小説

FT恋愛群像劇【1日5分!空き時間に読む小説】

『敵も味方もどこにいて、何をしてるか判らない』だけどその状況は幸せだと彼は言った…。



地殻変動により変貌してしまった日本を支配する、中王の圧政に立ち向かうべく、暗躍する者達の思惑が交差する。



圧制下で暗躍する小国の王子とその護衛部隊の成長を描くFT恋愛群像劇。



仕事の合間に!勉強のお供に!他人の世界に触れてみよう!がテーマの軽く読める連載小説。

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switch【1日5分!空き時間に読む小説】vol.129

2009/05/01

━ 1日5分!空き時間に読む小説 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━

      スイッチ(モラトリアムを選ぶと言うこと)
      【 ジャンル:ファンタジー系恋愛小説 】
          http://shosetsu.uijin.com/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━vol.129 2009年5月1日
発行者:作倉エリナ

☆☆───────────────────────────────☆☆
  今号は「続・序章 第7話 続・選ぶと言うこと 05/12」です。
☆☆───────────────────────────────☆☆

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 まえがき
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 いつもありがとうございます。
 
 月1と言いながら、すでにひと月過ぎ去ってる作倉さんです。
 もう少し、精進します。
 
                            作倉エリナ

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賢く、かっこよく、優雅に生きるために☆
http://coolmoney.nengu.jp/



続・序章 第7話 続・選ぶと言うこと 05/12


 実の息子に喧嘩をふっかけた男の顔は、怒ってるようには見えなかった。ただ
、この人はホントのところ、何を考えてるのかよく判らない。

「職務を遂行してるだけです。最後まで責任をとるのが、主のやり方ですから」

 わざと?わざとなのか?この人にあえてそのキーワードを出すか?ミハマと犬
猿の仲だというのに。

「最後まで、ねえ。拾ったからか?ホントのところ、どうなんだ?この子の話は
どこまでホントなんだ?お前が拾ったと聞いたけど、彼とどこで会ったんだ?」
「N町のカフェで。いつの間にか横に」
「なんだその答えは」
「そう言われても、そうとしか言いようがない……です。座ってたら急に横にい
ましたから」

 えっと……まあ、事実ですから仕方ないですよね。
 そして、当然オレに矛先は向きますよね。

 全員の視線が、オレに注がれる。

「君は?どうしてたんだ?テツの隣に座るまで」
「いえ、その……あんまり覚えてないって言うか……。同じ顔のオレの友人の横
に、座ってただけです。そしたら、でっかい剣を持った人と入れ替わってたって
言うか。何度か地震があったのは覚えてるんですけど」
「だろうね。君の話が本当なら、地震なんかしょっちゅうあっただろう。その、
そっくりの別人がいるって言う話が似すぎていて、どうも引っかかるんだ。君の
話が本当だって言う証明はあるのか?」

 ちらっとティアスを確認してから、携帯をとりだした。多分、新島とかの写真
は見せない方が良いのかな。ニイジマのこと誤解されるから。でもそうすると、
イズミのこと知らなさそうなサカキ元帥の手前、泉の写真も話が変な方向に行き
そうだし。
 ああ、もうめんどくさい。空気とか読めるわけもないし!!!でも彼女の手前、
読んどかんとまずいだろう、自分。

「それ、貸して」

 空気読むとか以前の問題。サワダ父は当たり前のように手を差し出した。何だ
ろう、この人。実はものすっごくマイペースなんじゃないか?
 しかも口が裂けても本人たちには言えないけど、ミハマに似てないか?
 彼はオレからほぼ無理矢理携帯を奪うと、ちょっと戸惑いながらも目当てのファ
イルを見つけたようだ。

「なんで、オワリの奴が中央で作ってる携帯を持ってるんだ?」

 サワダを連れたまま、サワダ父の後ろから画面をのぞき込むサカキ元帥。親子
共々めんどくさそうな顔をしていた。

「似てるけど、違うだろう。よく見ろ。こんな耐久性が低そうな機種、作るのか、
お前らは。インターフェイスも似てるけど、微妙に違う」
「いんたーふぇいす?」
「……もう良い、黙ってろ。オレが悪かったから。多分、このあたりの写真のこ
とだろ?彼らが言ってるのは」
「確かに、妙な写真だな。正規軍で見たことある顔もちらほら写ってるな。これ
なんか、お嬢ちゃんとこのニイジマとか言う奴じゃないか?」

 大丈夫か?なんか余計なこと言われないか?
 思わずティアスを見るが、彼女は落ち着いていた。オレの方は見てくれなかっ
たけど。

「それくらいの年の頃、ニイジマ少尉は士官学校に入ってたから、トウホクの方
にいたはずよ。そこからオワリに行くなんて、不可能なのよね。私もその写真の
中に何人か正規軍で見た顔がいたから調べてみたけど、年齢も出身もばらばらの
人たちが、同じ画面に同じ年で写ってるのはおかしいのよ。合成の線も考えたけ
ど、私の写真もあったし」

 調べたんだ。なんかちょっとだけショックだ。

「たしかにな。イズミ中佐が写ってるのも不思議だし。テツと同じくらいに見え
るな、この写真の彼は。イズミ中佐が写ってるだけなら、アイハラ君が彼と交流
があったから、という線も考えられるが」

 イズミが写ってることを、シュウジさんたちも不思議がってたな。何なんだ、
あいつは。

「しかし、君はろくなものを撮ってないな。何だ、このチラシの画像とか」
「勝手に人の携帯を見といて、文句つけないでください。地図とか写メっといた
方が忘れなくて良いじゃないですか」

 こういうとこ、ホントに親子だ。サワダも嫌そうな顔をしてるけど、お前も結
構同じこと言ってるぞ!!!

「ああ、おもしろいもの出てきた。確かにこれは変だ」

 そう言って、サワダ父はサカキ元帥にではなく、サワダに携帯を見せた。

「ライブのチラシのようだな。お前と、彼女が写ってる」
「オレが、ピアノ?」
「羨ましい話だな」

 それだけ言うと、彼は携帯をミズキさんに渡した。

「オレが?」

 サワダの疑問は、当然オレにも向けられた。はっきり言って答えたくありませ
んけど。

「私と一緒に写ってるって言ってた。そんな写真あったっけ?」

 チラシの地図の部分を写したやつだったから、見逃してたんじゃないか?ティ
アスの口からその話題が出なくて、ちょっとほっとしてたのに。やっぱり気にな
るんだ。

「違う人だよ。二人とも。オレの友達の話だから」
「……その、お前のお友達ってのは、一体何してんだ?」

 そういう聞き方するか?サワダを捕まえたままの元帥も、ちょっとだけ苦笑い
してた。自分にそっくりだから、気持ち悪いんだろうけど。

「詳しくは知らないよ。呼ばれて見に行ったりはしてたけど。……受験で忙しかっ
たからあまりしてなかったみたいだし。沢田が後ろでピアノを弾いて、ティアス
が歌って。割とハードな感じのピアノ・ロックだった」
「二人で?」
「うん。バンドのほかのメンバーは入れ替えてるって言ってたし。でも、沢田は
『巻き込まれた』って言い方してた」

 そうだよ。別に気にすることじゃない。あいつらが傍目から見て、どう考えて
も付き合ってるように見えたとしても、本人達は違うと言い張ってたわけだし。

「オレの知ってる沢田は、ここにいる男とは違う。ティアスも。」

 自分に言い聞かせるように。

「そうだな」

 そう言ったサワダが、少しだけ目を伏せた。残念ながら、オレは彼の「痛々し
さ」を無視できるほど、彼を嫌いではなかった。本当に残念だ。
 だから、何もフォローできない自分の歯がゆさが、それこそが不愉快だ。

「テッキ、携帯渡されても!規格が違うから、データの吸出しはできないよ」
「何で?なんかあるだろう。コピーも取れないのか?つーか、データ自体の検証
もできないのか?」
「あんた簡単にそういうこと言うけど、どうしようもないときはどうしようもな
いのよ、もう」

 オレのケータイだっつーの。勝手に何しようとしてんだよ!!
 ……と言ってやりたかったが、残念ながら囚われの身。縛られてるし。
 こりゃしばらく帰ってこないな、ケータイ……。ミズキさんからケータイを受
け取ったサワダ父が、シュウジさんが見てたときと同じ目つきで眺めてるし。こ
の人ももしや、壊すタイプの人だろうか。

「私も聞きたいな。私や中佐に似てるその人たちは、どんな風だったの?」
「……どうって聞かれても。別に、普通だよ」

 普通て言葉、超便利。どうって聞かれたって、何をどういえばいいかわかんな
いしね。

「しかし、正規軍の死神と呼ばれる女と、オワリの雄将殿が、二人でライブとは。
ずいぶん平和な話だな。だとしたら、あのオトナシには酷なことをしてるのかも
な」

 サカキ元帥が、サワダの後ろでため息をついた。中王であるオトナシハルカの
ことを、彼らは心配しているように見えた。

「もしやとは思うけど、君は『オトナシハルカ』って名前に覚えは無い?この子達
みたいに、知り合いにいたりとか」

 そういえば……オトナシハルカ?この名前、聞いたことあるぞ?

「……聞いたことある。知り合いじゃなけど、オレのいた時代のジャズピアニス
トだよ。CDも持ってる。ゆーめいじん」

 といっても、泉やティアスから薦められたから知ってるんだけど。

「……CD?それ、何か顔がわかるものはある?」

 CDって無いのかな、この時代には。サワダ父はインターフェイスがどうのとか
言ってたくせに、妙な感じだ。

「いや、今は持ってないですけど。さすがに」
「だけど、顔は知ってる。そういうこと?有名人って、どういうこと?」

 ミズキさんがこの話題に食いついてきた時点で、余計なことを言ってしまった
ことを後悔した。なんか、心配そうだったから、言ってみただけだったんだけど。

「CDって判ります?」
「判らないよ」
「えっと……ミュージシャンです。彼は音楽で生計立ててたんですよ。たまにテ
レビにも出てたらしいし、CDは要は音楽のデータが入ってるんですけど、それが
お店に行けばどこでも買えたし」

 オレはこの世界に来てからテレビを見させて貰えてないのでどんな感じか判ら
ないけれど、ミズキさんたちはそれで納得してくれた。

「君の知ってるオトナシは、何かあの子と関係があった?」
「いや、オレは直接関わったことはないから、よくは知らないですけど。でも、
オレの知ってる時代のティアスは、もともと彼と仕事をする可能性があったって
言ってましたよ」

 そういったら、彼らは妙に納得した顔をしておきながら、黙ってしまった。


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 次号は・・・
  スイッチ(モラトリアムを選ぶと言うこと)続・序章 第七話(全七話)
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      vol.130は2009年5月発行です。お楽しみに!

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 現在このお話と対になる学園ものシリーズを携帯でお送りしています。
 そちらもぜひご覧ください。
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 最初から読みたい方はこちらから
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 あとがき

 …4月発行といって、ぎりぎり5月です。本当にもうorz
 道理で暑いはずです。いやいや、もう頑張るしかないですけど。
 つ、次は何とか5月中にお送りします。

 それでは、次号もよろしくお願いします。

                            作倉エリナ

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-九頭龍神社参拝- 今はやりのパワースポットとは?
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