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坂登りとともに夏が終わっていた……の(週刊 自転車ツーキニスト364)

発行日:9/9

 
 
 
 
 
 
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       坂登りとともに夏が終わっていた……の364号

■全日本マウンテンサイクリングin乗鞍09(おくればせながら)

 乗鞍だ!
 ヒルクライムだ!
 延々と乗鞍岳の頂上を目指して20.5km。高低差およそ1300メートル。
 で、公式タイムが1時間49分44秒!
 
 とね。
 私としては何とか目標の1時間40分台をクリアしたわけでして、いやー、ギリギリだった。あと16秒ヘロヘロしていたら、50分台に転落してた。危ういところではあった(汗)。
 わはは、遅い? しかり。遅すぎる。私もそう思う。かなり恥ずかしい。
 しかしね、こういう「ダメじゃん記録」でも、私にとっては自分史上・最高タイムなのだ。まだまだ同カテゴリー(男子Eクラス)内で平均値にも達してないんだが、個人的には大満足である。

 自転車のいいところって、こういうところにもあるよね。
 私のようなヘタレ自転車乗りであっても、毎年ベストが更新できる。しかも現在の年齢が42歳。この齢になってたって毎年毎年タイムは縮まる。これこそ自転車というスポーツのいいところだ。あらゆるスポーツの中で、自転車だけは齢を重ねても無理なく続けられる。いや、それどころか、自転車マッスルは中高年になっても「鍛えることが可能」なのだ。一説によると60代になっても、70代になってさえも!

 確かに今年は手応えのようなものがあった。周囲を見つつも「ついていける!」という感覚があった。
 実はその要因がいくつかある。
 大会2週間前から節酒&禁酒したことと、体重をかなりしぼったこと、日々の通勤で、毎日「坂道チャレンジ!」をしていたこと、そして、事前に「ヒルクライマー」を読んだこと(後述)だ。こうした様々なアプローチが、今年はモノを言ったのかもしれない(このあたり詳しくは次号「BiCYCLE CLUB」誌にて)。
 うっし、来年は30分台を目指すぞ♪
 ってね、そこまで一足飛びに縮まるわけはないんだけど、もし30分台になることができたら、もう「ヘタレ・ヒルクライマー」ではなく「普通・ヒルクライマー」と称してもいいのではないか。……いいよね?

 それにしても、乗鞍の公式ウェブサイト上、私のタイムって公表されないのだ。男子Eクラス(41〜50歳)だったんですけど……。と、関係者に話を聞くと、私の場合は便宜上「招待選手」になるもんで、公表されないんだそうだ。確かにね、見れば、右京さんとかも出てないよ。
 ふーむ、私としては、ちょっと寂しい。でもま、こういう“ヘタレ記録”が公表されないというのは、都合のいいことではあるんだけどさ。

 ということで、ふと気づくと夏が終わってた。

 09年の夏はね。
 歴史的な政権交代選挙もあったし、のりピー騒動もあって、色々と本業が忙しかった。加えて家に帰れば、息子はまだ1歳。さらに、色々な自転車がらみの原稿・取材が重なった。
 通常の状態で、私には月に7つの〆切りがあるのだけど、この8月は数えてみると15程度の〆切りが重なってた。しかも「4000字サイズ」ばかり。ちょっと大変だった。

 でもね、坂を上りながら、息子をあやしながら、原稿を書きまくった09年夏。
 考えてみれば、シアワセな夏……、だったのかもしれない。

■それとは別に「デローザ」

 ところで、ウチの妹(アラフォー)が、知らんウチに“デローザ”を買っておった。
 フレームからサドル、ホイールまで、完全に赤と白でコーディネートした、日の丸カラー・国粋ロードバイク。民族主義者だったのか、妹。知らなかったよ。……ややや? これはいかん、日の丸の丸がハートマークになっておる。これでは民族主義者失格だ!(←バカ)
 それにしても、ジャイアントのクロスバイク「エスケープR3」(これは廉価版クロスの名車だ)を買ったと思ったのも束の間、もうロードバイクにチェンジなのだ。ふーむ、いつの間にやらそこまでハマッてたか。
 しかしね、彼女の有り様は、そのまま昨今の自転車ブームの有り様をよく表してる。クロスで自転車に馴染んだ人は、みーんなロードバイクに行くんだよね、ほんとに。

 ふーむ、デローザ、オシャレだなぁ。
 ここに画像を載せたいくらい。細部のデザインにコダワリがあふれてる。また、妹の体格に合わせてあるんで、ちょっと小さくて、そこもまたキュートだ。
 だがな、妹。いったいいくらしたんだ(@_@;)、これ。
 
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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】

「ヒルクライマー」高千穂遥著 小学館

 ついに! 満を持して発刊されたSFの巨匠・高千穂遥による“初の本格自転車小説”。
 わはは、正直言いまして、今回の乗鞍のモチベーションの1つになりました。マンガ「シャカリキ」でもそうだけど、コレを読んでいると「ヒルクライムは苦しそう!でも、すっごくやってみたい!」となっちゃうんだよね。
 本作の主人公は、若造の礼二と、オヤジの大作と、娘ッ子のあかりの三人。
 死んだ友人が残したLOOKを与えられた礼二が、次第に自転車に目覚め、ヒルクライムに魅せられていく……、というストーリー展開なんだけど、そこに父娘の相克、恋愛劇、克己(自分探しのようなもの?)、仲間、アスリートの世代交代、などが絡まり合い、感動のラストシーンに結びついていく。ちりばめられたエピソードが最終的に収斂する展開には、ある種のカタルシスすらある。「不覚にも“自転車本”で泣いてしまった」という自転車雑誌編集長がいたが、ムベなるかな、だ。
 実のことを言うと、感動マックスにするためには、本作の主人公は大作オヤジであってもよかったかなと、私は思ってる。
 しかし、本作はおそらく長いシリーズものの第一作なのだ。それゆえ主人公は若い礼二でなくてはならない。また、シリーズ化(たぶん)の証拠に、これから活躍するであろうバイプレーヤーたちが随所に登場し、魅力の片鱗を見せつつ去っていく。続編執筆は、きっと高千穂氏本人の中では既定路線なのだと思うぞ。そうあれかしと思う。是非続編を。私ヒキタは読みたい。
 高千穂氏本人に聞いたところ「自転車本は、今、確かに売れるんだけど、こと“自転車小説”についてはまだまだ海のものとも山のものとも状態だから、出版社がそこまで乗り気になってくれないんだよね」とのこと。本書に続編が出るかどうかは、まさにこの本の売り上げ次第だ。
 というわけで、本作ばかりは図書館で読んではいけない。是非、買って読むべし。特にレース前に読み返すべし。決して損はさせないから。

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【ヒキタ最新刊】
「自転車をめぐる誘惑」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「自転車の安全鉄則」朝日新書 大好評発売中!
【好評既刊本】
「今すぐ使えるクロスバイク図解マニュアル」大泉書店
「ロードバイクで歴史旅」木世(えい)出版社
「自転車をめぐる冒険」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「それでも自転車に乗り続ける7つの理由」朝日新聞出版
「自転車生活の愉しみ」朝日新聞出版
「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫
 いずれも好評発売中。ネット内でのご注文はこちらにどうぞ。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-url/index=books-jp&field-author=%E7%96%8B%E7%94%B0%20%E6%99%BA/249-6371737-5693951

【自転車通勤で行こう】
http://japgun.infoseek.ne.jp
バックナンバーはこちら。
http://www.melma.com/mag/03/m00016703/
 
 
 
 
 

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