小説

FT恋愛群像劇【1日5分!空き時間に読む小説】

『敵も味方もどこにいて、何をしてるか判らない』だけどその状況は幸せだと彼は言った…。



地殻変動により変貌してしまった日本を支配する、中王の圧政に立ち向かうべく、暗躍する者達の思惑が交差する。



圧制下で暗躍する小国の王子とその護衛部隊の成長を描くFT恋愛群像劇。



仕事の合間に!勉強のお供に!他人の世界に触れてみよう!がテーマの軽く読める連載小説。

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switch【1日5分!空き時間に読む小説】vol.125

2009/01/12

━ 1日5分!空き時間に読む小説 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━

      スイッチ(モラトリアムを選ぶと言うこと)
      【 ジャンル:ファンタジー系恋愛小説 】
          http://shosetsu.uijin.com/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━vol.125 2009年1月12日
発行者:作倉エリナ

☆☆───────────────────────────────☆☆
  今号は「続・序章 第7話 続・選ぶと言うこと 01/12」です。
☆☆───────────────────────────────☆☆

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 まえがき
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 いつもありがとうございます。いきなり新年の抱負的なものを破った
 作倉さんです。本当に申し訳ないです……。

 スイッチは今号から続・序章(というか、序章)の最終話になります。
 最終の第7話が全12回、プラスエピローグの構成です。

 序章なのに、先は長いですが、お付き合いいただければ幸いです。
 
                            作倉エリナ

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賢く、かっこよく、優雅に生きるために☆
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続・序章 第7話 続・選ぶと言うこと 01/12


 まるで、夢遊病のようだった。耐えられなくて、深夜2時を回ったのを確認し
て、コートを羽織って廊下に出る。向かうのは、中庭。

『まさか。するわけがない』

 その台詞を、どうしてもオレは信用できなかった。こないだの夜、二人は一緒
に中庭にいたじゃないか。それを隠すくせに、二人でこそこそしてるくせに、そ
んなこと信用できるわけがない。
 夜も、もしかしたら何かあったかもしれない。けれど、怖くてオレは部屋から
出られなかった。

『馬鹿だな。あの女はずるいよ?信用したら、負けだ。利用される』

 そういわれても、お互い様、としか思えなかった。
 うすうす気づいてはいるさ、そんなこと。だけど、どうだっていいじゃないか。

 中庭に続く通用門には、いつものように警備員が立っていたが、バッチを見せ
れば問題なく通してくれる。オレは挨拶もせず、警備員の横を通り抜け、中庭を
走る。道を間違えないよう、この間と同じルートを通って、広場へ向かった。さ
すがに、魔物は怖い。

「よく会うな」

 最悪だ。何でよりにもよって、サワダなんだ。ティアスがこの間座っていたベ
ンチに、彼は一人腰掛け、タバコを吸っていた。
 ……いや、彼女といたわけじゃないかもしれない。この間のように、サトウさ
んと一緒にいたのかもしれないし。

「奇遇だな」
「そうだな」

 夕方、屋上で会ったときも思ったけど……、こいつ、なんかおかしくないか?
やっぱり。薄暗くて判らないけど、やっぱり顔色が悪い気がするし。いや、こっ
ちのサワダはこんなもんなのかもしれないけど、よく知ってるわけじゃないけど、
だけど。
 なんだかよくわからなくなってきた。似すぎてて、オレの知ってる沢田と間
違ってしまいそうになる。混同しないようにしてるけど。

「夜、いつもここにいるのか?」

 何を話していいかわからなくて、どうしていいかもわからなくて、広場のベン
チに座る彼と2mくらい距離をとったまま、オレは立ち尽くしていた。

「そういうわけじゃないけど」
「そんなんで寝てんのか?お前」
「寝てるよ」
「だって、朝から仕事してんじゃんよ、お前ら」
「そうだな」

 ……会話つづかねえし!!!
 やっぱ変だ、絶対おかしい。だって、こっちのサワダと初めて会ったときや、
昼間会話してる分にはほとんど違和感を感じなかったのに。

 そうだ。サワダには違和感を感じなかったんだ。
 だから初めて会ったとき、普通に沢田だと思ってた。顔が似てるから、だけ
じゃない。

「なあ……やっぱり」

 お前、変じゃないか?
 そう言おうとした時、薄闇の広場が、サーチライトで照らされる。沢田の顔色
はわからなかったけれど、目が虚ろだったのが気になった。
 サーチライトの正体は、ヘリだった。近くはない。結構上空にいて、音もかす
かに聞こえる程度だった。だけど、何のために?
 ヘリは、城の周りを回っているようだった。ぐるぐると旋回を続け、立ち去る
気配がない。

「なんだ、あれ?」

 ヘリを指を指そうとしたら、サワダに止められた。

「定期巡回だよ。中王の」
「トウキョウからきてんのか?」
「まさか。オワリ国内だよ。N町に基地がある」
「……そんな」
「おとなしくしてたら、何もしないさ。名目上は、ニホン国内に蔓延る魔物を監
視する……だからな。オワリにだけ、あるわけじゃない」

 だけど、おかしいだろ。こんなの。

「N町に基地って……。もしかして、お前がN町にいたのって?」
「違う違う。まあ、それも半分目的だけど。学校に行ってるんだよ」
「学校?軍人なのに?あんな剣担いで?」
「週2だけどな。音楽学校に行ってる」
「いつのまに?!てか、なんで黙ってんだよ」

 音楽学校!!なんか、そういう話聞くと、ますます沢田っぽい!まあ、あいつはま
だ受験するかどうかで悩んでたから、こっちのサワダのほうがすごい気がするけ
ど。ピアノもうまいし。

「いつの間にって言われても……。普通に通ってたぞ。大体、何でわざわざ言わ
ないといけないんだ」
「でも、東京行ったりしてたし」
「業務に支障のない範囲で行ってるよ。……ていうか、まあ、特例みたいなもん
だけどな。軍人増やすために、ずいぶん優遇された制度が整ってるし。時間の制
限と、業務最優先て言う原則はあるけど、士官学校以外の学校に通うこともでき
るんだ」

 軍人を増やすため。
 その言葉に、オレはサワダの掘っていた墓を思い出す。

「軍に入らないで、学校だけ行くこともできたんじゃないのか?だって、王族だか
らって、別に軍に入る必要は……ないと思う」
「まあ、そういうやつもいると思うけど」

 ヘリはまだ、上空を回ってた。サーチライトが時々、オレとサワダを照らす。
 オレだけじゃなく、サワダも不愉快そうな顔でヘリを眺めていた。

「軍に入ってた方が、いいことも悪いこともある。学校だけ行ってても同じだ。
オレは両方行く道をとった。それだけだ」

 彼はそれが、誰のためなのか、何のためなのかは言わなかった。

「……おかしいな」
「なにが?」
「見ろ」

 サーチライトがオレ達を照らさなくなっていた。そして彼は、城の屋上を指差
す。

「とまってるな。なんかしてんの?あれがおかしいってこと?」
「おかしいだろ。定期巡回するだけだ。城に止まるなんて聞いてない」

 サワダはあたりを見渡したあと、オレに部屋に戻るように告げた。だけど、オ
レはそれを拒否し、その場から動かなかった。

「戻れ」
「何で。サワダのそばのほうが安全じゃね??」

 いやそうな顔で彼はオレを見ていたが、これは本音なのだから仕方がない。実
際、サワダには助けられてきたし。それ以上に、オレの知らないところで何かあ
るのが嫌なのだけれど。

「アロー。こちらスペード。ダイヤどうぞ?」

 あきらめたのか、納得したのか、サワダはもうオレには何も言わず、マイクつ
きの小型ヘッドフォンのようなものを取り出し、右耳に当てて話し始めた。

「なんかスパイみたいだな」
「黙ってろ、うるさい。こちらの話。どうぞ」

 オレに突っ込みながら、無線機に向かって話を続けた。

「そう。鳥が屋上に。……了解」」

 ヘッドフォンをちゃんと装着しなおし、勝手口に向かって彼は歩き出した。オ
レはそれについていった。

「誰?今の。何で携帯使わないんだよ?」
「時と場合による。相手はシンだよ」
「なんでコードネーム?」
「電波傍受されてたら困るだろ?」

 あ、そうか。つーかそれって、携帯はフェイクってことか?普段はそっちを使っ
ておいて、緊急時は無線。近いからって言うのもあるだろうけど。上に中王軍が
いるから、余計に。
 勝手口が見えてきたので、サワダから「黙ってろ」と釘を刺されてしまった。
でも、イズミのことを思えば、サワダは口が悪いけど、なんだかんだ言ってちゃ
んと答えてくれる。

「サワダ中佐。今、屋上に……」

 勝手口に立っていた警備の男は、サワダに向かって敬礼をした。彼もまた、屋
上に止まったヘリが気になるのか、不安そうな顔だった。

「ああ。君は持ち場を離れるな。外にいるもの以外は、あれを見てないはずだか
ら、口外も無用。追って指示が出るはずだ」

 彼よりもずいぶん年上の警備兵は、緊張した面持ちでオレたちを見送った。


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 次号は・・・
  スイッチ(モラトリアムを選ぶと言うこと)続・序章 第七話(全七話)
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      vol.126は2009年1月22日発行です。お楽しみに!

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 現在このお話と対になる学園ものシリーズを携帯でお送りしています。
 そちらもぜひご覧ください。
 http://mini.mag2.com/pc/m/M0056277.html
 最初から読みたい方はこちらから
 http://backno.mini.mag2.com/r/servlet/MBack?id=M0056277
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 あとがき

 今年は http://wfragment.blog56.fc2.com/ の更新もきっちりやっていき
たいと思います。近況報告ができればよいなあと。

 それでは、今後ともよろしくお願いします。

                            作倉エリナ

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-九頭龍神社参拝- 今はやりのパワースポットとは?
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