経営

"成果給”・・・新戦略の核心か?ガン細胞か?

 日本の給与制度を席巻しつつある“成果給"!
 グローバリズムの下、導入不可避とされるこの制度の功罪を、報道される各社の人事問題等を題材に徹底検証してみたい。

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節度を守れ!「度を越さぬ」教え***最近この国の政治に欠けるもの***

2010/03/23


 NO.49                               ('10/3/22)
        節度を守れ!「度を越さぬ」教え
      *** 最近この国の政治に欠けるもの ***
 
 第二次大戦後の西ドイツ経済の復興は「奇跡」と賞賛されたが、その
立役者だったエアハルト経済相は“Mass halten !" (節度を守れ!)
が口癖で、食べる不安が最早無くなった国民からMr.マース・ハルテン
の蔑称を頂戴した。だが彼には第一次大戦後の驚異的インフレ(月給
でパン一斤しか買えない)や、その後の政治的混乱を経てナチズムの
台頭を許し国家の滅亡を招いた悪夢が,常に念頭を去らなかったのだ。
 1963年5月ケネディー大統領が西ベルリンを訪問し、フォード財団
が寄贈した自由大学構内で印象的なスピーチを行った際、筆者は野党
・社民党の指導者であったブラント・ベルリン市長と肩を並べて平然
とオープンカーに座るアデナウアー首相の姿に驚いた記憶がある。
 渡独前、安保改定の大騒動を体験していたため「与・野党の党首が
同席だなんて信じがたい」と思わず友人に漏らしたところ、「首相は
政界切っての俊才だ(大学3年で学位を取得した記録保持者)。だか
らバイエルン訛りの“締まり屋”で政治センスを欠く男を後釜に据え
るのがイヤで困っているよ」とエアハルトの地盤のミュンヘン(ナチス
発祥の地)嫌いのベルリンっ子らしいコメントが返ってきた。
 確かにドゴールと組んで英国のEEC加盟を蹴っ飛ばした大物の眼
には,既に経済の季節は終わり“政治の季節”だったのだろう。
 数ヶ月後にともかく無事誕生したエアハルト政権は、期待に反して
不冴えで、万事『中庸』を行く内閣として人気がなく、後年の社民党
ブラント政権誕生への導火線となった。
 だがエアハルトの遺訓は拡大EUの財務規範(財政赤字はGDPの
3%以内)として生き続け、ドイツは統一後もEU最大の“安定剤”
として、最近のギリシャの財政危機でも厳しい「守護神」機能を発揮
している。
 
   !).「節度」 から見た日・独のギャップ
 
 さて問題はこの“節度”の定義だ。広辞林では「(のり、さだめ、
の意から)度を越さない、適当なほどあい。」とあるが元来「中庸」
や「凡庸」とは無関係だ。
 一方ドイツ語の「Mass」は当初は度量衡の単位(穀物やビール用)
の総称であったが、15世紀に抽象的な「基準」の意味を帯び、18-19
世紀には法令用の「規範」の意味や、その関連で使用される頻度が
増加した(Duden 語源学版)。
 かように辞書ベースでは“節度”と「Mass」の差異は殆ど認められ
ぬ感じだ。しかし言語には夫々の民族や社会の特性が投影するもの
だ。筆者が日・独双方で生活した実感では、この両者には相当な格差
がある。
 わが国では“節度”といえば、普通、論語の「不踰矩」(のりを
越えず)を連想する。つまり『思うがままに行動しても社会の規範を
踏み外すことが無い境地』だが、あくまで個人の自己完成度や自律性
が発想の前提で、西欧社会で Moralと表現する道徳律に近い。
 だが「Mass」の持つ意味はグッと社会規範的で、越えれば制裁や罰
則の適用を受ける他律性が前提だ。一例を挙げよう。
 
 ドイツで生活し始めた当初「この国は密告社会ではないか?」と疑
った日本人は少なくない。白夜に近い初夏の払暁、無人の市街を一、
二ケ所,赤信号を無視して快適に疾走すると、数日後決まって警察より
「某日○時の交通違反につき、告発がありました」との連絡で罰金納付
の破目となる。なんでも告発が趣味のバアサマが多数、社会秩序維持
の尖兵として、早朝よりベランダで頑張っておられる由。
 夜間の会合が多少賑やか過ぎたり、すき焼きの芳香が強すぎること
も、某国と異なり市民生活への支援やサービスを重視する警官の気軽
な訪問の動機となる。
 風邪気味の豚一頭に目を瞑った南独第二のハム・メーカーが、社員の
告発に始まる不買運動で一ヶ月で倒産したケースもあった。
 東洋の君子国に生まれると、“密告”自体への抵抗感や嫌悪感が意
外なほどに強く(日本ではトヨタのお蔭で企業の内部告発制度がやっ
と定着しそうだが)慣れるまでは常時衆人の監視を受けている心境で
閉口した。だがこの多角的相互監視システムこそドイツ社会の“秩序
ある存続”を保障している訳だ。

 “節度を越える”度合いが高まると制裁は一挙にエスカレートする。
曽て赤軍派によるダッカでのハイ・ジャック事件の際、福田(父)首相
は「人命は地球より重い」の迷文句で人質と引き換えに投獄中の同派
の犯人達の釈放・逃亡を許容し、西欧社会の指弾を受けたことがある。
 一方西ドイツでは、同時期に赤軍派による最高裁長官の暗殺やドイ
ツ経団連会長の誘拐事件が発生。後者のケースではダッカ同様逮捕者
との交換要求があったが、政府は一顧だにせず峻拒した結果、会長は
殺害され、葬儀に参列したシュミット首相は未亡人から「貴方は夫を
見殺しにした」と面罵されたが、西独社会は「首相は当然の義務を果た
したにすぎぬ」と擁護した経緯があった。
 さらに厳しいケースは、アラブ・ゲリラによるミュンヘン・オリン
ピックの選手村襲撃事件だ。イスラエル選手多数を人質にした犯人達
の要求を呑むと見せかけ、脱出用のヘリコプターに搭乗させた後、人
質もろとも一挙に二十数名を爆殺し、事件再発の禍根を断った。
 流石にこの事件では犠牲者のユダヤ人遺族から「ナチスと変わらぬ」
との非難もあったが、西独の世論は一貫して政府の決定を支持した。
仮に事前に同意を求められていたならイスラエル政府も窮したろう。
 
 これ程の対応が『節度を守る』ための条件反射の範疇に入るのかと
訊かれれば、おそらく日本流いや東洋流にはNoだろう。だがドイツ
語の「Mass halten !」 では明らかにYesである。
同様のケースが英国やフランスで起きたとしても、各国の対応、社会
の反応には、格別の差異は先ずあるまい。
 肝腎なのはこの差異の生ずる根源が、洋の東西の『自己責任』に対
する対決の姿勢の格差に由来する点だ。日本流や東洋流ではあくまで
自然に見えるスタイルで、“節度”についての「自己完結」型の解決を
求め、自己の塁(とりで)に籠もるーというより逃げ込むーことで結果
的に自己の立場や利益を擁護し優先する。
つまり他(他人や他の国)には出来るだけ関わりを持たないことを建前
や口実に、「他」のことに関する決定で責任を取ることを巧妙に回避
する、実に抜け目のない姿勢でもある。
 
 だが西欧流の『節度を守る』では:
   1.他(他人や他国)に累を及ぼさぬ。
   2.他より蒙る累(迷惑)は、放置せず適切に排除する。
   3.これらに伴う自己の判断・決定には自ら全責任を負う。
となる。
 彼らの基準に従えばダッカ事件で人質解放の代償に投獄中の過激派
を(他国に累を及ぼす可能性に眼を閉ざして)釈放して他国に送り出す
行為や判断は、全く弁明の余地がない。「人命は・・・」云々の言辞は、
彼らから見れば、人質が犠牲となった際の非難を避ける、自己の立場
優先の『たわ言』に過ぎないだろう(現にそう批判された)。
 逆に過激派の根絶のための行動には、「見殺し」云々の批判や非難に
も耐え、責任を回避せぬ堅い決意と姿勢が必要な筈だ。
 一国の首相・政治家として、いずれが真っ当であるか論ずるまでも
あるまい。

   !). 政界に必要な新たな『節度』とは?
 
 本稿の狙いは東西の規範ルールの相克がもたらす問題の提示にある
が、奇妙なことに、この西欧流の『節度』センスに従えば、直面する
わが国政界の諸問題にも新たな視点が開けそうだ。
 (括弧内は 蒙御免! “節度”論による告発訴因)
 
 1.民主党:
 ○マニフェストの実現が不可能と判明した時点で、計らずも意に反
  して?一種の欺誷行為を犯したことへの自覚が乏しい。公約の相手
  の選挙民に対する対応が不鮮明でスピード感に欠け、公式の釈明
  やお詫びが遅れ過ぎ(一体あったのか?)、なし崩し的に頬被り
  を決め込んだり、「仕方が無い」と開き直る感じを与えたことは、
  公党として責任感に欠け、情けない。(信義則違反)
 
 ○党のトップが前言を翻し、秘書の明らかな違法行為の責任を全く
  取らぬのは、国民に対する背信行為だ。自己の利益や保身のため
  所属する組織の信用を甚だしく毀損した以上、身を引くのは当然
  だ。民間企業なら総会で背任を理由に解任が至当の事態である。
           (自己都合ー党首・政党ーの不当な優先)
 ○一歩譲って選挙民の判断が常に正鵠とは限らぬとしても、10人中
  7人が「退くのが妥当」と判断している場合に民主主義社会で反論
  しうる余地は無い筈だ。まさに『民の声は神の声』。この状況下
  で在職期間の遷延を図るのは選挙民の神経を逆撫でする所存か?
  党と同僚、支持者の全員の利益を損なうことは自明の理の筈だ。
  (憲法ー国民主権ー違反、要準禁治産者宣告ー正常判断能力耗弱)
 
 ○いまだに記者クラブを温存したがるプレス各社のレベルが、国際
  的に一流とは決して思わぬが、党の一部の幹部に対するプレスの
  冷淡さはやや異常な感もある。原因は察しがつく。だが政治の世
  界でのプレスの機能を勘案すれば、ネガティヴ効果減殺のため党
  側からの状況改善への配慮も不可欠だ。
               (社会の木鐸?へのサービス怠慢)  
 ○民主党のセールス・ポイントは、他党に比べ圧倒的な若手議員の
  質と層の厚み,加うるに政権交代の成果を示威しうるチャンスと
  手段に富む点だ。すでに或る程度の結果は認められるが、素材と
  環境をフルに有効活用するため、まず阻害要因の早期除去に専念
  すべき。      (経営管理能力ー資源活性化意欲の不足)
 何よりも民主党の持ち味(らしさ)の十分な発揮に全党結束すれば、
 選挙民の理解を得ることはさほど難事ではあるまい。ともかく当面
 国家の運命を背負っているのだ。国民にも選択肢がない。自信を持
 って前進あるのみだろう。
 
 2.自民党:
  今のところ『唐様で貸し家と書く三代目』を地で行くスタイルだ。
 この党の資産であるはずの良き保守の伝統(たとえば大平首相時代
 の政治理念)を生かせず、未だにこの党の支持者として貞操観念堅
 固な人々や組織の期待を完全に裏切る体たらくは、この国の政治に
 とってまことに寒心に耐えない。野党が弱体では与党の成長も無い。
 困るのは国民だ。先代の遺産が僅かでも残るうちに、解党的発想で
 出直すほかないが、下手をすると空中分解だ。少なくとも全く魅力
 の無い老害排除が先決。閣僚経験者は全員下野し、一日も早く若手
 が中核となる党組織に脱皮できねば、すでに命旦夕に迫れりだ。

 3.公明党:
  政権与党の地位確保に執心のあまり、この党がかつて保有した魅
 力を蕩尽したというべきだろう。今なすべきは政権党時代の思考錯
 誤を冷静に総括し、将来の展望に思索を凝らすことだ。支持者から
 衆議院自粛の声が上がるあたり、健全でまだ捨てたものではない。
  この時点でまだ懲りずに政権に色目を使うようなら、この党の半
 世紀にわたる歴史の幕引きを急ぐことに通じるだろう。豊かな人脈  
 を生かして国際情勢を仔細に検討し、平和を尊ぶ立党の精神に立ち
 帰ることを、オールド・ファンの一人として祈りたい。
  (健保案米議会通過の日)
     
    オバマ生き  ヤマト果てるや  花吹雪    汨羅

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