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【解決篇6】ゾーン30は確実に死亡事故を減らす、の(週刊 自転車ツーキニスト588)

発行日:10/22

 
 
 
 
 
 
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┏━┫ 週刊 自転車ツーキニスト "Weekly Bicycle Tourkinist" ┣━┓
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   【解決篇6】ゾーン30は確実に死亡事故を減らす、の588号 

■10/24(今週金曜日)と、11/7(金)に都心で「自転車エコ」

 あ、もう今週、金曜日、つまり明後日に迫ってた。
 今週金曜日(10/24)と、再来週の金曜日(11/7)に、“自転車ツーキニスト疋田智に聞く『自転車のススメ』2014”と称して、2回連続の講演会、やります。
 主催は港区のエコプラザ。例によっての“TOKYO自転車話”を1時間半×2で、詳しくねちっこく(?)やりまーす、ので、首都圏在住でお時間のある方はぜひどうぞ。先着順の予約制です。入場無料。
【詳しくは下記ウェブサイトを】
http://urx.nu/deDd

■ラインでなくエリアで考えてみると

 さて、自転車の走行空間の話。我々自転車乗りは、ともすれば自転車の走行空間を「線」で考えがちだ。すなわち「車道の左側」で、そこに敷く自転車レーンをどうするか、とね。
 それはもちろん当然のことなんだけど、考えてみれば、それ以外のアプローチもあるのではないか。つまり、線でなく、面、という考え方だ。

 たとえば細街路の入り組む住宅地、小中学校が密集する地域などに、学校から半径500mを目処として「スクールゾーン」というものが指定されていたりする。
 正直なところ、あまり守られているとも言い難いが、いちおう建前の上では、クルマは時間指定で進入禁止だったり、時速20km程度の速度規制がしかれたりのエリアだ(規制の内容は各自治体による)。
 こうした「面」としての考え方を、学校エリアでなく、もう少し広く住宅地全体、そして、すべての車両に適用させるものが、現在ヨーロッパ各先進都市で続々導入中の「ゾーン30」なのだ。

■「ゾーン30」の考え方

 ゾーン30とは、あるエリアの中に関しては、すべての車両、人間が関わる移動体に関して、すべて時速30km以内に抑えようというもので、そのエリア内は、自家用車も、トラックも、バスも、タクシーも、オートバイも、もちろん自転車も30km/h制限とする。
 なぜ時速30kmなのか、それはいざ交通事故が起きたときに人が死ぬ確率は、時速30km未満と以上とで、大きく異なるからだ。
 次のグラフを見ていただきたい。
http://www.city.sanjo.niigata.jp/common/000074567.jpg
 これは、交通事故の話を少しでも囓ったことのある人ならば誰もが知る有名なグラフで、大きく湾曲するグラフが示すのは、交通事故が起きた際の死亡率、クルマのスピードが30km/hから、40km/h、そして50km/hにかけて、大きく上がるという事実だ。
 ざっくり言うと、30km/hなら10%に過ぎなかった死亡率が、40km/hで40%、50km/hでは、80%以上にも達する。
 ということは、クルマのスピードを30km/h未満に抑えれば、事故が起きても、深刻なダメージになる確率はものすごく低くなるということではないか。これが「ゾーン30」ポリシーの基本だ。
 あるエリア(ゾーン)の中においては、すべての車両の速度を、時速30km以内に抑える。そうすれば、もしも交通手段が混在していたとしても、それなりの安全は担保される。事故が起きたとしても死亡事故になるケースが激減する。
 もちろん「左側通行」を、全車両クリアした上での話である。

 私は、これ、実は生物学的にも正しいのではないかと思っている。
 人間って動物が、全力疾走すると、だいたい成人男性で100m13〜14秒というところだろう。ということは、最高スピードで時速30kmという程度だ。
 人間の「性能」ってのは、おそらくそういうところにあって、そこまでなら目(動体視力)もついていけるし、そのスピードでぶつかってきたものの衝撃にも、おおむね耐えられる。最初から我々の身体というものは、そういう風にできているのではないか。
 これ、割合、現実にも納得できるところで、自転車を運転していても、20km/h台後半、つまり30km/h未満なら、快適だし、緊張感も強いられないし、実際に安全だし、障害物があっても避けられる、という実感を持っている人も多いはずだ。
 ところが、35km/hあたりから、ちょっと緊張感がみなぎってきて、下り坂で45km/hを超えるかな、というぐらいから、少々恐くなってくる。
 これ「人間本来の性能」というものに依拠した感触なのではないか。

 実際に1990年代に入ってから、ドイツ、オランダ、デンマーク、フランス、イギリスなどで、ゾーン30は続々と導入され、画期的な成果をあげている。住宅地、人の密集地はスローに、だが、都市間はハイスピードも可とする施策。要するに、エリアエリアの交通のメリハリができているのである。
 日本と欧州各国の自転車事故数の差は、このあたりにも要因があるといえる。

■本気で導入を検討する価値が

 これを東京のどこに導入するか。
 ひとつは、自転車事故が最も起きがちな生活道路、住宅地に関してだろう。多くの場合、スクールゾーンと重なる。それを思い切って拡げてみる。
 ふたつめに、駅前の歩行者が多い地域。これ、JR山手線・田町駅の芝浦口駅前などに、形の上だけ「ゾーン30」などとしているところもあるが、現実としてはほぼ守られてはいない。これを徹底させることだ。
 みっつめは、銀座、赤坂、渋谷、新宿、池袋などの大繁華街だ。もとより客待ちタクシーに阻まれて、渋滞だらけのエリアなのだもの。このあたりはすべて「ゾーン30」どころか、ミュンスターやハノーバのように「クルマの流入規制」すら考えられると思う。

 ゾーン30の導入、などというと、ともすれば「え?東京23区は全部そうなるの?」とか「山手線の中は全部?」とかの発想になりがちなんだけど、そうじゃない。あくまでエリアを区切って、必要なところに30km/h制限、幹線道路は適用外(このあたりは議論の余地あり)。そして、重要なのは、それを守らせることだ。やるからには、例によっての「50km/h規制の道路は、クルマの流れにのってれば、60km/hとかも大丈夫だよーん」なんて慣例を、通用させてはならない。厳密に30km/h規制。

 じつは警察庁の交通局も、このところ、少し本気になり始めている。
https://www.npa.go.jp/koutsuu/kisei32/H25_zone30.pdf
 あとは、これをどう守らせるかだ。特にドライバーに。
 ハンプ、シケイン、クランク、狭さくなどの措置も必要になってくるだろう。
 恐らくは、このあたりを考えるのが、次のインフラの整備である。新虎通りのようなものを「ニュー都道でござい」なんて馬鹿なことをしてるよりも、もっとやるべきことは色々あるのだ。
 まだある(以下次号)。

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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】

「かわうその自転車屋さん」こやまけいこ著 芳文社

 著者のこやまけいこさんは、私の「自転車“道交法”BOOK」(NPO自活研・小林成基理事長と共著)の冒頭マンガとイラストを担当してくれた「雑色系マンガ&イラスト描き」さんであります。であるからして、面識がある。もちろんシンパシーもある。
 しかしながら、そんなこととは別に、本書「かわうその自転車屋さん」は良い。私ヒキタとして、大オススメであります。
 特に「自転車ってなんだかいいね」と興味を持ち始めたばかりの初心者にとっては、必読書でありましょう。なぜなら、本書自体が、読みやすく分かりやすい「趣味の自転車」全般への手引き書になっているから。
 しかもその筆致が(かわいい絵柄と裏腹に)本格派。「楽しい自転車ビギナー本」みたいなのにありがちな「言いたいことは分かるよ、でも、そうじゃないんだってば」が皆無だ。それどころか、初心者が間違いがちないろいろなノウハウ(ぐいぐい踏んじゃ駄目だよ、とか)が、巧みにストーリーの中に織り込んであって、自然にアタマに入るような仕掛けになっている。
 その一方、初心者じゃない人も大いに楽しめる。
 自転車イベントの風景、無法自転車のタマラン行状、ツールの季節のTVモニター前、など、自転車を知った人にも、細かい部分が「そうそう、あるある♪」満載で、くすりと笑いながら楽しい。
 カフェのような店「ストラーデ・ビアンケ」(実は自転車屋さん)の、ちっちゃい“かわうそ店長”が主人公。
 で、出てくる登場人物がみんな動物だ。ヒツジのヨウコさん、バクの小和田バクさん(布団屋)、キツネザルの輪尾きつねさん(マンガ家)、ヤマネコの対馬さん(メッセンジャー)、コモドオオトカゲの小本カゲオ市長(あとで市長とバレる)などなど。
 これらが、ひとこまひとこま独立したイラストのようなかわいい絵柄で描かれていく。
 ふむ、新ジャンルといえば、新ジャンル。おそらくこやまさんにしか描けない新ジャンルマンガの誕生だ。
 ただし「動物と自転車、奇跡のコラボレーション」という帯のキャッチフレーズには、ちょっと異論がある。いや、異論というより、もっとトンデモない奇跡があるぞ。
 それは「キュート系動物自転車マンガと、ガテン系マンガ誌“週漫TIMES”、奇跡のコラボレーション」という点だ。
 いやー「解体屋ゲン」と「かわうその自転車屋さん」が同時に載る雑誌、週刊漫画TIMES。
 これを奇跡のコラボと呼ばずして、何を奇跡と呼ぶ(笑)。
 
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【ヒキタ最新刊】
「自転車“道交法”BOOK」小林成基(NPO自活研)と共著 こやまけいこ:イラスト
http://www.amazon.co.jp/dp/4777931048
「だって、自転車しかないじゃない」朝日文庫
http://www.amazon.co.jp/dp/4022617616
【好評既刊本】
「明るい自転車質問室」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「自転車 困った時の即効お助けマニュアル」成美堂出版
「自転車ツーキニストの作法」SoftBank新書
「ものぐさ自転車の悦楽」マガジンハウス
「自転車会議!」(片山右京・勝間和代・今中大介・谷垣禎一と共著)PHP研究所
「自転車の安全鉄則」朝日新書
「今すぐ使えるクロスバイク図解マニュアル」大泉書店
「ロードバイクで歴史旅」木世(えい)出版社
「自転車をめぐる冒険」「同・誘惑」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「それでも自転車に乗り続ける7つの理由」朝日新聞出版
「自転車生活の愉しみ」朝日新聞出版
「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫
 いずれも好評発売中。ネット内でのご注文はこちらにどうぞ。
http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_sb_noss?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Dstripbooks&field-keywords=%95D%93c%92q&x=0&y=0

【自転車通勤で行こう】
http://tourkinist.jp/classic/
バックナンバーはこちら。
http://melma.com/backnumber_16703/
 
 
 
 
 

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