自転車

疋田智の「週刊 自転車ツーキニスト」

環境、ダイエットに効果抜群。どなたにもオススメの「自転車通勤」ですが、そのノウハウやポリシーを色々な人にお伝えするメルマガです。
と、思ってたのですが、ただ単に私ヒキタからのバカメールが届きます。ご容赦。

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まあ、実効性はないでしょうな、の(週刊 自転車ツーキニスト479)

2012/09/05

 
 
 
 
 
 
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       まあ、実効性はないでしょうな、の479号

■自転車にナンバープレート

「自転車のナンバープレート」というと、私などが思い浮かべるのは、メッセンジャーの“T-serv”なんかがサドルの下に付けている、あのプレートだ。
【T-servプレートの例】
http://twev.t-serv.co.jp/encyclepedia/index.html
※それぞれの自転車をクリックしてみてちょ。

 それなりにスタイリッシュで、視認性も高い。「その自転車を使っている自分」という責任感もほのみえて、私はこのT-servプレートに好感を持っている。実際に街で“T-serv”のメッセンジャーを見かけると、きりりとしてカッコいいよ。
 というわけで、自転車のナンバープレートだ。
 実はこうした発想、以前からあって、ひとつには「自転車運転の自覚と責任を付加すること」、もうひとつには「自転車盗難の防止」あたりがメリットだといわれる。

 その自転車ナンバープレートを、東京都が導入しようと目論んでいるという。今月10日に条例案が都議会に提出されるらしい。朝日新聞によるとこうだ。
http://www.asahi.com/national/update/0904/TKY201209030691.html

 いやー、しかしまあ、なんだ。実効性はないだろうなと私ヒキタは思っている。
 まずは、この都の構想(有識者会議案)をつぶさに見てみよう。
 特徴的なことは、●あくまで東京都だけであること(条例なんだから当然だ) ●ナンバープレートは新車購入時(のみ)に交付されること ●一定の預け金(デポジット)があること ●ナンバープレートを付けなくても罰則がないこと だ。
 これ、結局、何を意味するかというと「意味がない」ということを意味している。
 なんとなれば、ナンバープレートを付けるのは、“東京都内で自転車を新規に購入した人”に限る、すなわち「ほんの一部の人しかナンバープレートを付けない」ということになってしまうからだ。
 ということは、普通に言って「盗難の防止」にまったく意味がない。だって、自転車泥棒は、盗んだ瞬間にプレートを外して捨ててしまえばいいんだもの。ほとんどの自転車はプレート付けてないんだから、外してしまっても何らの違和感もない。
 もちろん自転車というものは「取り外せない装着物(プレート)」を取り付けるのは事実上不可能。素人だってバラバラにできる。結局、何らの盗難防止手段にもなり得ない。
 同じ意味で「放置自転車対策」にもまるきり無効だ。ナンバーなんて付けないよ、で終わりだから。

■正直者に馬鹿を見させるな

「責任と義務」すなわち「マナーの向上」部分についても、大多数の付けてない自転車を考えるに、意味などまったくないだろう。デタラメ運転をする連中は相変わらず無記名デタラメ野郎のまま。付けてる人だけがちょっとのことでも指弾を受ける、という構図。おまけにデポジットだ。これ、付けた人ばかりが何だか損するなぁ、というだけだろう。
 社会システムを作る際に、最もやってはならないことは「正直者が損をする」という構図を作ることだ。
 ところが、今回のナンバープレート制は、最初から、その構図を内包している。
 今回の話、東京バス協会が強力に主導したというんだが、問題と対策のありようが完全に間違っている。バスの前に飛び出してくる自転車、信号無視の自転車は、間違いなく、プレートを付けない(付けようとしない)自転車だ。
 もっとよく考えていただきたい。対策は別にある。まず最初にパリのバス自転車共用レーンでも勉強してみるがいい。

■ただの税金無駄遣い

 委員会の資料によると、ナンバープレートを付けるべき場所は、車体の中の5箇所ほどが検討されているようだ。ママチャリもロードバイクも一緒くた、まあ自転車を知らない人々が、よってたかって作ってるな、という印象だが、ま、そんなのは枝葉末節に過ぎない。
 一番問題なのは、どうしたって実効性が見込めないのに、そこにまたぞろ税金をつぎ込み、無駄ばかりを助長しようということだろう。

 本来、自転車にナンバープレートを導入する、などというのは、国家として「交通システムを再構築する」というくらいの気合いがないとできないことなのだ。やるならやるで包括的にすべてやる。クルマのナンバープレートと同じなのである。
 それなのに“たかが”自転車だから、なのか何なのか、なんともテキトーなところでお茶を濁しながら、テキトーに市民を誤魔化しながら、拙速に導入しようとしているのが、今回の東京都だ。

 こういう自転車行政にまつわる“拙速提案”“意味ナシ政策”ってヤツは、このところホント数多い。自治体ごとにやってる「シアワセの○○自転車」なんてのがいい例だ。
 それでもまあスローガンだけ、目標だけ、なら、まだいい。「ポスター貼って、失敗しました、ハイ終わり」で、ダメージは少ない。
 ところが、今回のコレ、困ったことに中途半端に用意だけは要る。
 特に、デポジット制などの「お金の徴収に関わること」が導入されると、ここでまた役所モドキを作らなくてはならず、お役人モドキを雇わねばならず、その先には、またまた天下り先モドキが増えるだけのことになるのだ。
 で、絶対に失敗することだけは、最初から確約されている。
 さすがは東京都、都道309号線に自称「自転車道」とやらを作っただけあるよ。

※都道319号線の最低さはこちら
【gooスタイル「疋田智の自転車ツーキニストでいこう!」第44回】
http://www.goocycle.jp/column_hikita/

 どうせ税金を使うならば、ちゃんとした自転車レーンを都道に敷設するなり、駐輪場を整備するなり、ヘルメットやバックミラーに補助金を与えるなり、使い道はたくさんあるだろう。
 東京都は今、自転車に関しておバカ街道を驀進中に見える。
 今回のナンバープレート、率直に言って「まるでダメ」、ものすごく控えめに言っても「時期尚早」である。税金を無駄に使って、混乱を呼ぶばかりだ。

 私ヒキタは都議会には少しはものの分かった議員がいることと期待している。
 どうか、ご否決を。

■緊急募集!

 ひきつづき緊急募集であります。ジュニアスポーツ自転車です。これのことです。
http://tourkinist.jp/classic/sweetoldbikes/sweetbiketop.html
 ジュニアスポーツ自転車のなるたけ新品に近い、完動品を持っている方はいませんか? いや、そこまで言わない、サビサビでも誰か持ってませんか? または「どこどこにあるよ」でもいいです。NPO自活研と日経エコプロ展が必要としています。
 ひきつづき情報をお待ちしています。

■道路構造令が変わるかも

 じつは自転車に関する行政の動きについては、このところ重要トピックがもうひとつあります。
 道路構造令の話。
 この話は先の警視庁万世橋署のヘルメットと並んで、かなりポジティブです。また次号にて。

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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】

「とっさの方言」小路幸也・大崎善生ほか 著 ポプラ文庫

 静岡では上司が「おれっち」と言い、京都では「あしあらい」に誘われる。群馬のバーで「そろそろ言ってみます?」と言われたら……、北海道から沖縄まで、全国47都道府県の方言が大集合!人気作家64名が故郷への想いを込め、ユーモアたっぷりに綴る、かつてない方言エッセイ集。
 というのが、本書のキャッチフレーズ。

 ……すいません、その「人気作家64名」とやらの中に、不肖ヒキタ入っております。申し訳ない、宮崎県部分を書いております。汗顔至極です。
 ということで、よろしくお願いします。普通に読めば普通に面白いです。いや、大変面白いです。
 私は、近藤史恵さんの「いとはん」(大阪府)、柴門ふみさんの「えっとぶり」(徳島県)、芦原すなおさんの「さいあがる」(香川県)、吉田修一さんの「つまんない」(東京都)、万城目学さんの「っち」(静岡県)が好きだったっち。←(@∀@;)ナンノコト?
 ちなみに宮崎県は「みやがっちょっといかんとよ」です。すいません、県南部にしか通じません。

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【ヒキタ最新刊】
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「自転車はここを走る!」小林成基(NPO自活研)と共著 こやまけいこ:イラスト
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