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今週、いちばん癒せる映画!

毎週金曜日発行。「今週、いちばん癒せる映画」を選んで紹介します。発行者はいくつかの雑誌で映画評や自己啓発の記事を執筆しています。

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今週、いちばん癒せる映画! vol.56 『幻影師アイゼンハイム』(5月24日公開)

2008/05/23



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 このメルマガは、今週公開される映画の中から,
「この映画は癒される!」という視点に絞って1本を紹介するマガジンです。


 前回、「不定期配信になってしまい申し訳なく思っているが、少しずつ続けたい」と書いたら、配信が好調になってしまいました…。(笑)
 最近「癒し」について、また、思うところが増えてきたせいもあります。
 個人的体験によるものですが、映画評論家のお仕事は、この「個人的体験」を、映画の上にのせて、いかに映画の見方を一般の人にとって面白くするか、ということにあるのです。

 さて、5月24日公開の映画として紹介するのは、ヨーロッパの古都で繰り広げられるサスペンス、謎の多いイリュージョニストをエドワード・ノートンが演じる、『幻影師アイゼンハイム』です。

 あと、今日発売の「週刊金曜日」で、ジュリー・デルピーへの興奮気味の(笑)インタビューをのせてますので、ぜひお手にとって見てくださいね。

 話戻って『幻影師アイゼンハイム』は、身分違いの恋人(主人公は職人出身の幻影師、幼き日に心を交わした恋人は、再会したとき公爵令嬢で政略結婚の道具になっていた)
を殺された男が、お得意のイリュージョンを使って、恋人を殺した冷血な皇太子をあっと驚く方法で打ち負かす、痛快な復讐劇になっています。

 そう、今回のテーマは、「痛快な復讐」ということです。


 「復讐」って、していいことですか? しちゃいけない気がします。
 でも、だったら、どうして復讐を見ると気持ちがいいんでしょう? 
 それは「癒し」なのでしょうか。それとも、単なる暴力の連鎖のステップ1にすぎないのでしょうか?

 私は手元に『20 Master Plots and how to  build them』 という、ハリウッドの脚本の書き方のネタ本をもってるんですが(こういうのが書店にさらりと売っているLAはすごいですね、ちなみにNYではなかったです)、それによると、復讐のことを、フランシス・ベーコンは「粗野な、正義」と呼んだとか。つまり、法の支配を超えて、復讐者の感情が満たされる状態のことですね。

 
 この映画のことも「【痛快な】復讐劇」と書いてしまいましたが、この【痛快な】は、自分でもっていてもよい感情のような気がします。もしも持ってはいけないような醜いものなら、自分でわかると思うのです。


 数日前、ちょうど、このテーマにぴったりくる本を読みました。ルイーズ・L・ヘイの『ライフ・ヒーリング』という本です。

「いやし」「ゆるし」をテーマにした本では、たいてい、「復讐はだめ」「根に持っていてはだめ」という論調ですが、この本は、「毎日やるのはおすすめしない」としながらも、「ゆるしのまえの一つのステップ」として、一種の復讐のやりかたを紹介しています。それも、かなり具体的に。


「椅子に腰かけて気を鎮め、目を閉じましょう。あなたがとても許しがたいと思っている人について思い浮かべてください。その人に対して何をしてやりたいですか。あなたに許しを請うには何をしていなければなりませんか。その人があなたの思う通りに償っていると想像してください。鮮明に思い描いてください。その人にどのくらい苦しんだり罪を償ってもらいたいですか」

 そしてそのあと、

「充実感を覚えた時にこの実践をやめましょう。これ以上行うのはやめましょう。たいていこの時点で気持ちが軽くなり、気持ちよく人を許せるようになっています」

 と続きます。

 映画の中の復讐劇というのは、このイメージの代行作業なのでしょうね。
 そして、映画やエンタテインメント関係者で、子供が映画やゲームのまねをして犯罪を起こした後に暴力シーンを擁護する人がときどきいますが、できのよいエンタテインメントというのは、決して見る人にまねなんかさせないものなのです。作品の中だけで、見る人たちの復讐欲を完結させなければいけません。


 そして、エドワード・ノートンが、影があり、しかも、知的で清潔感あふれる幻影師をやっているキャスティングもス・テ・キです。さらに、撮影地、プラハの絶景もすばらしいです。


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創刊日:2006-12-01  
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