映画

今週、いちばん癒せる映画!

毎週金曜日発行。「今週、いちばん癒せる映画」を選んで紹介します。発行者はいくつかの雑誌で映画評や自己啓発の記事を執筆しています。

全て表示する >

今週、いちばん癒せる映画! vol.46 『アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生』(2月16日公開)

2008/02/16

 メルマガご購読、ありがとうございます。
 このメルマガは、今週公開される映画の中から,
「この映画は癒される!」という視点に絞って1本を紹介するマガジンです。


 1月25日にアメリカから帰国しましたが、発行が遅くなってしまってごめんなさい。
「もうこんなだめだめな映画評論家で、読者数減っているのでは?」とおそるおそる
サイトを確認したら、減ってるどころかなんと増えてました。
 これで「がんばろう!」ってエネルギーが一気に倍増しました。
 これからもどうぞよろしくお願いいたします。


 今週おすすめの映画は、
 今週公開の『アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生』です。
 今週は、『エリザベス・ゴールデン・エイジ』『ファストフード・ネーション』
もおすすめです。

 
 さて『アニー〜』ですが、いくつかの雑誌やウェブをチェックしていて、
彼女のことを、みな同じように書いていたので、笑ってしまいました。
 実は、私も社会新報に同じように書いちゃったんです。
「アニー・リーボヴィッツという名前を知らなくても、この作品に出てくる
写真には必ず見覚えがあるのではないだろうか」

 妊娠中のデミ・ムーアのヌード
 白いミルクの風呂の中で手足を伸ばすウーピー・ゴールドバーグ
 バラの花びらの中に横たわるベット・ミトラー
 白鳥の首を自分の首にからませたレオナルド・ディカプリオ


 そして、それらの名作さえ黙らせてしまう迫力をもつ、「服を着たオノ・ヨーコに
しがみつく、裸のジョン・レノン」


 私がアニーの作品で最近一番強烈な印象を残してるのは、
ルイ・ヴィトンの広告で、ニューヨークのホテルの一室でスプーニングしてる
シュテフィ・グラフとアンドレ・アガシなんですが
(そのときは、彼女の作品だと知らなかったのですが^^;)
でも、それもレノンのあの姿の前にはかなわないかなあ。


 そして、あの写真を撮られた数時間後、ジョン・レノンは凶弾に撃たれて
命を落としたのでした。心も身体も裸のジョン・レノンをフィルムに収めただけで
なく、歴史的に貴重な一枚となったわけです。


 こういう作品が撮れる人って「運がいい」と感じますよね。実力だってもちろん
あるけど、運がその人に味方しているような。その運のよさには嫉妬したりして。

 実力と運を兼ね備えたその姿に、あっぱれな気持ちよさを感じつつ、
「彼女がぬきんでいる部分はなんだろう?」と観察してみると。



 それは、彼女が撮影を終えた後、「ブラボー!」と叫ぶ瞬間なんですね。

 
 撮影中のアニーは、けっこうわがままなおばさん、という感じがします。
撮影費がんがん使うし、ほかの人の意見聞き入れるタイプに見えないし、
編集者だったらびびりそう(ああ、編集者時代を思い出すなあ)。

 
 でもね、そんな彼女が、最高の瞬間をとらえて「ブラボー!」と叫ぶ、
その瞬間、彼女は世界のすべてを肯定してるんだなあ、そんなことを
思わず考えてしまうのです。
 

 禅のたとえ話で、
虎に追われて谷底に落ちていくときに、崖にはえていたイチゴをふと
見つけて口にいれた僧侶の話があるの、ご存知ですか。
 彼は虎に追われる恐怖や谷底に落ちている恐怖に目を向けず、
イチゴに目を向けた、そのとき彼に悟りと幸福が訪れた。
 アニーの叫ぶ「ブラボー!」にはそのイチゴの香りがします。


 世界をとどろかす作品がとれなくても、へっぽこの作家でも、
あの「ブラボー!」だけはまねしたいな、と、思わされました。
 成功したいからじゃなくて、幸せになりたいから。


規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2006-12-01  
最終発行日:  
発行周期:週刊  
Score!: 100 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。