自転車

疋田智の「週刊 自転車ツーキニスト」

環境、ダイエットに効果抜群。どなたにもオススメの「自転車通勤」ですが、そのノウハウやポリシーを色々な人にお伝えするメルマガです。
と、思ってたのですが、ただ単に私ヒキタからのバカメールが届きます。ご容赦。

全て表示する >

キラキラネーム再考の(週刊 自転車ツーキニスト480)

2012/09/10

 
 
 
 
 
 
  ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┏━┫ 週刊 自転車ツーキニスト "Weekly Bicycle Tourkinist" ┣━┓
┃ ┗┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳┛ ┃
┗━━┛                          ┗━━┛
          キラキラネーム再考の480号

■国交省がはじめて「自転車レーン」に着手

 最も良質な自転車走行空間は、現在のところ、車道左端にペイントしただけの「自転車レーン」じゃろうて。
 これは“自転車関連の識者”たち、ほぼ全員一致の意見で、安全、円滑、費用、その他あらゆることを勘案した結果である。
 というわけで、国土交通省が、その自転車レーンについて、法的位置付けを明確化する方向で検討を始めることになった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120831-00000049-mai-soci

 道路設計の基準を示す規範「道路構造令」に、これまで自転車レーンの規定がなかったというのにも驚きだが、ま、それを不備だと思うのなら、早くあらためるに越したことはない。
 何しろ、これまであらゆる地方自治体のお役人たちは「道路構造令にありませんから(つまりヘンに自転車レーンなんてつくって文句がきたら、当方のせいになってしまう……)」と、レーン設置に二の足を踏んでいたというのだ。
 中には、担当者本人「個人的には自転車レーンが最良だというのは分かっちゃいるんですけどねぇ……」と言いながら、「道路構造令に“自転車道”はこう作れ、とありますから」と、あえて、●事故の多い相互通行とし、●逃げ場をふさぐガードレール、●ドライバーの視界を遮る植栽などを造り、わざわざ危険な自転車道としていた例もあるというのだ。
 どうぞ、お早いご改正を。
 片側通行の自転車レーンは間違いなく交通事故を減らし渋滞を減らす。ドライバー、自転車乗り、歩行者ほか、すべての交通市民について最良の結果を生む。
 しかし、こういう話がチラホラ出始めたというのは、なんだかんだ言っても、少しずつ、少しずつ、日本の自転車状況は前進している証拠なのかもしれないね。

■“キラキラネーム”の元祖は誰か?

 キラキラネーム(またはDQNネーム)ってのは、もちろん昨今の若い親御さんが子供に付ける、ヘンな名前、というか、難読ネームというか、いやはやこんなの読めねえよ参った参った……、という名前なワケだが、昨今「ヘンな名前だからとイジメを受けた」とか「親の顔が見たいと白眼視された」とか、何だかちょっと行き過ぎな風潮もあって、私ヒキタとしては少々擁護したくなってきた。
 で、ご存じだろうか、キラキラネームの元祖のことを。
 誰かが元祖として確定した、というわけじゃないんだけれど、私ヒキタが自信を持って認定する。

 元祖キラキラ名付け親は、森鴎外であります。

■鴎外が自らの息子に付けた名前

 森鴎外といえば、もちろん明治の大文豪のあの鴎外のことだ。
 ただ単に「エラい作家」というだけでなかった。幼少のみぎりより内外の教養(特に漢籍)に通暁し、11歳で(!)東大医学部に入学。卒業後はドイツに官費留学し、その後、文学を余技(!)としながら軍医総監にまで上り詰める……、と、まあとにかく当代きってのインテリだったわけだ。
 その鴎外が、自らの息子娘にどんな名前を付けたかというと……。
 まず長男、於菟(オットー)。
 おっとー、最初から来たな、という感じでしょ。
 つづいて長女が、茉莉(マリー)。これはまあ普通だ。ただ、次からがまた変。次男が、不律(フリッツ)。さらに次女の杏奴(アンヌ)は、これはもうウルトラセブンの香りが高い、というか、子供の名前に「奴」を入れるというのも……、という感じ。して、三男は、類(ルイ)。
 ふーむ、これ、事実であります。

■なにゆえのキラキラか

 鴎外の場合、キラキラの理由はこうだ。
 ドイツ留学時代、自分自身の本名「林太郎」が読みにくいとされ、周囲になかなか憶えてもらえなかったらしい。そこで、子供には外国でも通じるようにと、このような名前にしたのだそうだ。
 まあね、まだ世界中に日本なんて国がほとんど知られてなかった時代だから。さぞや“Rintaro Mori”なんてのは、分かりにくーい響きだったんだろう。
 だからして、鴎外は断固として「外国ネーム」を子供に与えた。
 して、このことは、どうやらそれ以後の森家のポリシーとなったらしく、その次の代以降にもスゴいのが続く。
 ?(ジャック)、真章(マックス)、富(トム)、礼於(レオ)、燓須(ハンス)、常治(ジョージ)……。
 礼於や、燓須なんか、現代のキラキラとしてもじゅーうぶん通じるね。
 繰り返しになるけど、これ本気で本当なのである。ウィキペディアをごらんあれ。?さんなど、ちゃんと有名な仏文学者として大成してる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E7%94%B0%E7%88%B5
 しかし、鴎外の子孫が、ここまで徹底して外人系難読ネームなのだ。鴎外オリジンで、しかもポリシーをもってやられると、もう「キラキラ」だの「DQN」だのと言えなくなるでしょ。
「なに? DQNネーム? あの鴎外がDQNだってのかい? よし、わかった。だったらオマエさんなんて、ウルトラスーパー超ド級のDQNじゃねえか」
「はい、すいません」としか言えない。
 というわけで、何の因果か、時代のノリか、キラキラネームをすでに付けてしまった人は、いまさら後戻りはできない。
「鴎外だってキラキラ名付け親だった!」と、堂々、開き直っていただきたい。

-----------------------

【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】

「のりもの進化論」松浦晋也著 太田出版

 科学ジャーナリスト・松浦晋也さんが、自転車、クルマ、電気自動車、モノレール、新交通システム、路面電車、コミュニティバス、などと、我々の目の前にまさにある移動体、すなわち「のりもの」について、論じ、未来を語り、蘊蓄を傾けた「よみもの」がこれだ。面白い。読み応えがあるぞ。
 第1章と第2章を割いた「自転車論」もさることながら(なるほど、松浦さんのA-bikeへのコダワリはこういう結実をしたのね。あと“自転車2.0”、この考え方に少々のアシストを加えたら、リッター100kmとか200km、いや300kmは“社会的に”じゅうぶん可能になるのではないか)、私が面白かったのは、第4章の中の「間違った未来・新交通システム」の部分だ。
 あ、なるほど、と思った。これまで腑に落ちなかった部分、違和感を持っていたところの疑問点が、すべて解けた。
 このメルマガの読者諸氏なら、本書は買って損なしだ。仲間同士にちょっと自慢できるミニ知識も身につくし、何より、我々の周りを走り回っている「のりもの」それぞれの本質がよく分かる。良書。オススメです。

-----------------------

【ヒキタ最新刊】
大好評発売中!
「自転車はここを走る!」小林成基(NPO自活研)と共著 こやまけいこ:イラスト
http://www.amazon.co.jp/dp/4777922618/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1330299258&sr=1-1

【好評既刊本】
「明るい自転車質問室」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「自転車 困った時の即効お助けマニュアル」成美堂出版
「自転車ツーキニストの作法」SoftBank新書
「ものぐさ自転車の悦楽」マガジンハウス
「自転車会議!」(片山右京・勝間和代・今中大介・谷垣禎一と共著)PHP研究所
「自転車の安全鉄則」朝日新書 大好評発売中!
「今すぐ使えるクロスバイク図解マニュアル」大泉書店
「ロードバイクで歴史旅」木世(えい)出版社
「自転車をめぐる冒険」「同・誘惑」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「それでも自転車に乗り続ける7つの理由」朝日新聞出版
「自転車生活の愉しみ」朝日新聞出版
「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫
 いずれも好評発売中。ネット内でのご注文はこちらにどうぞ。
http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_sb_noss?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Dstripbooks&field-keywords=%95D%93c%92q&x=0&y=0

【自転車通勤で行こう】
http://tourkinist.jp/classic/
バックナンバーはこちら。
http://melma.com/backnumber_16703/
 
 
 
 
 

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2000-09-15  
最終発行日:  
発行周期:週に1回以上刊  
Score!: 91 点