グアム島基地へのミサイル攻撃」の恫喝に対し、
「北が実行すれば”安保関連法制”に基く対米防衛協力義務が生じる」可能性を示唆し
た(Aug.10)。つまり国民の意思にお構いなく、戦争放棄を宣言した筈のわが国が”北”
に対し「自動的」に、再び真珠湾同様 「戦闘状態に入れり」となる ”予告” である。 
 かような事態の発生は、同法の制定当時、夙に予見されていた。65年前の講和時に
締結した安保条約で、基地提供の代償に『防衛は米国側が全面負担』 と定めた原則を
「不敏」の安倍政権が浅慮から米側の歓心を買うために修正, 「ギロチンに国民の首を
押し込んだ」結果に他ならない。
 さらに上記の”共謀罪法”は拡大解釈適用への歯止めが不鮮明で、メディアにとり
事業の存立基盤を揺さぶる可能性もあることは、戦時中の苦い体験 ( 緒方・朝日副社
長が「言論統制」  を巡り、対軍部屈服を余儀なくされた経緯 ) からも明らかな筈。
 味を占めたか、国民を舐め切ったのか、都議会選大敗で改憲テンポに齟齬を生じた
現在、次は第一次安倍政権での教育基本法改訂で先鞭をつけた「教育勅語の復活」が
俎上に上りそうだ(朝日朝刊 Aug.14.2017. P.3 参照 )。
 これらのいずれに対しても主要紙夫々でスタンスが割れ、業界が団結して阻止する
気配などは、薬にしたくもサッパリ見当たらぬ。この不可解な状況の原因究明に役立
ちそうなのは、筆者自身も改めて感嘆?した『全国紙各社の社史探索』だろう。

                 2.  没・理念を立証する逞しき「権力密着商法」史

 明治以降、政治権力と新聞との抗争は長い歴史を持つ。当初は発行母体の経営規模
が概ね中・小で、影響力を発揮する上で制約要因となったが、正論貫徹の姿勢と言論
の質は、近代黎明期のわが国民の知性の高さを反映し、賞賛に値するレベルだった。
 だがその後、存在感を備え始めた有力新聞各社は、この国の権力中枢と密接な関係
を持った人物と強い絆で結ばれ、発展した。また最近こそ目立たぬが、過去長い間、
政界への人材供給源だった伝統もある。無論、権力と混然一体ではないものの 「取材
上の必要性」 だけでは説明困難な、奇妙な親和性が両者の間に存在する。
 後述の『記者クラブ』問題の淵源も、この辺―「持ちつ持たれつ」の生い立ち―に
ありそうだ。どうやらビジネスに御執心の余り、この業界に課せられた『貞操観念』
( 普遍的理念に基く責務・「権力への監視姿勢と感覚」)を軽視・忘却したらしい。
 この業界特有の『対権力親和性』は、天皇制下での軍部ファッショ時代のみならず
戦後も、民主化を「付け焼き刃」的な対応で誤魔化し古い体質を温存、司法部門まで
動員し「真の意味の民主化」を極力喰い止めて来た『ウルトラ体制』が、その本性、
つまり”国家の暗部”―自民党と『日本会議』の癒着と同様海外の眼には多分不可解
な―「一種の国家的アキレス腱」を露呈する現象なのだろう。
 本来民主化推進の担い手の筈のこの業界の、「権力」への?通奏低音的親和性”は
現在も依然健在だ。論より証拠。政権首脳と業界トップ達はかなり頻繁に会食する。
他の先進国ではあり得ぬ、当事者のモラル感覚を疑いたくなるわが国独特の慣行だ。
○ 全国紙最大の発行部数の「読売新聞」は、元内務官僚・警視庁警務部長を虎ノ門
  事件*で引責辞任した「正力松太郎」氏が、退職後1924年(大正13年)に買収・
  テコ入れし発展させた新聞社(* 註: 摂政時代の昭和天皇を難波大助が狙撃した
    暗殺未遂事件1923)。 同氏は戦時中、大政翼賛会総務、1944(昭19) サイパン失
  陥で東条首相辞任後、小磯大将が率いた内閣で内閣参与、 戦後はA級戦犯指定。
  米・CIAと昵懇の噂があり、原発およびTV(日本テレビ)導入でも中心人物。
    彼が目を掛けた通称読売の独裁者「渡辺恒雄」氏は、後述の水野成夫氏同様東大
  時代日共に入党したが2年で離党、読売入社後は敏腕の政治記者で児玉誉士夫や
    中曽根首相の信頼を得た。論説陣を経て経営関与後はプロ野球をテコに発行部数
  1千万突破で業界首位達成。ビジネスでもやり手だ。やや意外だが戦時中入隊し
  上官の暴行を受けた体験から反軍・反戦派で、その上、厳しい靖国参拝批判派を
  自称する。
○ 一方「朝日新聞」は大阪の村山一族が株主だったが、早大専門部を経て入社した
   「緒方竹虎」氏が同郷の右翼大物・頭山満と親しく、政界有力者の知己を得て長く
    朝日の編集陣を総括、副社長。この間、戦時中は軍部に人脈を構築。小磯内閣の
  国務大臣・情報局総裁就任。戦後A級戦犯指定・公職追放となったが、解除後に
  福岡から立候補。吉田内閣の副総理・内閣官房長官。その後、自由・民主両党の
  保守合同を成し遂げたが、直後に急逝した。健在であれば、首相候補のトップだ
  った人物。特にCIA から、親ソ連に動く鳩山派に対抗する保守陣営の中枢と高く
  評価され、資金援助の噂もあった。歿後ダレス長官からの弔電があった由。
○  「毎日新聞」には政界との絆はないが、1977年同社が経営危機に直面、主力銀行
    が逃げ腰だった際、鉄鋼業界再編で新日鉄 のトップとなり政・財界間の調整役を
   務めた「永野重雄」氏が、”歴史のある毎日(1872年創刊)の業界での存在意義” 
   を極力主張して再建を主導、 破綻を回避させた経緯がある。尚、ヴェトナム戦争
    の最中、路線修正を巡って「一悶着」あったのは有名だ(後述)。
○  「サンケイ」は大阪が本拠の「日本工業新聞」として1933年(昭8)スタート。
   戦後本社を東京に移したが1958年経営不振となり、後の「 財界四天王 」の一人
   国策パルプ社長でフジ・テレビも主宰する「水野成夫」氏が経営権を掌握。爾来
  「財界の機関紙」と呼ばれつつ発展。最近では朝日を槍玉に上げる記事が多いのが
   目立つ業界最右派的存在だ。水野氏は東大在学時「新人会」のメンバーで日共の
   党員だったが、5・15事件で逮捕され獄中転向( 第1号 )。「読売」会長の渡辺
    恒雄氏と共に左翼から「転向」した財界人として著名。だが仏文学の名訳もある
   才人でスケールでは一枚上。財界では経済同友会幹事で組合対策に辣腕を発揮。
   国策パルプも戦時中、同氏が陸軍の支援を得てスタートした経緯がある。
○  「日経」は1876年( 明治9)東京で「中外経済新報」として創刊。経済専門紙と
  して順調に発展。政治的しがらみの少いメディアだが主要顧客が 広告主 (企業)
  ・読者とも基本的に保守派。従って論調は、専ら経済界を代弁する。政治的には
  概ね是々非々で中立に近いが、特に中国には一貫して歯に衣着せぬスタンスだ。
  多分、伝統(北京駐在員退去令の犠牲者第1号)だろうが、厳しい情報管制の下
  で質的な面への目配りにも優れ、日本のプレスとしてフェアーで万丈の気を吐く
  姿勢は賞賛に値する。(資料:事実関係は主にWikipedia、意見・判断は筆者)

「権力とメディアの親和性」−卑近な言葉では『腐れ縁』−の背景がお判りだろう。
兎も角この業界では、一口でいえば「社会の木鐸」的カンバセ発揮には苦労しそうな
企業風土が強い。旧悪?を暴くようだが「毎日」は、ヴェトナム戦争の最中、米軍の
盲爆激しいハノイで決死の取材をした「大森レポート」が大向うを唸らせたが、米国
大使ライシャワー氏の抗議一発で沈黙。大森記者は退職、編集は俄かに右傾し、読者
も去った。「毎日危機」の遠因だ。現在の毎日は世論調査でも朝日を凌ぐ「進歩派」
振りだが、筆者を含む古い読者はこのダッチ・ロールの行方に、未だ「羹(あつもの)
に懲りて膾 (なます)を吹く」心境である。
 尚、テレビ業界は、大手はNHKを除きラジオ放送が主体だった民放を母胎に発展
し、事実上大半が新聞各社の子会社的存在なので、メディアとしての行動姿勢は企業
グループとして「統一的」だ。だが今後は、新聞を遥かに凌ぐ技術的発展性もあり、
不甲斐ない親たちの掣肘を脱し、活字媒体を経由せぬ速報性と優れた訴求力を一層生
かした、政治的な「独立性」を強める“非・別働隊”的行動への挑戦を期待したい。
    
     3. 懸案: 問題の『記者クラブ』・『世論調査』の信頼性
 
 わが国のメディア批判は概ね悪評高い『記者クラブ』制度に絞られる。だが外国勢
の排除が目的ならレシプロ違反(外国では無差別。この業界は "おもてなし" 不在?)
だろうが、そうでなければ、「官製情報の垂れ流し」自体は、「抜け駆け」の防止や
取材効率(省力化)などのメリットを論ずる以前の、記者達の「取材能力不足の証明」
を意味するだけでは?この制度下での「安住」を欲する者は、どの途「特ダネ」とは
無縁、つまりデメリットをも覚悟の上の「平和共存」で、「 気楽に仕事する」のも生
き方の一つだろう。
 だが提供側も老練。「取り次ぐ」情報で騙しに利用されぬよう、内容の信憑性チェッ
ク位は励行すべきだ。最近も観光収支のGDP貢献度の発表で、担がれた懸念がある。
 クラブ制の「情報独占」が弊害というなら、それを許す ” 情報の出し手側の姿勢” 
と、利用するつもりで実は「承知で」利用されているらしいメディア側の ” 頽廃性” 
の側面こそ、より問題視*されるべきだろう(*註: 尤も「世界」の『メディア批評』欄
は、異なる視点からこの制度を痛烈に批判する 2017・9月号P.35ー42 )。
 都議会選の大敗後初の「世論調査」では、安倍政権への支持率が大幅低下したが、
各メディアの報じた結果に殆ど差がないのは些か奇妙だ。ほぼ毎月実施される調査の
前回までの結果には、各社特有の「バイアス格差」(読売・サンケイ・日経v.s.朝日・
毎日)が明らかに存在したので、今回の結果は意外である。
 蒙御免で失礼な憶測をすれば、保守系三紙で世論動向に阿った「内閣不支持率」で
の結果的微調整(上乗せ)の可能性を疑いたくなる位だ。殊に日頃左右両極にある毎日
と産経の、不支持率での「一致」は傑作だ!   他社に比べて不支持率が低すぎると、
世論の気配から読者の批判を浴びる事態が想定された筈だ。ポピュリズムの反応は、
不気味だったろう。尚、内・外の過去の例では、支持率が3割台に陥った政権は崩壊
する公算が大である。
      1. 内閣支持率(6月比 )    2. 内閣不支持率(6月比 ) 
  日経      39        ( −10 )       52  (+10)
  読売      36     (  −1 3 )         52  (+11)
  産経・FNN       34.7   ( − 1 2.9)       56.1 (+13.2) 
    朝日         33      ( −  8 )          47   (+10)
    毎日         26      ( − 10 )          56   (+12)  
     
      NHK       35         ( −13 )        48   (+12)  
  共同通信        35.8     ( −  9.1 )          53.1 (+10.0)
 
内閣支持率の高い三社で不支持率も高い矛盾の背景は、設問時に「わからない」と
答えた回答者に「どちらかといえば Yes か?または No か?」と旗幟鮮明を迫った結
果だろう。朝・毎との回答率(支持・不支持の合計) の大差( 約10%) からの推測だ。
 世論調査は、設問の内容や仕方で結果を変える(調査側の期待値への誘導 )ことが
技術的に可能。その上調査コストも絡み実質的な回答数は平均して1千名強である。
 これでは文字通り「葦の髄から天井窺く」(0.002%  有権者数1億396万人、投票者
数5,474万人、投票率52.66%―なお棄権率47.34% は前回(40.68%) を凌ぎ、史上最高
・平成26年12月総選挙)で、調査結果の『科学的妥当性の立証』は困難の筈だ。 

 ビッグ・データ時代ともなれば回答者の選別さえも自在となる。科学的根拠の欠如
をメディアの看板で「信用補完」し、現代流の欺罔行為のツールにも利用できよう。
 厳しいことを書き連ねる背景は、この国の民主化が民主党政権の消滅・野党の無力
化を契機に完全に歩みが止まり、この風潮を支える主因が、「覇気を欠くメディアの
批判力」と「若い世代の政治への無関心化−シラケ性向−」と推測するためだ。
 後者は、過去2回の総選挙での若年世代の『棄権率の急激な上昇』が証明する憂う
べき現象 ( 20歳代  50,55,  62.11,  67.42 %、 30歳代 36.13,  49.90,  57.91%
夫々平成21年、24年、26年の衆議院選挙 )だが、今後政変で改善も可能だ。しかし
前者は、上述の業界体質もあり、業界人の自覚と対策が乏しい限り、救いが無い。

     4.  不可欠な企業理念の確立と「国民の信頼感」確保

 前々回のわが国の総選挙時(2012.Dec.)、滞日22年で既に並の宗匠顔負けの実力派
俳人・アーサー・ビナード氏が、ラジオ番組 (文化放送)で、こう喝破した由。
『今朝の新聞は何ですか。こんなの世論調査じゃない。世論操作です。ボクの国アメ
リカの新聞は、こんな大事な時はどの党を支持するかなんて調査しない。重要な政策
について賛成か反対か新聞としての意見をハッキリ述べ、支持できる政治勢力を堂々
と応援する。』。
   確かに現在、政権に対するNYタイムズほか有力米紙の動きは、この通りだ。少くとも
米国の新聞業界は、『世論調査の機能的限界(リスク)』と『民主主義の根幹を成す
選挙に対するプレスのあるべき姿』の認識能力で、わが国の同業より「一日の長」が
ある。
 この選挙の直前、投票先未定者―浮動票―が、小選挙区(56%) 比例区(48%) とも
異様に高い状況だったが、当時の綜合誌は、この事実を軽視する主要各紙の姿勢を強
く批判した。とりわけどの調査でも、原発継続、消費増税、沖縄 (普天間移転・オス
プレイ配備)の三つの争点には概ね「反対」が多かったのに、これらの争点に賛成、
ないし態度をぼかした自民党を、何故「圧倒的有利」と判断したのか?である。
(因みに4年半後の今もこれらの争点が全く新鮮さを失わぬ(未解決)のには呆れる
が、全国紙でこれらの問題に旗幟鮮明なのは朝日、毎日、東京新聞の”反原発”表明
のみで、改憲問題でも各社の姿勢は不透明。ビナード氏の批判は ”ご尤も” だ。)
 さらに同誌は調査の際の設問の内容も問題視し,『 争点をめぐる議題設定が不十分
で選挙の勝敗に力点が置かれると、「勝ち馬に乗る効果(アナウンスメント効果)」
を誘発する。』と指摘した(「世界」2013年2月号 P.81ー 82 )。
 世論調査が政治に占める役割は、ますます増大するが、それに伴う勧進元・メディ
アに十分な責任の自覚があるのか現時点では不透明だ。筆者の直感では上記ケースで
は明らかに総合誌の見解に軍配が上がる。事実、小泉政権下の総選挙以来メディアの
事前予想の的中率は極めて高くなった。万一「アナウンス効果」に自惚れて、政治に
介入するようなことがあれば、「国民を欺いた責任」の追求は当然ながら、異業種の
外資が『厳正中立』を売り物に参入する「因習打破」への動きなど、業界の消長にも
影響する事態を招く可能性を改めて認識すべきだろう。
 兎も角、メディアの存在は「国民の信頼感」と「業界の理性」が支えなのだ。これ
以上、メディアを通じた世論コントロールが続き、業界がこれを甘受する姿勢を変え
られなければ、この国の社会が次第に「活力を失う」ことは間違いあるまい。
 
 ここ一両年、北東アジアを巡る地政学的リスクは急騰した。だが解決策は事実上、
座礁状態だ。その一方、当事国の中で重要な地位を占めるわが国は、「米国と一体化
した協力体制」の美名の下、「全ての判断を実質的に米国に委ね、その指揮に従って
行動する」不甲斐ない有様だ。
 だがアジア諸国がわれわれに期待するのは『日本独自の判断と行動』で、現在その
能力の有無が問われている。昨今人材に乏しく知性度が劣化した政界に代わり、世論
を喚起し国論の統一を目指す?駆動力”としての機能発揮が、メディアに期待されて  
いる筈だ。暫くソロバン棚上げで、発想転換に脳漿を搾る要がある。『6カ国による
不可侵条約』も、日本が仕掛け得る、当面の危機回避のための一案だ。
 偶々今朝石橋湛山を追想する番組で、米・ソの冷戦終結を図るため訪中、周恩来の
共感を得て莞爾と微笑む姿があった(NHK BSプレミアム「昭和・“核なき世界”と権力への
挑戦」) 。彼も又ジャーナリズムが生んだ政治家だが、線の太い現実派でもあった。
 アジアで最先端をゆく立憲制民主主義国家であり、「言論・信仰・思想の自由」が
保障された先進国としてアジアの将来のモデルでもある日本が、アジアの平和実現の
ため、今、何ができるのか? その方策の策定へ、メディア業界が一丸となって協力
し、政府・国民を動かすべき秋であろう。
  
   新季題・「豪雨」 (被災地と安倍政権の御苦労を偲びつつ)
          豪雨跡   再起を期して  泥濯(すす)ぐ    汨羅
        
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