自転車

疋田智の「週刊 自転車ツーキニスト」

環境、ダイエットに効果抜群。どなたにもオススメの「自転車通勤」ですが、そのノウハウやポリシーを色々な人にお伝えするメルマガです。
と、思ってたのですが、ただ単に私ヒキタからのバカメールが届きます。ご容赦。

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6/1から自転車の取り締まりが厳しくなる? の(週刊 自転車ツーキニスト617)

2015/05/27

 
 
 
 
 
 
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     6/1から自転車の取り締まりが厳しくなる? の617号

■いくつかの誤解と誹謗中傷(?_?)

 いやー、最近よく言われるのが、次のような話だ。

「よー、ヒキタ、なんだか来月から自転車の取り締まりがキツくなるって? ブームだブームだって浮かれてたオマエラに、ガツンと鉄槌だな(笑)ヒキタも大変だろ、困ってるだろ(笑)」

 とまあ、ここまで露骨に失礼なことをいうヤツァいないが、まあ、言ってることは似たような内容だ。
 つまり、好き勝手にチャリンコ乗ってたヒキタは、6/1から困るであろう、という推測である。
 あほたれ。
 このメルマガの読者なら先刻ご承知の通り、自転車ルールの徹底は、私ヒキタにとっては、これぞ待ってました、本気で望むところだったのだ。
 もうこの10年というもの、「自転車は左だぞ」「ベルをチリチリ鳴らすんじゃないぞ」「基本は車道だぞ」「スマホいじりながら自転車なんてもってのほかだぞ」「夜間はライト点けろよ」「傘差し運転はやめろよ」「信号守れよ」「宿題やったか」「歯磨いたか」「また来週、ごきげんよう〜」などと、あたかも学校の風紀の先生のように言い続けてきたのだ。ラストは「全員集合」の加トちゃんだが。ババンババンバンバン。
 私のライドを見たことのある人なら、みな知ってる。
 日々のヒキタは、誰もいない信号だって守る、車道の左端を品行方正に走る、模範的自転車ツーキニストなんだから。これ、ほんと。
 ただ、そういう誤解とは別に、6/1の改正法施行については、もうひとつ大きな誤解があるのもたしかだ。

■そんなのは前から同じなのだ

 世間に流布される誤解の一番手は「自転車のルールが厳しくなる」というヤツだろう。
 たとえば、今回の、取り締まりの重点項目は次の14項目なんだけど、1つ1つを見てみてると、どうだろうか。

1.信号無視
2.通行禁止違反
3.歩行者専用道での徐行違反など
4.通行区分違反
5.路側帯の歩行者妨害
6.遮断機が下りた踏切への立ち入り
7.交差点での優先道路通行車の妨害など
8.交差点での右折車優先妨害など
9.環状交差点での安全進行義務違反など
10.一時停止違反
11.歩道での歩行者妨害
12.ブレーキのない自転車運転
13.酒酔い運転
14.携帯電話を使用しながら運転するなどの安全運転義務違反

 ね。ルール自体はこれまでと何ら変わらない。こんなのは前々から違反だったのだ。
 ちなみに2は「自歩道に指定されていない歩道は、自転車で通っちゃ駄目よ」などのこと、4は「自転車は原則車道の左側だよ、逆走しちゃ駄目」などのこと。9は「いわゆる“ラウンドアバウト”の交差点については反時計回りに回ったりしちゃ駄目よ」という話だ。けっこうマニアックだね。
 その他、酒酔い運転、信号無視の禁止などは、当たり前中の当たり前。
 さらに、14の「安全運転義務違反」には、ケータイ“ながら”運転、スマホ以外に、傘差し運転、2人乗りなどが含まれてくる。

 みんな前々から禁止なのだ。ちゃんとした自転車乗りにとっては、こんなのぜんぶ当たり前。これからも、これまでも「知らなかった」じゃ済まされない、自転車運転の基本なのである。
 ただ、今回新たに付加されたことがないわけじゃない。
 一番大きな違いは、違反した際の警察の対処だ。

■3年以内に2回違反で「講習会」

 これまで自転車のルール違反に関しては、いわゆる「赤切符」しか対処のしようがなかった。
 赤切符ってのは、そのまま刑事処分であって、払うのは「罰金」。起訴されればもちろん前科となる。クルマの場合ならば、酒酔い運転など、一発免停とかの悪質違反に適用されるものだ。
 ところが、そのクルマの違反について、駐車違反や軽微なスピード違反など「悪いには悪いけど、そこまでじゃないよ」という場合は、いわゆる「青切符」が切られてきた。
 青切符の場合は、あくまで行政処分であり、払うのは「反則金」である。前科もつかない。
 この青切符制度が、自転車にはなかったわけだ。

 だから、自転車の場合「よほどの違反行為があり、なおかつ事故に結びついた」ということでもないかぎり、事実上、検挙は不可能だった。
 ここに何らかの制度を作ろう、というのが、今回の改正なのだ。
「このところ自転車が増えまくった」→「ところがその自転車乗りたちの無法ぶりが目にあまる」→「なんとか有効な教育手段はないか」&「なんとか有効に取り締まる方法はないものか」。
 とまあ、そういうことで、6/1以降の取り締まりがスタートすることになった。
 現実として、話の流れはこうなる。

◎1回目の違反。この際に、本人特定し、氏名、住所、連絡先ほかを、警察が把握。半券の切符(片方は本人、片方は警察)が切られることになる。
◎その後、3年以内に、2回目の違反があった場合(または事故を起こした場合)、3時間の「安全講習」を受講しなければならない。
◎この講習で自転車ルールを学び、最後に試験を課し、それをパスしなくてはならない。感想文(反省文?)の提出もある。
 なお、この「安全講習」の受講手数料は5,700円。これは必ず払わなくてはならない。
◎「安全講習」受講に応じない場合には、裁判所に呼び出されて略式起訴となる。この際、5万円以下の「罰金」が科される。

 つまり、赤切符制度は、赤切符制度のままだけど、その赤切符が切られる前に「1度目はまだ様子見で、3年間の執行猶予」「講習を受けて5,700円を払えば、罰金・前科は免除」という、いわば「温情措置」がとられるというわけなのだ。

■あとは警察のお手並み拝見

 さあ、どうなるだろう。
 ご承知の通り、現在の自転車状況(特にママチャリ)はデタラメ放題だ。
 このデタラメ自転車状態の中、全部を厳密に取り締まろうということになれば、7割や8割の自転車は、1枚目の切符が、即、切られるだろう。だいたい当の警察官乗車の自転車、いわゆる白チャリからして「あれ? おかしくね?」というのが数多存在している(最近はかなりマシになったけどね)。
 取り締まり側の教育はできているだろうか。取り締まる人員は確保されているだろうか。その取り締まりに割かれる時間はいかほどになるだろうか。懸念点はいろいろあるが、私ヒキタは「うまくいっていただきたい」と、本気で思っている。
 いつぞやの「駐車違反の取り締まり強化」のように、最初ぶち上げたはいいけれど、後はグダグダに…、というのが、一番恐れるところなのだ。その結果「あー、やっぱりチャリンコには無理なのね」とか「チャリは勝手気ままに乗るものさ」になってはもう目もあてられない。
 どうか、打ち上げ花火に終わらないように。
 これは、2020年の東京五輪「おもてなし」にも関わる話で、なんとか現在の自転車をもっと安全に、システマティックに、世界的にも恥ずかしくない運用として欲しい。
 警察の奮起をお願いしたいものだ。

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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】

「りんごかもしれない」ヨシタケシンスケ著 ブロンズ新社

 私の長男(小1)が夢中になって読み、ある日気づくと、その内容を自分で勝手に再現して、ノートに描いて「自作の絵本」化していた。
 どれほどの話かと、私も読んでみて驚愕した。これは面白いよ。
 自宅テーブルの上に置いてあった只のリンゴから、膨らむ妄想とファンタジー。当初、長男のノートに再現された本書を読んで「うわお、ウチの子はもしかしたら天才かもしれん」と思ってたんだが、もちろん天才はヨシタケシンスケ氏の方だった。
 登場するのは、一見して普通のリンゴだ。でも、もしかしたら、本当はリンゴじゃないかもしれない。
 もしかしたら巨大なサクランボの一部かもしれないし、リンゴ自身に心があるのかもしれない。
 実は、宇宙から落ちてきた小さな星なのかもしれない。水をあげたら「家」に育つかもしれない。
 自分自身が子どもだったらチョー夢中になったと思うけど、大人であっても面白かった。感心した。
 第6回MOE絵本屋さん大賞など、各賞を総なめにした。読めば分かる。子持ちの方には大オススメ。そうでない方にも(本気で)オススメだ。
http://www.amazon.co.jp/dp/4893095625/

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【ヒキタ最新刊】
「自転車“道交法”BOOK」小林成基(NPO自活研)と共著 こやまけいこ:イラスト
http://www.amazon.co.jp/dp/4777931048
「だって、自転車しかないじゃない」朝日文庫
http://www.amazon.co.jp/dp/4022617616
【好評既刊本】
「明るい自転車質問室」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「自転車 困った時の即効お助けマニュアル」成美堂出版
「自転車ツーキニストの作法」SoftBank新書
「ものぐさ自転車の悦楽」マガジンハウス
「自転車会議!」(片山右京・勝間和代・今中大介・谷垣禎一と共著)PHP研究所
「自転車の安全鉄則」朝日新書
「今すぐ使えるクロスバイク図解マニュアル」大泉書店
「ロードバイクで歴史旅」木世(えい)出版社
「自転車をめぐる冒険」「同・誘惑」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「それでも自転車に乗り続ける7つの理由」朝日新聞出版
「自転車生活の愉しみ」朝日新聞出版
「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫
 いずれも好評発売中。ネット内でのご注文はこちらにどうぞ。
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【自転車通勤で行こう】
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