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飯倉片町交差点で見た悲しい光景の(週刊 自転車ツーキニスト367)

発行日:9/22

 
 
 
 
 
 
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        飯倉片町交差点で見た悲しい光景の367号

■文房具には誰しも一家言

 ふーむ、前回の「赤ボールペン」には、意外や意外、大きな反響があった。「はじめまして」のメールがドッと寄せられた。ありがとうござんす。
 “HI-TEC-C”ファンの多さにはちょっと驚いたし、“SIGNO”ファンもすごく多い。いずれも私と似たり寄ったりの感想をお持ちで、誰もが「ボールペンの完成形を心待ちにしてる」という。つまり、裏を返せば「ボールペンいまだ完成形たらず」という意識がヒシヒシと伝わってくる。
 もうこれでいいだろう、というものが、このジャンルにはないからね。コダワればコダワるほど、筆記具って「このタッチが今ひとつ」「ココをこうして欲しい」というものが出てくるものだから。
 今回に関して言えば“SIGNO”はほぼ絶賛に近かった。
「しかもカラフルになりましたよ、パイロットに負けているのはもはや『べにふじ』『うすずみ』『べんがら』などの『和らぎカラー』だけでしょう」なんてご意見もあった。
 うひょ、私は逆に驚いたよ。ボールペンに「べんがら(茶色っぽい錆色)」なんて色があったんだ。さすがは“HI-TEC-C”というか、パイロット恐るべし。たぶんまさに今現在、三菱“SIGNO”追撃の次の手を着々と打っていることじゃろうて。

 しかし、皆さん、文房具にはほんとにコダワリがあるんだね。
 特にこのメルマガをお読みの方はコダワリが顕著なのかもしれん。
 大まかなところでいうならば、このメルマガの読者層は、30代から60代までの男性が中心だ。しかも自転車のような「シンプル・メカ」が好き。さらに言うと文系(的な人)よりも理系(的な人)の方が多い。一言でいうと「モノ」が好き。ソニーの盛田さんが生前仰ってた「日本を支えてきたモノ好き文化」のようなものが、いずれのメールにも漂ってる。
 一番身近で、愛すべきモノ「文房具」にコダワリが生じるのは当たり前なのだ。

■ところで、昨夜の飯倉片町

 ところで、昨夜、悲しい光景を見てしまった。
 9月21日、午後8時40分頃、飯倉片町の交差点(ロシア大使館近くの大交差点ですね)を、30台、いや40台もあろうかという自転車の集団が、赤信号を猛然と突っ切っていくのだ。ピストとロードが半々くらいだろうか。乗っているのは皆、若者だ。
 連休中とはいえ、クルマ通りだってある。タクシーや一般車両が、驚いてキキッと停まるのを尻目に、いずれも猛スピードで目の前を通過していく。
 いったいなんなのだ、この集団は。
 ことさらにイイ子ちゃん(いや説教オヤジ)なことを言いたくはないが、正直申し上げて、私は恥ずかしかった。これではタダの暴走族である。急停車したドライバーたちは皆、辟易したことだろう。辟易どころか、きっとスポーツバイクに対して嫌悪の情をつのらせたであろうことは想像に難くない。私など「ヘルメットを」とか「前照灯を」とか「左側通行を」とか言い続けるのが、本当にむなしい。それ以前の問題である。
 こんなのはドライバーの反感をかうだけだし、実際に危ないし、自転車の地位を徒におとしめるばかりだ。ほんの一部とはいえ自転車乗りがこの体たらくでは「やはり自転車は車道禁止」だとか「自転車にも免許を」なんてことを思われて当然である。 
 今ようやく芽生え始めたばかりの「自転車を都市交通に活かそう」という動き、それも「ママチャリ以外の自転車にこそ未来がある」という認識が、元の木阿弥になってしまう。
 曲がりなりにも「自転車ブーム」といわれる今、人は自転車のことを見ているのである。その前でこうした無法者が暴走する。
 我々にとって非常に困るのは、こうした「目立つ悪行自転車」は「昨今の自転車の代表」となってしまうことだ。「危ないわね」「ルールを守らないわね」「だから禁止よ」と。彼らだけじゃなく、スポーツバイク全般に関して、そういう認識が持たれてしまう。
 今回の彼らにとっては、おそらく自転車なんてたまたま見つけた玩具に過ぎないのだろう。禁止されたら、また別の玩具を見つける、と、それだけだ。
 しかし、それではこちらが困るのだ。自転車というモノは、日々通勤に使い、最上の趣味として人生をともにする道具。いわば人生のパートナーだ。なによりこの十数年、自転車乗りたちが懸命につないできた、車道の自転車に市民権をという流れ、それに伴う努力。それがこのような連中のおかげで台無しになってしまう。
 私は飯倉片町の交差点で、呆然と彼らを見送りながら、ほとほと絶望的な気持ちになってしまった。

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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】

「週刊ダイヤモンド 09/9/26号」ダイヤモンド社

 まさに今、駅売りで、書店で、発売されている今週号である。
 巻頭大特集が「『自転車』が熱い!ブームを読み解く大事典」で、73ページまで自転車自転車自転車……。自転車産業から、都市交通、ブームのありよう、ロードバイクの選び方、エコ、健康、ほか、題材は多岐にわたる。一般の雑誌、それも名の通った経済誌で、ここまで自転車(しかもスポーツバイク中心!)が扱われることなど、初めてのことではあるまいか。
 自転車乗りにとって、これは完全保存版であろう。
 60ページの記述をはじめ、細かい部分に「どうか?」と思う部分も確かにある。確かにあるが、これは一般つまり非自転車乗りの目から見たリアルである。我々はこのように見られており、経済界は自転車に関してこう考えているのだ。
 それを一歩引いた目で見るには、今号は最適である。趣味の世界というのは、ともすれば、自分だけの蛸壺に引きこもりがちになってしまう。そのベクトルを正すという意味でも、今号に目を通していて損はない。特に社会派の自転車乗りなら、必読といえよう。
 ただね。
 私も2ページばかりインタビューされてるんだけど、どうもこうした「高級誌」「高級紙」然としたメディアに載る際の私は、かならず「ノリの軽いテレビ屋が、なぜか昨今、自転車通勤してまーす♪」という扱いになっちゃうんだよね。実は先日の朝日のマニフェストの際にもそうだった。あの時はあまりの筆致にちょっとムッとしてしまって、全面的に自分自身で改稿してしまった。インタビュー記事なのに。
 で、今回は素のまま。というか、ゲラが出なかった(@_@;)。コレもコレでどうかと思いながら……、まあ、いいか。自称「自転車ツーキニスト」なんてヘンな肩書きを名乗ってるんだから、ある程度は仕方ない。

 ま、そういうのも含みつつ、今週のダイヤモンドは「買い」。これだけは間違いないぞ。

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【ヒキタ最新刊】
「自転車会議!」(片山右京・勝間和代・今中大介・谷垣禎一と共著)PHP研究所
「自転車の安全鉄則」朝日新書 大好評発売中!
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【自転車通勤で行こう】
http://japgun.infoseek.ne.jp
バックナンバーはこちら。
http://www.melma.com/mag/03/m00016703/
 
 
 
 
 

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