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5分でわかるデジタル家電のABC

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創刊日:2007-02-04  
最終発行日:2017-03-25  
発行周期:隔週刊  
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5分でわかるデジタル家電のABC Vol.190

2017/03/25

5分でわかるデジタル家電のABC Vol.190
【使える周波数・・・5Gの謎2】
発行:2017.03.25 11:00
配信数:まぐまぐ:939部 melma!:467部
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【目次】
1.報道
2.周波数
3.通信速度
4.5Gの周波数
5.まとめ
6.次回予告
7.編集後記
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【重要なお知らせ】

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【このメールマガジンの登場人物】

X君:
大学生。法律の勉強をしているらしい。
2週間に1回ぐらいの割合で、【私】の家に遊びに来る。
忙しい時は、遊びに来なくなるので注意。

私:
電機メーカで、デジタル家電の研究開発に従事している。
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【1.報道】

X君
「前回は【5G】の話でしたね。
この前、経済ニュースで【5G】のことを報道していました」


「【5G】は【第五世代】の携帯電話通信システムのことだよね」

X君
「はい。そういう話を聞いていたので、
ニュースでやっていても、内容が理解できました」


「今、2017年になったけれど、
宣伝で耳にする【LTE】は、いわゆる第四世代だよね」

X君
「そして、現在進行形で研究されているのが
【5G】ということですね」


「うん。まずは、その理解で良いと思う。
だが、【5G】は、未だに規格も決まらず、不透明な点も多い。
しかし、今後、必ず話題になるから、要チェックのキーワードだ」

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【2.周波数】


「まず、【5G】でよく言われるのは、
高い周波数の無線を使うことだ」

X君
「高い周波数ですか・・・?」


「無線の場合、通信速度を上げるには、
帯域を広げるのが手っ取り早い。

しかし、 【プラチナバンド】などと呼ばれる周波数は、
携帯電話以外の用途もあって、
なかなか広い周波数を確保できない。

そのため、比較的余裕がある
ミリ波(30GHz以上)も含めて、使おうとしている」

X君
「余裕があるものを使うのに、何か問題でも?」


「今まで余裕があったのには、理由があるのだ。
その理由は、無線のデバイス(トランジスタなど)が
30GHz以上で、所望の特性が得られなかったこと。

それから、電磁波の性質として、より直線に進むため、
建物などの障害物で、通信が妨害されることなどがある」

X君
「そうだったのですね」


「余談だが、電波の周波数利用については、
総務省のサイトに細かく、情報が乗せられている。
どの周波数が、何に使われているか」

X君
「なるほど」

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【3.通信速度】


「念のため補足しておくと、【5G】では、通信速度を上げるために
ミリ波だけを使うように誤解があるかもしれないけれど、
既存の、800MHz、1.5GHz、2GHz、そして3.5GHzも
組み合わせて使われる予定だ。
ミリ波のみの利用だと、既存の技術では、
広範囲をカバーするのが困難だからね」

X君
「【プラチナバンド】は、遠くまで届くのでしたよね」


「建物などの障害物があっても、
裏側に回り込む性質があるから
障害物の影響を受けにくいという特性があるよ。

だから、比較的広めに、基地局のセル半径を確保できる」

X君
「そうなんですか」


「しかし、都会では、ユーザー数が多いから、
セル半径を広くするよりも、小さいセルを多数用意した方が、
結果として、通信速度を上げることができる。

それが【スモールセル】とか呼ばれているものだ」

X君
「なるほど」


「だから、ユーザー数の多いエリアでは、ミリ波も含めた
高い周波数で、広い帯域を確保する。
しかし、セル半径は小さくする。

そして、広い範囲をカバーする場合は、
【プラチナバンド】などの周波数を使って、
広めのセル半径を確保する(いわゆるマクロセル)。

という棲み分けになりそうだね」

X君
「【5G】も、いろいろと大変そうですね・・・」

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【4.5Gの周波数】

X君にも言いましたが、通信速度を上げるには、
無線周波数の広い帯域の確保が、まずは考えられます。

高速道路に例えると、1車線の道路よりも、
4車線、あるいは5車線・・・と車線が増える方が、
多くの輸送量を確保できるようなものです。

でも、【プラチナバンド】などの、有利な周波数は、
空きが、ほとんどないため、
新しく携帯電話向けに帯域を確保するのが難しい状況です。

そこで、比較的、広帯域を確保しやすい
【ミリ波】(30GHz以上)などの
高い周波数「も」利用しようとしています。

ただ、現在の技術では、これほど高い周波数で、
効率よく通信することが困難です。

今後、新規部品、新規技術の開発が進んで行くでしょうが、
水面下で、技術開発が進められている状況です。

おそらく、
広いセル半径の基地局は、既存の周波数を利用。
狭いセル半径の基地局は、高い周波数を利用。

ということになるでしょう。

いずれにしても、まだ色々なことが決まっていない。
それが、【5G】の現状です。

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【5.まとめ】

1)無線の周波数帯域を広く取ると、
通信速度を上げることが容易になる。

しかし、携帯電話の既存の周波数では、
既に利用されている周波数が多く、広帯域の確保が難しい。

2)比較的、広帯域を確保しやすい【ミリ波】(30GHz以上)などの
高い周波数も利用しようとしている。

3)【5G】では、既存の周波数と、高い周波数を組み合わせて、
通信速度を上げる方法が取られる可能性が高い。

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【6.今後の予定】
その後は、こんな感じでいきたいと思います。(予定は未定です)

光通信、無線LAN、携帯電話端末端末(赤外線通信)
国際通話サービス、ビデオ、CD、DVD・・・
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【7.編集後記】

東芝が、大変なことになっている。
昨年は、シャープが大変なことになっていた。

電機業界は、苦しい、苦しい日々が続いている。
技術が進歩しても、進歩しても、苦しさから逃れられない。

何のために働いているのか?
そういう思いが、脳裏を過る。

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最新のコメント

  • 名無しさん2011-06-20 16:22:02

    もう少し詳細に解説があればなお良いのですが。

  • 名無しさん2010-08-30 09:10:04

    素人にもわかります。

    今の問題、先の展開など広い分野でのお話を期待します。

  • そーき2009-09-20 01:56:26

    私事ですがただいまバックナンバーを読みきりました。時々読み返して復習します。それからリクエストです!携帯電話の一環でぜひPHSも取り上げてください。それから今HDDの代わりに注目されているSSDも。これなどフラッシュメモリと関連があるのでしょうね。

  • そーき2009-09-14 21:46:16

    私の部屋のテレビもワイドが出た当初の14年選手です。数年前から時々画面が上下や左右に押しつぶされます。きっと中で電子ビームがうまくコントロールされていないんだな、と思っています。

  • 名無しさん2009-09-14 19:32:10

    ブータンから無事おかえりなさい。配信が待ち遠しかったですが、私も8月後半は"日本は大きく変わ"ったことに関わっていたので、まだバックナンバーも5号までしか読んでいません。ところで SHIZA さんはNHK教育の「ITホワイトボックス」はご覧になっていますか?少し前にフラッシュメモリの説明があって、電子を保つ様子が図で表されて分かりやすかったです。ビジュアルは有利ですね。