映画

シネマトコラム

最新作中心のじっくり踏み込んだレビューです。また時々コラムも入ります。

全て表示する >

シネマトコラム1.3

2018/01/03


 *2017年の映画ベストテン
 *ちょっと蛇足
 *次号予告

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

皆様あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。
今回は恒例の前年観た映画のベストテンです。

*2017年の映画ベストテン

1位 「ザ・コンサルタント」(ギャビン・オコナー監督・米・ベン・アフレック、
   アナ・ケンドリックほか出演)

2位 「新感染 ファイナルエクスプレス」(ヨン・サンホ監督・韓・コン・ユ、
   キム・スアン、マ・ドンソクほか出演)

3位 「ラ・ラ・ランド」(デミアン・チャゼル監督・米・ライアン・ゴズリング、
   エマ・ストーンほか出演)

4位 「スノーデン」(オリバー・ストーン監督・米・ジョゼラ・ゴードン=レヴェ
    ットほか出演)

5位 「美しい星」(吉田大八監督・日・リリー・フランキー、中島朋子ほか出演)

6位 「WE ARE X」(スティーブン・キジャック監督・米・YOSHIKIほか出演)

7位 「gifted/ギフテッド」(マーク・ウェブ監督・米・クリス・エヴァンス、
   マッケナ・グレイスほか出演)

8位 「ザ・サークル」(ジェームズ・ポンソルト監督・米・エマ・ワトソン、
     トム・ハンクスほか出演)
9位 「SING」(ガース・ジェニングス監督・米・吹替声=内村光良、MISIAほか)

10位「三度目の殺人」(是枝裕和監督・日・福山雅治、役所広司ほか出演)

 総体的な印象として昨年は「洋高報低」だった。このところ元気だった邦画
に一昨年のような力のある当たり作品がなく小粒で、また外国映画との差が出
来てしまったように感じた。

 1〜3位は完成度とインパクトが頭一つ抜けていて、後になってからも印象が
強く残った。4〜10位はそれほど差はない。
 1位は地味な会計士が凄腕のスナイパーという設定が絶妙で、アクションと
人間模様のバランスが上手く融合した知的サスペンス。主人公、脇役とも境遇
の取り入り方も手が込んでいた。
 2位は思わぬ快作、ゾンビ映画なのに人間ドラマが泣ける。アナログなパワ
ーと脚本の妙が光った。
 3位はエンタメ性を抑え、ストーリーで勝負したミュージカル映画で、大人
のほろ苦さを軸にした切なさが秀逸だった。
  4位は、スノーデン氏の語るCIAの監視体制の巧妙さ以上に、日本がまさに
国家の全権を秘密裏にアメリカに握られている事実の暴露が衝撃的だった。
  5位は異色のSF作品で、突飛な設定を徹底的なリアリティーで味付けした
センスが見事。6位は外国人監督が切り取った日本のバンドのドキュメンタリ
ーで、特にYOSHIKI氏の数奇な軌跡が鮮烈に伝わった。
 7,8,9位はそれぞれ順当に出来の良いドラマ。10位は本格サスペンスドラマ
の様相ながら、結局焦点はどこなのか、監督自身が迷ってしまっているよう
に感じた。

 続いて各賞を。
☆監督賞 デミアン・チャゼル(「ラ・ラ・ランド」)
☆主演男優賞 ベン・アフレック(「ザ・コンサルタント」)
☆主演女優賞 タラジ・P・ヘンソン(「ドリーム」)
☆助演男優賞 マ・ドンソク(「新感染 ファイナルエクスプレス」)
役所広司(「三度目の殺人」)
☆助演女優賞 カレン・ギラン(「ザ・サークル」)
☆新人賞 キム・スアン(「新感染 ファイナルエクスプレス」)
          マッケナ・グレイス(「gifted/ギフテッド」)
☆音楽賞 「ラ・ラ・ランド」

 デミアン・チャゼル監督は、あくまでもストーリー重視で歌と踊りを抑えた
新しい形のミュージカル映画を勇気を持って作り上げたと思う。よりハッピー
にするよう求められた最初のオファーを断って作品の方向性を貫いたというエ
ピソードにアーチスト魂を感じる。

 主演は男女とも圧倒的な人がいなかった中で、まあこの2人かなと。ベンの
弟、ケイシー・アフレックも「マンチェスター・バイ・ザ・シー」での抑制の
効いた演技が光り、兄弟揃って良い仕事をした。「ラ・ラ・ランド」のエマ・
ストーンも実力を充分発揮していた。
 助演は印象に残った候補が多かったがマ・ドンソクとカレン・ギランは、ど
ちらも熱演で作品の中でひときわ存在感があった。役所広司は大仰なスタイル
を封印した新しいタッチが新鮮だった。他にも男優では、「ムーンライト」の
マハーシャラ・アリ、「ザ・サークル」のトム・ハンクス、「美しい星」の亀
梨和也、「22年目の告白」の仲村トオル、女優では「ギフテッド」のリンゼイ
・ダンカン、「ザ・コンサルタント」のアナ・ケンドリック、「三度目の殺人」
の広瀬すずらも良かった。

 新人は子役の2人を選んだ。大人の新人よりはるかに強いオーラをスクリー
ンの中で放っていた。ともに韓国、米国の新作で今後も必ず登場するであろう
それこそ”ギフテッド”の持ち主。現段階では主演として観客を惹きつけられ
るが先に行ってどう変わるか。子役でブレイクした人は今ひとつ伸びない傾向
があるので、そこをぜひ打ち破っていってほしい。

 一昨年と昨年では様相が大きく変わった。さて今年はどうなるのだろう? 

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

*ちょっと蛇足
 新作の封切りがこれまでの土曜日から金曜日公開に移行するようです。週休
2日制の普及と、スタートの興行成績を上げようとする映画館、配給会社の意
向が反映された結果だとか。映画の公開期間はだいたい公開1週目、つまり最
初の週末の観客動員成績で決まるので、1日増えると数字も上がり、先の予定
を立てるデータも増えるので都合が良いという興行側の理由で変更されるよう
です。
 観る側にはあまり影響がない気がしますが、金曜に観た人がSNSなどで発
信することで土、日の客入りを伸ばすのが真の狙いという見方が強いようです。
しかし近年のヒット作は、最初はそこそこで後からじわじわと評価が高まり、
結果的にロングランのヒットになるケースも多いので、果たして1週目の数字
がトータルのデータをどれだけ正しく反映しているかは、作品ごとに違うはず
です。まあ取りあえず話題作はスタートダッシュが求められるようになるでし
ょうね。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

*次号予告
次号内容はまだ未定です。

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2008-01-26  
最終発行日:  
発行周期:月3〜4回。  
Score!: - 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。