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疋田智の「週刊 自転車ツーキニスト」

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新都知事の「自転車道」と「自転車レーン」の(週刊 自転車ツーキニスト554)

2014/02/13

 
 
 
 
 
 
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     新都知事の「自転車道」と「自転車レーン」の554号

■新東京都知事・舛添氏の自転車政策

 皆さんご承知の通り、舛添要一氏が新都知事に決まった。
 驚いたのが、就任会見で最初から「自転車」を口にしていることだ。
 産経新聞、毎日新聞などから抜粋すると、次のような要旨。
「東京の問題点の一つは交通体系。私がやりたいのは欧州の先進都市のように、歩道と自転車専用道と自動車専用道の3車線を併設すること」
http://cyclist.sanspo.com/119964

 ふむ、その心意気やよし。
 おそらくはロンドン五輪に際してロンドンがそうしたように、交通体系の抜本的見直しをし、エコ交通としての自転車を活かそうというのだろう。

 ただ、舛添氏、若干誤解があるような気がするのは「自転車専用道」の文言である。「自動車専用道」と区別した「自転車専用道」すなわち自転車道は、必ずしも良いものになるわけではなく、亀戸の国道14号線のように「今より悪くなる」例が往々にしてあるということだ。
 ロンドンやパリの例、また、最先進国としてのデンマーク、オランダ、ドイツの例をとっても分かるとおり、最もメジャーで、税金投入が少なくてすみ、事故低減に圧倒的にものを言うのは「自転車レーン」であるという事実だ。

■「理詰めが効く」知事であらんことを

 これとは別に、NPO自活研による候補者アンケートを例にあげるなら、舛添氏が「当選したら実現に向けて努力する」としているのは、あくまで「車道上の自転車レーンを軸とした自転車走行空間ネットワーク」である。
http://cycle-tokyo.com/press140210.pdf

 この「車道上の自転車レーン」と「自転車道」とを混同してはいけない。
 あまり自転車行政について詳しくない人は、往々にしてこの「自転車レーン」と「自転車道」について、どっちでもいいのでは? 同じようなものじゃない? と思いがちなんだけど、この二者、実は根本的に違う。
 二者のポリシーを大きな観点で言うと、自転車を車両として扱うか、歩行者に毛の生えた程度のものにするか、というくらいに差があって、このあたりを説明すると長くなるんだけど(それこそ最新刊の「自転車“道交法”BOOK」(「自転車はここを走る!」も可)または「自転車の安全鉄則」でも読んでいただくとして)今後の、新都知事の理解の深まりに期待するしかないと思う。

 もしかしたらそのあたり、分かっていながらあえて分かりやすい文言を選んで言ってるのかもしれない。でも、そうじゃないかもしれない。
 そのあたりは正直よくワカランのだが、とりあえずは「就任会見に自転車の活用を口にする都知事」には期待だ。我々、NPO自活研(私も理事です)は、いつでもどこでもご進講にうかがう気マンマンであります。
 これまでの東京都が、あまりに後ろ向きだっただけに(前知事などは「東京は坂が多いので自転車ダメだね」と言っていたという)いやが上にも期待が高まってしまうのだ。

 舛添氏は「理詰め」でものを考える人間だときく。
 さしずめ「自転車は、車道走行よりも歩道走行の方が6.7倍も事故“率”が高い(米国連邦交通局および古倉宗治氏による)」などという確固たるデータは、彼にはガツンとくるかもしれない。また、彼は欧米の自転車状況をよくご存じのはずだ。今の東京が、現状のまま、すなわち「自転車=歩道がスタンダード」の進化形ではダメなことなど、とっくにお気づきに違いない。

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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】

「東京難民 上・下」 福澤徹三著 光文社文庫

 東京のFランク私立大学の3年生男子学生が、ある日、学費の未払いを理由に大学を除籍される。
 同時に両親からの仕送りが途絶え、実家との連絡もつかなくなった。なにが起きたのか分からないまま、やむなく自活をはじめるが……。その先に知る、底なしの貧困と孤独の荒野。平凡な大学生の転落と放浪を通じて、格差社会の傷口をえぐる青春巨篇!
 というのが、本書の惹句。

 私としては「格差社会のノンフィクション風小説」として読むべきではなく、第一義的には「アマちゃん大学生の成長物語」として読むべきだろうと思う。主人公の修くん、正直、最初は好きになれなかった(何でコイツはこんなにバカで甘くて怠惰なんだ、しっかりしろ、と思う)が、ページを繰るごとにだんだん好きになってくる。面白いのは間違いないし、上下巻、まさにイッキ読みだ。
 そうして修くんのビルドゥングスロマーンを堪能した後に「あれ、これ一歩間違えると未来のおれかも……」と、ふと気づく。
 そう思わせるほどの「滑り台社会」が確かに今の日本にはある。

 私個人の好みでは「ホストクラブ」と「中国人マフィア」のくだりが、どうも「紋切り型リアル」の域に見えて(数々のドキュメントですでに…、という感があってね。しかし、エンターテインメント小説としては、ここが一番の面白どころでもあるんだよなぁ)、そこにちょいとだけ鼻白むんだけど、でも、全体としては、なかなか上質な物語であります。
 リアルから踏み外さず、エンターテインメント的なサービス精神横溢で、読みやすく(意外なことに)上品な筆致で、ラストに行くにつれ数々の前半登場人物が重要な役割を果たす、と「面白小説」の王道を行ってる。
 映画化されるそうだ。ムベなるかなと思う。
 でもこれ2時間にどうおさめるかな?
 アレもコレもと全部投入しようとすると失敗すると思う。解説によると「学生時代」「ボランティア真理」などはバッサリ落とすという。惜しいには惜しいけど、その選択はけっこう正しいな。

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【ヒキタ最新刊】
「だって、自転車しかないじゃない」朝日文庫
http://www.amazon.co.jp/dp/4022617616
【好評既刊本】
「自転車はここを走る!」小林成基(NPO自活研)と共著 こやまけいこ:イラスト
「明るい自転車質問室」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「自転車 困った時の即効お助けマニュアル」成美堂出版
「自転車ツーキニストの作法」SoftBank新書
「ものぐさ自転車の悦楽」マガジンハウス
「自転車会議!」(片山右京・勝間和代・今中大介・谷垣禎一と共著)PHP研究所
「自転車の安全鉄則」朝日新書
「今すぐ使えるクロスバイク図解マニュアル」大泉書店
「ロードバイクで歴史旅」木世(えい)出版社
「自転車をめぐる冒険」「同・誘惑」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「それでも自転車に乗り続ける7つの理由」朝日新聞出版
「自転車生活の愉しみ」朝日新聞出版
「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫
 いずれも好評発売中。ネット内でのご注文はこちらにどうぞ。
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