近畿

飛鳥遊訪マガジン

飛鳥地域の歴史・文化・景観が好きな皆さん♪「両槻会」は、そんな皆さんと一緒により飛鳥を楽しもうと活動しています。飛鳥遊訪マガジンでは、歴史だけではない飛鳥の魅力もお届け出来ればと思います。皆さん!ご一緒に、もっと飛鳥を楽しみませんか♪

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飛鳥遊訪マガジン Vol.281

2017/11/24

┏○INDEX‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥┓

   1.両槻会からのお知らせ
   ―――――――――――――――――――――――――――
   2.寄稿               あい坊先生
   ―――――――――――――――――――――――――――
   3.咲読               風人
   ―――――――――――――――――――――――――――
   4.飛鳥話              よっぱ
   ―――――――――――――――――――――――――――
   5.飛鳥情報
   ―――――――――――――――――――――――――――
   6.編集後記
   ―――――――――――――――――――――――――――
┗‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥o○┛

 第63回定例会を、無事に終了することが出来ました。初めて行ったドラ
イブ定例会でしたが、事故もなく行えてほっとしています。講師の大西先生
には、丁寧な説明をいただき、誠にありがとうございました。また、ドライ
バーとして長距離を走って下さった岡先生と事務局のよっぱさんに、心より
のお礼を申し上げます。
 心配された雨も、午前中に訪れました夏見廃寺にて降り止み、雨上がりの
幻想的な山々と見頃を迎えた紅葉美を楽しむことが出来ました。
 事務局は翌日より、次回定例会に向けてスタートしております。お知らせ
のコーナーを是非お読みください。             (風人)

〇━━━
●1.お知らせ                        ○o。
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第64回定例会予定

講演会「飛鳥・白鳳の塑像」

講  師: 戸花亜利州先生 (帝塚山大学講師)
実 施 日: 2018年2月3日(土)
会  場: 飛鳥資料館講堂
開  演: 13:15(予定)
終  演: 15:15(予定)
解  散: 16:00
募集人数: 40名
参 加 費: 1,000円(運営協力金)
受  付: 11月24日(金)から定員まで
事前散策: 講演内容に関連する遺跡巡りを行います。
      飛鳥駅集合(10時頃) → 定林寺跡 → 川原寺 → 
      川原寺裏山遺跡 → 明日香村埋文展示室 → 飛鳥資料館
      約6km (詳細は後日発表します)

・・・・・・・・・・・・・・・
第63回定例会報告

 第63回定例会を無事に終了することが出来ました。
 両槻会フェイスブックにて、写真レポを掲載しています。
 また、名張市教委の許可を得まして、夏見廃寺展示室所蔵の展示品を掲
載しています。定例会の様子と合わせて、どうぞご覧ください。
両槻会フェイスブック
https://www.facebook.com/asukakaze210/

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●2.寄稿                    あい坊先生 ○o。
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斉 明 朝 の 王 宮 と 王 都 造 営  その3
− 蝦 夷 地 北 征 −                               

 斉明朝は国土拡大に伴い、蝦夷及び隼人の地域の開拓を進めています。
これは国土の拡大を目指すと共に、唐に並ぶ小中華を目指したのです。
 蝦夷とは古代東北地方を中心に住んだ朝廷に従わない人々を呼ぶ呼び名で
す。天皇支配の及ぶ範囲を「化内」、その外側の世界を「化外」と呼びまし
た。化外の民とは、隣国である唐、諸蕃である百済・新羅・高句麗の朝鮮諸
国、国内の夷狄である蝦夷・隼人です。諸蕃と夷狄は、天皇に朝貢すること
により、饗宴や位を授かり、支配と服属を確認したのです。古事記・日本書
紀には「蝦夷」の語が80カ所以上記載されていますが、このうち斉明朝に
35回と非常に多いことは重要です。
 大化3年(647)には、防衛と役所機能を兼ねた城柵である越国の渟足
柵(新潟市)、翌年には磐舟柵(新潟県村上市)を設置します。ここを拠点
に斉明朝には北進します。この蝦夷地北征を実行したのが阿倍比羅夫です。
今回は、比羅夫の業績とともに交流の多かった蝦夷についてみたいと思いま
す。

阿倍比羅夫の蝦夷地北征
 蝦夷地北征は、大化元年(645)8月、東国国司を集めて「天神の奉け
寄せたまひし随に、方に今始めて萬國を修めむとす」という詔を受けて始ま
りました。この詔では、辺境で蝦夷と接する国々は、武器を数えた後、所有
者に持たせよと記されています。つまり、蝦夷対策として、辺境の地に接す
る者たちには戦闘配備をしたということです。これを受けて、斉明朝には蝦
夷地北征に向け、阿倍比羅夫を派遣しました。この比羅夫の蝦夷地北征は3
回に及びます。渟足柵、磐舟柵からさらに北進します。斉明4年(658)
4月には軍船180艘を率いて蝦夷を攻めました。齶田(秋田市)・渟代
(秋田県能代市)の蝦夷は降伏したので、ここに渟代評・津軽評を設置しま
した。さらに渡嶋(北海道)の蝦夷も集めて、饗応しました。
 翌斉明5年(659)3月には再び軍船180艘を率いて、さらに斉明6
年(660)にも200艘を率い、陸奥の蝦夷と共に、粛慎国を攻撃したと
されています。このように阿倍比羅夫は、日本海側から船団を率いて、国土
を北へと拡大していったのです。

太平洋側の蝦夷地北征
 では、太平洋側はどうだったのでしょうか。残念ながら飛鳥時代に太平洋
側の国土拡大を示す史料はありません。しかし、発掘成果から、太平洋側で
も拠点の整備が行われていったことがわかってきました。我が国の律令国家
の西の要は大宰府、東の要は多賀城でした。しかし、多賀城の創建は奈良時
代の724年とされています。飛鳥時代の拠点としては、宮城県仙台市にあ
る郡山遺跡が有力です。ここでは2時期の官衙遺構があります。1期官衙
(事務局注:1は原文はローマ数字)は7世紀中頃に造られ、7世紀後半ま
で利用されていました。これらは地形に合わせて、北から約60度程振れを
もつ施設群です。この中には、整然とした建物配置の政庁や、倉庫群・工房
などがあります。これらは官衙的配置をすることや、規模が大きいこと、飛
鳥地域の土器と同じものが出土することから、日本海側の渟足柵、磐舟柵の
ような城柵と推定されています。2期官衙(7世紀末)(事務局注:2は原
文はローマ数字)になると、方位を南北に合わせた施設に建て替えられます。
その規模は方四町(約530m)で、藤原京の条坊規格と共通します。また、
中央には正殿・脇殿をコの字形に配置した政庁があります。ここで注目でき
るのは正殿の背後に約3.5m四方の石組方形池があることです。このよう
な池は石神遺跡でもみられ、石神遺跡は服属儀礼に伴う迎賓館と推定されて
いることから、郡山遺跡の方形池も同様の性格が考えられています。よって、
郡山遺跡の2期官衙は、多賀城に遷る前の陸奥国国府と推定でき、蝦夷に対
する饗応を行っていたと考えられます。そして、太平洋側でも、7世紀を通
じて北進していったことがわかります。

飛鳥と蝦夷
 7世紀における蝦夷地の北征により、国土は広がっていきました。東北に
おける拠点づくりと同時に、蝦夷たちは飛鳥へも朝貢をしてきます。その場
所が飛鳥寺の西地域であり、その中でも石神遺跡が饗応のための迎賓館とみ
られているのです。斉明朝には蝦夷のみならず、都貨邏人や多禰嶋(種子島)、
隼人(南九州)など、北方及び南方の人々の朝貢を受け、饗応を行っている
のです。その物証として、史料の記載だけでなく、石神遺跡の方形池や黒色
土器(東北産土器)の出土がみられます。
 そして斉明5年(659)には、第4回遣唐使に蝦夷の男女二人を同行さ
せています。洛陽で高宗に謁見したとき、我が国の東北に蝦夷がおり、毎年
朝貢してくることを報告しています。まさに、日本が唐と同じように朝貢国
を持つことを示したのです。蝦夷対策は、国土拡大だけでなく、我が国が、
唐に並ぶ中華思想をもつ国であることを示そうとしたのです。


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●3.咲読                    風人    ○o。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
 第64回定例会の予定が固まってきましたので、新しい咲読シリーズを開
始しようと思います。次回定例会は、事務局のよっぱが担当をします。咲読
も、よっぱが書く予定ですが、1回目は風人が、定例会の概要を書かせてい
ただきます。よろしくお願いします。

 次回定例会は、「飛鳥・白鳳の塑像」と題しまして、事前散策付き講演会
を開催します。講師は、戸花亜利州先生(帝塚山大学講師)にお願いをして
 います。

 さて、「飛鳥・白鳳の塑像」と聞かれて、皆さんはどのような事を思い浮
かべますか。

 まずは、塑像とはどういうものなのかから書き始めてみます。辞書的に書
きますと、塑像とは粘土で作った像です。インドや中央アジア、また中国で
盛んに作られ、日本へは唐から伝来しました。技法は、木芯(心)に縄など
を巻いてその上に塑土を肉づけする方法と、簡単に彫り作られた木像に薄く
肉づけする方法があります。最後に精土で仕上げをし、表面に金箔や彩色を
施したものも多くあります。これらの塑像は、日本では奈良時代に盛んに作
られたとされるのですが、飛鳥・白鳳時代にも多くの作品が見られます。

 塑像と聞いて私が真っ先に思い出したのは、名前から惹かれたのですが「
涙を流す迦楼羅像」と呼ばれる像でした。川原寺裏山遺跡から出土したもの
ですが、嵌め込まれたガラス製の目が大火の炎を受けて流れ出し、あたかも
涙を流しているように見えることによります。それがこの像の過酷な運命を
表しているようで、心に響いたのかもしれません。

 こちらに写真が有りますので、リンクを繋いでおきます。↓
http://www.asahi.com/kansai/event/kitora/OSK200805220029.html
 写真に付けられた記事にも書かれていますが、川原寺裏山遺跡からは「牛」
らしい動物の鼻口片も出土していることから、迦楼羅像は実は十二支像の
「 酉(とり)」ではないかという見方も出ています。

 では、川原寺裏山遺跡を見てみましょう。
 川原寺旧境内の裏山からせん仏などが採集されたことが引き金となって発
掘調査が行われ、丘陵の南側斜面に長径約4.5m、短径2.6m、深さ約
3mの穴が掘られており、その中から火災にあった寺院の仏像や荘厳具など
が多量に発見されることになりました。
 川原寺は、鎌倉時代に焼失しますが、9世紀にも大火災に遭っており、再
建に向けて壊れた仏像は集められ、北西の山裾に埋められました。それが川
原寺裏山遺跡です。丘陵裾で見つかった方形三尊磚仏は千数百点、塑像は数
百点に及び金銅製金具など仏教関連の遺物も出土しました。遺物は、火災に
よる熱を浴びている物がほとんどだったようです。
 出土した塑像には、如来形・菩薩形・天部等の部分があり、丈六仏像の断
片らしい指や耳の破片も多量の螺髪とともに出土しています。

 塑像が作られるようになった頃の像を、もう一つ紹介したいと思います。
まず、こちらのリンクを飛んでみてください。↓
http://imagedb.narahaku.go.jp/archive_search/search/viewer.php?requestArtCd=0000003883

 定林寺の塔跡から出土した塑像片です。定林寺は昭和27年(1952)
に発掘調査が行われましたが、削平がひどく伽藍配置など詳細は不明なまま
になっています。翌年に塔跡が調査され、心礎上面から金銅製環や金銅製金
具、鉄釘、土師器などとともに塑像片が出土しました。出土状況より、心礎
に立てられた塔の心柱内部にできた空洞にこれらが詰め込まれていたと推測
されているそうです。塑像はいずれも火を受けたようで、赤橙色を呈してい
ます。
 この像は宝冠の花飾り部分や菩薩像らしい顔の特徴がみられるとされ、菩
薩像頭部と考えられています。
 像は礎土にスサ(細かく切ったワラ)を混ぜ込んだ比較的荒い土をそのま
ま用いている点、表情の硬さ・稚拙さといった点から、日本における塑像制
作開始段階の作例である可能性が指摘されています。

 飛鳥の塑像としては、他に岡寺のご本尊で日本最大の塑像と言われる如意
輪観音菩薩が思い起こされます。奈良時代末の制作とされますので今回のテ
ーマからは外れますが、巨大な塑像として直ぐに思い出される方も多いので
はないでしょうか。

 日本の現存する最古の塑像仏は、当麻寺の本尊国宝塑造弥勒仏坐像とされ
ています。様式から當麻寺創建時の7世紀末頃の作と推定されているようで
す。

 字数の制限が来てしまいました。塑像のイメージを持っていただいた上で、
次号からのよっぱの咲読を読んでいただければと思います。
 また、第64回定例会では、第63回定例会でも重要なキーワードとなり
ました、せん仏も登場すると思われます。どうぞ、定例会をお楽しみにお待
ちください。


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●3.飛鳥話                   よっぱ   ○o。
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よっぱの素人飛鳥学

「台風21号の影響 〜宮の置かれた地に災害は少ない?〜」

 平成29年10月22日、強力な台風21号が紀伊半島に接近し、奈良県
は直撃を免れたものの、あちらこちらで浸水や崩土があり、交通網も寸断さ
れてしまいました。
 私の住む桜井市でも、22日の朝に市の災害対策本部から避難準備を促す
緊急エリアメールが送信され、夕刻からは、避難勧告が一時間おきくらいに
出され、家中の携帯電話の着信音がけたたましく響いていました。翌日の2
3日、台風は紀伊半島から遠ざかり、奈良県内も気象警報が解除されていっ
たのですが、山間部の道路はあちこちで崩土や倒木で寸断されたままでした
し、近鉄線やJR線は一部で運休したままでした。
 23日の夜には、すべての警報が解除されて落ち着きを取り戻しました。
桜井市で避難勧告が出されるのは滅多にないことなので、いったいどれぐら
いの避難準備や避難勧告が桜井市に出されたのか、もう一度緊急エリアメー
ルを見直してみました。

22日 午前9時21分
 寺川水域磐余観測所で避難判断水位超えにより、避難準備・高齢者等避難開始
 対象地区
  大字下・高田・上之宮・河西・谷・桜井・川合・戒重・上ノ庄・東新堂・
  新屋敷・大泉・大福・吉備・西之宮
22日 午前9時41分 
 土砂災害の危険により、避難準備・高齢者等避難開始
 対象地区
  大字倉橋・今井谷・横柿・北山・西口・下居・多武峰・鹿路・飯盛塚・
  八井内・針道・百市・南音羽・北音羽
22日 午後5時15分
 大和川黒崎観測所での氾濫危険水位超えにより、避難勧告
 対象地区
  大字初瀬・出雲・黒崎・脇本・慈恩寺・外山・金屋・粟殿・三輪・上ノ庄
22日 午後5時24分
 土砂災害の危険性により、避難勧告
 対象地区
  大字倉橋・今井谷・横柿・北山・西口・下居・多武峰・鹿路・飯盛塚・
  八井内・針道・百市・南音羽・北音羽
22日 午後6時14分
 寺川水域十市観測所で氾濫危険水位超えにより、避難勧告
 対象地区
  大字谷・川合・戒重・上ノ庄・東新堂・新屋敷・大泉・大福・吉備・西之宮
22日 午後6時34分
 土砂災害の危険性により、避難勧告
 対象地区
  大字笠・萱森・吉隠・初瀬・出雲・狛・岩坂
22日 午後7時24分
 土砂災害の危険性により、避難勧告
 対象地区
  大字小夫・修理枝・三谷・小夫嵩方・芹井・瀧倉・白木・中谷・和田・白河
22日 午後7時41分
 寺川磐余観測所で氾濫危険水位超えにより、避難勧告
 対象地区
  大字下・高田・上之宮・河西・谷・桜井・川合・戒重・上ノ庄・東新堂・
  新屋敷・大泉・大福・吉備・西之宮
22日 午後9時07分
 避難所追加開設
 桜井市内の学校、公民館等の指定避難所に追加して、桜井駅前まほろばセ
ンターに避難所を開設
23日 午後8時02分
 全警報解除により、避難所閉鎖
 大雨警報(土砂災害)が午後7時57分解除され、すべての警報が解除
 桜井市の避難準備、避難勧告等もすべて解除し、すべての避難所を閉鎖

 台風21号は、桜井市内にもかなりの雨を降らせました。そのため、寺川
や大和川が危険水位や氾濫水位に達したことにより寺川周辺地区や大和川周
辺地区に避難準備や避難勧告が、土砂災害の危険により多武峰周辺地区、初
瀬周辺地区やその北方地区に避難準備や避難勧告が、次々と出されていたの
でした。
 これを見て、ふっと考えました。
 古代はどうしていたのだろうか、古代に宮が置かれた地はどうだったのだ
ろうか。

 桜井市には古代に磐余と呼ばれた地域があり、宮の伝承地が数多くありま
す。
 神功皇后の磐余稚桜宮、履中天皇の磐余稚桜宮、清寧天皇の磐余甕栗宮、
継体天皇の磐余玉穂宮、敏達天皇の訳語田幸玉宮、用明天皇の磐余池辺雙槻
宮、舒明天皇の百済大宮などがそれです。
 これらの宮の比定地には諸説ありますが、それぞれの宮の主な比定地を見
てみると
・神功皇后の磐余稚桜宮が、桜井市大字池之内
・履中天皇の磐余稚桜宮が、桜井市大字池之内
・清寧天皇の磐余甕栗宮が、橿原市東池尻町
・継体天皇の磐余玉穂宮が、桜井市大字池之内
・敏達天皇の訳語田幸玉宮が、桜井市大字戒重
・用明天皇の磐余池辺雙槻宮が、桜井市大字池之内
・舒明天皇の百済大宮が、桜井市大字吉備
となっています。
 この内、台風21号の影響で避難勧告が出された地区に該当するのは、敏
達天皇の訳語田幸玉宮の比定地がある桜井市大字戒重、舒明天皇の百済大宮
の比定地がある桜井市大字吉備です。しかし、敏達天皇の訳語田幸玉宮の比
定地は、戒重地区でもかなり南で大和川からかなり離れています。舒明天皇
の百済大宮の比定地も吉備地区の南に位置していて、ここも大和川からはか
なり距離があります。
 また、大字上之宮も避難勧告対象地域でしたが、聖徳太子の宮ではないか
とされている上之宮遺跡も寺川から少し離れた高台に位置しています。
 他の宮の比定地である桜井市大字池之内は米川水域ですが、避難勧告等の
対象地区にはなっていませんでした。この米川は、古代の百済川だと考えら
れており、百済大寺に比定されている吉備池廃寺の南側を東から西に流れて
います。
 また、安倍寺跡が所在する大字阿部、山田寺跡が所在する大字山田も台風
21号の影響による避難勧告等の地区には入っていませんでした。

 私の周辺に住む人々は、天気予報を見なくても子供のころから朝起きると
二上山や葛城山の見え具合や雲の掛かり具合を見て、今日は雨が降るかどう
かが予想できました。
 磐余や飛鳥に宮がおかれた時代も、当然現在のような天気予報はありませ
んでした。
 しかし、そのころの人々は、今よりもっと自然に近く、今よりもっと自然
を知っていて、自然とともに暮らしていました。また、自然のもたらす驚異
も、今よりずっと多く語り継がれていたことでしょう。古代の人々は、それ
らを基にして、宮や寺の造営地を決めていたのだと思います。

 「宮の置かれた地に災害は少ない。」
 台風21号の通過によりあらためて実感しました。



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●5.飛鳥情報                        ○o。
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 ●桜井市立埋蔵文化財センター 特別展
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 「桜井市を作った七人の人々」
   会 期: 12月3日(日)まで開催中
   時 間: 9:00〜16:30(入館は16:00まで)
   場 所: 桜井市埋蔵文化財センター展示収蔵室
   料 金: 一般200円、小・中学生100円
   詳 細: http://www.sakurai-maibun.nara.jp/tenji/tokubetsu.html

 ≪特別展関連イベント≫(要申込)
  遺跡ウォーク
 
   開催日: 11月25日(土)
   内 容: 「磐余地域を巡る」
   時 間: 9:00〜16:00
   定 員: 50名(申込先着)
   詳 細: http://www.sakurai-maibun.nara.jp/event/event.html

 ―――――――――――――――――――――――
 ●帝塚山大学市民大学講座
 ―――――――――――――――――――――――
   開催日: 11月25日(土)
   内 容: 「弥生絵画のなかの動物たち」
          深澤 芳樹氏(元・奈良国立文化財研究所副所長)

   開催日: 12月2日(土)
   内 容: 「埴輪のなかの動物たち」
          千賀 久氏(葛城市歴史博物館長)

   開催日: 12月9日(土)
   内 容: 「瓦のなかの動物たち」
          清水 昭博氏(帝塚山大学考古学研究所長・附属博物館長)

 ・・・・・・

   時 間: 14:00〜15:30
   場 所: 帝塚山大学2号館2101教室
   詳 細: http://www.tezukayama-u.ac.jp/social/institute/arch/lecture/

 ―――――――――――――――――――――――
 ●三輪山セミナー
 ―――――――――――――――――――――――
   開催日: 11月25日(土)
   内 容: 「(仮)古代の神々と東北」
           鈴木 拓也氏(近畿大学教授)

   開催日: 12月9日(土)
   内 容: 「三輪山周辺の考古学−この一年の調査から−」
          橋本 輝彦氏(桜井市教育委員会文化財課)

 ・・・・・・

   時 間: 14:00〜(受付12:30〜)
   場 所: 大神神社 大礼記念館
   受講料: 200円
   詳 細: http://oomiwa.or.jp/topics/topics_seminar/

 ―――――――――――――――――――――――
 ●奈良まほろば館 講座(要申込)
 ―――――――――――――――――――――――
   日 時: 11月25日(土) 15:00〜16:30
        11月26日(日) 11:00〜12:30
        11月26日(日) 15:00〜16:30
   内 容: 「大和創成 言離之神(ことさかのかみ)
         (一言主大神(ひとことぬしのかみ))の地 葛城」
          伊藤 明氏(葛城一言主神社 宮司)
   場 所: 奈良まほろば館(東京都中央区日本橋室町1−6−2)
   詳 細: http://www.mahoroba-kan.jp/course.html#1138

 ―――――――――――――――――――――――
 ●橿原考古学研究所附属博物館 秋季特別展
 ―――――――――――――――――――――――
 「黒塚古墳のすべて」
   会 期: 11月26日(日)まで開催中
   時 間: 9:00〜17:00(入館は16:30まで)
   場 所: 橿原考古学研究所附属博物館 特別展示室
   料 金: 一般800円、高校・大学生450円、小・中学生300円
   詳 細: http://www.kashikoken.jp/museum/top.html

 ―――――――――――――――――――――――
 ●香芝市二上山博物館 特別展
 ―――――――――――――――――――――――
 「香芝市文化財25年」
   会 期: 11月26日(日)まで開催中
   時 間: 9:00〜17:00(入館は16:30まで)
   場 所: 香芝市二上山博物館
   料 金: 一般200円、高校・大学生150円、小・中学生100円

 ―――――――――――――――――――――――
 ●斑鳩文化財センター 秋季特別展
 ―――――――――――――――――――――――
 「国宝藤ノ木古墳出土品里帰り展−藤ノ木古墳のお宝−」
   会 期: 11月26日(日)まで開催中
   時 間: 9:30〜17:00(入館受付は16:30まで)
   場 所: 斑鳩文化財センター(奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺西1-11-14)
   料 金: 大人300円、高校・大学生100円、中学生以下無料
   詳 細: http://www4.kcn.ne.jp/~ikaru-i/cgi-bin/events/details.cgi?pid=1475884737

 ―――――――――――――――――――――――
 ●近つ飛鳥博物館 秋季特別展
 ―――――――――――――――――――――――
 「古墳出現期の筑紫・吉備・畿内―2・3世紀の社会と経済―」
   会 期: 11月26日(日)まで開催中
   時 間: 10:00〜17:00(入館は16:30まで)
   場 所: 近つ飛鳥博物館 特別展示室
   料 金: 一般650円、65歳以上・高校・大学生450円
        中学生以下・障がい者手帳をお持ちの方 無料
   詳 細: http://www.chikatsu-asuka.jp/?s=exhibition/special2

  ≪講演会≫
   開催日: 11月26日(日)
   内 容: 「ヤマト王権の成立と土器の移動」
          森岡 秀人氏(関西大学大学院非常勤講師)
   時 間: 13:30〜15:00
   場 所: 大阪府立近つ飛鳥博物館地階ホール
   詳 細: http://www.chikatsu-asuka.jp/?s=exhibition/special2/kanren02

 ―――――――――――――――――――――――
 ●明日香村・奈良県立美術館連携展示
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 「明日香まるごと博物館−全域に文化財が眠る村とその魅力−」
   会 期: 1月14日(日)まで開催中
   時 間: 9:00〜17:00(入館は16:30まで)
   場 所: 奈良県立美術館
   料 金: 無料

  ≪関連イベント≫
   開催日: 12月2日(土)・3日(日)
   内 容: 体験「海獣葡萄鏡づくり」
   時 間: 10:00〜16:00(最終受付15:30)
        (所要時間は、約30分)
   費 用: 600円(材料費)
   場 所: 奈良県立美術館エントランスホール

   開催日: 12月16日(土)
   内 容: 講演「明日香まるごと博物館−文化財と生きる村−」
          森川 裕一氏(明日香村長)
   時 間: 15:00〜16:00(開場14:30)
   場 所: 奈良県立美術館レクチャールーム

   開催日: 1月6日(土)
   内 容: 講演「発掘調査から見た日本国創成のとき」
          西光 慎治氏(明日香村文化財課調整員)
   時 間: 14:00〜15:00(開場13:30)
   場 所: 奈良県立美術館レクチャールーム

 ・・・・・・

   詳 細: https://asukamura.com/?p=10501

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 ●飛鳥資料館 秋季特別展
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 「高松塚古墳を掘る−解明された構築過程−」
   会 期: 12月3日(日)まで開催中
   時 間: 9:00〜16:30(入館は16:00まで)
   場 所: 飛鳥資料館 特別展示室
   料 金: 一般270円、大学生130円
        高校生、18歳未満、65歳以上は無料(年齢のわかるものが必要)
   詳 細: https://www.nabunken.go.jp/asuka/kikaku/post-32.html

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 ●ふるさと歴史講座
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   開催日: 12月9日(土)
   内 容: 「古代都城形成史」
          相原 嘉之氏(明日香村教育委員会文化財課長)
   時 間: 13:30〜
   場 所: 明日香村中央公民館
   詳 細: https://asukamura.com/?p=9819

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 ●飛鳥史学文学講座(要申込)
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   開催日: 12月10日(日)
   内 容: 「古代の王宮と元日朝賀の宝幢」
          西本 昌弘氏(関西大学文学部教授)

   開催日: 1月14日(日)
   内 容: 「遣唐使始末〜飛鳥人の見た世界〜」
          藤田 高夫氏(関西大学文学部教授)

 ・・・・・・

   時 間: 13:15〜約2時間
   場 所: 明日香村中央公民館
   詳 細: https://asukamura.com/?p=9623

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 ●聖徳太子に学ぶ連続公開講座(要申込)
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   開催日: 12月15日(金)
   内 容: 「聖徳太子といかるが」
          柏尾 信尚氏(斑鳩の里観光ボランティアの会)
        「聖徳太子会伝を読む4」
          千田 稔氏(奈良県立図書情報館長)
   時 間: 14:00〜15:30(開場・受付13:00)
   場 所: いかるがホール 小ホール
   詳 細: http://www.library.pref.nara.jp/event/2521

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 ●聖徳太子に学ぶ会講座(要申込)
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   開催日: 12月16日(土)
   内 容: 「聖徳太子の教え・和のこころ」
          大野 玄妙氏(法隆寺管長)
   時 間: 13:30〜15:30
   場 所: 奈良まほろば館(東京都中央区日本橋室町1−6−2)
   詳 細: http://www.mahoroba-kan.jp/course.html#1087

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 ●歴史に憩う橿原市博物館 秋季企画展
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 「シリーズ千塚2 寺口忍海古墳群」
   会 期: 12月17日(日)まで開催中
   時 間: 9:00〜17:00(入館は16:30まで)
   場 所: 歴史に憩う橿原市博物館 特別展示室
   料 金: 一般300円、高校・大学生200円、小・中学生100円
   詳 細: http://www.city.kashihara.nara.jp/hakubutsukan/29autumun.html

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 ●万葉集を読む
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   開催日: 12月20日(水)
   内 容: 「大伴家持と紀女郎(762〜769番歌)」
          大谷 歩氏(万葉文化館主任技師)

   開催日: 1月17日(水)
   内 容: 「大伴家持と久邇京(770〜774番歌)」
          井上 さやか氏(万葉文化館指導研究員)

 ・・・・・・

   時 間: 14:00〜15:30(開場13:30)
   場 所: 奈良県立万葉文化館
   詳 細: http://www.manyo.jp/event/detail.html?id=180

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 ●帝塚山大学附属博物館 特別展示
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 「ANIMAL KAWARA 〜瓦のなかの動物たち〜」
   会 期: 12月23日(土)まで開催中
   時 間: 9:30〜16:30
   場 所: 帝塚山大学附属博物館
   料 金: 無料
   詳 細: http://www.tezukayama-u.ac.jp/museum/special/


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●6.編集後記                   梅前   ○o。
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 街にはもうクリスマスソングが流れています。ディズニーランド、羽田空
港など、あちこちのクリスマスツリーをインスタグラムに上げてくれる友人
がいて、見ているだけでクリスマス気分が盛り上がります。
 それにしてもまだ11月。ということは、これら素敵なツリーを作った人
たちは、一体いつから準備をしていたのでしょう。暑い季節に汗をふきふき
「今度のツリーのコンセプトは」なんて議論を戦わせていたのかもしれませ
んね。
 両槻会事務局も、来年2月の定例会に向け動き出しました。「来年のことを
言うと鬼が笑う」なんて言わないで、皆さまどうぞお申込みくださいませ。

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創刊日:2007-11-11  
最終発行日:  
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