自転車

疋田智の「週刊 自転車ツーキニスト」

環境、ダイエットに効果抜群。どなたにもオススメの「自転車通勤」ですが、そのノウハウやポリシーを色々な人にお伝えするメルマガです。
と、思ってたのですが、ただ単に私ヒキタからのバカメールが届きます。ご容赦。

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カーラカラ、カーラカラと、もう脱力しかない(週刊 自転車ツーキニスト482)

2012/09/17

 
 
 
 
 
 
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    カーラカラ、カーラカラと、もう脱力しかない482号

■学習院の講座が始まります♪

 いつもの学習院生涯学習センターの講座「楽しむための自転車学2012年秋」が、来月5日からスタートします。
 今回もまた、色々と楽しくない話が東京都方面からごちゃごちゃと聞こえてきそうなんですが、同時に、サイモー系、しまなみ系、宇都宮系の、面白くも楽しい話もありますよ〜。というわけで、受講はどなたでもOKです。詳しくはこちら。
http://open.gakushuin.ac.jp/course/detail/2012/B/095/

 あ、Facebookもあるんだ。やるな、学習院。しかし、こりゃまた随分前の写真だなぁ。
http://www.facebook.com/photo.php?fbid=254287991358399&set=a.220219328098599.50255.219443118176220&type=1&theater

■構図としてもう最初からダメ

 さて、今回もまた自転車ナンバープレートの話であります。
 こりゃー、どこから見てもダメだ、というのは、前々々号あたりにもお伝えしてる通り。まったく実効性ないです。単なる税金の無駄づかい。
 じゃが、それだけじゃない。今回だんだん分かってきたのは、この「東京都自転車対策懇談会」なる団体の、なんともはやの胡散臭さだ。
 一般的には「“有識者”懇談会」などと言うんだが、どこがどう有識者なのか(笑)。
 各局のニュースでご覧になった方も多いと思うが、座長の森地茂氏は、提言書「自転車問題の解決に向けて」とやらを東京都に渡すに際し、このような発言をしている。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012091102000105.html

「自転車を使って便利さを感じる人より、自転車から迷惑を受ける人の方が多い」のだそうだ。
 繰り返そう。
「自転車を使って便利さを感じる人より、自転車から迷惑を受ける人の方が多い」
 我が耳を疑った。ホントか? ホントにそんなデータでもあるのか? 自転車というものは、メリットよりデメリットの方が多かったのか(;_;)? 我々の自転車はそんなものだったのか(;_;)。もう一度聞いてみよう。
「自転車を使って便利さを感じる人より、自転車から迷惑を受ける人の方が多い」

 ……ふーむ、これ、本当にこの森地座長が、本気の本気で、そのまま口にしてるのである。
 約1300万人が住む東京都の自転車台数は900万台以上。東京都の平均世帯人数は約2人(1.99人・2012年)だから、自転車というものは一世帯に一台以上は必ずあるのだ。
 私など、それだけ自転車からベネフィットを受けている人は多いからだな、なんて思ったりするんだが、このおヒトによると、迷惑を受けている人の方が多かったのだそうだ(;_;)。
 
 この話、何か根拠になるデータでもあるのかしら……?

 ということで、私は東京都に問い合わせてみた。データになる、何か数字でもあるんですか? と。
 すると回答はこう。
「根拠というものはないと思いますよ、あくまで推測ですけど。私も聞いてびっくりしたんです」とのことだった。

■ただの“印象”で断じられてしまったよ(;_;)

 あれま、これまた困った話だな。
 森地教授といえば、鉄道、クルマなど多岐にわたる交通学の泰斗である。いわば学者中の学者だ。
 東京都は「根拠はないと思いますよ」なんて言うけど、まさかデータなしで無責任なことを仰ったわけではあるまい、と、森地先生にじかに聞いてみることにした。
 で、政策研究大学院大学にご連絡申し上げた。すると「メールにてお願いします」ということだった。
 なるほど現在のアカデミズムは、そうなんだね。アメリカみたい。メールしか受け付けてない。さすがは政策研究大学院大学。
 というわけで、現在、メールにて問い合わせ中。
 ……ところが、先週の水曜日、つまり9月12日の午前10時にメール送信して、その翌日に、また再送して、しかし、そのまま梨のつぶてだ。
 仕方がないんで、東京都の見解に従おう。というか、私も色々調べてみたけれど、そういうデータなど、どこをどう探してもない(最初からそんなことだろうとは思ってんだけどさ)。東京都の推測通り(都の担当者は「非常に確度の高い推測として」と言った)、このセンセーは、根拠レスでこれを口にしているのだ。
 根拠もデータも何もなし、ご自身の印象オンリーで「迷惑を受ける方が多い!」と、公の席で断じ、言い放ったわけだ。えっへん。すごいですね。ほんにまあ、言われた方は、いい面の皮。どこまでエラいんだろうね、このセンセーは。
 まあね、そりゃそうなんだよ。ご本人、自転車の専門家でも何でもなく、ただ単に頼まれたから座長をやってます、というだけなんだもの。
 この森地という座長は、主催者側へのリップサービスとして、わざわざ「自転車の迷惑の方が多い」ということを言ってくれたんだろう。勝手な印象で、テレビカメラにアピールして、主催者側にはさぞやありがたいおヒトだよね。
 でも、学者の態度として、これ、どうなんだろう。
 このヒトの論文は、こういう“印象”が根拠になってできているのであろうか。いやはや大した学者先生もいたもんだ。

■そういう人々が寄ってたかって「自転車問題の解決に向けて」だと

 でね、こういう明らかなウソ(ま、ウソと言ってしまおう。言われたくなければ、どうぞご反論を)とともに渡された「自転車問題の解決に向けて」だ。
 提言書withウソ。
 ウソの言葉とともにウソんくさい提言書。
 読んでみると、これまた笑っちゃうほどフザケたシロモノであって、一言でいって、印象操作と偏見と自転車に対する無知のカタマリである。
 こういう、アタマから「自転車は迷惑」(ま、単に“嫌い”なんだろうね)と、根拠もなく思いこんでるヒトが座長をつとめている懇談会が出した報告書だもの、そうなるのは当たり前とはいえ、こいつぁちょっとすごいなぁ。
 
 たとえば6ページ、「自転車は、走行に伴い音が発生しない場合も多いことから、歩行者、特に音で周囲の状況を把握する必要のある視覚障害者はその接近に気づきにくく、接触の危険性が高まると考えられるため、接近を知らせることができるように、自転車に発音装置を装備することも検討すべきである」という部分。
 検討すべきであるもなにも、そりゃ、自転車が歩道を走ってるからでしょうが……。
 道交法の大原則どころか、警察庁の自転車安全五則も知らないらしい。もう脱力しかないよ。
 これね、同時に聞いてみたんです。東京都に。「発音装置ってどんなものを想定しているんですか?」と。
 担当者はこう答えた。
「懇談会で出てきたのは、なんだか、スポークにカラカラ音の鳴るものを取り付ける、などのアイデアでしたね」

 大脱力……。
 そうなのだ。謎の「発音装置」の想定は、ベルのことじゃない。なんだか小学校の学級会じみた話なんだけど、カラカラ音の鳴るものをスポークに取り付ければ万事解決、さわやかニコニコ自転車なんだって。
 カーラカラ♪ カーラカラ♪ 歩道の上をカーラカラ♪ どんなにプレーンに考えても、世界中の笑いものであろう。
 ま、こうなるのも(別の意味でも)当然といえば当然。「自転車対策懇談会」は、わずか2時間そこらの会合が3回開かれただけなのだ。出席者の1人は「あれあれと思ううちに、話がどんどん流れていきました」と証言している。

 ほんに“有識者”って、いったい、なんなんだべ?
 私は思うけど、全般的に言って、これ、結構トンデモない提言書だよ。話はナンバープレートだけにとどまらない。今のウチに何とかしておかないと、将来的に、かなりの禍根を残す気がします。
 トンデモ提言書は、こちらから簡単に手に入ります。どうぞお読みください。
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/koutuu/07_jitensha-teigen.html

 この話、まだまだつづきがある。
 次号以降、さらに述べていくことにしよう。

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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】

「太閤暗殺」岡田秀文著 光文社文庫

 ジェットコースター歴史小説。虚実ちりばめながら最低限のリアリティは失わず、本格ミステリーの要素を取り入れて、まずまず面白かった。
 光文社の惹句によると,こういう調子だ。

 ようやく授かった我が子・お拾(ひろい)にすべてを譲り渡したい……、太閤秀吉は、実の甥である関白秀次(ひでつぐ)を疎ましく思い始めていた。危機感を 抱いた秀次の側近・木村常陸介(きむら・ひたちのすけ)は、大盗賊・石川五右衛門に太閤の暗殺を依頼した! 迎え撃つ石田三成と前田玄以(まえだ・げんい)の秘策とは? 本格時代小説にして本格ミステリー。戦慄のラストに驚愕必至の、日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作!

 というわけで、この惹句でも分かる通り、アタマ空っぽ、深く考えずに、とにかく楽しみたい、というニーズには最適である。間違いなくクオリティの高い娯楽を与えてくれる。
 常陸介と玄以の造形がなかなか魅力的で、そこに、石川五右衛門、出雲の阿国、と、実在はするが実像は分からないという人々が彩りを加え、「秀吉暗殺」という、あり得ないけど、あり得るかもしれないラストに向かって突き進んでいく。
 話の展開がはやく、しかしながら、読みやすいんで、まさにページをめくる手がジェットコースターだ。
 ただし新幹線で読み切ろうと思ってる人は若干注意。およそ400ページゆえ新大阪で降りるつもりが、広島あたりまで乗り続けていたくなるかもしれない。

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【ヒキタ最新刊】
大好評発売中!
「自転車はここを走る!」小林成基(NPO自活研)と共著 こやまけいこ:イラスト
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【好評既刊本】
「明るい自転車質問室」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「自転車 困った時の即効お助けマニュアル」成美堂出版
「自転車ツーキニストの作法」SoftBank新書
「ものぐさ自転車の悦楽」マガジンハウス
「自転車会議!」(片山右京・勝間和代・今中大介・谷垣禎一と共著)PHP研究所
「自転車の安全鉄則」朝日新書 大好評発売中!
「今すぐ使えるクロスバイク図解マニュアル」大泉書店
「ロードバイクで歴史旅」木世(えい)出版社
「自転車をめぐる冒険」「同・誘惑」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「それでも自転車に乗り続ける7つの理由」朝日新聞出版
「自転車生活の愉しみ」朝日新聞出版
「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
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