自転車

疋田智の「週刊 自転車ツーキニスト」

環境、ダイエットに効果抜群。どなたにもオススメの「自転車通勤」ですが、そのノウハウやポリシーを色々な人にお伝えするメルマガです。
と、思ってたのですが、ただ単に私ヒキタからのバカメールが届きます。ご容赦。

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自転車オススメ本スペシャル(1)の(週刊 自転車ツーキニスト335)

2008/07/12

 
 
 
 
 
 
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┏━┫ 週刊 自転車ツーキニスト "Weekly Bicycle Tourkinist" ┣━┓
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       自転車オススメ本スペシャル(1)の335号

■お久しぶりっ!

 お久しぶりっ! なんて、元気ぶって言うのもお恥ずかしい335号であります。
 いやまあ、このところ、いろいろいろいろいろと忙しいものでして(←毎回言うな)、どうもメルマガが滞ってしまう。あまりの忙しさにか、体重も減り、最近、学生時代とほぼ同等の65kg-66kgまでに落ちてる。見た目にもスリムになった。絹代さんレベルまであと一息だ(←アホ)。

 とか何とか言いながら、おかげさまで、新著もそれなりに好調でありまして、特に昨今、嬉しいメールを多数いただくのが『疋田智のロードバイクで歴史旅』(枻出版社)についてなのだ。「初めて読みましたが一気読みでした。前作の『自転車に限る』『天下を取り損ねた』も読んでみます」「知ってる場所が出てきて嬉しかったです。次は○○(地名)に行ってきます♪」なんてのが一番多い。ありがとうございます。
 本作『ロードバイクで歴史旅』は、本人が言うのも何ですが、なかなか気合いの入った作品でありましてね、寝る前にビールとか飲んで、自分で時々読み返してみて「ふーむ、面白い。ひょっとして俺は天才か?」なんて思ったりする。
 特に「地下帝国」やら「人魚」やら「悪鬼」やら「忍者」やらの「一見オカルトめいた話」の裏にリアルな歴史が隠れていたりするところがいいね(←だから自分で言うなって)。
 ただ、ホント自分で言うのも何なんだが、現地で自分で脳みそを振り絞って妄想をたくましくしていると、本文も面白くなる。これとは逆に、さらりと行きすぎていくだけだと、通り一遍になってしまってウマくない。これは何かというならば、私の場合、つまり自転車で走る距離と正比例しているのだと思うのだな。
 史跡を巡りつつ、サドルにまたがっている時間が長いと、その間に「どうしてあんなところにあんな史跡があるのかなー」「○○(たとえば人魚伝説)って何をあらわしているのかなー」なんてことを繰り返し繰り返し考える。すると、サドルの上で不意にいろいろなパズルのピースが繋がってくる、ということなのだ。
 ちなみに来月号の「BiCYCLE CLUB」の同連載では「網走監獄-知床岬」の旅を書いてます。
 自転車ツーリング大爆発で、なかなか面白い。はず。20日発売ですよってに、是非ご賞味を。ついでに言うなら、知床ツーリングは普通に自転車コースとして大オススメでありました。夏休みにいかがですか?

 さて、もう一冊の近著『自転車をめぐる冒険』(東京書籍)でありますが、こちらはこちらでドロン女史の健筆もあり、評判、売り上げ、ともに絶好調だ。ありがとうございます。
 こちらに関しては「続編決定!仮題『自転車をめぐる大冒険』!」でありまして(ということでいいよね、ヤマコー)、これから三者の編集会議に入るわけ。三者とはもちろん私とドロンと編集ヤマコーだ。
 前作は、ヒキタパートが「雑誌既出分収録」という部分が多くて(3分の2程度かな)、割合私が楽をしてしまったんだけど、次作は「完全書き下ろし」を目指す、というのがコンセプトだ。
 こうなると「私が投げて、ドロンが受ける」という一方通行キャッチボールを脱し、ホンモノの「キャッチボール・エッセイ」となるのではないかと思うのだな。本当に「大冒険」となり得る。(……のかな?)
 まあ乞うご期待というところ。『冒険』読んでらっしゃらない方は是非どうぞ。普通に言って、かなり面白いと思います。ドロンパートが特に。

 てなわけで、何だかんだで目の前にある単行本が合計3冊ある。
 ドロン女史との『大冒険』もそうだけど、秋に「クロスバイク入門」と「自転車の安全のための交通ルール」の本を出します。特に後者は、このところの必然から朝日新聞社から出る予定。おそらく10月か11月の発刊予定だ。
 もう私は色々な自治体などで行政マンに対して「自転車とは本来かくあるべきで……」とか言うのに疲れてしまって「この本を読んでください」という決定版を書かなくてはと思っていたのですよ。
 車道歩道の話も、左側通行の話も、道交法の話も、自転車行政のルールを全部まとめて新書一冊、という体裁にするつもり。交通行政マン必読!というヤツですね。これまたどうかご期待下さい。

■さて“自転車本”がすごいことになってるぞ!

 さて、そんなこんなで、実は今「自転車本の世界」がすごいことになってる。
 出てくる点数がすごいのだ。“空前の自転車ブーム”というのに続いて、書店の中も“空前の自転車本ブーム”ということになっているのかもしれぬ。
 なもので、ちょっとそのご紹介。
 今回だけで全部を紹介しきれないので、今号、次号と併せて「自転車本スペシャル号」といたしまする。

●「自転車で遠くへ行きたい。」米津一成著 河出書房新社

 まずは爽やか(?)モノから。
 本作は、タイトルから想像するような「日本一周・ランドナー系」の話ではない。
 著者の米津氏の本業は、ウェブサイト制作会社の社長さん、ということなんだけど、ツール・ド・おきなわの本島一周サイクリングに出場以来、ロングライドに開眼してしまった。
 で、ロングライドに開眼した人間の必然として(?)というべきか、米津氏はなぜか「ブルベ」方面に行ってしまう。で、そこで見事にはまってしまうのである。
 フランス発祥の例の極限ロングライド。一日300kmやら400kmやらを走るのは当たり前。事実、米津氏は100kmや200kmのツーリングなど当たり前すぎてアドレナリンが出ないのだという。400kmでようやく「今日はちょっと走ったかな」と。600kmになってはじめて「自転車ライドを堪能した」ということになる。
 こうなると普通の人から見ると、一種の「変態」である。
 ただ、この本のスゲーところは、普通にきくと変態にしか聞こえない所業が、段階的に、爽やかに、いかにも楽しそうに、「痩せた」とか「輪行」とか「軽量化」とかの魅力ある文言も入れつつ、分からないように少しずつハードルをあげつつ、魅力的に描かれるところで、読み終わると「俺もブルベに出たい」「300km程度には挑戦したい」と思わされてしまうところだ。
 舞台は、沖縄、あるいは糸魚川に至る日本アルプスなどなど(美しいところばかりだなぁ。こういうあたりにも米津氏の罠が張り巡らされている(笑))。
「GWに九州から北海道まで走ってきた」とか、距離感が壊れた人がいっぱい出てきて「4桁kmにならないと遠いという気にならないんだよ」なんてのたまったりする。人によっては北海道の200kmのブルベに出場するために、東京から自走で往復する人までいるという。いったいどんなご職業の人なのやら……。
 筆致はあくまで読みやすく、どこか文体が懐かしい。
 往年の自転車少年たちは必ず「遠くへ行きたい」心をくすぐられることであろう。

●「まちがいだらけの自転車えらび」 エンゾ・早川著 双葉社

 うひょー、数多ある自転車本の中で今年最高の「問題作」といえばコレじゃろうて。
 ご存じエンゾ氏が「大人の事情」やら「商売上の理由」なんぞを全部吹っ飛ばし、エンゾ節全開で日本の自転車業界にもの申した力作がこれだ。
 カーボンなんかダメだ、軽い自転車の方が遅い、コンフォートが自転車乗りをダメにする、ジャイアントなど論外だ、私の中ではシマノはすでに終わってる、そもそも完成車でロードバイクを買うヤツは阿呆だ、ネットをやるとバカになる、などなど。私などが読むと「うひょー」な話だらけで、ページをめくるたびにぶっ飛んでしまう。
 だがね、本書の上っ面だけを見て「問題作だ」なんてのは皮相的に過ぎる。
 本書は「万能の天才」(……。)エンゾ氏の自転車哲学を読むべき本であって、ここに書いてあるのはあくまで「エンゾ流の」自転車論なのだ。そして、そのエンゾ流には、きちんと首尾一貫する何かが存在する。それを好むかどうかは読者次第だ。
 私はエンゾ氏が本書で書いている内容について、全面賛成とは到底いかないけれど、こういう本があってもいいと思うし、それを書くエンゾ氏が嫌いではない。
 エンゾ氏の筆致のいいところは、きちんと含羞があることだろう。
 万能の天才で、500年に一度の傑物、などと自分で書きながら、その自分をどこかで見ているもう一人のエンゾ氏がきちんといる。所々に恥じらいがある(じゃないと「ヤスリで削っちゃえー」なんて書かないよ)。よくよく読むと、ジャイアントにだって、シマーノにだって、コルナーゴにだって「あえて苦言」なのだ(本人に聞けば、きっと「いや本気だ」と答えるとは思うけど)。
 だからして、コレを読んだ読者諸氏、怒ってはいけない。メーカー各社も怒ってはいけない。エンゾ節を堪能しながら、ふーん、そういうバイクライフもあるよな、耳を傾けるべき部分もあるよな、それはそれで面白いよな、と感じるのが本書の読み方なのだ。
 それにしても、ちょっと意外だったのは、革命家・エンゾ氏が「ノーブレーキピストはダメだ!」ときちんと書いていることだ。こういうところ、案外まともな人なのである。エンゾという人は。

■ということで、続きはまた次号

 まだまだあるのだ。
●大人気の自転車マンガ続編「じてんしゃ日記2008」高千穂遥・一本木蛮著
●叙情派自転車小説集「丘の上の小さな街で」白鳥和也著
 など、つづきはまた次号にて♪

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最新刊「疋田智のロードバイクで歴史旅」(木世(えい)出版社)
   「自転車をめぐる冒険」(東京書籍・ドロンジョーヌ恩田と共著)
*現在、全国各書店で大好評平積発売中です。よろしく♪

「それでも自転車に乗り続ける7つの理由」朝日新聞社
「自転車生活の愉しみ」朝日新聞社
「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
「疋田智の自転車生活スターティングブック」ロコモーションパブリッシング
「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫
「大人の自転車ライフ」光文社知恵の森文庫
「自転車ツーキニストの憂鬱」ロコモーション・パブリッシング
 いずれも好評発売中。ネット内でのご注文はこちらにどうぞ。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-url/index=books-jp&field-author=%E7%96%8B%E7%94%B0%20%E6%99%BA/249-6371737-5693951

【自転車通勤で行こう】
http://japgun.infoseek.ne.jp
バックナンバーはこちら。
http://www.melma.com/mag/03/m00016703/
 
 
 
 
  
 



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  • shibuzou2008/07/13

    私は、エンゾ氏の「まちがい...」は氏の美学を人々に開陳したものと理解しました。美はそもそもからして主観に属するものであり、善や真と違い万人が共有可能なものではありません。私もシマーノのコンポーネントが付いたジャイアントの完成車に乗っていますが、読書後、別に腹は立ちませんでした。違いの分かる人には、ハンドルバーの太さも気に触るものかと、馬鹿の壁の向こうを見た気分です。