小説

FT恋愛群像劇【1日5分!空き時間に読む小説】

『敵も味方もどこにいて、何をしてるか判らない』だけどその状況は幸せだと彼は言った…。



地殻変動により変貌してしまった日本を支配する、中王の圧政に立ち向かうべく、暗躍する者達の思惑が交差する。



圧制下で暗躍する小国の王子とその護衛部隊の成長を描くFT恋愛群像劇。



仕事の合間に!勉強のお供に!他人の世界に触れてみよう!がテーマの軽く読める連載小説。

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switch【1日5分!空き時間に読む小説】vol.127

2009/02/25

━ 1日5分!空き時間に読む小説 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━

      スイッチ(モラトリアムを選ぶと言うこと)
      【 ジャンル:ファンタジー系恋愛小説 】
          http://shosetsu.uijin.com/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━vol.127 2009年2月25日
発行者:作倉エリナ

☆☆───────────────────────────────☆☆
  今号は「続・序章 第7話 続・選ぶと言うこと 03/12」です。
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 まえがき
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 いつもありがとうございます。
 
 あれじゃね? 月一更新って言えばいいんじゃね??
 とか、もう訳のわからないことを思い始めてる作倉さんです。

 もう、本当に、なんと言って謝っていいか。申し訳ない。
 
                            作倉エリナ

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賢く、かっこよく、優雅に生きるために☆
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続・序章 第7話 続・選ぶと言うこと 03/12

 距離にして3m。だけど、オレたちから彼女たちはすごく遠かった。

 この人が言ってる、「君と同じことを言ってる奴」っていうのは、おそらく
中王。
 「会わせてあげるよ」ったって、それは無茶ってもんだろう。相手は中王だ
ぞ、この国の支配者だぞ。いくら昔なじみだからって……。
 いや、オレが心配することじゃない。要は、そういうことなんだ。彼はまだ、
全然、中王含むあの支配者の仲間たちとそれくらいのつながりは持ってるって
いう、明確な証拠だ。

「何それ、本気で言ってんの?」
「オレは、君のような女と違って、嘘はつかないよ」

 彼女の頬を、ナイフで再び撫でた。不敵な笑みってやつがこんなにに会う人
をオレは初めて見た。同じ顔してても、たぶんサワダには似合わない。こうい
う表情は。

「……いいから、親父、そのナイフを……」
「ちゃんと父上、と呼びなさい。人前なのだから。この女が誰なのか、おまえ
は判っててそれを言ってるのか?」
「親父こそ……その女が何者なのか、判ってるのに……」

 一瞬、彼女が彼の方に振り向いた。ナイフの存在を忘れていたのか、頬を掠
める。

「危ないな。君は状況が判ってるのか?」

 淡々と彼女にそう告げるサワダ父の言葉に、彼女は再び彼にむき直す。

「サワダさん、あなたはやはり……」

 カリン姫が動いた。それを制したのは、サワダ父ではなく、サワダだった。
彼女の前に腕を出し、それ以上前に出ないようににらみつけていた。

「テツ……!!お前な!何考えてる!何でだ?!あの女は!!」
「いいから、おとなしくしてろ」
「誑かされたか!」
「誰が?みっともない嫉妬で当たり散らしてんなよ。あいつがそうだからって、
オレも、ってか?単純だな」

 オレは、カリン姫とサワダのやりとりなんかどうでもよかった。ティアスが、
サワダとサワダ父を交互に見ながら、気にしてる様子の方が、よっぽど気がか
りだった。

「アイハラ君。時間がないんだよ。仕方ないからこの女も一緒に連れて行って
あげるから、さっさと行こうか。穏便に言ってるうちに」

 全然穏便じゃないけどね。ティアスにナイフ向けて、笑ってない目で笑顔を
オレに向けるその様子は、人が悪いどころの騒ぎじゃない。

「……アイハラ。仕方ないから、ゆっくりいけ。親父は、たぶん本気でやるか
ら」

 ティアスの頬を掠めるナイフ。かすかに流れる血の痕。それに、相手がいく
らサワダの父親とはいえ、自分の後見とはいえ、あの彼女が全く反抗しない。
怪我をしてるのもかまわず魔物に立ち向かうような女がおとなしくしてる。
 それって、何か理由があるか、抵抗できないかどっちかってことだよな。隙
を突いたとはいえ、サワダ父は彼女からあっさりナイフを奪い取ってたわけだ
し。
 いやだ。怖すぎる。でも、彼女をいつまでもこんな状況にしておく訳にもい
かないし。
 オレは黙ってうなずき、サワダの言うとおり、ゆっくりと彼らに近づく。
 でも、中王のところに行くって言ったって、どうやってだ?もしかして、ヘ
リが宮殿に来たのって……。

 廊下の窓が突然開き、強風が吹き込んだ。外には予想通りヘリがいた。
 いつの間にか、黒い人影がサワダ父の後ろに立っていた。

「どの子?テッキ」

 黒ずくめの上、顔を覆面で隠していたが、どうやら女性のようだ。彼女に促
され、サワダ父は思わず立ち止まっていたオレをあごで指した。

「そう」

 黒ずくめの女がオレに近づこうと、サワダ父のそばを離れた瞬間だった。同
じく覆面をした長身の男が、ティアスとサワダ父の間に割って入った。男はテ
ィアスを突き飛ばし、サワダ父に持っていた鉈のようなものを突きつけた。

「……イズ……」

 歓喜の声を上げようとしたオレを、横を駆けていったサワダが制した。そし
て彼はそのまま、突き飛ばされ、よろめいていたティアスの元へ駆けつけ、彼
女を支える。

「中佐……」

 妙にしおらしい彼女の様子に、サワダは少しだけ照れたような表情を見せ、
彼女から距離をとった。

「ちょっと、どういうことよ」

 黒ずくめの女性は(恐らく、サワダ父と同年くらいの女性らしい声だった)
怒鳴りながらオレに近づくが、彼の様子を見て止まった。

「あー……悪い。やられたみたい」

 頭を抱えるサワダ父に覆面の……つーか、中身は確実にイズミなんだけど…
…男が鉈を向ける。サワダ父がティアスにしていたように。

「気づかなかったの?そんな若造に?つーか、息子にやられてんじゃないわよ」
「悪い悪い。皺増えるぞ。とりあえず、いいからその子は連れてけ。オトナシ
に会わせたい」
「なら、さっさと何とかしなさいよ。じゃないと……」

 もう一人、いる!
 彼女もそうだったけど、もう一人黒ずくめの覆面男は、いつの間にかイズミ
の横に立って、彼の鉈を持つ手をつかんでいた。

「ちっ」

 イズミはそれを振り払おうとしてるのか、少しだけもがくが、動けない。そ
の隙に、サワダ父が、イズミの手を逃れようと動く。
 その様子を見て、黒ずくめの女性がオレに再び向かってきた。

「ユウト、逃げなさい!」

 ティアスがオレに向かってきてるのが見えたが、視界に黒ずくめの女も入っ
ていた。早いよ!!!
 やばい、捕まる!!

 ガキイイン

 ヘリの音に紛れて、刃がぶつかり合ったような、金属音が響いた。オレのす
ぐ目の前で。

「……なんだってこんな子供……」

 カリン姫だった。オレの前に立って、黒ずくめの女性に向かって剣を向けて
いた。どうやら、とっさに剣を向けられ、彼女も剣を抜いたようだ。

「あらあら、カントウの姫君」

 恐らく、覆面の中で彼女は笑ったのだろう。
 彼女はまるで後ろ髪を払うように、カリン姫をなぎ払った。こんなにうるさ
いのにはっきり聞こえるほど、壁にひどくぶつかった音がした。
 どうしよう、どうしたら。イズミは、あのイズミが、黒ずくめの男に捕まっ
たまま、まるで蛇ににらまれた蛙のように動けなくなってるし。カリン姫は壁
にぶつかったショックでなんかぐったりしてるし。
 オレをかばったせいであんな目に。

「アイハラ、こっちだ」

 その声に振り向くと、サワダがオレの右手をつかみ引っ張り、廊下を走る。
一瞬、ティアスが視界に入ったけど、あまりにめまぐるしくて、風の音が強す
ぎて、オレには状況が全く判らない。もしかして、他にもいるんじゃないのか?

「テッキ、あんたの息子」
「そんなこと、気にするのか?」

 サワダ父の声がどこからかする。あの女の声も。
 目の前にいた。彼女はいつの間にか先回りをして、俺の手を引くサワダの目
の前で、剣を振り下ろした。

「サワダ!!」
「中佐!!!」

 ティアスの悲痛な声が響く。彼女の声に、オレは自身の叫びを思わず飲み込
んでしまった
 しかし、女の剣はサワダに向かって振り下ろされることはなく、

目の前で止まった。サワダはそれを目を見開いて凝視していた。まるで時間が
止まったようだった。
 女の足が、オレの右手をつかんでいたサワダの右手を蹴りつけた。この女、
黒ずくめの服の分を少なめに見積もっても、かなり細いのに、何つー力だ!

「お前らがくると、結局力ずくになる。いいから、さっさと行こう」

 形成は、完全に逆転していた。イズミの手を逃れたサワダ父は、いつの間に
かティアスに刃物を向けていた。イズミが手に持っていたはずの鉈を。じゃあ、
イズミは?
 ヘリの待つ窓の前を見たけれど、彼はいなかった黒ずくめの男だけ。
 ……いや、彼は横たわっていた。男の足下で。

「残念。あの子が大事なのは、見てたら判るよ。いいからおとなしくしてなさ
い」

 女はまるで、母親のような台詞をサワダにかけてから、彼をオレから引き離
し、オレを引っ張ってヘリへ向かった。
 先にティアスとサワダ父が乗り込んだ。

 途中、ひれ伏せらていたイズミが、震えているのが見えた。
 離れた場所で悲しくオレたちを見つめていたサワダの姿も。


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 次号は・・・
  スイッチ(モラトリアムを選ぶと言うこと)続・序章 第七話(全七話)
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      vol.128は2009年3月2日発行です。お楽しみに!

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 現在このお話と対になる学園ものシリーズを携帯でお送りしています。
 そちらもぜひご覧ください。
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 最初から読みたい方はこちらから
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 あとがき

 orz orz orz

 もう、礼拝並みに、頭下げるしかないですが、連載は続けていきます。
 遅筆で本当に申し訳ありませんが、見捨てずに、なにとぞ、なにとぞ。

 それでは、次号もよろしくお願いします。

                            作倉エリナ

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-九頭龍神社参拝- 今はやりのパワースポットとは?
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