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飛鳥地域の歴史・文化・景観が好きな皆さん♪「両槻会」は、そんな皆さんと一緒により飛鳥を楽しもうと活動しています。飛鳥遊訪マガジンでは、歴史だけではない飛鳥の魅力もお届け出来ればと思います。皆さん!ご一緒に、もっと飛鳥を楽しみませんか♪

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飛鳥遊訪マガジン vol. 126

発行日:2/3

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┏━┓飛鳥時遊録            真神原風人
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┗━┛              飛鳥三昧 http://sanzan.gozaru.jp/

  皆さん、こんにちは♪ 飛鳥遊訪マガジン126号をお届けします。

  寒いですね!日本海側は大雪、太平洋側は低温と乾燥、飛鳥は盆地特有
 の底冷えと厳しい冬になりました。こんな時にはインフルエンザも蔓延し
 ますので、充分に対策を講じておきたいものですね。飛鳥では、流石に散
 策の人影もまばらになっています。寒風の中のサイクリングは辛いですか
 ら、仕方がないのかも知れません。ですが、こんな時ならではの静かな飛
 鳥が好きな方も居られるのではないかと思います。「飛鳥には喧騒は似合
 わない」そんなことを言っては叱られるかもしれませんが、風人は人が少
 ない厳冬期の飛鳥も好きです。

  両槻会は、2月12日に創設記念日を迎えます。丸5年の活動を振り返
 ると、会を継続出来たのが奇跡としか思えません。僅かなスタッフが、余
 暇を利用して運営を続けてきました。ここに至るまでに頂いた先生方のご
 支援と、飛鳥資料館のご理解、参加・購読してくださる皆さんに、心より
 の感謝を申し上げます。ありがとうございました。m(__)m

  6年目に、何が出来るのかは分かりません。両槻会は、飛鳥を良くする
 のだ!飛鳥のために何かを成すのだ!と言うような高邁な目標設定はしま
 せん。ただただ飛鳥が好きな者が集まって、もっと楽しく遊びましょうと
 言うのが最大の目標です。面白可笑しいばかりが楽しいことではなく、ほ
 んの少しずつですが知的好奇心を満たしていければ、なお楽しいのではな
 いかと思っています。どうぞ、6年目の両槻会にもご支援をいただきます
 ようにお願い致します。

  さて、飛鳥情報でも紹介していますが、飛鳥資料館の冬期企画展が始ま
 っています。今回は、2010年度の調査を中心に展示がされているので
 すが、牽牛子塚古墳の復元模型やCGなど素人にはより馴染みやすい展示
 になっているように思いました。主な展示は、現在も調査が続けられてい
 る甘樫丘東麓遺跡、大勢の見学者が列を作った牽牛子塚古墳・越塚御門古
 墳、檜隅寺周辺、水落遺跡、飛鳥京跡などがあります。

  両槻会として特に注目したいのは、坂田寺跡の鎮壇具の研究成果の報告
 です。遺物自体は以前に出土している物なのですが、主だった鎮壇具を目
 の前にすることが出来ます。定例会時には、銅銭や金箔などは見ていただ
 くことは出来ませんでしたが、奈良時代の建立時期を決定づけたこれらの
 遺物を、企画展ではじっくりと見ることが出来ます。定例会に参加してい
 ただいた方には、一層興味深い展示になるのではないでしょうか。ハート
 型水晶も見やすい形のケースに入れられ、より可愛らしさが際立っていま
 した。

  風人個人としては、檜隈寺周辺(飛鳥藤原第164次調査)の展示を興
 味深く見学しました。飛鳥遊訪マガジンで連載をしていただいていた、ゆ
 き先生が担当された調査だったということもあるのですが、瓦組暗渠の下
 部が展示ケース内に実際に組まれていました。また、「呉」(字体は異な
 る)と書かれた墨書土器や両槻会ではお馴染みになった火焔文軒丸瓦のほ
 ぼ完形品なども有り、目を引きました。

  今回の企画展では、新しい試みが有りました。2011年に、奥飛鳥が
 重要文化的景観に選定されたのですが、その飛鳥川の源流地域の景観や伝
 統行事などを紹介するパネルが、多数展示されています。景観もまた貴重
 な文化財の一つであるとする考え方に立っての展示だと理解しているので
 すが、そのような取り組みの中で、飛鳥の景観が守られていくことを願い
 ます。展示の中には男綱のシンボルも有り、企画展の展示スペースへと階
 段を下りて行くと正面に置かれており驚かされます。普段は、高い綱にぶ
 ら下げられていますので実際より小さく見えるのですが、目前にすると大
 きなものです。綱の綯い方も見てみると面白いですよ。

  さて、この企画展に関連して、写真展も行われます。締切が近づいてい
 ますが、皆さん、是非応募してください。応募方法など詳細は、飛鳥情報
 のコーナーをご覧ください。風人も、応募しました。結果は気にせずに、
 参加重視の応募なのですが。(^^ゞ

  では、本編を紹介します。

  寄稿は、腰痛学芸員Nさんの「とある博物館の企画展−とある学芸への
 聞き取り談話−」と題した企画展への思い入れ話です。担当学芸員さんの
 カラーが展示に出ているというお話は、その通りですね。見学してきた風
 人には、様々な工夫や思い入れが随所に見えました。記事を読んでいただ
 いて、実際に資料館へ足を運んでくださいね。そうそう!水神様のプロフ
 ィール付です!(笑) 飛鳥話は、ももの「夢」の話の2回目です。咲読は、
 風人が担当しました。

  では、本編をごゆっくりお楽しみください。

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┏━┓INDEX
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    1:したっぱ学芸員による展覧会裏話    腰痛学芸員Nさん
    -----------------------------------------------------------+
    2:両槻会からのお知らせ 
    -----------------------------------------------------------+
    3:飛鳥咲読               真神原風人
    -----------------------------------------------------------+
    4:ももと飛鳥と三十一文字と       もも
    -----------------------------------------------------------+
    5:飛鳥情報
    -----------------------------------------------------------+
    6:編集後記
    -----------------------------------------------------------+

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┏━┓したっぱ学芸員による展覧会裏話    腰痛学芸員Nさん
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┗━┛
「とある博物館の企画展 −とある学芸への聞き取り談話−」
                    (インタビュアー:腰痛皇子)

  これは、吾輩がA資料館冬の企画展の主担当となった奥飛鳥の水神様氏
 へ行った聞き取り談話である。(以下、談話)

  A資料館の冬期企画展「ASUKAの考古学」。これは、飛鳥・藤原地
 域の発掘成果の速報を主眼に置いた展覧会である。が、大きな本質的問題
 を一つ抱えている。速報展であるがゆえに、目立った遺物が出土した年と、
 そうでない年で格段の差が出てしまう可能性がある。今年の冬期の打ち合
 わせでは、各機関から「今年は厳しい」と常々いわれており、主担当とし
 て展示をどのように組み立てるか?にはけっこう苦心した。

  展示するべき物が少ない。そこで、まず考えたのは、「文化的景観」を
 展示に入れること。2011年4月に重要文化的景観に選定された奥飛鳥
 の話はタイムリーであるし、景観も文化財としてカウントされるようにな
 った昨今、速報展に組み込んでも無理はない。また、奥飛鳥の「水」に縁
 がある私にとっても悪い話ではない。

  その次に考えたのは、速報性にとらわれず、理解を容易にするものであ
 れば常設展や過去の出土遺物も問わず陳列することにした。また、常々研
 究所の活動は紹介せねばならないと考えていたので、研究所の「人」にス
 ポットを当てた小さな写真パネルを並べた(ノリで作ったわりに思いのほ
 か好評)。
  さらに今回のために無理くり用意した牽牛子塚古墳のイメージ模型やC
 G動画などは、多くの来館者の方々に古墳のイメージをつかんでいただい
 ているようだ。とはいえ、まだまだ調査/精査が続く古墳であるため、現
 段階はあくまでイメージ模型。今後積み重ねられるであろう最新の研究結
 果を反映させ、お披露目するたび新たな姿になり、いつの日か「復原模型」
 になればと願っている。

  イベントも一つ立ち上げた。今回初めての試みである写真コンテスト
 「知られざる飛鳥の情景」。タイトルは、2秒で適当に決めたのがそのま
 ま最後まで来たものである。要は飛鳥のみんなが知らない風景とかを知り
 たいなあ、というテーマ。応募枚数・撮影日時も制限は全くなく、明日香
 村の文化財っぽいものが主眼であれば、風景でも、人が入っても動物が入
 っても全くOKという極めてオープンな写真展だ。強いていうなれば、冬
 期の企画展がらみのテーマであれば入選しやすいという裏情報もある。さ
 らに賞品として飛鳥資料館官位まで授与されることになった(飛鳥の地に
 律令制が1300年ぶりに復活)。今後も回数を重ねて、将来的には写真
 集なんかにできればいいなと思っている。

  自分が主担当になった展覧会は息子・娘のようなもんだ。評判が悪いと
 何とも言えない気分になる。アンケートを見たり、展示室をまわってお客
 さんの様子を見ながらマイナーチェンジを繰り返している。不出来な子供?
 を少しでも何とか良くしてあげようという気持ちは親心に近いかもしれな
 い。そういった意味で、展覧会は主担当の「カラー」が如実に表れるとい
 っても過言ではないだろう。(以上、氏の談話)

  このように、水神氏は小さな企画展でもお客さんのために何とかいろい
 ろ考えながら学芸をこなしているようで、吾輩はなかなか感心した。その
 極めて謙虚・小粋・ナイスガイで男淵の滝のように純粋な心を忘れずに展
 示業務に邁進していただきたい。 (リポーター:腰痛皇子)

 【プロフィール】
  水神 様(みずがみ ためし)
  出身地:奥飛鳥男淵の滝つぼ付近
  年齢:31歳(世を忍ぶ仮の年齢)
  職業:学芸/研究者(世を忍ぶ仮の生業)
  学位:帝国大学博士(雨男学)
  特技:肝心な日に豪雨を降らすこと
  好みのタイプ:女淵の滝のような女性


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┏━┓両槻会からのお知らせ
┃2┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┗━┛              両槻会 http://asuka.huuryuu.com/
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 ■第31回定例会予定
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     http://asuka.huuryuu.com/yotei/teireikai-31/yotei-31.html

  第31回定例会は、久しぶりのウォーキングになります。定例会として
 このコースを歩くのは二度目となりますが、第4回定例会(2007/9/16実施)
 から4年を経て、前回参加いただけなかった方々にも是非この展望を楽し
 んでいただきたいと思い再度企画しました。この機会に是非ご参加下さい。

 第31回定例会
  「飛鳥展望散歩2」

  開催日 : 2012年3月3日(土)
  集合場所: 桜井駅南口 ロータリーバス停付近
  集合時間: 9:10
  定 員 : 30名
  運営協力金:1,000円 (傷害保険料含む・交通費各自負担)
  申 込 : 1月23日より受付開始(定員になり次第締切) 
  コース概要:桜井駅→(バス)→談山神社バス停→談山神社→御破裂山頂
        →念誦窟不動尊→念誦窟→万葉展望台 藤本山(昼食)
        →上居ルート→岡寺下→飛鳥京跡→甘樫丘→甘樫丘バス停
        →(バス)→橿原神宮前駅  (歩行距離 約12km)
  ルートマップ:http://g.co/maps/x8chz
  備 考 : 小雨決行。
       (雨天時は上居ルートを石舞台に下山 風舞台で昼食)

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 ■第32回定例会予定
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     http://asuka.huuryuu.com/yotei/teireikai-32/yotei-32.html

  第32回定例会は、5月5日(土)に両槻会主催講演会を行います。講
 師には、帝塚山大学名誉教授 森郁夫先生がお出でくださいます。

 第32回定例会
   両槻会主催講演会

  講 師 : 森郁夫先生(帝塚山大学名誉教授・帝塚山大学附属博物館々長)
  演 題 : 未定
  開催日 : 5月5日(土)(予定)
  会 場 : 飛鳥資料館講堂(予定)
  開 演 : 13:00(予定)
  定 員 : 40名
  運営協力金:1,000円 (経費分担金)
  申 込 : 3月5日より受付開始(定員になり次第締切)
  備 考 : 詳細は、決定次第両槻会サイトやブログでご案内します。
  主 催 : 両槻会
  
  GW中の開催になりますが、遠方の方もこの機会に、是非飛鳥散策を兼
 ねてご参加下さい。

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 ■第33回定例会予定
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     http://asuka.huuryuu.com/yotei/teireikai-33/yotei-33.html

  第33回定例会は、7月7日(土)に両槻会主催講演会を行います。講
 師には、帝塚山大学准教授 清水昭博先生がお出でくださいます。

 第33回定例会
   両槻会主催講演会

  講 師 : 清水昭博先生(帝塚山大学准教授)
  演 題 : 未定
  開催日 : 7月7日(土)(予定)
  会 場 : 飛鳥資料館講堂(予定)
  開 演 : 13:00(予定)
  定 員 : 40名
  運営協力金:1,000円 (経費分担金)
  申 込 : 5月14日より受付開始(定員になり次第締切)
  備 考 : 詳細は、決定次第両槻会サイトやブログでご案内します。
  主 催 : 両槻会


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┏━┓飛鳥咲読                   真神原風人
┃3┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┗━┛              飛鳥三昧 http://sanzan.gozaru.jp/

  第31回定例会に向けての2回目の咲読です。よろしく、お付き合いく
 ださい。第31回定例会はウォーキングですから、当日は景色の説明程度
 にしようと思っているのですが、キーワードになりそうなものだけは咲読
 にて紹介しておきたいと思っています。多武峰、御破裂山、増賀上人、念
 誦崛、両槻宮などをコースに合わせて紹介出来ればと思っています。

  談山神社へは、桜井駅南口からバスで向かいます。春の桜、秋の紅葉、
 蹴鞠などで有名ですから、もう説明の必要もない神社ですね。スタッフ下
 見の折には、拝観料金の要る神社は全国でも他に無いのでは?というよう
 なことを話題にしていました。宝物殿などには見学料金が必要な所は多く
 ありますけれど、そういう意味では特異な存在と言えるかもしれませんね。
 神社と言っても元はお寺ですから、そのようになっているのでしょうか。
 廃仏毀釈で神社となったのですが、以前は「多武峰寺」あるいは単に「多
 武峰」、また「多武峰妙楽寺」と呼ばれていました。ただ、早くから鎌足
 の神像が置かれたこともあり、神道的な要素も強く有ったようです。

  遠方から参加していただく方も多い両槻会ですから、今回はその神仏混
 淆の談山神社をゆっくりと拝観していただく時間を設けました。境内では、
 40分の自由時間を予定しています。

  談山神社は『多武峯略記』(鎌倉時代)によれば、天武天皇7(678)
 年に、藤原鎌足の長子である定恵が唐からの帰国後に、父の墓を摂津安威
 からこの地に移し、十三重塔を造立したのが発祥だとしています。また、
 天武天皇9(680)年に講堂(拝殿)が創建され、そこを妙楽寺とし、
 大宝元(701)年に十三重塔の東に鎌足の木像を安置する祠堂(本殿)
 が建立され、聖霊院としたと書かれています。

  定恵は、白雉4(653)年5月、10歳にして唐に渡るのですが、長
 安の神泰法師に師事し、内経外典に通じたとされます。しかし、活躍の間
 も無いまま、帰国の3ヶ月後に大原(明日香村小原)で亡くなったとされ
 ています。

  定恵が摂津安威の墓所から鎌足の遺骸の一部を移し祀ったのが、御破裂
 山頂の御廟であるとされます。しかし、『延喜式諸陵寮』には「多武峯墓
 贈太政大臣正一位淡海公藤原朝臣。在大和国十市郡」と書かれています。
 一般的には、淡海公は不比等のことだとされますが、『延喜式』は平安時
 代中期に編纂されたものですので、まさに藤原氏の世だと思うのですが、
 この混乱はどうしたことなのでしょうか。鎌足は近江朝の重臣であったこ
 とから、鎌足も淡海公と呼ばれても不思議ではないとする考えもあるよう
 ですが、どうなのでしょうか。

  定例会では、談山神社権殿横から山頂に向かいます。この登りが、今回
 の定例会で唯一と言ってよい急な登りになります。ほぼ階段状の登りが10
 分ばかり続くのですが、疲れが出てくる頃に「御相談所」(談所ヶ森)が
 あり、一息つくことができます。もちろん、鎌足と中大兄皇子が、蘇我本
 宗家討滅の談合を行った場所とされる伝承の地です。伝承の地ですから、
 深く考察するのは止めましょう。(笑)

 『多武峰略記』によると鎌足は摂津国安威山に埋葬されたとされ、それが
 高槻市と茨木市の境にある阿武山古墳だとするのが有力です。この阿武山
 古墳は、盛土が無く、尾根の小高いところを幅2.5mの浅い溝を円形に
 めぐらせ、直径82mの墓域を区画しています。中央に花崗岩の切石と部
 厚い素焼きタイルを組み上げ、内側を漆喰で塗った墓室があり、夾紵棺が
 安置されていました。棺内には、銀線で青と緑のガラス玉を連ねた玉枕が
 あり、きらびやかな錦をまとった60才ほどの男性の遺体がありました。
 発掘当時撮影されたX線写真などの分析から、男性は亡くなる数ヵ月前に
 肋骨などを折る事故に遭っていたことや、金糸で刺繍した冠帽が添えられ
 ていたことがわかっています。これらのことから、阿武山古墳は、鎌足の
 墓であるとされています。

  確か記憶では、右腕にテニス肘のような症状があったとも聞いた記憶が
 あります。弓のためではないかと推測されていましたし、肋骨の骨折は狩
 りの落馬によるものではないかという話も出ていたように思います。意外
 に逞しい武人だったのかも知れませんね。

  御破裂山の名は、古来、天下に事変が起ころうとするとき、神像が破裂
 し山上から鳴動が起こるという伝承によるものです。山の東から鳴動する
 時は、朝廷に異変が起こり、南から鳴動する時は幕府に、北からすれば藤
 原氏一門に、西からすれば万民に、山の中央が鳴動すれば多武峰寺に異変
 が起こるとされます。
 『多武峯大織冠尊像御破裂目録』という記録には、平安時代から江戸時代
 にかけて35回の鳴動があったことが記録されているそうです。この鳴動
 を聞く場所も決まっていました。「立ち聞きの芝」と呼ばれるそうですが、
 桜井市の3箇所に伝承が残っているようです。一つは桜井市針道、そして
 同市北山、もう一つは同市粟殿に在ったとされるようです。御破裂山が鳴
 動すると朝廷に仔細が急報され、朝廷からは使者が遣わされ神事が執り行
 われたそうです。

 「立ち聞きの芝」がどのような場所であったのか具体的には調べられなか
 ったのですが、出来れば定例会までに一度現地を訪ねてみたいと思ってい
 ます。何かわかりましたら、また報告したいと思います。

  次回は、念誦崛と増賀上人の話を予定しています。


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┏━┓ももと飛鳥と三十一文字と       もも
┃4┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┗━┛      ひとしひとひら http://gpeach.nobody.jp/index.html

  今回は、前回とは少し趣きの違った夢の歌をご紹介しようと思います。

 天皇の崩りましし後の八年九月九日の奉為の御斎会の夜に、夢の裏に習ひ
 たまふ御歌

  これは、万葉集巻2−162番の題詞になります。ここにある天皇は天
 武天皇、そして詠み人は持統天皇だとされています。『日本書紀』には、
 この斎会の記述はありませんが、持統7(693)年9月10日に無遮大会
 の記載があることから、その前日に斎会が行われたと考えられているよう
 です。
 
 「夢の裏に習ひ」とは、夢で習い覚えたと言うような意味になるそうです。
 古代、夢は神が人に意思を伝えるための手段だと考えられていた節があり
 ます。言わば、ご宣託みたいなものでしょうか。夢を神の啓示だと捉え、
 大事な局面の行動を左右する記述が、記紀などにも登場することは皆さん
 もご存知だと思います。
  夢の裏は、予知夢のような意味合いも持っていたのかもしれませんし、
 一方で魂鎮めの意味があったとも言われているようです。困った時の神頼
 み・・・のようなものなんでしょうか。(笑)


  で、肝心の歌の部分はというと、

 明日香の 清御原の宮に 天の下 知らしめしし やすみしし 我が大君
 高照らす 日の御子 いかさまに 思ほしめせか 神風の 伊勢の国
 沖つ藻も 靡みたる波に 潮気のみ 香れる国に 味凝り あやにともしき
 高照らす 日の御子 (2-162)

 ・・・明日香の清御原宮をお治めになった我が大君はどのようにお思いで
    しょう。
    伊勢の国、沖の藻も靡く波に潮の香りばかりかぐわしい国にいらっ
    しゃるのでしょうか。無性にお慕わしい。(もも訳)

  神の子である”天皇・スメラミコト”が亡くなって直には言葉を交わせ
 なくなったため、神との通信手段である夢が登場することになったのでし
 ょうね。亡き天皇の為の斎会に詠みあげられた夢裏の歌。こういった夢を
 見ることが出来る人間は、特別な存在であるというアピールもあったのか
 もしれません。σ(^^)は、良くも悪くも「さすが持統!」って思っちゃい
 ました。(^^ゞ 

  さて、天皇崩御時の夢の歌といえば、天智天皇の殯の際に詠まれたとさ
 れるこんな歌もあります。

 うつせみし 神に堪へねば 離れ居て 朝嘆く君 放り居て 我が恋ふる君 玉ならば
 手に巻き持ちて 衣ならば 脱く時もなく 我が恋ふる 君ぞ昨夜の夜 夢に見えつる(2-150)

 ・・・うつつの身では神に寄り添うことは叶わずに離れてしまう。
    朝夕に嘆きつついまだお慕いする我が大君が、もし玉であれば手に
    巻いて持ち続け、衣であれば一時も脱がずにと、恋い慕う我が大君
    が、昨夜の夢に見えました。

  こちらの歌のほうが分かりやすいというか、素直と言うか、持統天皇御
 製と言われる先の歌とはやはり趣きが違うように思えます。詠み人の「婦
 人」は、宮廷に仕える女官などをさすそうですから、詠み人の立場の違い
 がそうさせているのかもしれませんが。

  夢の裏のウラは占とも書かれ、占とはもともと物事の裏であり、本心と
 言う意味も持つんだそうで、そういえば、心もウラと読みます。

  恋歌の題材として夢が頻繁に使われるようになる以前は、夢は神からも
 たらされる神聖なものとの考えがあったのかもしれません。夢は、目に見
 える現(ウツツ)を離れ、神との交流をはかる場所と言う考えが、「夢占」
 や「うけひ」と呼ばれる行為に現れているともされています。

  前回「夢は、それぞれの中にある虚構の世界ではなく、皆に共通し存在
 すると考えられていたのかもしれません。」と書きましたが、古代には
 「寝目・いめ」と言われていた夢は、意図的に見るものでなく自然と見え
 るものであり、夢を見るにもそれなりの資格がいったのかもしれません。

  淡く切なく遣り切れない思いを託せる唯一のものが夢。そして、その夢
 の大元は神様との交信だったと考えれば・・・今晩見る夢にも少しはアリ
 ガタミが増す?(笑)


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┏━┓飛鳥情報
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 ■飛鳥資料館冬期企画展「飛鳥の考古学2011」
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            飛鳥資料館 http://www.nabunken.go.jp/asuka/

   開催日: 2月26日(日)まで開催中
        *月曜休館(2月5日(日)は無料入館日)
   場 所: 飛鳥資料館 特別展示室
   時 間: 9:00〜16:30(入館は16:00まで)
   主な展示品:牽牛子塚古墳出土品・越塚御門古墳出土品・坂田寺鎮壇具
         飛鳥京跡(橿古研167次〜169次)出土土器類
         甘樫丘東麓遺跡出土土器(奈文研161次)
         奥明日香棚田風景写真パネル、農耕具など  他
   詳 細: http://www.nabunken.go.jp/asuka/topics-h23.html#topic112

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 ■「第1回飛鳥資料館写真コンテスト−知られざる飛鳥の情景−」
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            飛鳥資料館 http://www.nabunken.go.jp/asuka/

  冬期企画展「飛鳥の考古学2011」に合わせた写真コンテスト「第1
 回飛鳥資料館写真コンテスト」の応募締切が迫っています。
  皆さんの飛鳥でのお写真を是非応募下さい。

   締 切 : 2月6日(月)*当日消印有効
   展示期間: 2月11日(土)〜3月4日(日)
   詳 細 :http://www.nabunken.go.jp/asuka/topics-h23.html#topic111

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 ■特別陳列「末永雅雄−末永考古学の軌跡−」
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         橿原考古学研究所 http://www.kashikoken.jp/museum/

   開催日: 2月4日(土)〜3月25日(日)
   場 所: 橿原考古学研究所附属博物館
   時 間: 9:00〜17:00(入館は16:30まで)
   入館料: 大人400円、高・大学生300円
   詳 細: http://www.kashikoken.jp/museum/tenrankai/images/pdf/1201suenaga_tirasi.pdf

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 ■田原本町観光協会歴史講座
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           田原本町 http://www.town.tawaramoto.nara.jp/

 「倭人伝」と考古学−「女王之所都」−はどこか
   講 師: 寺澤薫氏(桜井市纒向学研究センター設立準備顧問)
   開催日: 2月4日(土)
   時 間: 14:00〜15:30
   場 所: 田原本町民ホール(町役場西側)
   参加費: 200円(資料代含む)
   詳 細: http://www.town.tawaramoto.nara.jp/05_others/event/ev_110401.html

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 ■「やまとの地宝―遺物が語る奈良の歴史―」 
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  奈良県立美術館 http://www.pref.nara.jp/dd_aspx_menuid-11842.htm

 中国陝西歴史博物館「日本考古展」帰国記念
  特別企画展「やまとの地宝―遺物が語る奈良の歴史―」

   開催日: 2月4日(土)〜3月20日(火・祝)
   時 間: 9:00〜17:00(入館は16:30まで)
   入館料: 一般800円、大・高校生450円
   詳 細: http://www.pref.nara.jp/dd_aspx_itemid-76318.htm

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 ■飛鳥坐神社 おんだまつり
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             飛鳥坐神社 http://www2.ocn.ne.jp/~jinja/

   開催日: 2月5日(日)
   時 間: 14:00〜
   場 所: 明日香村飛鳥 飛鳥坐神社

  祭りに先立ち、午前11時頃より、地元青年団が扮する天狗・翁・牛ら
 が厄除け神事として、ササラ(竹の先を細かく裂いた棒)を持ち、参拝者
 のお尻を叩きながら、境内を暴れ周ります。

 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽
 ■高松塚古墳壁画発見40周年記念パネル展
 +----------------------------------------------------------------+
                 明日香村 http://www.asukamura.jp/

  高松塚古墳の壁画発見当初からの40年の歴史を写真で振り返るパネル
 展が開催されます。

   開催日: 2月10日(金)〜4月10日(火)
   時 間: 9:00〜17:00(入館は16:30まで)
   入館料: 大人250円・学生130円・小人70円
   場 所: 高松塚壁画館
        奈良県高市郡明日香村平田439
   詳 細: http://www.asukamura.jp/bunkazai_ka/40_panel.html

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 ■大坂・奈良歴史街道リレーウォーク 第二幕
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    大坂・奈良歴史街道リレーウォーク http://www.relaywalk.net/

 第8回
 「大化の改新に至る道 蘇我氏の興隆と滅亡の跡を訪ねて」

  開催日 : 4月7日(土)
  案 内 : 飛鳥京観光協会ボランティアガイド
  集合場所:近鉄橿原線橿原神宮前駅 中央出口
  集合時刻: 受付開始:9:00〜9:30(随時出発)
  距 離 :約8km
  参加方法: 事前申込制(300名)
  参加費 : 500円(入館料/資料代)
  問 合 : 飛鳥京観光協会 TEL:0744-54-3240
  詳 細 : http://www.relaywalk.net/cource_guide08.html

 第9回
 「渡来人最大の豪族 東漢氏の本拠地を訪ねて」

  開催日 : 5月13日(日)
  案 内 : たかとり観光ボランティアガイドの会
  集合場所:近鉄吉野線 壺阪山駅
  集合時刻: 受付開始9:45 出発10:15(随時出発)
  距 離 :約9km
  参加方法: 申込不要・当日受付
  参加費 : 200円(入館料/資料代)
  問 合 : 高取町観光案内所 TEL:0744-52-1150
  詳 細 : http://www.relaywalk.net/cource_guide09.html


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┏━┓編集後記      もも
┃6┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┗━┛
  今日は節分。今年の恵方は北北西だそうです。馴染みのない方には、巻
 き寿司を切らずに丸ごと一本、それも無言で一定方向を向いて黙々と食べ
 るこのちょっと変わった風習は、珍妙に映るんでしょうね。関西発祥で最
 近広がりつつあるんだそうですが、海苔屋さんの陰謀だという説もあると
 か。(笑)反対に、柊鰯と言われる柊の枝に鰯の頭をさした魔除けを玄関
 に設えるご家庭はどれぐらいあるんでしょうか。σ(^^)も話だけで、実際
 目にした記憶はありません。こんな風に、風習も時代とともに少しずつ移
 っていくんでしょうね。そして明日は、立春。まだまだ寒いですが、少し
 でも良い春が訪れますように(^人^)

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