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疋田智の「週刊 自転車ツーキニスト」

環境、ダイエットに効果抜群。どなたにもオススメの「自転車通勤」ですが、そのノウハウやポリシーを色々な人にお伝えするメルマガです。
と、思ってたのですが、ただ単に私ヒキタからのバカメールが届きます。ご容赦。

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ヘルメットの認識について日欧の差の(週刊 自転車ツーキニスト621)

2015/06/25

 
 
 
 
 
 
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      ヘルメットの認識について日欧の差の621号

■朝日新聞が「ヘルメット委員会」

 おー、いいぞ、朝日新聞が「ヘルメット委員会」載っけてくれました。しかもかなり大きい。社会面、堂々トップ記事だよ。
http://www.asahi.com/articles/DA3S11824524.html
 しかしながら、アレだ。多くの人にはまったく関係ないんだが、私としては不満なんだが、私ヒキタのことが一行も出てこない、という現実(@∀@;)。
 ふーむ、記者会見ではけっこうイイコト言ったはずなのに、完無視(@∀@;)。で、写真だけぽつん。
 ま、写真だけでもよしとせねばならんのだろうならんのだな。ならんのだ。ならん。

 ……なんてね。いえいえ冗談です。エラい、朝日新聞。かぶろう、ヘルメット。
 ただし、本記事ラストの小見出し「欧・規制なし」に関しては、少々説明が必要だと思う。
 登場する自転車ジャーナリスト・青木さんが言う通り、欧州のヘルメット事情はちょっとばかし違う。我々が考える以上の「なにか」が存在するのだ。
 その「なにか」とは何だろう。

■ヘルメットをレコメンド

 最初に前提でありますが、当然ながら、私ツーキニスト疋田としましては、言うまでもなく、自転車ヘルメットは、断固としてオススメなのであります。
 もちろん一に頭部の保護である。自転車事故で不幸にして亡くなる人の62.4%(同記事による)は、頭部損傷で亡くなっているという現実がある。
 自転車事故ってのは、じつは自動車にぶつかった衝撃そのもので死ぬことはそう多くない。「ぶつかった結果、アスファルトに頭を打ちつけること」で死ぬほうが多数派なのだ。つまり、ヘルメットさえかぶっていれば、これらの人は死ななくてすんだ可能性が高いといえる。
 また、次なるヘルメットの効用として「ここを自転車が走っているよ」とのドライバーへのアピールがあげられるだろう。ヘルメットというのは「一番高いところに、頭部と違う大きなものがある」という違和感で目につきやすい。要するに目立つのだ。また、あ、あの自転車は速いんだな、分かってる自転車乗りだな、ということになって、ドライバーによる傍若無人な対処が減る。急な左折などをされなくなる。

 事故の際の安全に繋がるばかりか、事故の予防になる。こりゃかぶるしかなかろうというのが、私の立場。だが、これが「義務化」ということになると楽しくない。
 以前もどこかに書いたように、田舎の中学生みたいに「押しつけヘルメット、しかも工事現場のような、重くて、蒸れて、カッコ悪いもの」というようなことになると、その子供たちは二度と自転車ヘルメットをかぶらなくなる。あくまで「こういうメリットがあるから、自発的にかぶる」という姿勢が重要なのだ。
 ところが、自転車先進国として知られるオランダなどで、ヘルメットに対する認識、ちょっとばかり違ってきたという。

■ヘルメットが要らないインフラを?

 アムステルダム市は「自転車なしでは生活できない首都」として名高い“自転車先進都市”だ。
 あらゆるところに自転車専用道や自転車レーン、駐輪場などのインフラが整備され、ドライバーはことごとく自転車優先のポリシーを理解し、自転車と公共交通機関(トラムやバスなど)の連携も、最大限にうまくとれている。最近では、世界的な自転車ブームもあって、自転車の数もさらに増え、普及率はとっくに100%を超えた。
 ところが、その街で自転車を見ていると、奇妙なことに気づく。そうした中でヘルメットをかぶっている人がほとんどいないという事実だ。
 これは私が最初にオランダを訪れた14年前からそうだったけれど、この国の人々は、自転車に乗る際に、基本的にヘルメットをかぶらない。
 なぜか。アムステルダム市の自転車行政担当者に問いただしてみると拍子抜けというか、驚くべき返事が返ってきた。

■お国柄の違い、考え方の違い

「なぜ、みなヘルメットをかぶっていないのでしょうか。アムステルダム市ではヘルメットを推奨していないのですか?」
 ところが、当方の問いに、担当者は目を白黒させた。
「なぜヘルメットを推奨? 私たちはサイクリストが事故に遭わないように、走行環境を整えているんですよ? いわば“ヘルメットをかぶらなくても安全な道路”を作ろうとしているのです」
 なるほど。ま、確かにそう言われればそうかもしれないが、極論という気もしないでもない。
 いかに自転車インフラが整っているオランダであっても、交差点になると、クルマと自転車、歩行者の動線は交差するのである。その中でヘルメットは事故被害の軽減に必ず役立つと思われるのだが……。
 しかし、当局者の話には続きがあった。
「そもそもですね、ヘルメットを強制(もしくは推奨)することは、自転車推進の妨げになってしまうのですよ」
 これは後々の欧州各国のジャーナリストとの意見交換でも次第に分かってくる話なのだが、割合、欧州各国に共通する意見だと言っていい。
 特にオランダとデンマークは、数年前から完全にアンチヘルメットに舵を切っているという。
 もちろん自転車競技者ではなく、一般の街乗りサイクリストに関してではあるけれど、ヘルメットをかぶることは「気楽に乗れる」という自転車の機能を制限してしまう、という意見は根強い。
 現に、数年前、コペンハーゲンの市当局が「ヘルメット義務化」を打ち出そうとしたところ、そのステートメントだけで郊外からの自転車通勤者が1万5000人も減ってしまったという。これはデンマークの自転車推進派の団体による“調査結果”ではあるんだけど、この団体は、この調査結果なども含め「ヘルメットは自転車推進の妨げにしかならない」と主張している。

■それこそ「個人の判断」か「国家の判断」か

 なるほど。私ヒキタとしては、ヘルメットの効用に疑いの余地などなかったので、驚くには驚いたが、こういう考え方もあるのだ。
 もちろん彼らは「かぶるな」と言ってるわけではなく「あくまで個人の判断でどうぞ、しかし、行政が推奨、ましてや強制などすべきではない」という立場だ。
 個人主義、自由主義が徹底している、オランダ、デンマークらしい考え方といえよう。また「一人でも多くの人たちが自転車に乗ること」を最優先させているということもあると思う。

 翻って、日本国内の事例として思い出すのは「クルマのシートベルト義務化」「オートバイのヘルメット義務化」のことだ。ともに導入時に軋轢あり、その後、定着した。確かに事故の死亡率は減ったし、それが「当たり前」となった今となっては、シートベルトなど、しめていないとむしろ落ち着かないくらいだ。
 ただ、自転車の場合、外から見えるものでもあるし、髪型が崩れるなどの、直接的なデメリットもある。
 正直申し上げて、私としては「個人の自由でも義務でもまったくカマワン、どちらにしても安全のためにオレはかぶる。乱れる髪型もないし(笑)」というスタンスではある。
 ま、もっと基本的なスタンスでいうと、ことが何であれ「義務化」とか「法で規制」なんてのは、最小限であるに越したことはない。あくまで自主的にかぶるというのが一番いいのだ。
 私は、あくまでヒキタという個人として「オレはオススメするよ」と言い続けるのみなのである。

■第二東京弁護士会の「自転車シンポジウム」もあるよ

 第二東京弁護士会主催の自転車シンポジウムがありますよ〜、ということで告知。
 くだんの自転車ムーブメント、一応の最終章(?)“自転車活用推進法”を徹底解剖する、という触れ込みです。
 あ、今日だ。

 同会によると「当会では自転車活用推進法の議論の高まりと、東京オリンピック開催に向けた自転車活用策を論ずるため、議連メンバーや東京都担当者を招いて下記のシンポジウムを企画いたしました」とのこと。
 つまり、“自転車活用推進法”の当事者がくる。

 申し込み手続きはなし、入場無料、会社の帰りにふらりと寄っても大丈夫(たぶん)。
 6月25日の午後6時スタートで、場所は霞ヶ関の弁護士会館10階会議室だ。
 同会のウェブサイトは次の通り。

http://niben.jp/news/ippan/2015/150609100320.html
http://niben.jp/news/news_pdf/oshirase_20150625jitensya.pdf

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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】

「おやこで自転車 はじめてブック - 子乗せで走る、こどもに教える」疋田智監修 ぼちぼち自転車くらぶ著 子どもの未来社

 というわけで、私の最新刊、ヒキタ初の「ママチャリ本」。
 今回は「長すぎメルマガ」になっちまったんで、また次回、ご説明します。というか、ご説明させて。というか、買ってちょ<(_ _)>。
http://www.amazon.co.jp/dp/4864120609

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【ヒキタ最新刊】
「自転車“道交法”BOOK」小林成基(NPO自活研)と共著 こやまけいこ:イラスト
http://www.amazon.co.jp/dp/4777931048
「だって、自転車しかないじゃない」朝日文庫
http://www.amazon.co.jp/dp/4022617616
【好評既刊本】
「明るい自転車質問室」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「自転車 困った時の即効お助けマニュアル」成美堂出版
「自転車ツーキニストの作法」SoftBank新書
「ものぐさ自転車の悦楽」マガジンハウス
「自転車会議!」(片山右京・勝間和代・今中大介・谷垣禎一と共著)PHP研究所
「自転車の安全鉄則」朝日新書
「今すぐ使えるクロスバイク図解マニュアル」大泉書店
「ロードバイクで歴史旅」木世(えい)出版社
「自転車をめぐる冒険」「同・誘惑」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「それでも自転車に乗り続ける7つの理由」朝日新聞出版
「自転車生活の愉しみ」朝日新聞出版
「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫
 いずれも好評発売中。ネット内でのご注文はこちらにどうぞ。
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  • 名無しさん2015/06/27

    確かに、自歩道を走るママチャリ(ゆっくり走るのを前提として)にヘルメットは要らないだろう(ヘルメットで何から自分を守るかといえば、暴走自転車からか?歩行者とぶつかって自分だけ助かろうと考えるのかと思われそう)。車道を走る場合は、やっぱりヘルメットは必須でしょう。