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疋田智の「週刊 自転車ツーキニスト」

環境、ダイエットに効果抜群。どなたにもオススメの「自転車通勤」ですが、そのノウハウやポリシーを色々な人にお伝えするメルマガです。
と、思ってたのですが、ただ単に私ヒキタからのバカメールが届きます。ご容赦。

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朝のワイドショーにとほほ……の(週刊 自転車ツーキニスト321)

2008/01/10

 
 
 
 
 
 
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┏━┫ 週刊 自転車ツーキニスト "Weekly Bicycle Tourkinist" ┣━┓
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        朝のワイドショーにとほほ……の321号

■日比谷通りの逆走自転車

 引っ越ぉし! 引っ越ぉし! さっさと引っ越ぉし! しばくぞっ♪

 ……、というのは、騒音オバさんの“テーマソング”なんだが(篠山不謹慎)、まあ、そんなこんなで引っ越しまして(前号参照)、現在は日比谷通りをメインに、日々の自転車ツーキニズムとなってるワケだ。
 ところがだなぁ。
 多いんだよね、このストリート。逆走自転車が……。
 従来通っていた葛西橋通りに較べても、目立って多い。ちょっとアキレたよ。
 私は例によって「自転車は車道を逆に走ってはいけませーん!このボケナスさーん!」などと、あくまで丁寧に(笑)「逆走自転車・罵倒作戦」を続けているのだが、なんだか、最近もう、むなしくてね。
 逆走ボケナスさんに対して「いい加減にしていただきたい」と思うのも山々なんだが、本当にもう昨今むなしいのは、「百日の説法、屁一つ」というのか「ごまめの歯ぎしり」というのか、この間、とある朝のワイドショーを見てしまったからだ。
 このメルマガでは書くまいと思っていたが、すまんが、書く。日比谷通りの惨状に、毎朝、はらほろひれはれと脱力しつつ、腹を立ててることもあって。
 メインの司会者が、こともあろうに「自転車は危険なので『クルマの逆向き』に走りましょう」なのだよ。
 1,000万人視聴者を前にして、なんと「車道の右側通行」をご推奨されているのだ。
 何のことかというなら、フジテレビ系・朝の情報番組「めざましテレビ」(先月20日放送)の大塚範一キャスターの話なんだが(すまんが名指しさせていただく、理由は後述)、あまりの無知にアタマにきたので、即日、番組に抗議の電話をかけてみた。テレビに対して「抗議電話」なんて、私の41年の人生の中で初めてのことだ。
 すると当然ながら番組スタッフが出た。「あれは大塚氏の個人的な感想だから……」とのこと。
 よろしい。さもありなん、である。
 ならば、話は大塚氏オンリーの責任ということで、申し訳ないが、それを前提とさせていただく。

■フジテレビに恨みはないが……

 別にね、フジテレビに対してライバル意識があるとか、恨みがあるとか、そういうこっちゃない。それどころか、テレビ屋ヒキタとしては、フジテレビには、もう脱帽、脱毛、尊敬、敬服しかないよ。特にドラマ&バラエティ。これは本気の話として言っている。
 ただし、この大塚という人は、以前にも「前科」があるのだ。
 かつて「交通バラエティ・日本の歩きかた」という、大変、低レベルなバラエティ番組があったのをご存じだろうか。って、いやまあ、今となっては憶えてらっしゃる方も少ないとは思う。すごく視聴率も低かったしね。
 ただ、私がはっきりと憶えているのは、「交通バラエティ」を名乗っているにも関わらず、この番組の道交法に関する無知、自転車の取り扱いが、すさまじいモノだったことだ。
 たとえば、出演者の一人は、自転車のヘルメットのことを指して「あれ、なんですねん、エイリアンみたいで、気色悪るぅー(ヘルメットのワイプ画像あり)」なんて嘲笑ってた。
 ついでに言うなら、このコメディアン氏は、同番組内で次のような発言もしている。
「自転車が平気で車道走っとるねん、邪魔やろ? 邪魔やから、クラクション鳴らしたったら、顔真っ赤にして、怒って追いかけてくるねん(爆笑)」
 いやはや「道交法違反」を指摘するのもばかばかしく、噴飯モノとしか言いようがないんだけど、まあコメディアンの言うことにいちいち怒っていても仕方ない。
 ただ、その横で、何の注釈も訂正もなく、頷きながら大口開けて笑っていた司会者が、この大塚という人だった。
「NHK出身の良識派」の、おツモリならば、これはどう考えたってまずいだろう。
 特にヘルメットに関して言うなら、自転車事故の死亡者の6割以上は、頭部損傷が死因となっているのである。それを防ぐためのヘルメットを、揶揄し、笑いものにするという感覚は、私には到底、理解できない。
 こうした番組のせいで「ヘルメットをかぶるのは恥ずかしい」と思う人は出るのだ。特に子どもの社会においてそれは著しい。
 そのようなことを、この「良識派キャスター」氏は、どうお考えなのだろうか。

■今回の番組の低劣部分

 まあいい。「交通バラエティ」なんて過去の話だ。では、大塚氏がそれ以降「学んだ」かというと……。
 その結果が、今回の「めざましテレビ」(先月20日放送分)だったといえるだろう。
 同番組の当該部分は、世田谷の社会実験(車道に自転車レーンを作るという初の試み)を扱った特集だったのだが、いやまあ、すごい番組内容だった。
 低劣な部分は大まかに言って3つある。

 一つ目は、冒頭あげたとおり「自転車は右側を走りましょう」として、それがほぼ番組の結論となっている点(それがどんなに危険なことか!)。
 二つ目は、中国(北京)政府当局が、自転車とオートバイを一緒くたにして「独立二輪車レーン」を走らせている、という交通政策の例をあげ、「日本も学ぶべきです」としている点(アホな、中国の自転車乗車中の死亡“率”を知らないのだろうか!)。
 三つ目は、「今年6月から、自転車は(危険な車道ではなく)歩道を走れるようになります。ご安心ください」と女子アナに言わせるなど、法改正の趣旨をまったく理解していない点。

 要するに、徹頭徹尾「デタラメ」なのである。
 こうした番組が全国ネットで出てしまう絶望。
 正直申し上げて、私だって「ひとさまに言えた立場か」「天に唾吐く行為」というのは、よく分かってる。フジであろうが、TBSであろうが、残念なことに情報番組のクオリティにさしたる差などない。それどころかむしろ……、いや、ここではやめておこう。
 しかし、そういったことを承知の上で、敢えて言うのだが、この内容で、訂正もしない、補足説明もしない、というのでは、番組の姿勢としては、完全にアウトだろう。

 このことについては、明日(11日付)の毎日新聞夕刊に少々、さらには来月号の「バイシクルナビ」誌と「バイシクルクラブ」誌に詳細に論じたんで、ご興味のある向きは、読んでみていただきたい。言うまでもなく、デタラメの1点目から3点目まで、完全な間違いである。特に「対面(右側)通行」「中国の交通システム」については、まさに国辱ものの過誤であろう。

 繰り返しになるが、番組スタッフに聞いたところ「あれは、大塚氏の個人的感想」であるという。
 訂正放送、補足説明放送、には、一切、応じてくれなかった。
 よろしい。
 ならば、「個人的な感想とやらだけで、知りもしない事柄について、まったく見当違いのコメントをし、視聴者の生命を危険にさらして恥じない男。それが大塚キャスターである」ということでよろしいな。
 まあ、よろしいもなにも「自転車ヘルメットを揶揄し、笑いものにし、根拠もなく自転車政策は中国に学ぶべきだとし、これまた根拠レスに、自転車はクルマと逆の方向に走るのが安全だと主張する男」それが大塚キャスターである、というのは、「単なる事実」だ。
 また、これは余計なことかもしれないが、伝え聞くところによると、画面上の穏やかな表情とは裏腹に、この人のスタッフに対する、傲慢・尊大な態度は、驚くほどだという。邪推するなら、そういう態度が「あれはキャスターの個人的感想」という、一種、突き放したようなスタッフの台詞にあらわれているのかもしれない。

 ……、それにしてもなぁ。
「自転車は対面通行(つまり右側通行のこと)の方が安全です」か。とほほほ、何も知らずに、よく言えるよなぁ。して、その根拠は「個人的な感想」か(失笑)。

 私ヒキタの「個人的な感想」で言わせていただくが、この人にキャスターたる資格はないと思う。
 
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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】

「英傑の日本史 –源平騒乱編」井沢元彦著 角川書店

 夕刊フジ連載の「再発掘人物日本史」を集めたもの。
 平家唯一の生き残り、平頼盛など「あまり知られていない人の再発掘」などもあって、確かに楽しめるんだけど、どうしたって、井沢氏の他著、特に「逆説の日本史」との重なりが気になってしまうのも確かなことだ。
 だが、時代の背景など、言わなくてはならないことは言わないと、話の構図が分からないし、それを分からせようとすればするほど、多著との重なりが顕著となってくる。ましてや井沢氏の著作の場合、時代をとらえるコンセプトが、ことさらにはっきりしている故に、重なりがますます気になってしまうのも仕方のないところ。
 歴史物の常とはいえ、井沢氏も難しいところにやってきたものだと思う。

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【自転車通勤で行こう】
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