演劇

週刊マガジン・ワンダーランド

小劇場演劇やダンス、パフォーマンスを取り上げるレビュー&ニュースマガジンです。このマガジン版とwebサイト「ワンダーランド」で現代日本の舞台芸術の流れを伝えます。

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週刊マガジン・ワンダーランド 第175号

2010/01/27

【目次】
◇elePHANTMoon「ブロークン・セッション」
 絶望の中の爽快感
 因幡屋きよ子

◇3人で語る「2010年2月はコレがお薦め!」

◇テレビで見る演劇(〜2月末)

□web wonderland から===================== http://www.wonderlands.jp/ 

◇王子小劇場の2009年佐藤佐吉賞決まる(ニュース&報告)
◇韓国演劇見学記
 充実した環境、日本を圧倒
 鈴木アツト
◇燐光群「ハシムラ東郷」
 ここはどこ? あの人はだれ?
 都留由子
◇燐光群「ハシムラ東郷」
 研究は創作であってはならないが、創作は研究からも生まれる
 松岡智子
◇シルヴィ・ギエム&アクラム・カーン・カンパニー『聖なる怪物たち』
 身体と言葉によって語る、美しき2人の「怪物」
 中野三希子
◇リミニ・プロトコル「Cargo Tokyo-Yokohama」
 現実と対峙する演劇
 松岡智子
◇特集企画「振り返る 私の2009」
◇ガールズ・トーク「4.48 サイコシス」

◇ワンダーランド支援会員を募集中!
http://www.wonderlands.jp/info/members2009-1.html

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◇elePHANTMoon「ブロークン・セッション」
 絶望の中の爽快感
 因幡屋きよ子

 どこかの家のダイニングキッチンで、男女が向き合って他愛もない会話をし
ている。男性はタクシー運転手で(酒巻誉洋)、女性はこの家の主婦らしい
(真下かおる)。奥の部屋から微かに呻き声が聞こえ、やがてビニール袋をか
らだにかぶり、手にもビニールのグローブをした女性(松葉祥子)が現れる。
ひと仕事終えた印象だ。ビニール袋もグローブも何かで汚れており、それを慣
れた手つきで脱がして受け取る主婦。そのあとから夫らしき男性(永山智啓)
が出てきて、「殴るいくら、蹴るいくら、あと剃刀の損傷とタバコの火傷」と
会計のようなことを始め、女性は合計金額を支払い、夫はそれをいったん状差
しの封筒にしまったあとで、またその金を女性に返す。
 その行為が何なのか、奥の部屋には誰がいて何が行われているのかが少しず
つ明らかにされていく。いや、もしかしたら自分はもっと早くにわかっていた
のかもしれないのだが、考えついたことがあまりに病的で暴力的なために、薄
々気づく一方で「まさかそんなことが」と否定しながら舞台に前のめりになっ
ていた。

 奥の部屋には夫の弟が監禁されている。弟には殺人の過去があり、殺された
子どもの親たちから暴行されることによって、金銭面の損害賠償と精神的な報
復を受けているというのだ。しかもそこには同じ方法で罪を償ったという男性
とその妻(小林タクシー,山口オン)が介入しており、賠償と贖罪を果たすた
めのビジネスとして成立しているらしい。
 凶悪犯罪によって大切な家族を殺された人が、「犯人を同じ目に合わせてや
りたい」と怒り悲しむ。しかし犯罪には法律があり、裁判があり、直接に報復
は行われない。それをまったく非合法的にやってしまっているのが今夜の舞台
だったのである。ちょっとやそっとでは思いつかない設定だ。見るからに奇妙
な人物は登場せず、他愛のない会話を挟みつつ、一見普通にふるまっている人
々が抱えているマグマのような悪意が露呈していく様相が慎重に描かれる。い
くら加害者を殴ろうと死んだ息子は生き返らないとわかっていても、無抵抗な
加害者の姿に死んだ息子がだぶり、「あいつを殴っているときはケンタに会え
る」という母親の絶望的な悲しみはその夫(本井博之)にも救えず、賠償と贖
罪目的のこのビジネスが、被害者と加害者両方をますます苦しめ、真の和解や
救済から遠ざけていることがわかる。
 この異常な状況を受け入れている、あるいは受け入れざるを得ないところま
で追いつめられている人々のところに、二つの異物が引き寄せられてくる。一
家の妹(菊池佳南)が自主映画を撮っている彼氏(カトウシンスケ)を連れて
きて、「ドキュメンタリーを撮らせてあげたい」と言いだすのである。当然兄
は怒るが、彼氏とその後輩であるカメラマン(江ばら大介)は、なぜか兄を納
得させてしまい、カメラを回す。 
 次は凶悪事件を犯したらしい女子高生(ハマカワフミエ/国道五十八号戦線)
とその母親(菊地奈緒)が見学にくる。同じ方法で娘に賠償と贖罪をさせるた
めである。
 娘に対して限界に達した母親は藁をもすがる思い、一方娘は表情は暗いもの
の、なかなか可愛い女子高生だ。しかし「この子が何を考えているのかわから
ない」という母の嘆きが誇張でないことは終盤に明かされる。苦しみに耐えら
れなくなったタクシー運転手が凶行に走り、その後始末のために女子高生の号
令のもと、人々はタクシー運転手の死体を切り刻む。案じて戻ってきた母親も
おそらく、この家を訪れる人は次々と口封じのために、いやそれだけでなく殺
す行為そのものに取り憑かれ、殺人と死体を解体する作業を次々にカメラで撮
影するという常軌を逸したおぞましい地獄に陥っていく。はじめはこのビジネ
スに正常に反応し、恐れおののいていたもの同士が結びつき、さらに恐ろしい
状況へと変容させてしまうのである。

 にわかに猟奇的な方向に怒涛のごとくなだれ込んでいく結末に、自分は少し
腑に落ちない印象を持った。
 監禁されている弟は何歳のとき、具体的にどんな罪を犯したのか。
 その事件からどれくらいの時間が経過しているのか。被害者の親たちの年恰
好からして、殺されたのは成人に達していない子どもであることはわかる。兄
夫婦も見た目そのままであれば三十代前半か。「おれの場合、あいつに娘を殺
されちゃってるから」というタクシー運転手の台詞があり、とするといじめを
苦にした自殺ではなく、より直接的な殺人らしきことを匂わせる。彼が大人な
ら刑務に服すだろうし、少年犯罪であっても、然るべき施設で更生ののち、社
会復帰のために様々なサポートがあって、舞台のように監禁されて恒常的に暴
行を受けており、それを外部にほとんど知られないことを可能にしている状況
というものがどれほど現実味のあることなのかという疑問がわくのである。

 所属の俳優はもちろん客演陣も適材適所で申し分なく、日常と異常が同居し、
それらのバランスが崩壊していくさまを一気にみせる。眠気や疲れ、よそごと
を考える隙を与えず、客席を引き込む手腕に圧倒されるばかりだ。
 本谷有希子の『遭難、』は、よくよく考えると現実味の薄い設定であるにも
関わらず、主人公の異常さをあますところなく演じた松永玲子の熱演によって
客席を(よくない表現だが)丸めこんでしまった印象がある。しかしマキタカ
ズオミは俳優の個性や、それまでの作品で既に了解されているキャラクターに
頼ることなく、さりげなく慎重に話を進めていく点が恐ろしい。
 だからこそ、前述のように設定のもう少し細かい状況がクリアされていれば、
と惜しく思う。さらに話をとんでもない方向に決定づけてしまう女子高生の存
在に敢えて疑問を呈したい。演じたハマカワフミエは舞台ぜんたいを飲み込ん
でしまうほどの静かな暴力性をもち、人々を正常から異常のラインへ引きずり
込む役柄としてぞくぞくするほど魅力的である。それだけに話を猟奇的に終わ
らせてしまうのが残念に思えるのだ。加害者と被害者がいて、決して生き返ら
ない家族がいる。生き返らせることができない者が罪を償えるのか、家族を再
び得ることができない者が、相手を心から赦せるのか。この答の出ない問いを
もっとぎりぎりまで追いつめ、追い込む舞台がみたいのである。話を異常な方
向に走らせることで、却って凡庸な際物に収まってほしくない。

 本作の被害者たちは気も狂わんばかりに憎み続け、加害者はなかば自暴自棄
になって、この無茶なシステムに身を投じている。贖罪、救済、受容などとい
う概念は虚しく吹き飛ばされてしまう。「人間はここまで憎めるのだ」という
姿に慄然としながら、自分は虚しさや絶望を越えて、むしろ爽快な印象を持ち、
ぞくぞくと不思議な力が湧いてくるのである。
 憎しみがどんなものなのか、それによって人間の心は、互いの関係はどこま
で歪み、壊れていくのかを、マキタカズオミの作品を通して逃げずに見つめよ
う。そこから子ども同士のいじめ、さまざまな犯罪、果ては戦争責任をめぐる
国家レベルの謝罪まで、どうすれば人は互いに赦しあい、理解しあえるかを考
える糸口がみえそうな予感がするのである。

【著者略歴】1964年山口県生まれ 明治大学文学部演劇学専攻卒 1998年晩秋、
劇評かわら版「因幡屋通信」を創刊、2005年初夏、「因幡屋ぶろぐ」を開設。
http://inabaya-k.mo-blog.jp/inabayakmoblogjp/

【上演記録】
 elePHANTMoon#8『ブロークン・セッション』
 脚本・演出 マキタカズオミ
  
  出演
 針谷・・・・・・永山智啓
 冴子・・・・・・真下かおる(くねくねし)
 ゆかり・・・・・菊池佳南
 永戸・・・・・・カトウシンスケ(、、ぼっち)
 三嶋・・・・・・江ばら大介
 北田・・・・・・酒巻誉洋
 島尾・・・・・・松葉祥子
 島尾道彦・・本井博之(コマツ企画)
 内海学・・・・小林タクシー(ZOKKY)
 内海望美・・山口オン
 優子・・・・・・ハマカワフミエ(国道五十八号戦線)
 美枝子・・・・菊地奈緒
  
  スタッフ
 舞台美術・・・福田暢秀(F.A.T STUDIO)
 照明・・・・・・・若林恒美
 音響・・・・・・・星野大輔 角田理枝
 舞台監督・・・本郷剛史 小野哲史
 舞台写真・・・石澤知絵子
 舞台撮影・・・頃安祐良
 演出助手・・・成澤優子
 制作・・・・・・・会沢ナオト(劇団競泳水着)
2009年11月18日(水)〜23日(月・祝)
サンモールスタジオ
全席自由 前売2500円 当日2800円

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◇3人で語る「2010年2月はコレがお薦め!」

三人共通のお勧め
★チェルフィッチュ「わたしたちは無傷な別人であるのか?」
http://chelfitsch.net/

カトリヒデトシさんのお薦め
★monophonic orchestra「センチメンタリ」
http://blog.goo.ne.jp/monophonicorchestra
★谷賢一単独企画公演「幸せの歌をうたう犬ども」
http://www.playnote.net/
★ニットキャップシアター「踊るワン‐パラグラフ2010」
http://knitcap.jp/

鈴木励滋さんのお薦め
★岡崎藝術座
http://okazaki.nobody.jp/
★モモンガ・コンプレックス
http://d.hatena.ne.jp/momonga_complex/
★We dance
http://wedance.jp/2010/

徳永京子さんのお薦め
★モダンスイマーズ「凡骨タウン」
http://www.modernswimmers.com/
★E-Pin企画10周年記念公演+城山羊の会「イーピン光線」
http://www.e-pin.jp/index.html
★池田扶美代+アラン・プラテル+ベンヤミン・ヴォルドンク「ナイン・フィ
ンガー Nine Finger」
http://www.saf.or.jp/arthall/event/event_detail/2010/d0206.html

徳永京子 「わたしたちは無傷な別人であるのか?」は、岡田利規さんの新作
ということで、当然注目ですね。早い段階でお客さんにプレビューを、しかも
複数回されるそうで、お客さんの反応を作品にフィードバックするという本来
の意味でのプレビューになっています。よりいい作品にするためのシステムを
開拓しようとしている姿勢を感じて楽しみです。
鈴木励滋 プレビューのポストトークの顔ぶれも佐々木敦さん、桜井圭介さん
など、力が入っています。「作品は岡田利規個人のものではない」という姿勢
のようです。公演期間の間にも「生成」していく作品になりそうです。岡田さ
んは作品論でもいろいろ試みている上に、演技のこともずーっと考えている。
「チェルフィッチュ様式」のような定型を目指しているのではなく、「演じる」
ということ自体を疑っている、それでいてぎりぎり成り立つようなものを追及
する極端な試みから、「演技とは何か」ということを問うているのではないか
と思います。
カトリヒデトシ 先日東京演劇ライブで岡田さんたちが新作紹介をしたんです
が、15分で「ここまでしかできていません」っていう。立ってリーディングし
ているだけみたいで、その段階では身体の動きがなくて。これまでと全然違っ
たものだった。すごいかっこよかったんですよ。終わったらすぐ、ロビーや客
席で「絶対本公演いくよね」と話題沸騰という感じでした。出演者では、チェ
ルフィッチュの海外公演にも参加し、飴屋法水さんの作品にここ3回連続で出
ている武田力さんに注目しています。
徳永 岡田さんや飴屋さんは、役者さんのルックスや演技力だけじゃなくて、
声の力も考えに入れてキャスティングしていますね。チェルフィッチュは二か
所の会場で上演するし、どっちも見たいという気持ちが。
鈴木 作品が日々生成していくのではという期待から、私もどちらも行きます。
カトリ 私も。新作は1年以上ぶりですからね。前売りは完売ですが、当日券
やキャンセルもありますから、ぜひ見ていただきたいですね。

徳永 モダンスイマーズの「凡骨タウン」。2008年の「夜光ホテル」の続編で
す。
カトリ あれはいくらでも広がりそうな話でした。かつての下町の不良たちが
再結集するんです。かっこいい話でしたね。
徳永 男のロマンの結集という感じで。
カトリ あの時の古山憲太郎の鼻水ね。かつては一番荒っぽかったんだけど、
ジャンキーになってしまって。最後の一番いいところで鼻水がツーっと。それ
が毎日必ずそのタイミングで出るっていう(笑)。
徳永 前回は出演者も全員男性で、ひたすら男臭い話でしたが、今回は美人女
優が二人、緒川たまきさんと文学座の佐古真弓さんが出て、しかも前回の萩原
聖人さんに加え、千葉哲也さん、辰巳智秋さんも。男優陣に関して言えば全方
位型。
カトリ 二枚目から不良から廃人から(笑)
徳永 「夜光ホテル」の続編を書くと聞いたときにはこういう顔ぶれになると
は思わなかった。あの話がどう発展するか、楽しみです。
 2つ目は「イーピン光線」。「城山羊の会」は作・演出の山内ケンジさんと
プロデューサーの城島和加乃さんのユニットです。城島さんはE−Pin企画
というプロダクションをやっているんですが、その十周年企画ということで、
所属の俳優さんが全員出る本を山内さんが作・演出されます。山内さんがふだ
ん城山羊の会で書いているものは、ひと組の男女のひずみが周囲にひび割れを
広げていき、洪水が起きるような話ですが、それよりもお祭りっぽい感じにな
るんじゃないかな。出演が、E−Pin企画所属の九十九一さん、KONTA
さんなど。
鈴木 岡部たかしさんは、昨年10月の五反田団の「生きているものはいないの
か」の再演でのマスターの役も記憶に残っていますね。
カトリ 牧田明宏さん(プロデュースユニット「明日図鑑」の作・演出)も所
属俳優なんですね。
徳永 もともとE−Pin企画は「夏のミステリーナイト」といった、演劇仕
立ての謎解きをホテルで行う企画を手掛けているんですね。とても人気がある
んですが、牧田さんはその作家として参加したのがきっかけで所属することに
なりました。
 あと1本は「ナイン・フィンガー Nine Finger」。池田扶美代さんはベルギ
ーのダンス・カンパニー「ローザス」のメンバーです。内容もですが、これは
チラシの写真が圧倒的に格好よくて惹かれます。泥まみれ、汗まみれで。
鈴木 チラシを初めて見た時は、これ血かと思いました。迫力ありますね。
徳永 ダンスと音楽と演劇の融合のようですが、内容は、アフリカの少年兵の
話から派生したものということです。

鈴木 私の1本目は、「リズム三兄妹」。岡崎藝術座主宰の神里雄大さんは毎
回「何かあるだろう」と期待させてくれます。私が最初見に行ったときは俳優
を神田川で泳がせてました(笑)。今回は再演ですが、初演を体調不良で見逃
している上に、気になって仕方のない三条会の橋口久男さんも出ますし、楽し
みにしています。
 2本目はモモンガ・コンプレックス「ウォールフラワーズ。」です。去年
(キラリ☆ふじみを拠点とする)キラリンク☆カンパニーとして1作目の「初
めまして、おひさしぶり。」がとてもよかった。構成もよくて、ダンス作品と
しても面白かったので、今回も期待しています。
徳永 主宰の白神ももこさんはこの先がとても楽しみな人ですね。
鈴木 私が最初にモモンガを見たのは、2006年の「横浜ダンス界隈」。街の中
で踊って。街の住人のような衣装の人もいて、どこまでがメンバーなのかわか
らない。確か20人ぐらいだったかな。かっこうよかった。それ以来ずっと見て
います。白神さんはどんどん吸収していく人ですね。まだまだいろいろ隠し持
っていそうで、この先どこまで行っちゃうかわからない。
徳永 「不思議ちゃん」なのかと思うと、それだけでは終わらない。賢さ、た
くましさ、大人っぽさも感じます。
カトリ キレ味がありますね。
鈴木 もう1本は「We dance」という企画ですね。これは特定の作品ではなく、
すでにいろいろなワークショップをやっていて、その報告やら、派生してでき
たものを発表などするようです。5分とか10分の短い企画が横浜市開港記念会
館のあちこちの部屋で盛りだくさんです。観客はパスを買って自由に部屋を回
って見ていきます。ダンスや演劇の「おー、こんな人が」という人たちがさり
げなくたくさん出ています。個人的には、遠田誠さんや山賀ざくろさん、高須
賀千江子さんなど見なくちゃなと思っています。
「子連れダンサー井戸端会議」なんて企画もあって、これは子供のいる女性ダ
ンサーが出ます。面白そうですね。
カトリ どれを見にいこうか、迷うよね。たった2日間だから。

カトリ 私は役者を中心に見ていきたいと先月宣言したので、まずはこれ。
monophonic orchestra、立ち上げです。monophonic orchestraは箱庭円舞曲の
須貝英くんのカンパニー。柿喰う客の玉置玲央と親友で、以前玉置が作ったユ
ニット「カスガイ」で須貝くんが主演して、今度は須貝のユニットで玉置が主
演するっていう。本当に親友なんですね。今回はほかにもゲキバカの西川康太
郎、ホチキスの村上直子と、好きな役者ばかり出る。全然違うカンパニーの役
者どうしが仲が良くて、交流を持っているというのはすごく面白い。絶対行か
ないと。今月はこれ1本でもいいぐらい。
 と言いつつ2本目もあります(笑)。DULL-COLORED POP主宰の谷賢一の単独
企画公演。これまで一緒に仕事をしたことがない役者にオファーをして、役者
が「自分がどういう役をやりたいか」設定を指定してくるっていう。わけわか
んない(笑)。だから「当て書き」の逆で「当てられ書き」。しかも「僕が一
番うまくタイニイアリスを使えるんだ!」と企画発表のサイトにあって…、ど
れだけ自信家なんだよって思いますね(笑)。役者陣も面白い。北京蝶々の鈴
木麻美、犬と串の鈴木アメリ、藤尾姦太郎、堀雄貴、アロッタファジャイナの
安川結花…。
徳永 DULL-COLORED POPを休止したと思ったらこんなことを(笑)。
カトリ DULL-COLORED POPをやらないというだけで、本人は全然休止していな
いですね。「仕事ください」なんてチラシまいてたんだけど、脚本提供や小説
やら、ぱんぱんに仕事入っているみたいですよ。
 それから3本目は、京都の劇団ニットキャップシアター。90年代初頭までの
夢の遊眠社の系譜って言えばいいのかな。東京で言えばカムカムミニキーナの
雰囲気。面白くって、いろいろ豪華で、人情味にあふれていて。最後の落とし
方もきれい。去年、観客の拍手によって話の流れが変わるというのをやってい
ました。出演している澤村喜一郎さんは去年、KUNIO06の「エンジェル
ス・イン・アメリカ−第1部 至福千年紀が近づく」で、自分がゲイであること
を認められないためにボロボロになっていくという難しい役を見事に演じてい
たんですが、本拠のニットキャップではラクダの上下、股間にティッシュペー
パーの箱を挟んで「二代目サルマタンX」ですから…(笑)。
徳永 私は一度、ニットキャップの東京公演を見ているんですが、その時はそ
んなにいい役者さんだと感じませんでした。
カトリ ひどいですよね(笑)

【出席者略歴】
カトリヒデトシ(香取英敏)
 1960年、神奈川県川崎市生まれ。大学卒業後、公立高校勤務の後、家業を継
ぐため独立。現在は、企画制作(株)エムマッティーナを設立し、代表取締役。
ウェブログ「地下鉄道に乗って−エムマッティーナ雑録」を主宰。
・ワンダーランド寄稿一覧:http://www.wonderlands.jp/index.php?catid=3&subcatid=63

鈴木励滋(すずき・れいじ)
 1973年、群馬県高崎市生まれ。栗原彬に政治社会学を師事。障害福祉の現場
で喫茶店の雇われマスターをしつつ、テルテルポーズやダンスシードなどで、
演劇やダンスの批評を書いている。ウェブログ「記憶されない思い出」を主宰。
・ワンダーランド寄稿一覧:http://www.wonderlands.jp/index.php?catid=3&subcatid=48

徳永京子(とくなが・きょうこ)
 1962年、東京都生まれ。演劇ジャーナリスト。小劇場から大劇場まで幅広く
足を運び、朝日新聞劇評のほか、『シアターガイド』『FIGARO』『花椿』など
の雑誌、公演パンフレットを中心に原稿を執筆。東京芸術劇場運営委員および
企画選考委員。
・ワンダーランド寄稿一覧:http://www.wonderlands.jp/index.php?catid=3&subcatid=42

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◇テレビで見る演劇(〜2月末)

 1月から始まったこのコーナーでは、舞台中継や演劇人のインタビューなど、
演劇関係のテレビ番組を紹介しています(場合により、番組内容、放送日時な
どが変更になることがあります。また、地上デジタル放送の番組表は関東地区
のもので、地域により一部番組が異なります)。
 必ずしも小劇場で上演されたものばかりではありませんが、やや商業演劇的
な作品でも、作家・演出家あるいは出演者が小劇場出身ということも少なくあ
りません。たとえば、2月19日放映の「東京タワー」では、テレビドラマ・映
画にもなったリリー・フランキーの原作を、モダン・スイマーズの蓬莱竜太が
脚色、G2が演出。2月12日の「相思双愛」は、原作:横光利一・重松清、脚本:
倉持裕・前川知大、構成:近藤芳正という顔合わせです。
 同じく12日の「現代能楽集『鵺』」の舞台中継では、これを書き下ろした劇
作家・坂手洋二にその見どころを聞きます。

1月29日(金) 深夜0:00〜2:00 WOWOW
「堤真一『バンデラスと憂鬱な珈琲』」
【出演】堤真一、高橋克実、小池栄子、村杉蝉之介、中村倫也
 http://www.siscompany.com/03produce/25banderas/
 http://www.wowow.co.jp/pg/detail/075456001/index.php

                 深夜 0:50〜3:40  NHK BS2
ミッドナイトステージ館「ザ・ヒットパレード」
【作】鈴木聡 【演出】山田和也
【出演】原田泰造、戸田恵子、堀内敬子、瀬戸カトリーヌ、北村岳子、杉崎真

http://www.watanabe-music.co.jp/hitparade/index.html 
http://cgi4.nhk.or.jp/topepg/xmldef/epg3.cgi?setup=/bs/genre/theater

1月30日(土) 9:00〜10:51  NHK BShi
ハイビジョンステージ「劇団民藝『らくだ』」
【演出】山下悟
【出演】大滝秀治
 http://www.gekidanmingei.co.jp/rakuda.html
 http://cgi4.nhk.or.jp/topepg/xmldef/epg3.cgi?setup=/bs/genre/theater

             10:51〜12:20  NHK BShi
ハイビジョン特集「全身〈役者魂〉84歳大滝秀治 執念の舞台」(再放送)
http://cgi4.nhk.or.jp/topepg/xmldef/epg3.cgi?setup=/bs/genre/documentary

2月5日(金) 深夜0:45〜3:40  NHK BS2
ミッドナイトステージ館「わが魂は輝く水なり」
【作】清水邦夫 【演出】蜷川幸雄
【出演】野村萬斎、尾上菊之助、秋山菜津子、大石継太、津嘉山正種
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_08_wagatamashii.html

2月6日(土) 9:00〜10:55 NHK BShi
ハイビジョンステージ「歌謡シアターラムネ『木綿のハンカチーフ編』」(仮)
【作・演出】田村孝裕
【出演】小西遼生、松田沙紀
http://blog.amuse.co.jp/ramune/p/

2月12日(金) 22:30〜0:45 NHK 教育
芸術劇場「現代能楽集『鵺』の見どころ」「劇場中継『鵺』」
【作】坂手洋二 【演出】鵜山仁
【出演】坂東三津五郎、田中裕子、たかお鷹、村上淳
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000067_play.html
http://www.nhk.or.jp/art/current/drama.html

                 深夜0:45〜3:15 NHK BS2
ミッドナイトステージ館「相思双愛」
【原作】横光利一、重松清 【脚本】倉持裕、前川知大 【構成・演出】近藤
芳正、桑原裕子
【出演】坂井真紀、辺見えみり、近藤芳正、榎木孝明
http://kondoyoshimasa.com/banda-la-koncha/program/soushisouai/

2月13日(土) 9:00〜11:25 NHK BShi
ハイビジョンステージ「舞台『かもめ』」(再放送)
【演出】栗山民也
【出演】藤原竜也、鹿賀丈史、麻美れい、美波、小島聖、中嶋しゅう、藤木孝、
藤田弓子、たかお鷹、勝部演之
http://hpot.jp/kamome/

2月16日(火) 早朝5:30〜7:30 WOWOW
「堤真一『バンデラスと憂鬱な珈琲』」(再放送)
【出演】堤真一、高橋克実、小池栄子、村杉蝉之介、中村倫也
 http://www.siscompany.com/03produce/25banderas/
 http://www.wowow.co.jp/pg/detail/075456001/index.php

2月19日(金)  深夜0:45〜3:20  NHK BS2
ミッドナイトステージ館「東京タワー」
【原作】リリー・フランキー 【脚本】蓬莱竜太 【演出】G2
【出演】萩原聖人、加賀まりこ、石田ひかり、林隆三
http://www.tokyotower-stage.jp/

2月26日 22:30〜深夜0:45 NHK 教育
劇場への招待「ガス人間第1号」
【作・演出】後藤ひろひと
【出演】高橋一生、中村中、中山エミリ、伊原剛志、三谷昇、水野久美
http://gas.toho-stageblog.com/2009/10/1.html

     深夜0:45〜2:55 NHK BS2
ミッドナイトステージ館「jam」
【作・演出】青木豪
【出演】中野英樹、萩原利映、小松和重
http://www.gring.info/

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【編集日誌】
☆ 今週は因幡屋きよ子にelePHANTMoonの「ブロークン・セッション」を論じ
ていただきました。舞台の魅力と限界を愛情込めて指摘した内容になっていま
す。どうぞご覧ください。

☆ 昨年末からの新企画「3人で語る『2010年●月はコレがお薦め!』」と「テ
レビで見る演劇」の2回目をお送りします。ますます内容が充実してきていま
す。観劇生活のガイド役として、ぜひご利用ください。

☆厳しい寒さが続く一方で、日中など日差しが意外に強いのを感じる日も出て
きました。春はもう、すぐそこまで来ています。
(水牛健太郎)

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創刊日:2006-07-18  
最終発行日:  
発行周期:毎週水曜日  
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