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JA共済の“捏造広告”を許すなの(週刊 自転車ツーキニスト510)

発行日:4/7

 
 
 
 
 
 
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┏━┫ 週刊 自転車ツーキニスト "Weekly Bicycle Tourkinist" ┣━┓
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        JA共済の“捏造広告”を許すなの510号

■自転車事故の2/3は、自転車側の違反?

 4月6日付の全国のブロック紙、地方紙に、こんな広告が載った(私が確認したのは『東京新聞』東京版朝刊)。
http://or2.mobi/index.php?mode=image&file=53841.jpg
 JA共済のイメージ広告ともいえるものなんじゃが、いやはや、すごいなぁ。

「知ってるかな。自転車事故の2/3は、自転車側の違反なんです。」

 だそうな。
 これ、どう見たって、自転車事故の3分の2は、自転車に非があるように受け取れますよね。
 知ってましたか? 私は知らんかった。たぶん知る人はほぼゼロだと思う。
 なぜなら、事実と違うから。

 ヘッドコピーの後に、小さな文字で「※警察庁統計データによる」とあるけれど、これいったいどういうデータなんだろう。
 元ネタにあたってみると、こういう数字です。
http://www.google.com/url?sa=t&rct=j&q&esrc=s&source=web&cd=3&ved=0CEkQFjAC&url=http%3A%2F%2Fwww.npa.go.jp%2Fkoutsuu%2Fkikaku%2Fbicycle%2Fkondankai%2Fsiryo1-2.pdf&ei=Sa9fUbCMOKqWiQfQyYDYBQ&usg=AFQjCNEdnr52Nzvzyypox1i3KB5jp5xYEQ&sig2=l60hyApRqlFLnBi539odCA&bvm=bv.44770516%2Cd.aGc&cad=rja

 上記↑の資料の2ページ目、たしかに事故自転車の2/3に法例違反があるということが書いてある。統計上それは事実だ。警察庁の言葉では「自転車乗用中の死傷者の3分の2に何らかの法例違反」。
 ただ、それは「自転車側が悪い」ということを指しているわけじゃない。

 あらゆる自転車事故は「あちらが悪い、こちらが悪い」と軽々に決めつけられるものではなく、双方に法例違反があり、双方に過失がある場合の方が多いわけだ。つまり2/3の事故自転車に法例違反があるのと同時に、クルマ側にも(歩行者側にも)法例違反がある場合が多々あるというわけ。
 中でも、今回の警察庁資料にあげられた「自転車側の違反」については、過半数が「安全運転義務違反」つまり、ハンドル操作不適、安全不確認、前方不注意、動静不注視などを指していて、そういう事故の場合、ほとんど、それ以上の過失がクルマ側に認められているのだ。

■正解は「自転車側が第一当事者の割合は15.4%」

 では、そうした状況の中、自転車が「一番悪い」と認定されたのは、どのくらいの割合なのだろうか。
 つまり「自転車が第一当事者」の事故のことなんだけど、警察庁の資料によると、これが15.4%(「交通統計平成23年版」(警察庁交通局)平成24年7月発行)。
 6分の1弱だ。
「自転車事故の2/3は自転車側の違反なんです」は、完全無欠の虚偽なのである。

 実はこれ、損保協会も引用している数字であって、JA共済が知らないはずはないのだ(下記のリンク先の2ページ目最下段)。
http://www.google.com/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&ved=0CEoQFjAA&url=http%3A%2F%2Fwww.sonpo.or.jp%2Farchive%2Fpublish%2Ftraffic%2Fpdf%2F0002%2Fbook_bicycle.pdf&ei=eKdgUcCeOMqZiAeWi4HoDw&usg=AFQjCNEaz3fQnjuuocKhAn-JmkOW83aTaA&sig2=3JwrqR0uPR9i78qnoHM56Q

 どうなんだろう、JA共済は、コレを知りながら「自転車事故の2/3は、自転車側の違反なんです。」なんて広告を打った。つまり、あからさまに明々白々なウソを、自らの宣伝のために捏造したのか。
 それとも、こんな数字などまったく知らないままに、広告屋が書くままに「あ、そー。できたー? どれどれ、こんなもんだろ、たりらりらーん」と広告を打ったのか。
 前者なら「悪」だし、後者なら「愚」だ。
 どちらだと思います? 
 ま、私は後者だとは思うが(思いたい)、前者の可能性もあるという気がするのだ。
 なぜならば、同じJA共済は次のようなテレビCMまで作っているから。

■この動画で「自転車の正しい乗り方」とやらを訴えていくって?(苦笑)

 まずはこの広告をごらんあれ。
http://www.youtube.com/watch?v=fd_mMM_kAWE
 またしても、メガネの「JA共済さん」の登場なんだが、いやはや、冒頭からして河川敷“サイクリングロード”の真ん中右寄りを走ってる。
 本当に「自転車の正しい乗り方」が分かってるんじゃろか。というか、分かっていないのは、もう明々白々であります。これ「安全確認」云々という以前の話でね。
 右側通行こそが出合い頭事故の元凶となる。後に続くスタントマンの動画もそうでしょ。

 たぶん、自転車事故のメカニズムなんてことを、考えたこともないから、こういう「河川敷、右側通行〜♪」「出合い頭もなぜか右側通行〜♪」なんてことになるんだろうね。
 これで「自転車の正しい乗り方を訴えていく」のだそうだ。
http://www.ja-kyosai.or.jp/about/news/2012/20130315_2.html
 まずは、あなた方が「正しい乗り方」を実行しなさい(笑)。

 いやはや、なんなんだろ「知ってるかな。」にしても「正しい乗り方を訴えていく」にしても、この極大値の「上から目線」でありながら、その当の本人が自転車について無知だし、正しい乗り方をまったく知らないというタマラナサ。
 じつに不思議、いや不思議や不思議(苦笑)。

 ちいき、と、ともに。だそうです。美しいですね。でもそれはいったいどんな地域なのか。
 もしかしたら、そういう地域でJA共済の自転車特約保険なんかに入ったりすると「あんたは車道を自転車で走ってたでしょ! 自転車の過失は2/3だ!」なんて言われるかも知れませんね(笑)。

■自転車側の非と相殺できる話じゃない

 確かに昨今の自転車ブームにともなって、路上にルールを守らない自転車は増えた。
 それは事実だし、私としても、色々なメディアで「ルールを守れ」「左側通行を」「夜間は灯火を」「赤信号では停まれ」と言い続けてきたところでもある。赤信号では停まれなんて「なぜこんな当たり前のことを(;_;)」と、憂鬱な気分になったりもしている。
 じゃが、そういう「自転車側の悪さ」と、今回の広告は、話のカテゴリーが違うのだ。

 今回の話は一言「ウソを言ってはいかんでしょう」ということなのである。
 そのウソを、こうして公共の場で並べ立て、自分の商売の道具にしちゃいかん。
 これは、自転車側も悪い!という話とは、まったく別次元の話なのだ。

 この話、また次もするかもしれません。ちょいと腹が立った方は、こちらにお問い合わせを。

【JARO公共広告機構】
http://www.jaro.or.jp/ippan/gosoudan/index.html
【JA共済】
http://www.ja-kyosai.or.jp/contact/

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「夫婦格差社会 二極化する結婚のかたち」橘木俊詔、迫田さやか著 中公新書

 現代のいわゆる格差社会を「妻の職業」で読み解いた本。
 まあ、なるほどね、ではある。
 極端な話、医者同士のカップル(確かに多いね)と、できちゃった婚の20歳そこそこカップル(妻は子育てで手一杯)には、収入にして10倍以上の差ができる……、と。
 そりゃそうだわな、と思う。ネガティブな言い方をすれば、あらゆる人が薄々気づいていた「格差の必然」を身も蓋もなくクチにした(だけ)の本。まあまあ面白いけれど「ふーん、で、その先は?」という感じだ。
 なんだか、三浦展氏の昨今の著作(「下流社会」でヒットを飛ばして以降の量産新書)を読んだのと同じ読後感を抱いてしまった。

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【ヒキタ最新刊】
大好評発売中!
「自転車はここを走る!」小林成基(NPO自活研)と共著 こやまけいこ:イラスト
http://www.amazon.co.jp/dp/4777922618/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1330299258&sr=1-1

【好評既刊本】
「明るい自転車質問室」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「自転車 困った時の即効お助けマニュアル」成美堂出版
「自転車ツーキニストの作法」SoftBank新書
「ものぐさ自転車の悦楽」マガジンハウス
「自転車会議!」(片山右京・勝間和代・今中大介・谷垣禎一と共著)PHP研究所
「自転車の安全鉄則」朝日新書
「今すぐ使えるクロスバイク図解マニュアル」大泉書店
「ロードバイクで歴史旅」木世(えい)出版社
「自転車をめぐる冒険」「同・誘惑」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「それでも自転車に乗り続ける7つの理由」朝日新聞出版
「自転車生活の愉しみ」朝日新聞出版
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「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫
 いずれも好評発売中。ネット内でのご注文はこちらにどうぞ。
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【自転車通勤で行こう】
http://tourkinist.jp/classic/
バックナンバーはこちら。
http://melma.com/backnumber_16703/
 
 
 
 
 

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