自転車

疋田智の「週刊 自転車ツーキニスト」

環境、ダイエットに効果抜群。どなたにもオススメの「自転車通勤」ですが、そのノウハウやポリシーを色々な人にお伝えするメルマガです。
と、思ってたのですが、ただ単に私ヒキタからのバカメールが届きます。ご容赦。

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シェアバイク(サイクル)に揺れた1年の(週刊 自転車ツーキニスト757)

2017/12/23




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┏━┫ 週刊 自転車ツーキニスト "Weekly Bicycle Tourkinist" ┣━┓
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      シェアバイク(サイクル)に揺れた1年の757号 

■テレビCMが年末を

 テレビのCMに「関東の三大師、初詣は佐野厄除け大師にどうぞ、ゴーン」なんてのが出てくると(関東)もう年末だなぁと思う。平成も30年になろうというのに、いまだに昭和感がちらりほらり(笑)という貴重なCM。
【平成27年バージョン(現行と同じ?)】
https://www.youtube.com/watch?v=OYq1mMt3bv0
【平成元年バージョン】
https://www.youtube.com/watch?v=n1ERbkftDg8

「クーリスマスが、今年もやってくる♪」という竹内まりやのあれもそうだね。あれが聞こえてくると、もう12月、年末だ〜と思う。流れなくなると本気で年の瀬だ。ゆく年くる年だ。
【KFCクリスマスCM特集】
https://www.youtube.com/watch?v=Jrb7a8NUeQA
 これ、私は長いこと山崎パンのクリスマスCMソングかと思ってたんだけど、まーったくの誤解。ケンタッキーでありました。
 なんか松たか子さんの笑顔と「クーリスマスが今年も♪」が重なるんだよね。私だけじゃろうか。

■シェアバイク(サイクル)に揺れた2017年

 それにしても、自転車業界にとって、今年は、ほんとシェアバイクに揺れた1年だったなぁ。
 年初は、ものすごいインパクトと熱気の中「こりゃスゴい、便利だ、シェア経済の革命だ」ということから始まった。「すぐに日本上陸だ」とばかり、6月初旬には神戸で説明会なんかも開かれたりもしたもんだ。

【完全解説:中国発シェア自転車「モバイク(Mobike)」のすごさとは何か?(ビジネスインサイダーJapan)】
https://www.businessinsider.jp/post-34477
https://www.businessinsider.jp/post-34306

 ところが、そうそう話はうまく進まない。中国で500万台、600万台、と数えるようになった頃、乗り捨てられた自転車が、クルマと歩行者、双方の邪魔になり「交通を阻害している」と大問題になった。
 それでも自転車の供給は止まらず、いつしか1600万台を数えた。撤去された自転車がピラミッドになってゴミ化している、自転車の9割が私物化されて倒産した会社出現、など、いろんなネガティブ話も出てきて、もはや評価は「功罪相半ばする」の、功罪ビミョーな立ち位置になってしまった。それが今だ。
「どうだろう、これはホントに持続可能なんだろうか」「自転車がこんなに打ち捨てられて、ゴミになって、これでもエコなのか?」「デメリットの方が大きいのではないか」という声が次第に大きくなり始めている。
 つい先日、日本のDMMが「やっぱり参入やめました」と発表したのが、何というのか、象徴的だ。

【DMMが一転、シェア自転車参入を「やめた」理由(東洋経済)】
http://toyokeizai.net/articles/-/202328

 こればかりじゃない、中国ではシェアバイクベンチャー各社の倒産が相次ぎ、保証金が返ってこず、利用者モラルは地に落ち、自転車の私物化が止まらず、なにより交通を阻害し、撤去費用がかかり、無駄になった金属は空母5隻分…、などとタマラン話のオンパレードとなった。

【シェアバイクをディスる記事、代表的なもの(WSJ、大紀元、朝日新聞など)】
http://jp.wsj.com/articles/SB10352219306287233570804583063854080347428
http://www.epochtimes.jp/2017/11/29808.html
https://www.asahi.com/articles/ASKD141DZKD1UHBI00T.html

 うーん、結構タマランことになった。
 でもね、私が思うに、これらの弊害って、みな現在のバランスの悪さがなせるワザという気もするのですよ。
 過渡期ゆえの弊害とでもいいますか…。

■そもそもバランスが悪すぎる

 バランスが悪い、というのか、そもそも今現在の価格設定がヘン過ぎる。ひとことで言って、安すぎるよ。
 最大手MOBIKEのシェアフィー(レンタル代)が30分1元(16円)。
 それでいて、自転車の数を朝夕とかで均してみたり(大型トラックが必須)、メンテフリーの高級(=高価)自転車を用意したり(MOBIKEは本気で高級でした)、GPS&スマホ管理とはいうものの、人件費ほかカネはそれなりにかかる。
 保証金(MOBIKEの場合約5000円)でビジネスつったって、いつかは返さなければならないカネだし、それをかなりの好条件で運用させなくてはならない。そもそも自転車1台あたりのコストが保証金をはるかに上回ってる。
 そんなの無理だよ。
 中には「無料」などというワケわからん会社もあったりして(ビッグデータを集めて売るから大丈夫なんだそうだ、んなアホな)最初から無理があった。ある倒産会社の社長など「起業から倒産まで、ずっと薄氷を踏むようだった」と語っている。

■シェア経済の流れは止まらない

 だが、その一方、現在のシェア経済の波はおそらく止まらない。
 ウーバーをはじめとする配車システム(=広い意味でのシェアカー)や、民泊(=広い意味でのシェアハウス)なども、みなシェア経済の一環だし、そういう話の一番分かりやすい例が、ずばり「シェア自転車」だったわけだから。
 いちどリセット。
 シェアフィーから、ポートのあり方まで、いろいろ見直して、再度チャレンジして欲しいと思うのだ。私ヒキタとしては、今のままでとは言わない(当然“言えない”)ものの「シェアバイクの未来は確実にある!」と思っている。
 それぞれに模索していただきたいわけですよ。最適解はきっとどこかにある。
 なんというのか、ヴェリブ(仏)とモバイク(中)とドコモバイク(日)を足して3で割ったらちょうどよくなるんじゃないか、なんて(←そんなに簡単にはいかないか*:.。.:*゜(@∀@;)゜*:.。.:*)。
 でもね、特に日本の各都市は、たかだか今年1年の見聞で「あー、やっぱりダメか」なんて思わず、自分の街にあったビジネスモデルを探していただきたいと思うのだ。

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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】

「砂のように眠る −むかし「戦後」という時代があった」関川夏央著 新潮文庫

 日本が青春だった時代、すなわち昭和の「戦後」社会を、小説と評論の交互繰り返しで浮かび上がらせる、という趣向の短編集。
 評論はすべて戦後を代表するベストセラー(無着成恭『山びこ学校』田中角栄『私の履歴書』など)についてであり、ああ、戦後はこういう思想の下に、行っては来、左に振れては右に振れる、という繰り返しだったんだなぁと思う。
 出てくる「昭和の原風景」は、いずれも私(昭和41年生まれ)にとっては、ちょっと上の世代の原風景だ。でも、この時代の雰囲気はじゅうぶんに分かる。なぜなら昭和40年前後生まれのわれわれにとって、親世代が戦前戦中生まれだからだ。教育の中に「戦後」は確実にあったから。

 で、これね、個人的に「関川夏央さんの文体が好き」「ヒキタの感性にあってる」というのもあって、二日酔いの日に毛布にくるまってじーっと読んでる、ぼんやりと読みふける、なんてのがピッタリでね。砂の上に撒いた水のように、すんなり浸みこんでくる。読んでるうちに「なぜわれわれはこんな遠くに来ちゃったんだろうなぁ」と思う。
 そういや、陛下の退位も決まり、もう「平成」は再来年で終わるのが確定となった。
 われわれはおそらく、昭和、平成、次の○○、の3時代を生きることになる。平成が終わるというのは、ようやく「戦後が終わる」ということと同義だ。いよいよ本当の意味で「昭和が終わる」のだ。

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【ヒキタ最新刊】
「新・自転車“道交法”BOOK」自転車活用推進法が分かる! 木世(えい)出版社
https://www.amazon.co.jp/dp/4777946207
「電動アシスト自転車を使いつくす本」東京書籍
https://www.amazon.co.jp/dp/4487809878

【好評既刊本】
「自転車“道交法”BOOK」小林成基(NPO自活研)と共著 こやまけいこ:イラスト 木世(えい)出版社
「だって、自転車しかないじゃない」朝日文庫
「おやこで自転車 はじめてブック」疋田智監修 ぼちぼち自転車くらぶ著 子どもの未来社
「明るい自転車質問室」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「自転車 困った時の即効お助けマニュアル」成美堂出版
「自転車ツーキニストの作法」SoftBank新書
「ものぐさ自転車の悦楽」マガジンハウス
「自転車会議!」(片山右京・勝間和代・今中大介・谷垣禎一と共著)PHP研究所
「自転車の安全鉄則」朝日新書
「今すぐ使えるクロスバイク図解マニュアル」大泉書店
「ロードバイクで歴史旅」木世(えい)出版社
「自転車をめぐる冒険」「同・誘惑」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「それでも自転車に乗り続ける7つの理由」朝日新聞出版
「自転車生活の愉しみ」朝日新聞出版
「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫
 いずれも好評発売中。ネット内でのご注文はこちらにどうぞ。
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創刊日:2000-09-15  
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