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"成果給”・・・新戦略の核心か?ガン細胞か?

 日本の給与制度を席巻しつつある“成果給"!
 グローバリズムの下、導入不可避とされるこの制度の功罪を、報道される各社の人事問題等を題材に徹底検証してみたい。

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党分裂への一里塚か?***救いなき民主・党首選***

2010/09/06


 NO.57                              ('10/9/6)
        
                  党分裂への一里塚か?  
                *** 救いなき民主党首選 ***          

 まさかと思った小沢元代表の出馬声明で、見事な背負い投げを喰ら
ったブログ前号の予測、『政界、一寸先は闇』を自ら立証した不明を
まずお詫び申し上げる。
 さて立候補宣言後10日、片や通常党首選では勝率が圧倒的に高いと
いわれる「現役」だが明らかに力量不足、も一方は脱税起訴の公算が
すこぶる高い独裁型と、どの途もう一つ選択肢に欠ける党首選だ。が、
意外にもこれで現実に国家のトップが決定される成り行きには、正直、
その妥当性・正統性に強い疑念が湧く。
 何故ならこの党首選独特の手法が原因で、結果が完全に民意と遊離
したり、その結果がもたらす、一党内のコップの中の嵐の域を超えた
国の運命に係わるインパクトー福祉国家の基盤や外交・安全保障戦略に
関する軌道修正ーも予見されるからだ。
 つまり前回の総選挙ではマニフェストに明示がなく、本来は当然改
めて民意を確認すべき手続き(総選挙)が省かれ、国民の同意を欠いた
なし崩し的な政策修正が強引に行われる懸念がある。

 無論、その原因は短期間に政権の盥回しを強行してきた自民・民主
両党、さらに政界全体の人材難にある。草野球じゃあるまいし、自民
時代を含めて「中継ぎ」陣がどれもこれも総崩れの上、「抑え」不在が
続くのではゲーム(政治)にならない。黄昏迫ると言えども経済大国
だ。その国がノブレス・オブリージュ(政治的安定性)をこれほど等閑
視すれば、たまりかねた外野席(英エコノミスト誌、米・英各紙)から
の酷評を浴びるのも当然だ。
以下予想を違えた敗軍の将の弁明めくが、最大の問題は、この国では
『問題の人』が勝ちそうな懸念とその後の混乱が予想されることだ。

 1. 問われる『法治』国家のセンス

 1963年6月、英国で名門出身の陸軍大臣プロヒューモ氏がパーティー
で知り合ったコール・ガールと関係し、彼女を通じて顧客の駐英ソ連
大使館の駐在武官に極秘の西ドイツへのミサイル配備情報を漏洩した
嫌疑が高まった。この事件は冷戦下の英国社会をを震撼させたが、陸
相は下院で「女性は知っているが不品行な関係はない。」と身の潔白
を主張、だがその後、首相に議会での答弁の偽りを告白し辞任した。
 この結果当時のマクミラン政権は、任命責任を巡る不信任投票は切
り抜けたが翌年の選挙で労働党に大敗、『プロヒューモ事件』は戦後
最大の政治スキャンダルとなった。
 偶々滞欧中の筆者が呆れつつも感心したのは、陸相の辞任の理由が
「大臣は紳士の筈」「紳士は嘘を吐かぬ」「議会での紳士にあるまじ
き行為で、最早閣僚の資格はない」ということで、肝腎の「機密漏洩
の有無」に触れることなく一件落着とした点である。英国の国家とし
ての信用と『品格』防衛こそ最重要事だったのだ。
 いかにもジョンブルらしい対応で、あえて究明すれば、冷戦の最中、
徒らに西側諸国の対英不信や同盟国の結束への悪影響を招いたろう。

彼らのこのような『良識』からすれば、刑事訴追の可能性のある人物
が党首選候補へ「立候補」するなどは論外、まして党員・党友の多数
がこの候補を支持し、国家の威信への懸念を省みずカジノさながらの
リスクを犯すなど全く“unbelievable”「一体JAPANは本当に大丈夫
なのか?」というのが酷評の背景だろう。
 所詮民主主義のキャリアの「格差」と言うほかないが、Mr.菅もMr.
オザワもたびたびの税金を使った渡英で何を学んできたのだろう。

 Mr.オザワはしばしば『検察が不起訴としたのは、わが身の潔白の
証明だ』と宣うが、これは現時点で「証拠が不十分」なだけで、勿論
無罪の証明とはならぬ。オザワ支持派がしばしば援用する「確定判決
があるまでは無罪の推定」に至っては、複数の秘書を政治資金規制法
違反で起訴させた御当人がヌケヌケと口にする場合、「わが輩は法の
精神を理解できぬ程度の素養しか持合わせぬ」と自認することになる。

 2. 外交姿勢転換と世論の動向

 第一次湾岸戦争の頃までは親米一辺倒だったMr.オザワが、最近で
は「米国もいつまでも基地至上主義でもないだろう」とか「東アジア
の防衛なら第7艦隊で十分だろう」など発言。いつの間にか対米批判
派に宗旨替えした模様だが、例年多数の議員を伴って中国詣でに勤し
む辺り、本当にアジア重視に目覚めたのなら評価すべき進歩ではある。
 嘗て130億ドルの湾岸戦戦費を負担させられ、謝意の表明を村八
分された腹立たしいトラウマに由来するのでなければ幸いだ(当時
わが国は為替相場に無頓着で、対米支援額のコミットを円ベースでな
くドル建てで行った結果、予想外の円相場の大幅急落で3000億円の追
加出費となり、交渉当事者だったMr.オザワのお粗末さが問題視された
が、これは大蔵省の不作為ー助言ーに、より大きな責任があろう)。
 オバマ大統領のプラハ演説を契機に、核軍縮と米国の核兵器使用の
道義的責任の見直し機運が進む中、唯一の被爆国のわが国が、米国の
『核の傘』に安住する矛盾が大きなジレンマになりつつある。
 沖縄の基地問題解決のためにも、外交の軸足を漸次米国から中国を
中心とするアジアでの新体制に求める必然性は避けられまい。だが
スムーズな安全保障体制の切り替え実現が、アジア各地で覇権的動き
の一向に収まらぬ中国相手に果たして可能なのか?見通しはゼロだ。
当面は安保問題に対する国民的コンセンサス醸成が先決で、米・中間
のバランスを拙速・強引に替えるのは対米関係に無用な緊張を生む惧
れがある(現に師匠の角栄氏も、日中国交回復の立役者となった代償
をロッキード事件の暴露(米側)・失脚で支払わされたとの噂もある)。
 直近(8/6朝日朝刊))の世論調査でも民意の支持がサッパリで、お
まけにプレス各社も敵意丸出し(出馬声明翌日の8/27の各紙社説は読売、
産経に至るまで「資格なし」の合唱)だ。国防費圧縮で焦る米側独特
の非常手段ー内政干渉ーの懸念も絶無ではない。剛腕で鳴るセンセイ
も、腹背に敵を受けて沖縄問題などでの初心貫徹が本当にできるのか?

 わが国民の外交問題への不感症状は政治面以上に深刻だ。だが世論
の強い支持なくして対米路線の修正は、成算あるまい。御苦労様だ。
 またMr.オザワには、金丸氏が団長の北朝鮮訪問団に参加した実績
があり、米国側の警戒感もありえよう。北の問題は中国以上に難題で
あるだけに、強引さよりも慎重な対応が重要だが、先方の状況変化で
新たな展開のチャンスもあり、我が国の特殊事情から果断さも必要だ。
 まさに内憂外患、捨て身の奮闘が必要で、党首の体調が心配だが、
一説では「Mr.オザワの持病は仮病」(文芸春秋'10/8月号「小沢一郎の
逆襲はあるか」野中広務VS立花隆P.103)との声も・・・立ち会い演説
では意外なほど能弁で達者に見えるが・・・。
 
 3. 浮上する改憲問題と党分裂

 党首選で全く論ぜられないが、この党首交代は安倍内閣瓦解の反動
で沈静化している憲法改訂の動きを再燃させる惧れもある。Mr.オザワ
は明らかに改憲支持派で、かつ個別・集団の両自衛権容認が持論であ
る。自民党は綱領で改憲を明記しており、最近の脱藩・新党グループ
も概ね改憲論者のため、衆・参両院で改憲発議の成立は十分可能だ。
これを防ぐ唯一の方策は、民主党内の護憲派の分離・独立だ。もともと
この党は、改憲・外交・郵貯を含む重要問題で党の統一見解ー綱領ーの
策定を意識的に回避してきた経緯があり、政権奪取までは触れずに来
たタブーの処理が、いまや改憲問題をトップに始まるのは必至だ。
 
 今回の党首選ではからずも露呈した両陣営間の議員の知能レベルや
問題意識、問題処理における姿勢と能力の厳然たる格差の存在などを
勘案すると、従来通りの政権運営作業の継続は最早同一党内では無理
だろう。TVに現れる支持者の顔ぶれが田中(真紀子)夫妻やヤワラ
ちゃんクラスでは、まるで「懐かしのメロディー」オザワ版だ。
 参院選大敗後もなおこの党を支持する世論の大部分は、党首個人で
はなく、この党の持つ「自民には欠落していた」フレッシュさとヴァ
イタリティーに強い魅力と期待感を抱いているが、その対象となる議
員は圧倒的に本来の民主党的カラーの強いMr.菅派に所属しており、自
民臭の残るオザワ派には少数だ。
 ここに自民脱藩派の一部を含めた政党再編の明らかな基盤がある筈
だ。党利党略以前に、まず政党における綱領の意味を再考し旗幟鮮明
にした上で、支持者である選挙民の声に忠実であるべきだろう。つま
り民主党自身の“仕分け“の徹底である。


 民主党の党首選の結果如何に拘わらず、我が国を取り巻く国際環境
は、政治・経済・環境問題などあらゆる面で急ピッチで変貌しつつ、
新たな展開を続けるであろう。これに適切に対応するには、少なくと
も一時的に、政治面で政党の垣根をこえた挙国一致的姿勢が、今ほど
必要な時はまたとあるまい。これを支える国民の政治意識に発想の転
換ー脱皮ーが不可欠なことは言うまでもない。

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