自転車

疋田智の「週刊 自転車ツーキニスト」

環境、ダイエットに効果抜群。どなたにもオススメの「自転車通勤」ですが、そのノウハウやポリシーを色々な人にお伝えするメルマガです。
と、思ってたのですが、ただ単に私ヒキタからのバカメールが届きます。ご容赦。

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なんだかんだでちょっと長い(週刊 自転車ツーキニスト193)

2005/05/04

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【週刊 自転車ツーキニスト】"Weekly Bicycle Tourkinist"
 なんだかんだでちょっと長い193号

■事故だ

 ようやく本を3冊、書き終わったと思ったら、例の鉄道事故でメチャメチャな忙しさになってしまった。お元気でしょうか。またもやお久しぶりです。せっかく自転車の季節になったのに。家に帰るのが深夜で、朝はボウッと出ていくので、息子の魁(1歳4カ月)にきちんと会う時間がない。私が抱こうとすると、泣いて母親の膝にすがる。困ったことなのだ。
 それにしても大変な事故だった。
 普段ルーティーンで過ぎていく筈の仕事にも、やはり悪魔が潜んでいる。人の命を預かるというのは、どうにもこういうことなのだ。死亡者のご冥福を祈るしかない。

■GWだ

 そんなわけで、GWも仕事なのだ。
 都心は走りやすいね。気温も適当、天気も良好、クルマも少ない。特に今日は皇居まわりでローディ、ツアラーがたくさん走ってた。いいなぁ。GW期間中、皇居まわりのツーキニストは私だけだよ。

■遅くなりましたが、例の原稿

 さて、遅くなってしまったんだけれど、猛烈な反響となった例の「ファンライド」(「バイシクルクラブ」でも一部同様の記事を掲載)での原稿を転載します。
 警察庁の「自転車は歩道にあげるべし」との蠢きをキャッチした、という内容でありまして、ツーキニスト掲示板でも話題沸騰、私のところにも見知らぬ人からのメールがジャカスカ届きました。
 多くは「ヒキタさん、この法案作成はまずいんじゃないでしょうか、何らかの運動をしなくてはいけないんじゃないでしょうか」というようなモノだったのですが、中には、本文を見せろ、とか、取材ソースを出せ、とか、お前のいうことは信じない、とか、そういう何だか喧嘩腰のメールも多かったりして(なんでなんだ?)、なんだかよく分からないんだけど、まあ仕方ない、ここに転載します。

 なお「ファンライド」次号のコラムではこれの続報を、さらに「バイシクルクラブ」次号からは「道路は誰のものか?」と題する短期集中連載をお送りします。

 これは決して看過すべき動きではない。
 まだ「水面下の動き」ではあります。それは変わらないんだけど、いざ有事ありし時には……! と、私は一触即発のファイティングポーズをとってるつもりなのであります。

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東京24区 ヒキタ区長の自転車「政」第2回「歩道に自転車を上げるって!?(怒)」

【*クレジット】文/疋田 智 イラスト/中村みつを

【*本文】

 えっへん、私が東京特別区、24区目のヒキタ区長である。24区は自転車利用推進自治体なんで、区長はひたすら自転車について申し述べるのである。 

 さて、区長は激怒している。怒髪天を突いているのである。おまえには怒っても逆立つ髪なんてないだろう、などという突っ込みは無用。要はこうしてキーボードを叩く指が震えるほどの怒りなのである。まあ聞いてくれ。先日、ある信頼すべき筋から実に実にイヤなイヤなイヤーな話を聞いたのだ。

 なんでも警察庁は「自転車は車道を通るべからず、歩道を通ること」という法案を作成中だという。ガセネタだろうって? いやいや、彼らは本気だ。今通常国会への提出は見送ったものの、早ければ来年、そうでなくとも再来年に提出、という。目的は「交通事故による死亡者数を減らすため」。

 すでにほとんどの自転車(つまりママチャリ)は、歩道を走っているだろう。ならば、それを法令化して車道から自転車を閉め出してしまえ、というのが新法のポリシーであるそうな。

 思えば、前兆はあったのだ。3年ほど前、政府系の某会議に出たところ「交通安全協会理事」と称する人間から、私は直にこんな台詞を聞いたことがある。

「車道に自転車レーン? 自転車は歩道を走ればいいじゃないですか。車道を走るのが原則とされているならば、その法律を変えてしまえばいいんですよ」

 私は耳を疑った。バカを言ってもらっては困る。

 現在すでに色々な外国人たちから「日本の交通行政は野蛮である」と言われているのだ。この外国からの言葉には正義と整合性がある。何となれば、交通行政というものは必ず「弱者優先」を原則としているべきだからだ。歩道は「歩行者の聖域」なのである。ある程度以上のスピードが出て、車輪があるモノが歩道を通るというのは、そもそも間違っているのである。実際に世界広しと言えど日本だけなのだ、自転車が歩道を堂々と走行しているのは。

【*小見出し】
 自転車は歩道――
 バカではなかろうか

 だいたい自転車を有効活用し、地球環境と国民の健康に貢献せしめる、というのは政府(国交省、環境省)が決めたポリシーではなかったのか。地球環境に資するためならば、自転車を増やした分だけクルマが減らないと意味がないではないか。クルマの量を減らす努力をしつつ、その代替としての自転車を考えないといけない局面だ、と、国交省ですらうたっているのだ。この法案は、国のポリシーとしても矛盾しているのである。

 私だってクルマの有用性を否定するワケじゃない。であるが、過度のクルマ依存社会が、環境、そして、交通システムに大きな弊害をもたらしているのは、慢性的な事実であろう。だからこそ、クルマが担ってきた役割の一部を自転車に置き換えていく、それこそが世界的な潮流であり、先進国の義務であり責任だと思うのだ。すでに欧州各国はそこに向けて大きく動いている。

 そこに「自転車は歩道」である。バカではなかろうか。歩道の自転車は必然的に速く走れないし、クルマの一部を代替する手段にはなり得ない。歩道に自転車レーンを作ったところで、それは歩行者を脅かし、事故を増やすだけだというのは、前回書いたとおりだ。そうでなくとも歩道上の「暴走自転車」は問題になっているのだ。

 要するに、またしても、自転車に乗りもしないし、自転車のことを考えたこともない、有効に生かすなんて口ばかり、の、件のアホンダラ官僚どもの妄案なのだ。黒塗りのハイヤーの後席にふんぞり返って、最近メッセンジャーがチョロチョロ邪魔っけだなぁ、とか思った輩が「自転車なんて歩道を走ればいいだろが」と思いついただけなのである。これは私の推測だが、ほぼ事実だと思う。馬鹿者。おまえのほうがクルマから降りろ。

 そうでなくとも、メッセンジャーを見てこう思うのが本当ではないか。「おお、わが国の若者はがんばっているな、ワシもこんなクルマに乗って、排気ガスを出して、税金使って楽して、すまんすまん。こちらがよけるよ。でも、ワシも年なんだから許してくれよ」と。

 こんな法案には断固として反対すべきであろう。私はこれこそ、今、目の前にある本当の危機であると思う。まだ法案は提出されていない。あくまで水面下の動きだ。だが、警察庁という強大な官庁がいったん国会に法案提出すれば、それはほぼ確実に通るのだ。

 その前に我々は「絶対反対なんだ」ということを打ち出すべきだと思う。本誌読者のような「自転車が趣味」という人以外の層にも訴えかけなければならないと思う。

 警察庁が「いえ、何を言っているんですか。えへへ、我々はそんなこと考えてもいませんでしたよ」として揉み消しが可能なように(ヒキタ区長はこうして譲ってやるのだ。なかったことにしてやろうと思うのだ)、法案提出前の今。今から世論喚起と理論武装が必要なのである。

■ここいらで宣伝をば……

 例のロコモーション・パブリッシングからの新刊「自転車ツーキニストの憂鬱」が、書店に並び始めました。できたばかりの出版社、ロコパブの最初の本の一冊です。ロコパブを助けるためにも是非一冊。このメルマガの読者であれば、結構面白いような気がします。なぜか、マンガ「中央線の秋」付き。

 明日5/5には、光文社知恵の森文庫から「大人の自転車ライフ」が出ます。これは岩波の「快適自転車ライフ」の増強文庫版。上記の警察庁の動きについてもさらに詳しく書いた項目もあります。全体として自転車入門、そして自転車行政入門としては、最適な内容になったのではないかと自負しています。

 5/15になると、ハヤカワ文庫から「自転車とろろん銭湯記」が出ます。
 これは例の幻の名著(と一部でいわれている、と信じたい)「銭湯の時間」の改訂増強文庫版です。これまたよろしく。自転車にも銭湯にもいい季節です。

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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】

「自衛隊・新世代兵器 PERFECT BOOK」別冊宝島 宝島社

 私個人でいえば、兵器、武器の手合いにはまったく興味がなかったんだけど、きなくさい昨今、少しは知らねばならぬと思い、買ってきた。で、読んでみた。いや、読もうとしてみた。
 そもそも兵器を知らずして、防衛は語れない。これは好むと好まざるとに関わらず事実だ。外交だって、双方にどの程度の軍事力があるかを知らずしてできるもんじゃない。日本は随分長いこと米国の傘の下にいたから、リアルに感じづらいが(私も含めて)、ああいうのは本来キレイ事ではないのだ。双方の力を見据えつつ、ギリギリの駆け引きをするのが外交であって、そこにはお互いの力をリアルに知る必要がある。リアルに知るということは、すなわち細部を知るということだ。特に対北朝鮮なんかでは顕著にそうだね。
 で、読んだ。
 参った。仕方ないこととはいえ、知らない人にとっては随分と敷居が高いなぁ。書いてあることの意味が今ひとつ、いや、ほとんど分からない。「最新」と言われても、古いのを知らないのだから、どこがどう最新なのかがさっぱり分からないのだ。
「ハープーンをSLAMとして使え!」「F-4EJ改の後継機は?」などと言われても、さっぱり意味がチンプンカンプンだ。私と同様の人も多いでしょう。だが、この2つはいずれも別にマニアックな部分をことさらに持ってきているわけじゃなくて、最もベーシックな知識の一つなのですぞ。ベースになる知識が、こちらの方になさ過ぎる。
 困った。でも、それなりに読まねばならん。
 誰か「マニアのためでない、防衛兵器基礎知識」みたいな本を書いてくれないかしら。
 繰り返すけれど、ある程度の兵器の知識は必要なのだ。特に「日本はどこまで防衛できるのか」「これこれの攻撃を受けたときには、いったい何が有効なのか」というのは、現代人として必須の知識とすら言える。
 だからして「1から分かる日本の軍備」みたいなヤツ。
 ひょっとして防衛庁が、そういうパンフレットみたいなものを出してたりするのかな。

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【自転車通勤で行こう】
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バックナンバーはこちら。
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