経営

"成果給”・・・新戦略の核心か?ガン細胞か?

 日本の給与制度を席巻しつつある“成果給"!
 グローバリズムの下、導入不可避とされるこの制度の功罪を、報道される各社の人事問題等を題材に徹底検証してみたい。

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終焉遠い普天間協奏曲***鳩山・一郎政権のアキレス腱(II)***

2010/05/31


 NO.52                              ('10/5/30)
           終焉遠い普天間狂想曲
      ***)鳩山・一郎政権のアキレス腱(!))***     

 迫りくる参院選を通奏低音として日・米・沖縄の主要トリオで演奏
された“抑止力シンフォニー”は、当初の楽譜を完全に無視した、通
常の神経の持ち主には聴くに耐えぬメロディーの反復となり、最後に
は怒れる聴衆が床を踏み鳴らす始末だ。だがこの連続演奏会、遠から
ず第二幕が開く予定で、さらに修羅場が続きそうだ。
 さなきだに統率に骨が折れるメンバーに14年間の休演で演奏参加
資格を失った筈の某党団員や、欲の皮ほどの絶対音感は持ち合わせず
左腕しか動かない落魄グループの演技など、雑音に近い不協和音まで
混入する有様で、『玄人芸』のカンバセなど何処へやらだ。
 この悲喜劇的演奏で当事者全員ゼニが取れる世の中だからヨシモト
一派などが「最敬礼したくなる」とぼやいたり、挙句は立候補などと
ふざけるのも無理はない。だが至芸に達せぬ芸人に、その『芸』以上
の才覚(大局観)が無いのは当たり前。宮崎の騒ぎを見れば明らかだ。
 
 確かに大政奉還?後、多少世の中がスッキリし始めたことは否めぬ
事実だし、旧幕府はアッと言う間にバラバラで、幕政復帰は遠い夢だ。
だが強制的に木戸銭を払わされ、おまけに入場税の引き上げまで確定
的な昨今だ。相撲部屋並みに灰色の雰囲気が罷り通る胴元の清掃問題
にしても、「相撲協会でさえ実行できる責任追及ぐらい、どうにかな
らないのか」というのが、不況下タニマチ筋に昇格したファン共通の声
なのだが、この業界、引退寸前のワタナベ爺やが単騎正論を吐くのみ
で、若手の大半はわが身可愛さの余り“黙して語らず”だ。
 こんな連中が“選良”面(づら)する国の将来が大丈夫な筈がない。
薫風さわやかな五月だが、沈鬱この上なしである。

 もっとも今回の琉球公演での日・米合意には、以下のように全く救
いが無かったわけでもない。
 1) 国民一人一人に、改めて自分が選ぶ生命保険(安全保障)会社
   は長い眼で見て米・中いずれにすべきか、真剣に考える契機を
   提供した。
 2) 沖縄のみならず日本全土の駐留米軍兵士の犯罪で、これまで
   補償や処罰で泣き寝入りに終わった原因の“地位協定”の改定
   に、少しく反対運動が怖くなった米側が漸く同意した。
 3) 基地提供の決定権は地元の知事にあり、合意の当事者ではない
   沖縄県は、実質的に拒否権を持つ。

 無論、今後の問題も以下のように山積状態だ。
 
  1. 露呈した日・米の近視眼的思考:ツケは後から必ず廻る

 鳩山首相の責任感覚が常識的でないのは明らかだ。正常な社会人は、
自身が負うべき責任を秘書に押し付けるような卑怯な振舞いはしない
筈だし、公約違反に対し一国の宰相ともあろう人物が、見苦しい遁辞
を弄することなど、本来あろう筈がない。所詮は「紺屋の白袴」で、
誤まった家庭教育と本人の感受性欠如の特殊な所産らしい。
 だが彼の外交論は祖父伝来の「勢力均衡論」である。病躯を押して対
ソ国交回復を軸に対米発言力強化を企てた辺り、ドゴールやアデナウ
アーと一脈相通ずる大物だった故一郎氏のDNAが、彼の首相就任前の
米紙への政策投稿や今日までの親中国的言動、東アジア共同体論の基
盤を形成しているらしく、この点では彼の行動にあまりブレは見当た
らない。
 筆者は小沢一郎氏の「米第7艦隊で十分」論にも、同様の底流ありと
見る。曽ての親米派の小沢氏は、ブッシュ/湾岸戦争時の苦い経験から
漸次対米スタンスを修正し、中国を機軸とするアジア重視論へシフト
したものと推察する。
 つまり民主党政権の外交路線は、胴元コンビが揃って対米関係尊重
は口にするものの、本音は親中路線であり、米側の中国脅威論には組
しない以上、沖縄の米軍基地縮小は必然の戦略なのだ。
 中長期的視野から見れば、米国の財政大赤字が原因の政治的・経済
的地位の低下は不可避であり、アジアの台頭と繁栄の確度、わが国の
地政学的利点を総合し、筆者は彼らの戦略発想の妥当性は否定し難い
と考える。
 一方、既に米国側の財政難のため世界的な基地縮小・米軍再編が決
定済みとなった現在、今回の日米合意に至る米側、とくにゲイツ長官
(共和党員!)に代表される国防省の、強硬な既得権益擁護の姿勢は、
極めて近視眼的色彩が濃いことは否めず、真の同盟関係強化には全く
逆効果なのが判っていない。
 米側の識者達にみられる沖縄の実態・住民感情への『理解』、さら
に密かに且つ確実に根ざし始めたアジア各国や日本のポピュリズム・
ナショナリズムへの『考察』が、米側の政策策定にほとんど反映され
ぬ現状は、近き将来 「余裕も無く力も無いアメリカとの同盟は真に
日本の利益になるのか?」との疑問や、「アメリカ頼むに足らず」の
趨勢支配への導火線となる公算が大である。
 とりわけ今後普天間をめぐる日・米合意の実行段階で、地元の反対
回避の妙案は皆無という異常事態下で、信頼に値せぬ日本政府抜きの
沖縄VSアメリカの図式の交渉となれば、調停者不在のまま即刻激突・
先鋭化を招く懸念もあろう。

 2. プレス VS 民主党 : 対米トラウマに根ざす愛憎劇

 新聞各社と民主党の現時点の緊張関係の発端が、記者クラブ制度の
漸次棚上げによる大手新聞の既得権喪失と微妙に絡むのは事実だろう。
だがこれの『シコリ』と断ずるには、彼らはあまりに大人だ。以下は
一読者の立場で観察してきた筆者の両者の関係に関する独断的憶測だ。
 
 (i)革新的色彩への警戒感
 新政権発足以来、読売・サンケイ両紙の連立政権へのスタンスは殊
のほか厳しい。党内における旧社会党出身者の存在感、霞ヶ関から入
党した若手革新官僚群の手腕への警戒心などが、二社特有の社風とも
噛みあって生まれた現象だろう。一方朝日は寛大、一昔前は保守ガチ
ガチだった毎日も、意外?に進歩的で好意的な感じだ。
 だが四社ともMr.小沢に対しては、自民時代以来の強引な体質やファ
ッショじみた独走性が気懸りなのかチェック姿勢が格別厳しいようだ。
同氏のニュース・ソースとしての抜群の価値と裏腹のようで、一種の
近親憎悪に近いスタンスを紙面から感じる次第だ。無論上述の、理念
に裏打ちされた若手の革新性とは別物の「徹底した合理性」スタイルが、
理念抜きだけに余計、警戒心を呼ぶのかも知れぬ。
(ii)対米トラウマの存在
 筆者の15年の滞欧経験から見ると、この国の保守系政治家は「反米
のレッテルを貼られると政治生命を失う」とでも考えているのかと思
うほど、対米には忠犬ハチ公的な感じがする。一体石原知事以外にも、
アメリカ向けに言いたい事を言う勇気のある議員がいたことがあるの
か、寡聞にして知らない。
 実はプレスに対しても最近同様の心証を得ている。こと政治に関す
る限り、独自の取材記事は少なく、WポストやNYタイムズからの引用
が多い。普天間に関する記事に至っては、まるで米国側の伝声管並み
だ。最近は特派員の質的劣化か人脈払底か、欧州系例えば経済紙のF.
タイムズの普天間問題へのコメントの水準が、日・米各紙より遥かに高く
説得力に富む印象が強かった。まさかプレス関係者まで保守政治家並
みの対米トラウマ症候群とも思えぬのだが?
 無論例外はある。朝日の船橋主筆の米国の各界リーダーへのインタ
ビュー連載だ。だがこれもある種のハチ公スタイルだと喝破されてい
る(世界6月号 P.76−80神保太郎:メディア批評「普天間」が問う大
新聞の責任)。
 さらに同誌は、3-4月の朝日が「声」欄で、日米安保、日米関係のあり
方を根源的に問う多くの読者の声を取り上げつつ、「同期間の社説で
は基地を何処にするかの話に終始し、日米安保のあり方そのものを考
え直そうとする気配がかけらも無い。浮かび上がるのは、約束が果た
せない首相や政府の政治責任を問う姿勢ばかりだ。」と痛烈だ。
 多分これに答えたのか船橋氏は5/5(朝刊P.1,12「拝啓鳩山首相」)
長文の論陣を張り、鳩山氏への米側情報の提供と戦略的アドヴァイス
を掲載したが、何故朝日主筆の普天間問題への見解公開がこれほど遅
れたのか、しかも基本スタンスは世界の指摘の域を脱しようと苦労し
て、海軍力を強化する中国の姿勢やアジア諸国の抑止力渇望をも勘案
し、最終的には日米同盟重視不可避とする常識論に帰着する。
 ほのかに中国への配慮が滲んでいるようだが、現状ではアメリカを
捨てきれないようだ。米国新聞業界はいま生き残り策に懸命だが、わ
が国でも最大の情報保有者であるプレスの、安保のような国家が岐路
に立つ難問に対する、タイムリーなオピニオン・リーダーとしての機
能発揮を怠るべきではないだろう。
 
(iii) 研究不足のプレス:収益と質の相克

 今回普天間問題をスタディ中に知りえた情報で、新聞には全く報ぜ
られない重要度の高いものが多いのには、驚かされた。

○外務省:普天間返還に反対!(季刊Sight2010Spring P.106「なぜ
 日本は普天間問題を解けないのか」 江田憲司 X 藤原帰一)
  (この雑誌の内容・編集の水準はきわめて高度。推奨したい)
『(外務省の視点は)普天間返還の実現がアメリカが日本を守って
 くれない、その始まりになっては困る。外務省から見れば、アメ
 リカを日本の防衛のために釘付けにすることが日本の政策の目的
 なのであって、沖縄がどうとかいうことが問題ではないわけです。
 普天間移設はこれまで営々として築いてきた傭兵としてアメリカ
 を使う仕掛けを危機にさらすわけで、死力を尽くして抵抗する。』

○普天間代替基地の完成は2016年以降!(普天間問題:小川和久
 2010. P68-69)
『建設を担当する日本のゼネコンがボスポラス海峡、ドバイ、パナマ
 などで大規模工事を抱えており、技術者引き上げに1年以上かかる。
 建設開始はそれ以降。代替施設完成は早くて2016年です。
 
〇問題は長引く!(選択 2010.5月号P.3「沖縄県民矛盾の構図」ジョー
 ジ・ R・パッカードーー米日財団理事長)
『県民の中でも基地があることで経済的に利益を得られる人は、・・
 本音では問題をすぐに終わらせたくない。長引くことでより大きな
 利益を得られるからだ。』

○知事が変わると覆る合意(中央公論2010.1月号P.115.「地元利権に
 振り回される普天間、日米同盟:守屋武昌元防衛次官、沖縄問題の
 真相を語る」)
『仲井真知事に代わると「見直すと選挙で約束した」「もっと浅瀬
 施設を出してくれ」と新たな協議の必要性を言い始めた。前の合意
 を覆す、二枚舌とも言える交渉を主張し、普天間移設問題の先延ば
 しを図っているようにしか私には見えない」

 情報過剰な現代社会では、真に価値のある情報のタイムリーな提供
の重要度はますます高まろう。社会の木鐸の更なる機能向上に期待し
たい。
 政権交代は日本社会にとり必然の要請でもあった。政治的安定無く
してこの国の浮揚はありえない。今こそプレスと政治の健全で英知に
富む建設的協力関係が求められる。

   行く途は   青葉の彼方   尚険し     汨羅

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