自転車

疋田智の「週刊 自転車ツーキニスト」

環境、ダイエットに効果抜群。どなたにもオススメの「自転車通勤」ですが、そのノウハウやポリシーを色々な人にお伝えするメルマガです。
と、思ってたのですが、ただ単に私ヒキタからのバカメールが届きます。ご容赦。

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雨の日にFMラジオの(週刊 自転車ツーキニスト346)

2008/12/14

 
 
 
 
 
 
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┏━┫ 週刊 自転車ツーキニスト "Weekly Bicycle Tourkinist" ┣━┓
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          雨の日にFMラジオの346号

■冬、雨、FMラジオ

 日曜日の雨。
 朝から家にこもってなにやら原稿など書いているわけだ。
 雨の日は原稿がはかどる。雨で「外に出たい」という気持ちが失せる、ということも、もちろんあるんだけど、雨の日にこうして自宅でじっとしているのが、なんというのか「シェルター感」とでもいうか、ひとり部屋に「潜んでる」感じで、その潜んでること自体がたいへん心地いいのだ。なんだべ、この感覚。
 何だかコンクリートの壁と屋根に(雨露から)守られながら(雨の日はことさらにそれを意識してしまうわけだ)ひとり自室にこもって、パタパタとキーボードを打っていく作業というのが、それだけで快感なんだな。
 空調はちょっと寒い程度にセットだ。家の中で少しだけ厚着。ちょっとエコ。

 部屋の背後からFMラジオが聞こえてくる。
 と、このラジオの音がまた快感なのだなぁ。
 FMラジオ聴取の醍醐味は、楽曲の部分じゃなくて、実はスタジオ部分にあると思う。少なくとも私にとっては。
 ある程度以上のオーディオセットで、「モニター系」のスピーカー用いると、FMラジオはあたかも局のサブスタジオ(副調整室)にいるかのような臨場感をもたらしてくれる。モニター系のスピーカーとは、私の場合ヤマハの“NS1000-Monitor”であります。ワカル人にはタマラン機種でしょ。社会人1年生の時(20年前であります)に2年ローンで買ったのだ。実際、これがタマラン。快感なのだな。

 外を見ると、相変わらずそぼ降る雨。高層ビル群が白く霞んでる。雨音はほぼ聞こえない。しんとした部屋の中で、女性DJの声があたかもそこにいるかのように聞こえてくる。ちょっと濃いめに淹れたコーヒーを手に、そいつをぼんやり聴きつつ、雑誌原稿のゲラをなおしたりしてるわけだ。

 うーむ、なぜだか分からないけれど、ココロの奥底から「ぐふふふふふふ」というような声が漏れてくるぞ。
 まさに至福。……、と、この至福が分かる人は、私のココロの友であります。
 その方はその昔、きっと「BCL」なんてものに興味を抱いたのではあるまいか。鉱石ラジオを作った頃もあるのではないでしょうか。おそらく「受験勉強」なんてものも、そんなに嫌いじゃなかったはずだ。そして、自転車のパーツを愛でるのが好きなのではないかと思う。

「インドア派の自転車乗り」というのは、一見、言葉が矛盾しているようだけど、現実に存在する。何を隠そう私がそうだ。自転車に乗るのはもちろん好きだが、テントに寝るのはもっと好き、みたいなね。
 そういう感覚をふと思い出してしまう、日曜日の雨なのだ。

■2008エコプロダクツ展

 ところで、昨日の土曜日、日経のエコプロダクツ展に行ってきましてね。
 環境メインステージで、トークショーをやってきた。相方は、ボサノバ歌手の小泉ニロさん。持ち時間は45分だったんだけど、もう本当にあっという間だった。ニロさん、相変わらず可愛いね。歌も2曲あり。高音がのびやかで、耳に心地いい。

「エコプロダクツ展」とは、つまり、メーカーなど各社による「環境製品・環境システム・環境プロジェクト」の展示会、というものなんだけど、今年は800社に迫る参加団体があったそうだ。
 ほんと環境に関する関心は高いな、というか「唯一の成長分野」というくくりなのだろうか。
 その中でも、やはり自転車に関する関心は高くて、サンヨーのブースなどは、エネループ中心、それもエネループ・バイク(新型電動アシスト自転車)が主役だった。
 ニロさんと私のステージ前にも、そうだなぁ、いったい何人いたんだろうか、ホントに沢山の人が集まってくれたよ。しかも一人も席を立たない。ありがたい話だ。

 NPO法人・自転車活用推進研究会も「エコサイクルシティ・ブース」を出した。自転車行政についてのコアな人々がここに集まった。今年のエポックは、ここに、例の“画期的コミュニティバイク”である「ヴェリブ」のMCドゥコー社と、「スマートバイク」のクリアチャネル社が、呉越同舟で展示をしたことだ。
 はたしてこのヴェリブorスマートバイクに、日本の自転車の将来(の一部)があるのかどうか、それはまだ分からない。
 ただ、今回、両社の熱意だけは十分に感じたし、両社は両社なりに「日本におけるコミュニティバイク」のデメリットもきちんと理解しているとは思った。その一方で、パリやオスロでのマネジメントのプラス点マイナス点も、当事者なりに総括している。
 それが現実として日本社会にどう生きるか。もちろん私はこれからも注視していくつもりだが、いずれにせよ、コミュニティバイクというものが、従来型のくだらない「共有自転車」から、一歩も二歩も先に歩み始めたのは、間違いないところだ。

■安全鉄則

 おや? 例の「自転車の安全鉄則」について「政治」がちょっと興味を持ってくれたようですぞ。まだ今ひとつよく分からないもので、詳しくは後ほど。本決まりになってから、ね♪

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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】

「七つの自転車の旅」白鳥和也著 平凡社

 ぐおおおおお、久々に自転車本であります。本格ツーリング本。直球ど真ん中。
 自転車文士・白鳥和也氏の、国内ツーリング7コースの紀行エッセイなんだが、読み進むにつけ、私は何か特殊な感慨に襲われた。
 このワクワクする、かつ、懐かしい感覚、なんだろなんだろ、自分自身行ったことのあるコースが多いからかな(単純に平泉、十三湖、金木、角館、飯田、しまなみ海道、などと、驚くほど私のツーリング経験と重なってた)、でもちょっと違うな、なんだろな、などと思いつつ、やっと思い出した。あれだ。
 憶えておられるだろうか。かつて「サイクルスポーツ」誌に連載されていた「ぼくとわたしのサイクル日記」のことを。一種の読者投稿欄で、それぞれの投稿人が、自身のツーリング(最小1泊2日から1ヶ月程度まで各人各様)をレポートする、という名物企画だった。
 おそらく、私以上の世代でそれこそ冒頭のBCLがどうのとか言っていた人々は、かなりの確率で、憶えているのではあるまいか。当時の私は、そこでレポートされる大学生やヤングサラリーマン(もしくはそれ以上)のお兄さんたちのツーリングが、羨ましくて羨ましくて仕方がなかった。毎号毎号、ワクワクしながら、舐めるように読んだ。
 あの「サイクル日記」のクオリティを極限まで高め、ツーリングの哲学性を付加したのが本書だ。あの「サイクル日記」をプロが書くとこうなるのだ。
 となると、私がワクワクしないわけはないのである。懐かしくないわけはないのである。ところどころに白鳥氏独特の目が冴える。馬籠宿は街道ではなく街道劇場である、とか、しまなみ海道に、いつの間にか「何かを踏み間違えて、違う時空の層の中に入ってしまったかのよう」にSF世界を感じてしまったり、とね。
 それにしても、白鳥氏は、かたくなに伝統的ランドナースタイルを守るのである。本書で使われた自転車は、東叡社のオーダー・ツーリズモ(旅行用自転車)。所々にその懐かしい勇姿が写真となってあしらわれている。泥よけ付きのランドナーだ。
 だけど、ランドナーって、実は、けっこう輪行が面倒くさいんだよね。泥よけの収納がタマランし、それにともなって数々のワイヤーの処理がタマラン。私などはとうの昔に投げ出し、現在は折りたたみのMR-4か、ロードバイクしか使わない。しかし白鳥氏はランドナーなのだ。そこには絶対に白鳥氏一流の美学がある。このクラシックスタイルこそがツーリングなのだ、との思いがあるに違いない。
 実際に本書の表紙、緑に映える東叡ランドナーは実に美しいのである。

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最新刊「自転車の安全鉄則」(朝日新書)
   「いますぐ使えるクロスバイク図解マニュアル」(大泉書店)
*現在、全国各書店で大好評平積発売中です。よろしく♪

「疋田智のロードバイクで歴史旅」(枻出版社)
「自転車をめぐる冒険」(東京書籍・ドロンジョーヌ恩田と共著)
「それでも自転車に乗り続ける7つの理由」朝日新聞社
「自転車生活の愉しみ」朝日新聞社
「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」枻出版社
「疋田智の自転車生活スターティングブック」ロコモーションパブリッシング
「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫 いずれも好評発売中。ネット内でのご注文はこちらにどうぞ。
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【自転車通勤で行こう】
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創刊日:2000-09-15  
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