近畿

飛鳥遊訪マガジン

飛鳥地域の歴史・文化・景観が好きな皆さん♪「両槻会」は、そんな皆さんと一緒により飛鳥を楽しもうと活動しています。飛鳥遊訪マガジンでは、歴史だけではない飛鳥の魅力もお届け出来ればと思います。皆さん!ご一緒に、もっと飛鳥を楽しみませんか♪

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飛鳥遊訪マガジン Vol.280

2017/11/10

┏○INDEX‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥┓

   1.両槻会からのお知らせ
   ―――――――――――――――――――――――――――
   2.咲読               風人
   ―――――――――――――――――――――――――――
   3.飛鳥時遊録            風人
   ―――――――――――――――――――――――――――
   4.飛鳥悠遠             梅前
   ―――――――――――――――――――――――――――
   5.飛鳥情報
   ―――――――――――――――――――――――――――
   6.編集後記
   ―――――――――――――――――――――――――――
┗‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥o○┛
 飛鳥では、桜紅葉がとても綺麗です。(^^) 10月の下旬からは、天候も
安定して晴天が続いています。飛鳥散歩には、絶好の季節がやって来ました。
短い時間ですが、私は週に2度散策を楽しんでいます。皆さんも是非、飛鳥
に足を運んでください。そして、旅日記をお待ちしています。
 私は、最近、明日香村内でカレーライスを楽しみに足を運んでいます。こ
んな楽しみ方も良いかも知れません。美味しい物がないと言われる飛鳥です
が、そんなことはありません。黒米や飛鳥産の野菜をふんだんに使ったカレ
ーライスも数多く、それぞれ工夫が凝らされています。皆さんも、是非お試
しください。                        (風人)

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●1.お知らせ                        ○o。
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第63回定例会のお知らせ

「廃寺に行こう!
 −夏見廃寺・毛原廃寺・飯降薬師摩崖仏・駒帰廃寺−」

1人キャンセルが出ましたので、募集をします。お申し込みの早い方1名
とさせていただきますので、ご了承ください。ご希望の方はこのメルマガ
受信後、お早めにお申し込みください。

講  師:大西貴夫先生 (橿原考古学研究所 指導研究員)
実 施 日:11月18日(土)
集合場所:近鉄名張駅西口前
集合時間:10:30頃(詳細は参加者にお知らせします)
募集人数:1名
参 加 費:1,500円 (ガソリン代金分担を含む)


【注 意】
・ポイントの毛原廃寺・飯降薬師摩崖仏は、公共交通機関では行けない場所
になりますので、車2台でのドライブ定例会になります。
・ドライバーの都合により、急遽、予定を変更することが有ります。ご容赦
ください。

なかなか一人では行けないポイントばかりですので、この機会に是非ご一緒
しましょう。


【大西貴夫先生からいただいた定例会概要】

 山添村の毛原廃寺は奈良時代の寺院跡で、金堂などの礎石が良好に残るこ
とから国の史跡に指定されています。この史跡の隣接地で昨年度に発掘調査
を行い奈良時代の建物基壇を確認しました。また、同じく昨年度に宇陀市の
飯降磨崖仏が希少な古代の石仏として奈良県指定史跡に指定されました。最
近注目されるこれらの遺跡を中心に、古代大和の東山中における仏教信仰の
姿を平城京の寺院とも比較しながら紹介したいと思います。

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第64回定例会のお知らせ

テーマ:講演会「(仮)飛鳥の塑像」
講 師:戸花亜利州先生(帝塚山大学講師)
実施日:2018年2月上旬予定

詳細は、11月中旬を目途に決定し公開します。


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●2.咲読                     風人   ○o。
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 第63回定例会に向けての咲読も、最終回を迎えました。早いものですね! 
来週はもう定例会です。ご参加の皆さんは、どうぞ体調を整えて当日をお待
ちください。

 さて、前回は毛原廃寺のあれこれを書きました。所用瓦が、板蝿杣が置か
れる以前に作成された瓦だと考えられ、従来述べられていた杣との関係では
毛原廃寺の創建由来を語ることはできないという事、また、東大寺の伊賀国
への進展政策が毛原廃寺を必要としなくなった契機にもなったことを見てき
ました。
 今回は、その瓦を焼いた岩屋瓦窯を見てみましょう。廃寺に行こう! の
順番から言うと毛原廃寺の前に訪れるのですが、咲読では逆の順番になりま
した。

 岩屋瓦窯は、毛原廃寺の南を東に流れている笠間川が、北流してきた名張
川と合流する山添村岩屋の南斜面に造られています。瓦窯は、昭和36年と
53年、また昭和60年に行われた道路拡張および改良工事に伴い発掘調査
が行われています。窯跡は、3基確認されました。3基は同一の場所で造り
かえられており、登り窯から平窯への変化が確認されたとされています。最
も古い1号窯は、半地下式で無段の構造をしており、2号窯に大部分を破壊
されていたようです。2号窯は、1号窯に比べてやや小型になっており、ス
サ入りの日干し煉瓦を用いて造られていたようです。3号窯は、平瓦を積み
上げた畝を持つ、ロストル式と呼ばれる平窯でした。幅約15cm、高さ約
45cmの炎道が7本造られていました。焚口や燃焼室は破壊されていまし
たが、焼成室や煙道は完全な形で残存していたようです。焼成室の規模は最
大幅1.5m、現存する奥行き1.2m、高さ1.3mで、天井はドーム状であ
ったようです。
(参考イラストマップ)

 出土した瓦には、複弁八葉蓮華文軒丸瓦があるのですが、毛原廃寺で使用
された6282型式と呼ばれる平城京に所縁する軒丸瓦がありました。また、
同様に軒平瓦では6689型式と呼ばれるもので、やはり毛原廃寺で出土す
る物と同じでした。
 これらの瓦は、毛原廃寺に使用されるだけではなく、伊賀国に所在する寺
院からも出土しています。寺名を挙げると、伊賀国分寺、夏見廃寺、伊賀郡
才良廃寺、山田郡鳳凰廃寺になります。

 さて、最後に駒帰廃寺について触れておきましょう。
 駒帰廃寺は、宇陀市菟田野地区の山中に所在します。丘陵の南側斜面を平
坦に造成して、伽藍を造営しています。『宇陀旧事記』(宇陀郷土史研究会・
昭和14年出版)には、「安楽時 駒帰村 本尊阿弥陀如来七堂伽藍アリ」
と書かれており、その安楽寺が駒帰廃寺ではないかと考えられているようで
す。しかし、創建の経緯などは明確になっていません。
(参考イラストマップ)
 駒帰廃寺周辺には、「堂ヶ谷」「塔ヶ久保」「塔之阪」「峯堂」「大門」
という小字名が残っており、未発見の堂宇が在った可能性があります。その
意味では、『宇陀旧事記』の「七堂伽藍アリ」の記述と合致するような建物
が配置されていた可能性が有ると考えられます。

 駒帰廃寺は、昭和45年に発掘調査が行われており、造成面の西側に東西
5間(15m)× 南北4間(10m)の礎石建物とその東側に東西5間(1
2.8m)× 南北2間(4.8m)以上の礎石建物が検出されています。
 出土瓦としては、岡寺式のセットが出土しています。(複弁5葉蓮華文軒
丸瓦と葡萄唐草文軒平瓦) また、他の出土遺物には、夏見廃寺や二光寺廃
寺と同じ方形三尊セン仏や塑像の螺髪、平安時代の銅銭や土器類がありまし
た。
 これらの出土遺物から、駒帰廃寺は7世紀末から8世紀初頭の建立と考え
られ、平安時代中頃までは存続していたと考えられるようです。

 駒帰廃寺は、出土瓦や所在地形から山林寺院と考えられます。岡寺を創建
したとされる義淵の活躍など、山林寺院の興味深い点はまだまだ有るのです
が、咲読はここで終了となります。お付き合いいただき、ありがとうござい
ました。

 次号からは、第64回定例会の咲読を書き進めたいと思っています。次回
も、よろしくお願いします。


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●3.飛鳥時遊録                 風人    ○o。
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 前号に引き続き、夏見廃寺関連の話を続けたいと思います。
 名張市夏見廃寺展示館には、金堂の復元モデルがあります。金色に燦然と
輝くセン仏は、朱塗りの建築部材と緑の連子に囲まれた空間を、非日常の世
界へと誘います。

 復元された金堂壁には、大型多尊セン仏を中心にして独尊セン仏、三尊セ
ン仏など大きさの違う5種類のセン仏709個が組み合わされ、縦2.8m 
横2.1mの金色の壁を再現しています。
 中央に位置する大型多尊セン仏は、沙羅双樹を背にした阿弥陀如来が説法
をする時の印を結び、弟子である菩薩や天部が周囲を取り囲むように表現さ
れています。また上部には、宝珠を散りばめた天蓋があり、両側には飛天の
舞う姿があります。
 多尊セン仏の下部には、須弥壇セン仏があります。香を捧げる者、楽器を
奏でる楽人、獅子などが表現されています。そしてその端には、甲午の年号
が入っています。

 古代寺院の金堂は仏のための空間であったと考えられますので、堂内に入
って拝むということを想定されていない場合もあるようです。堂前で額突く
ことが前提となっており、堂外に礼拝石などと言うものが存在している寺院
もあります。夏見廃寺の金堂は、南に階段が付きますが、その最上段が若干
広くなっています。そこから堂内のセン仏あるいは仏像を拝したのではない
かと考えました。

 夏見廃寺金堂は、興味深い建築様式を示しています。内側に囲まれた部分
を「身舎(もや)」と言います。外側を「廂(ひさし)」と呼びます。
(参考図リンク)

 3間×2間の身舎を建てる場合、図の左側が一般的な建築で見られる形に
なり、身舎より廂の柱数が増えています。図の右が夏見廃寺の金堂の様子を
示しています。身舎と廂の柱数が同じであることが分かります。また中央部
分の柱間が広くなっているのも特徴的です。
 夏見廃寺の金堂では、建物の補強のため礎石を伴わない間柱と言うものが、
あるべき柱の位置に設けられています。
 このような建築様式を示す寺院は、飛鳥の山田寺や鳥取の上淀廃寺や滋賀
の穴太廃寺、また法隆寺にある玉虫厨子に見ることが出来ます。

 話を少し戻しますが、夏見廃寺(昌福寺とすれば)が、なぜこの地に建て
られたのかと言うことに疑問を感じます。大化の詔によると、この名張を流
れる川(横河)が畿内と畿外を分ける川であると定められています。「大化
2年(646)およそ畿内は、東は名墾(なばり)横河まで、・・」夏見が
そのちょうど境目に位置することも、なにか意味のあることなのかと思った
りしました。
 この名張の地は、伊勢神宮あるいは斎宮との関連が深く、大来皇女の次に
斎王となる当耆皇女も夏見郷に墾田を持っていたことが伝えられています。
また、奈良時代に入りますが、やはり斎王となる酒人内親王が名張郷に栗林
を持っていたとされています。斎王になる皇女達の御料地としての存在も考
えさせられます。
 また、名張の夏見が含まれる地には、伊勢神宮領(用材を伐採する山々)
多良牟六箇山(たらむむこやま)が広大な面積を持って存在していたことが
知られています。

 名張は、大和と伊勢の中間点であり、畿内外の境をなします。そのことを、
天皇と天照大神の間を取り結ぶ斎王の象徴的な意味合いとして重要視された
土地であったかも知れない。
 そんな事を思うのは、妄想癖のなせる業です。

 さて、咲読のスピンオフのような飛鳥時遊録を2回続けましたが、それも
予定が終了しました。いよいよ来週は、定例会になります。無事に実施出来
るように、最後の準備に励みます。


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●4.飛鳥悠遠                   梅前   ○o。
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「『磐余』を歩く」 (後編)

 前回、「磐余」という土地は、わが国を初めて統治した王(カムヤマトイ
ワレヒコ=神武天皇)の名を冠す神聖な地として、大王としての資質に疑問
があったり、他の豪族におされて権威を失いかけたりしていた大王たちが、
そこに宮を置くことによってある種の「権威づけ」を行った場所なのではな
いかと書きました。

 その「磐余」には、一体何があるのか。
 何が「磐余」にそのような「ブランド力」をつけさせたのか。

 それを探るべく、念願の磐余を訪れました。今年10月上旬の土曜日のこ
とです。
 自転車を借りて一人で回る、という案もあったのですが、両槻会スタッフ
が同行してくれることになり、方向音痴の私にはとてもありがたいウォーキ
ングになりました。

 東京を朝早く出発し、昼過ぎに近鉄耳成駅からスタート。
 まずは市杵島神社へ向かいます。
 この市杵島神社は、藤原京の東西に設置されたとされる東の「市」とも考
えられているようです。耳成山の北西にやはり市杵島神社があり、位置的に
かなりずれていて東西対称とは言い難い場所ですが、そこが西の市であった
とする考えもあるようです。ふたつの市杵島神社は川で結ばれていますので、
水運の利便性があっての市の設置だったのかもしれません。

 市杵島神社の東にある中ツ道を南に進むと、三輪神社があります。この境
内には斜めに生えた大きな槻の木があり、事務局長が用意してくれた資料に
よれば、西国三十三所名所図絵にも残る古い木だそうです。
 また、境内の南西隅には、礎石のような大きな石があります。何に使われ
たものかまだ定説はないそうですが、現在は用水路に半分浸かった状態で、
一人で歩いていたら絶対に見落としていたことでしょう。

 今は途切れてしまっている中ツ道を横目に想像しながら、東側を並行する
道を南に向かって進みます。
 この周辺は、古代、膳夫氏の勢力があった地域とされており、そこに建つ
「膳夫寺」は、聖徳太子の妃だった膳菩岐岐美郎女が、養母の菩提を弔うた
めに建てた寺を起源としているとか。太子がこのあたりを通りかかった際、
病の母のために一心に芹を摘んでいた膳菩岐岐美郎女を見初め、妃にしたと
いうシンデレラストーリーを教えてもらいながら、周辺を散策します。

 次に向かうのは「御厨子神社」。清寧天皇の磐余甕栗宮があったと伝えら
れる場所です。初めて訪れる「磐余の宮」です。ちょっとドキドキします。
 想像した通り、小高い丘になった場所でした。古くは「水尻神社」と呼ば
れていたと案内板に書いてありました。「みずしり」と「みかくり」。同じ
地名を伝えるのかそうでないのか、私には判断できません。
 この神社の境内には、真っ二つに割れた大きな石があります。「月の輪石」、
あるいは「根裂石」ともいうそうです。
 神社と並んで、吉備真備が建立させたという妙法寺が建っています。清寧
天皇に較べると吉備真備なんて「最近の人」などと思ってしまうのは、古代
史に浸かりすぎでしょうか。

 神社のある丘から下りると、一面の田が広がっています。このあたりで行
われた発掘調査の結果、池の堤跡が確認され、ここが「磐余池」だった可能
性が出てきました。堤と目される場所からは、池に付属する建物の痕跡が確
認されたそうです。
 「磐余池」といえば、天武天皇の皇子・大津皇子が、天武の死後、謀反を
計画したとして処刑される際、詠んだ歌が有名です。

 ももづたふ磐余の池に鳴く鴨を 今日のみ見てや 雲隠りなむ
 (磐余の池に鳴く鴨を見るのも今日を限りとして、自分は雲の彼方に去っ
ていくのか)
 この歌を記した案内板が、田の脇にぽつんと建っていました。

 次に向かったのは稚桜神社。神功皇后が宮を置き、その約130年後に履
中天皇が宮を置いたとされる場所です。
 ここもやはり高台でした。
 素人考えですが、磐余に置かれた宮は、香具山に向かって連なる尾根沿い
の、けれどもわずかにそこから離れた、小高い場所が好地とされたのかもし
れません。

 続いては、稚桜神社の東側にある、青木廃寺に向かいます。
 ここは、谷を堰き止めて造った池が三つ連なる先にあるのですが、鬱蒼と
木々が茂った狭い谷なので、一人ではとても入っていく勇気が出そうにない
場所です。
 両槻会スタッフの面々とともに、やぶ蚊と戦いながら進んでいくと、わず
かに開けた土地があり、その東側の山中に、小規模ながら寺院が建てられて
いたそうです。ここから出土した瓦の研究から、この寺は高市皇子の供養の
ために、彼の子である長屋王が建立したものと考えられているようです。

 てくてく歩いて、安倍寺跡へ。阿倍倉梯麻呂の建立とされる安倍寺は、蘇
我倉山田石川麻呂が建てた山田寺とほぼ同時期に建立が始まっているとか。
二人は乙巳の変のあとの左大臣と右大臣です。やるなぁ。張り合っていたの
かなぁ、なとど下世話なことを考えつつ、今は公園になっている寺跡をうろ
うろします。

 安倍文殊院を訪れたあと、吉備池廃寺へ。ここは、先年の発掘調査により、
舒明11年(639)に発願された百済大寺跡である可能性が高くなってい
ます。
 前回書いたように、舒明天皇はここに寺と宮を造営することにより、蘇我
の勢力圏である飛鳥から離れようとした形跡があります。見渡してみるとな
るほど、広々と開けた土地は、大規模な寺を造営するにふさわしい場所のよ
うに思えます。
 ちなみに百済大宮の推定地は、この吉備池廃寺の北西に広がる平坦地のあ
たりとされているようです。たしかに、周囲よりわずかに高いその場所は、
宮の適地と思われます。
 ここに壮大な宮と寺を建てようとした舒明の願いは、どのようなものだっ
たのでしょうか。蘇我とは一線を画していたとされる押坂王家の長でもあっ
た舒明は、蘇我蝦夷の力を得ることにより、大王の位を手にしました。その
あたりから始まった蘇我の暴走を許したとされる舒明の、それでも必死に抵
抗しようとした痕跡が、ここに残っているような気がします。
 今、吉備池廃寺跡には、江戸時代に農業用に造成されたという吉備池が、
その静かなたたずまいを見せています。池の脇には、万葉集にのこされた大
津皇子の辞世の句が、歌碑となって建っています。御厨子神社から下った場
所にも同じ歌の歌碑が建っていましたが、それは古代の磐余池がどこにあっ
たのか、まだ確定していないからなのでしょう。
 けれども、大津の歌の哀切な響きは、挫折したと思われる舒明の願いとと
もに、磐余の地に立つ私の胸に染み入ってきました。
 舒明12年(640)、舒明は竣工成った百済宮に遷っています。けれど
もそのわずか一年後、舒明は崩じ、そのあとをうけ即位した皇極天皇は、皇
極2年(643)に飛鳥に戻ったと日本書紀は記しています。その飛鳥板蓋
宮で、蘇我入鹿が惨殺される乙巳の変が起こったのは、それから2年後のこ
とでした。
 もしかしたら、蘇我入鹿に斬りかからんとする中大兄皇子の背を押したの
は、彼の父である舒明の思いだったのかもしれません。


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●5.飛鳥情報                        ○o。
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 ●橿原考古学研究所附属博物館 秋季特別展 
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 「黒塚古墳のすべて」
   会 期: 11月26日(日)まで開催中
   時 間: 9:00〜17:00(入館は16:30まで)
   場 所: 橿原考古学研究所附属博物館 特別展示室
   料 金: 一般800円、高校・大学生450円、小・中学生300円

   ≪研究講座≫
   開催日: 11月12日(日)
   内 容: 「古墳時代前期出土刀剣の諸問題−黒塚古墳出土刀剣を通して−」
          持田 大輔氏(橿原考古学研究所企画課主任研究員)
        「鉄(くろがね)の威風 −武装からみた黒塚古墳とその時代−」
          阪口英毅(京都大学大学院文学研究科助教)
   時 間: 13:00〜16:15(開場12:00)
   場 所: 橿原考古学研究所講堂
   詳 細: http://www.kashikoken.jp/museum/top.html

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 ●飛鳥史学文学講座(要申込)
 ―――――――――――――――――――――――
   開催日: 11月12日(日)
   内 容: 「橘の寺の長屋に 〜万葉の戯笑歌をよむ〜」
          乾 善彦氏(関西大学文学部教授)

   開催日: 12月10日(日)
   内 容: 「古代の王宮と元日朝賀の宝幢」
          西本 昌弘氏(関西大学文学部教授)

・・・・・・

   時 間: 13:15〜約2時間
   場 所: 明日香村中央公民館
   詳 細: https://asukamura.com/?p=9623

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 ●万葉集を読む
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   開催日: 11月15日(水)
   内 容: 「田村大嬢と坂上大嬢(756〜761番歌)」
          吉原 啓氏(万葉文化館主任技師)
   時 間: 14:00〜15:30(開場13:30)
   場 所: 奈良県立万葉文化館
   詳 細: http://www.manyo.jp/event/detail.html?id=180

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 ●帝塚山大学附属博物館 特別展示
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 「ANIMAL KAWARA 〜瓦のなかの動物たち〜」
   会 期: 11月18日(土)〜12月23日(土)
   時 間: 9:30〜16:30
   場 所: 帝塚山大学附属博物館
   料 金: 無料
   詳 細: http://www.tezukayama-u.ac.jp/museum/special/

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 ●桜井市立埋蔵文化財センター 特別展
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 「桜井市を作った七人の人々」
   会 期: 12月3日(日)まで開催中
   時 間: 9:00〜16:30(入館は16:00まで)
   場 所: 桜井市埋蔵文化財センター展示収蔵室
   料 金: 一般200円、小・中学生100円
   詳 細: http://www.sakurai-maibun.nara.jp/tenji/tokubetsu.html

 ≪特別展関連イベント≫(要申込)
  遺跡ウォーク
   開催日: 11月18日(土)
   内 容: 「戒重城から脇本、外鎌山へ」

   開催日: 11月25日(土)
   内 容: 「磐余地域を巡る」

・・・・・・

   時 間: 9:00〜16:00
   定 員: 50名(申込先着)
   詳 細: http://www.sakurai-maibun.nara.jp/event/event.html

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 ●香芝市二上山博物館 特別展
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 「香芝市文化財25年」
   会 期: 11月26日(日)まで開催中
   時 間: 9:00〜17:00(入館は16:30まで)
   場 所: 香芝市二上山博物館
   料 金: 一般200円、高校・大学生150円、小・中学生100円

  ≪特別展記念講演≫
   開催日: 11月19日(日)
   内 容: 「古墳世界を読む〜馬見古墳群の新研究〜」
          辰巳 和弘氏(元同志社大学教授)
   時 間: 14:00〜16:00(開場13:00)
   場 所: ふたかみ文化センター1F市民ホール
   詳 細: http://kashiba-mirai.com/602

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 ●斑鳩文化財センター 秋季特別展
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 「国宝藤ノ木古墳出土品里帰り展−藤ノ木古墳のお宝−」
   会 期: 11月26日(日)まで開催中
   時 間: 9:30〜17:00(入館受付は16:30まで)
   場 所: 斑鳩文化財センター(奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺西1-11-14)
   料 金: 大人300円、高校・大学生100円、中学生以下無料
   詳 細: http://www4.kcn.ne.jp/~ikaru-i/cgi-bin/events/details.cgi?pid=1475884737

  ≪記念講演会≫
   開催日: 11月19日(日)
   内 容: 「藤ノ木古墳の被葬者を考える」
          白石 太一郎氏(近つ飛鳥博物館長)
   時 間: 13:30〜15:30
   場 所: 斑鳩町中央公民館 大ホール(斑鳩町龍田南2−2−43)
   詳 細: http://www4.kcn.ne.jp/~ikaru-i/cgi-bin/events/details.cgi?pid=1507767697

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 ●明日香村・奈良県立美術館連携展示
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 「明日香まるごと博物館−全域に文化財が眠る村とその魅力−」
   会 期: 11月23日(木・祝)〜1月14日(日)
   時 間: 9:00〜17:00(入館は16:30まで)
   場 所: 奈良県立美術館
   料 金: 無料

  ≪関連イベント≫
   開催日: 12月2日(土)・3日(日)
   内 容: 体験「海獣葡萄鏡づくり」
   時 間: 10:00〜16:00(最終受付15:30)
        (所要時間は、約30分)
   費 用: 600円(材料費)
   場 所: 奈良県立美術館エントランスホール

   開催日: 12月16日(土)
   内 容: 講演「明日香まるごと博物館−文化財と生きる村−」
          森川 裕一氏(明日香村長)
   時 間: 15:00〜16:00(開場14:30)
   場 所: 奈良県立美術館レクチャールーム

   開催日: 1月6日(土)
   内 容: 講演「発掘調査から見た日本国創成のとき」
          西光 慎治氏(明日香村文化財課調整員)
   時 間: 14:00〜15:00(開場13:30)
   場 所: 奈良県立美術館レクチャールーム

・・・・・・

   詳 細: https://asukamura.com/?p=10501

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 ●帝塚山大学市民大学講座
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   開催日: 11月25日(土)
   内 容: 「弥生絵画のなかの動物たち」
          深澤 芳樹氏(元・奈良国立文化財研究所副所長)
   時 間: 14:00〜15:30
   場 所: 帝塚山大学2号館2101教室
   詳 細: http://www.tezukayama-u.ac.jp/social/lectures/2017/07/17/393.html

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 ●三輪山セミナー
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   開催日: 11月25日(土)
   内 容: 「(仮)古代の神々と東北」
          鈴木 拓也氏(近畿大学教授)
   時 間: 14:00〜(受付12:30〜)
   場 所: 大神神社 大礼記念館
   受講料: 200円
   詳 細: http://oomiwa.or.jp/topics/topics_seminar/

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 ●奈良まほろば館 講座(要申込)
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   日 時: 11月25日(土) 15:00〜16:30
        11月26日(日) 11:00〜12:30
        11月26日(日) 15:00〜16:30
   内 容: 「大和創成 言離之神(ことさかのかみ)
         (一言主大神(ひとことぬしのかみ))の地 葛城」
          伊藤 明氏(葛城一言主神社 宮司)
   場 所: 奈良まほろば館(東京都中央区日本橋室町1−6−2)
   詳 細: http://www.mahoroba-kan.jp/course.html#1138

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 ●近つ飛鳥博物館 秋季特別展
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 「古墳出現期の筑紫・吉備・畿内―2・3世紀の社会と経済―」
   会 期: 11月26日(日)まで開催中
   時 間: 10:00〜17:00(入館は16:30まで)
   場 所: 近つ飛鳥博物館 特別展示室
   料 金: 一般650円、65歳以上・高校・大学生450円
        中学生以下・障がい者手帳をお持ちの方 無料
   詳 細: http://www.chikatsu-asuka.jp/?s=exhibition/special2

  ≪講演会≫
   開催日: 11月26日(日)
   内 容: 「ヤマト王権の成立と土器の移動」
          森岡 秀人氏(関西大学大学院非常勤講師)
   時 間: 13:30〜15:00
   場 所: 大阪府立近つ飛鳥博物館地階ホール
   詳 細: http://www.chikatsu-asuka.jp/?s=exhibition/special2/kanren02

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 ●飛鳥資料館 秋季特別展
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 「高松塚古墳を掘る−解明された構築過程−」
   会 期: 12月3日(日)まで開催中
   時 間: 9:00〜16:30(入館は16:00まで)
   場 所: 飛鳥資料館 特別展示室
   料 金: 一般270円、大学生130円
        高校生、18歳未満、65歳以上は無料(年齢のわかるものが必要)
   詳 細: https://www.nabunken.go.jp/asuka/kikaku/post-32.html

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 ●ふるさと歴史講座
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   開催日: 12月9日(土)
   内 容: 「古代都城形成史」
          相原 嘉之氏(明日香村教育委員会文化財課長)
   時 間: 13:30〜
   場 所: 明日香村中央公民館
   詳 細: https://asukamura.com/?p=9819

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 ●聖徳太子に学ぶ会講座(要申込)
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   開催日: 12月16日(土)
   内 容: 「聖徳太子の教え・和のこころ」
          大野 玄妙氏(法隆寺管長)
   時 間: 13:30〜15:30
   場 所: 奈良まほろば館(東京都中央区日本橋室町1−6−2)
   詳 細: http://www.mahoroba-kan.jp/course.html#1087

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 ●歴史に憩う橿原市博物館 秋季企画展
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 「シリーズ千塚2 寺口忍海古墳群」
   会 期: 12月17日(日)まで開催中
   時 間: 9:00〜17:00(入館は16:30まで)
   場 所: 歴史に憩う橿原市博物館 特別展示室
   料 金: 一般300円、高校・大学生200円、小・中学生100円
   詳 細: http://www.city.kashihara.nara.jp/hakubutsukan/29autumun.html

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●6.編集後記                   梅前   ○o。
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 日が暮れるのが早くなりましたね。ぼんやりしていると、一日があっとい
う間に終わってしまいます。12月に入ると、忘年会やらクリスマスやら大
掃除やらと慌ただしくなってしまうので、今のうちに今年一年を振り返り、
新しい年に備えたいと思っています。
 今年もいろいろなことがあったなぁ〜!って、早すぎますかね?

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創刊日:2007-11-11  
最終発行日:  
発行周期:隔週金曜  
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