自転車

疋田智の「週刊 自転車ツーキニスト」

環境、ダイエットに効果抜群。どなたにもオススメの「自転車通勤」ですが、そのノウハウやポリシーを色々な人にお伝えするメルマガです。
と、思ってたのですが、ただ単に私ヒキタからのバカメールが届きます。ご容赦。

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業者がリボリボいう理由の(週刊 自転車ツーキニスト727)

2017/07/05





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         業者がリボリボいう理由の727号

■お、政府広報が「自転車振興」だ

 政府広報のインターネットテレビでありますよ。

「風を感じて走れ! いいこといっぱい 自転車に乗ろう」
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg15608.html

 わははは、シマノの江原さん、出てるよ(笑)。なんつーのか、あれだね、自転車活用推進法の流れをモロ感じるね。こういう「公」のメディアが、自転車について、ようやく「分かってきた!」って感じだね。
 いやー、ここまでくるのに16年…!

■ロードバイクをリボ払いで

 先日聞いた、私の知り合いの話。
 40万円程度のロードバイク(完成車)を新車で買ったそうな。で、加入したばかりの某全国チェーン大手ショップ(自転車とは無関係)のカードで払った。けっこうお得なポイント付きだったという。
 で、翌月、銀行振込の通知書がきてびっくり。なぜか勝手にリボルビング払い(リボ払い)になっていたからだ。月々2万円に設定されている。
 その知り合いは、一括で払うつもりだったので、一瞬「あれ? それでいいの? ちょっと楽だな」と思ったそうだが、やはり「話が違う!」んで、カードの問い合わせ先に電話してみた。
 すると「このカードは最初からリボ払いの設定になっておりまして……」という話だったそうだ。
「そんなこと聞いてないぞ?」というと「いえ、最初からそういうカードなのです」という。
 知り合い、だんだん腹が立ってきて「リボってことは分割ってことだろ? 当然金利がかかるってことだよな? 勝手に設定して、勝手に金利とってるんじゃないよ!」と、つまりはムカついてきたそうだ。
 で、すぐさま「この買い物は一括で! 以後はカード自体を解約!」と言い、ちょっとだけスッタモンダがあって、結局「今回の1回だけは2万円で払うけど、残りは一括、で、解約」ということで決着したそうな。
「でな、ヒキタ」
 と、彼は続ける。
「その後、計算してみたんだよ。するとな、リボ払いってのは、こりゃトンデモないな。おれはこれまでも今後も、リボというものだけにゃぁ一切近づかないつもりだぞ」

■最初のバイクがらくらく買える

 リボ払いってのは、つまりこういう仕組みだ。
 カード払いをする際に、毎月の支払額を決めておく。
 2万円なら2万円、5万円なら5万円。どんな額をカードで払おうと、ひと月にそれ以上払うことはない。オーバーした額は、その分、払い続ける期間が長くなるということで、決着するわけだ。
 何を買っても月々の払いは同額(たとえば2万円)なんだから、なんだか負担が少なく、気楽な気がする。
 ただ、それは「気がする」だけだ。
 たとえば、彼の40万円の買い物を例にとる。まだまっさらな状態だったから(別の買い物が積み重なったりしていないから)40万円オンリー。それを2万円ずつ支払っていく、というだけだ。
 すると、支払い回数は23回。合計の支払額は46万3162円。金利分は6万3162円ということになる。この6万3162円を高いとみるか、それなりと見るか……。
 お気づきの通り、これならただの「金利の高い分割払い」だ。ただ、リボ払いのタマランところは、こういうのが積み重なっていくところなのである。
 40万円のロードバイク、買いました。
 んで、2ヶ月後にショップに訪れたとき、どうもホイールを交換したくなってるとする。前後で22万円。ふむ、どうしようか……。えい、買っちゃえ。
 わー、高い買い物しちゃったなぁ。でも、月々の支払いは2万円のまま(!)だ。全然フトコロが痛まない。あれま、こりゃいいね、んじゃ、と、気が大きくなって、また2ヶ月後にディレイラーとかを電動デュラに換装してみたとする。これが何だかんだでおおまかなところ40万円。
 わ、ちょっとヤバいかな……、あれ、でも同じだ。月々の支払いは2万円のまま。こりゃ楽だね。で、払ってないわけじゃない。2万円ずつでも少しずつ支払ってるのは事実だ。
 だんだん感覚が麻痺してくる。2ヶ月後、ヘルメットやらウェアやらビンディングシューズをいいヤツに替えてみて、これらが合計10万円。
 さて、この時点で、支払いはいくらになるでしょう。
 最初のリボから半年が過ぎてるんで、2万円×6ヶ月で、12万円は支払ってる。一方、買い物の総額は、40万+22万+40万+10万で、112万円だ。実際に支払ったのが12万円だから、借金の総額はちょうど100万円(本当は若干の誤差があります)。
 さて、この時点から、何ヶ月支払って、総額はいくらになるでしょう。
 正解は、支払い回数79回(6年7ヶ月)。
 支払総額は約158万円。
 つまり金利分は58万円だ。
 おや? 最初のバイクがまるまる買えて、お釣りまでくる額ではないの?

■リボ払いの行き着く先

 話はここで終わらない。
 もっと極端な例でいくと、たとえばこの彼がそのまま買い物を続け、お買い物総額が160万円に達したとする。リボ払いは変わらず月に2万円だ。
 これ、何年払いになるだろうか。
 100万円で6年7ヶ月だから、そのセンでいうと……、10年? 20年?
 いや、それどころじゃない。
 正解は「永遠に終わらない」だ。
 なに、話は簡単で、この例は金利15%で計算してるんだけど、160万円の金利分は年に24万円になる。つまり、月々2万円ずつ払っても、1年で24万円、金利分にしかならない。元金はまーったく減らないのだ。
 この低金利時代に、金利15%が高い?
 何をおっしゃる、リボ払いの金利相場は15〜18%あたりである(2017年現在)。
 誰もが知るメジャー中のメジャー(どことは言わない)あたりが軒並み15%。リボというものは、驚いたことにこのあたりで設定されているのである。
 このところ色々なカード会社がうるさいほどリボリボ言ってくるのに気づいている人も多いと思う。
「リボ払いにしませんか? そうしたらこんなお得な特典がありますよ、ポイントが○○○○円分上乗せになりますよ」なんてダイレクトメールなどで誘ってくる。
 もちろん理由がある。リボ払いは一言でいって儲かるのだ。そして、その儲けの出どころは、そのまま顧客が支払う金利そのものなのである。
「○○も××も欲しいけど、いっぺんにこういう大金は払えない、月々の支払額も増やしたくない」と思う人こそが、リボ払いを選ぶ。そういうヒトに限って月々の支払いを少なく、細く長く払おうとする。つまり借りてる期間が長い、要するに払う金利が多い。リボ払いをする客というのは、本当にもう「ネギ背負ってきたカモ」なのだ。そして、そのカモさんたちは、基本的に「非富裕層」である。そりゃそうだよね、富裕層ならリボなんて絶対に使わない。すべてが一括だろうから。
 こういうことを考えると、リボ・ビジネスというものが、一種の「貧困ビジネス」の趣を持っていることが分かってくると思う。富裕じゃないからこそリボを選び、過大な金利を支払うことで、ますます富裕でなくなっていく。典型的な悪循環、負の連鎖なのだ。
 リボの行き着く先には、往々にして「多重債務」「自己破産」などの結末が待っているというが、それは必然なのである。

■趣味のために借金をするなかれ

 まあね、人生それなりに生きてりゃ「どうしても金がない」なんてこともあるだろう。「来月には金が入るんだけど、いま、食べるものがない!」なんて場合だ。いささか極端かつ異常な話にすぎるが。「金を借りること自体が悪い」などと言ってるわけじゃない。
 また、もしも「素早い返済」ができるんだとしたら、そこまでのダメージはない。年利15%のものを半年で返すなら、実質の金利支払い分は、借りた額の7.5%分、3ヶ月なら3.75%分だ。
 だがね、ロードバイクや、MTB、その他の関連のことについて言うならば、話は別になる。
 あえていうが、しょせんは「趣味」なのだ。「最新型のこのモデルがないと命に関わる!」なんてことは絶対にありえない。
 だからこそ言おう。
 欲しいなら、お金を貯めて買おう。
 少し譲ったとしても「分割払い」までだ。
 分割払いなら、買った分「わ、月々の支払いが増えた! もう無理!」ということになって、なんとか次々買うことに歯止めがかかるだろうから。
 リボ払いで、返済期限を先へ先へとのばし、多大な金利を払い、しかも、その金利の支払いを「未来の自分」に頼るなぞ、愚の骨頂というべきなのだ。

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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】

「上野アンダーグラウンド」本橋信宏著 駒草出版

 ヤングサラリーマンの時代、私は、金町(葛飾区)と東日暮里(荒川区)に住んでいたことがあって、上野という街は、私にとってかなり長いこと身近な存在だった。常磐線の始点だからね。
 ま、その頃から、アヤシくも、情緒豊かで、どこか影があって、と、他の街(渋谷とか新宿とか池袋とか銀座とかね)とは違うナニモノかを感じていたんだけど、いやはや、やはりそうだったのか。
 たとえば、以前、不忍池の近くにあった「オークラ劇場別館」は、ゲイ映画専門の映画館で、20代の私は「げげげ、こんなところに、こんなものが!(なんで商売になるんだろう?)」と思っていたんだが、そこには上野公園「摺鉢山」に繋がる、ある種の必然と物語があったりする。
 オークラ劇場別館は残念ながら2年前になくなってしまったそうだけど、ふーむ、そうだったのか、そう思ってみるとけっこう味わい深いものがあったのかもしれない…。

 本の真ん中あたりに登場する山科薫さんは面白いよ。
 ピンク俳優で、ゲイ俳優、官能小説家。おまけに田中角栄の「親戚」だ。山科の父が角栄の愛人Tの実兄だった。
 ある日、山科は、目白の闇将軍に、今後の人生について相談しにいったという。目白の邸宅で正座して待っていると、入ってきた元総理は「なんだ、山科の坊主」といい、話を一応聞き、その後、こう言った。
「大学出っていうのは、理屈ばかり言って社会に出ても役に立たんこともある。それよりもだ。若いうちから手に職をつけるってのは大賛成だ。ま、そのー、ヤクザでもオカマでも何でもいいから、やるからには一番になれ、よっしゃよっしゃ」
 いかにも角栄、いかにも昭和、というエピソードだよね。
 一見、上野と関係ないが、その角栄も、若い頃、新潟からやってきて、最初に降り立った駅が上野だった。そうそう、上野こそ、東京のいろいろ繁華街の中、今でも昭和の色を最も色濃く残す、最大の繁華街なのだ。

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「新・自転車“道交法”BOOK」自転車活用推進法が分かる!(枻出版社)
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「電動アシスト自転車を使いつくす本」東京書籍
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【好評既刊本】
「自転車“道交法”BOOK」小林成基(NPO自活研)と共著 こやまけいこ:イラスト
「だって、自転車しかないじゃない」朝日文庫
「おやこで自転車 はじめてブック」疋田智監修 ぼちぼち自転車くらぶ著 子どもの未来社
「明るい自転車質問室」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「自転車 困った時の即効お助けマニュアル」成美堂出版
「自転車ツーキニストの作法」SoftBank新書
「ものぐさ自転車の悦楽」マガジンハウス
「自転車会議!」(片山右京・勝間和代・今中大介・谷垣禎一と共著)PHP研究所
「自転車の安全鉄則」朝日新書
「今すぐ使えるクロスバイク図解マニュアル」大泉書店
「ロードバイクで歴史旅」木世(えい)出版社
「自転車をめぐる冒険」「同・誘惑」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「それでも自転車に乗り続ける7つの理由」朝日新聞出版
「自転車生活の愉しみ」朝日新聞出版
「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫
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