お酒・ワイン

濱田アルコール研究所月例報告書

蔵元に近いからできるお酒に関する色々なお話をしたいと思います。例えば、仕込み水はどんなものが良いのか?1升びんと4合びんで同じお酒でも味が変わるわけなど・・・。

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濱田アルコール研究所月例報告書 3号

2007/08/23

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            ■濱田アルコール研究所月報■― 3号
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                           このメールマガジンについて・・・。 

                            
 研究機関、濱田アルコール研究所の研究月報です。
 ワインと清酒を中心とする醸造酒の為のメールマガジンのつもりですが・

 時々脱線するかもしれません。
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▼▲▼▲▼▲▼ 発行元 合資会社濱田屋  〜地酒とワインのお店〜
                    編集者 濱田アルコール研究所所長 濱田咏児

今月の研究成果▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲



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                日本酒の容量と味わい

 私は何度か、同じラベルの酒で、同じロットで味が少し違うという経験を
したことがあります。
 その原因を知りたく、蔵元にお聞きしたり、自分なりに調査したところ、
おもしろいことがわかりました。

 日本酒は醸造が終わり、もろみを搾ったあと、タンクに貯蔵されます。
 このタンクの内部の状況がまずその原因の一つです。
 海水浴を経験した人にはよく分かると思いますが、水面と水底では水面の
温度が高く、水深が深くなるほど、水温が下がっていきます。
 これは、水の性質によるもので、水は摂氏4度の時に一番比重が重たくなる
ので、冷たい水は底に溜り、暖かい水は水面に溜るわけです。
 清酒のおおむね8割は水ですので、同じ事がタンクの内部で起こります。
 日本酒は、温度が高いほど熟成が早く進みますので、特に温度差に対する
対策をしていないタンクの場合はタンクの上にあるものほど温度が高く、した
がって熟成が早く進みます。逆にタンクの底は熟成が遅く進むのです。
 そして、瓶詰をする際には、タンクの底からお酒を出しますので、先に瓶
詰したものほど、熟成が遅く、後のものほど熟成が進んだお酒になるわけで
す。
 つまり、一つのタンクで違う容量のお酒を瓶詰した場合でも、味わいに差
が出てくる可能性があるわけです。
 昔から、高級酒は「斗瓶囲い」(とびんがこい)と言って、小分けして熟成
させたのは、均一に熟成させるためなのです。

 しかし、原因はそれだけではありません。生酒の場合は関係ありませんが、
通常の日本酒の場合は、瓶詰の際には一度、加熱殺菌をします。加熱殺菌をし
た場合、放熱の良い容量の小さな瓶のほうが早く冷却されるのです。
 お酒の熟成は、温度が高いほど進みますので、当然、容量の大きな瓶のほ
うが冷却が遅い分、熟成が進みます。
 これも、味わいに差が出てくる原因の一つと考えられます。

 さらに、長期間瓶詰したまま、熟成するとどうなるでしょうか?

 やかんを火にかけた場合、小さなやかんほど早く暖まります。これは、容
量が小さいほど、容積に対する表面の大きさが小さくなるために起こる現象で
す。
 たとえば、10センチ四方の立方体の表面積は600平方センチで、体積は
10000平方センチです。しかし、20センチ四方の立方体では、表面積は2400平
方センチ、に対して体積は8000立法センチとなります。つまり、大きな物体ほ
ど、中身にたいして表面積は小さくなるのです。

 ちなみに、720mlびんの表面積は、瓶の直径が7.5センチの通常タイプの瓶
で、計算すると表面積は約610平方センチで、1mlに対する面積は約0.85平方セ
ンチとなります。
 これに対して、1800mlびんの表面積は1120平方センチとなり、1mlに対する
面積は約0.62平方センチとなり、720ml瓶の約73パーセントの表面積比率とな
りますから、ずいぶん熱伝導性にも差が出てくるはずです。
 実際に、27.3度の水道水を入れた720mlと1800mlびんを冷蔵して、温度の下
がり方を比較してみたところ、
15分後の温度が720ml23.7度、1800mlが24.9度で1度強の差が出ています。
から温度変化はこの条件での温度変化は1800mlは720mlの66パーセントとなり
ます。表面積秘りも、若干1800mlの熱の伝わり方が遅いのは、おそらく瓶の厚
み720mlよりも厚い事が原因ではないかと思われます。
 ちにみに一時後は1800mlが19.1度、720mlが16.0度で、約3度の温度差が現
れてきました。
 つまり、これだけ瓶の容量によって温度の上下が違ってくるのです。
 ですから、長期間保管する場合は容量が小さいほど熟成が早く進むという
わけです。

 また、キャップの違いも熟成に影響を与えるかもしれません。
 ご存知の通り、一升瓶のキャップはボリエチレン製のはめ込み式のもので
すが、それをアルミなどのキャップシールで抜け出さないように栓をしている
為、ほぼ完全な気密状態を保っています。
 口開けの酒の栓を抜く時、堅くて開きにくいのは、瓶詰め時に加熱去れて
いて膨張した酒を詰められた物が、冷えて収縮し、内部の気圧がかなり低くな
っている為です。こうした事からも、気密性の高さが伺えると思います。
 一方ネジ式のキャップはそれほど気密性が高いとは言えません。というの
は、発泡性の活性酒などを長期間置いた場合、内部の炭酸ガスが抜けるのは、
ネジ栓の方が圧倒的に早い事から伺えます。
 このため、若干空気の出入りがあるものと考えられるのです。



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                          編集後期

 先日の話です。
 知人たちと週末を山小屋で過ごしました。
 深夜まで酒を酌み交わし、私は星を身に外に出たまま眠ってしまい。朝目
覚めると、よくわからない虫に刺されたのでしょう。足が数カ所腫れていまし
た。
 その日は夕方になると、もくもくと雷雲が起こってきて、我々の小屋の回
りを取り囲みました。そして、恐ろしい迫力で雷がなり始めたのです。
 小屋の回りは、ほぼ爆撃されたように地響きをたてて雷が落ち、まったく
遭難したような気分でした。
 自然のエネルギーのすさまじさを改めて感じた一日でした。

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 編集者 濱田 咏児
 合資会社濱田屋 地酒/ワイン担当
 〒658-0025 神戸市東灘区魚崎南町4丁目15-13
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創刊日:2007-06-01  
最終発行日:  
発行周期:月刊  
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