トップ > マネー・政治・経済 > 独立・起業 > プロを目指す学生たち〜学生時代にできること〜

インターンシップ制度で、SONYやNIKEのCMクリエーターに弟子入りした学生、自分の会社を興した学生。彼らの感動・成長ストーリー、時間の使い方・ポリシーを仕事版「Number」として豊富に事例紹介!

RSS


メルマガの登録・解除

登録した方には、メルマ!からオフィシャルメルマガ(無料)をお届けします。



【ETIC.】プロを目指す学生たち〜挑戦しないリスク〜

発行日:2/7

┌┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬         ┬┬┬┬┬┬┬┬┬┐
├┼┏┷┷┷┷┷┷┷┷┷┷┷┷━━━━━━━━━┷┷┷┷┓┼┼┼┼┼┤
├┼┨  ETIC.mailmagazine  〜プロを目指す学生たち〜 ┠┼┼┼┼┼┤
├┼┗┯┯┯┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┻┷┷┷┓┼┤
├┼┼┼┼┼┨    2006.2.7   Vol.129-3 (全3話)     ┠┼┤
├┼┼┼┼┼┗┯┯┯┯━━━━━━━━━┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┛┼┤
└┴┴┴┴┴┴┴┴┴         ┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┘

┃ ■■
┃ ■■ 〜挑戦しないリスク〜
┃ ■■
┃ 
┃  □ 青木 健太(あおき けんた) さん
┃ 
┃  □ 所属
┃    NPO法人かものはしプロジェクト パートナー    
┃    http://www.kamonohashi-project.net/

┃  □ プロフィール
┃    1982年、東京生まれ。
┃    2002年、大学生を中心にかものはしプロジェクトを創立。
┃    2004年、東京大学教養学部中退。
┃    現在、NPO法人かものはしプロジェクトでパートナー、
┃    システム開発事業担当を務める。

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃○第1話:なんかおかしい
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃○第2話:新たな挑戦
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃●第3話:やってみなくちゃわからない
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
----------------------------------------------------------------------
      〜第3話〜 やってみなくちゃわからない
----------------------------------------------------------------------


 ■■
 ■■ 社会からの洗礼
 ■■
  
  
  2004年7月。
  国際協力とITビジネスを絡めるという
  斬新なプロジェクトをスタートさせた青木たち。
  しかし、ITビジネスの分野では素人だった彼らにとって、
  その事業運営は生易しいことではなかった。


  現地に仕事を任せられるような状況になるまでは、
  自分たちで日本の企業から仕事を受注して、
  職業訓練所の運営資金を得ていかなければならない。


  他のメンバーよりもちょっとパソコンに詳しいという理由で、
  システム開発事業の担当を任された青木。
  そうは言っても、ITビジネスについては、
  何もかもわからないことだらけ。
  仕事を受けた後に、勉強しながら
  なんとか仕事を間に合わせるということも多々あった。


  そんなある日。


  「よし、じゃあよろしく頼むよ。
  期待してるから、頑張ってね」。


  「はい、任せてください」。


  元々弁の立つ青木は、相手企業との交渉に見事成功。
  先方から大きな期待を受けながら、プログラミングの仕事を受注した。


  調子よく仕事を引き受けてしまった青木だが、
  思った以上に仕事がはかどらず、納期までに仕上がらなかった。
  焦ってはいたものの、多少期限を過ぎても許されるだろうと
    思っていた青木。
  結局、何の連絡もせず、約束の期限を破ってしまったのである。


  「明日までには終わります」。


  さらに青木は、先方からの催促の電話に対し、
  反省して謝罪するどころか、こう繰り返した。


  そのときの青木は、本当に次の日には終わると思っていた。
  だが、その頃は品質などの見通しがまだまだ甘かった。
  実際は「次の日に終わる」などということは
  到底不可能な状況だったのである。


  「必ず明日までには終わりますから。はい、必ず」。


  そんな状況にも関わらず、同じことを言い続ける青木に対し、
  とうとう先方の怒りが爆発してしまう。


  先方に呼び出された青木。
  恐る恐る会社に出向くと、先方の用意した一室に連れていかれた。


  「仕事が終わるまで、君にはここから出ないで仕事をしてもらう」。


  それから数週間。
  仕事が終わるまでの間、
  その部屋からほとんど外出も許されないという軟禁状態。


  何日も同じ服を着たままずっとパソコンに向かい続け、
  頭はキッチンのシンクで洗った。
  そんなふうにして、
  その部屋の中で寝泊りしながらひたすら仕事をした。


  数週間後、なんとか仕事をやり終えることができた青木。
  だが、それだけでは先方の怒りはおさまらず、
  事務所に賠償金を請求する内容証明が送られてきてしまった。


 ■■
 ■■ 思わぬ収穫
 ■■


  「1、10、100・・・えっ!?
  とてもじゃないけどこんな金額払えないよ…」。


  内容証明に書かれていた賠償請求の金額を見て冷汗がでてきた。
  焦った青木は、生まれて初めて弁護士事務所に行って相談をした。
  結局、依頼した弁護士の仲裁によって、賠償金に関しては
  事なきを得た。


  最悪の事態は回避できたとはいえ、今回の一件を振り返ってみると、
  青木にとって反省すべき点はたくさんあった。


  事前に連絡を入れておけば、納期をずらすこともできたはずだ。
  一報を入れるという簡単なことを怠ったがために、
  大きな問題に発展してしまったのだ。
  青木は、自分の仕事に対する責任感が低かったことを痛感した。


  「まず自分のミスを素直に認めて謝ることができていれば、
  こんなにも相手を怒らせることはなかっただろうな」。


  ビジネスを通して、一社会人として人と関わる場合、
  学生時代とは比べ物にならないほど慎重にならなくてはならない。
  物の言い方や相手の感情に、配慮に配慮を重ねることが
  大事であることを、青木は学んだのである。


  そして青木は、20代でありながら、
  システム開発事業の統括者という責任ある立場。
  ミスをすれば、自分ひとりの問題ではなくなる。


  「ただ新しいことをやってるだけじゃ社会では通用しないんだ。
  今回みたいな失敗をしたら、最悪組織を潰すことになりかねない」。


  青木は、今まで経験したこともない大きな失敗をしてしまった。
  だが、その失敗のおかげで自分に足りなかったものに
  気がつくことができた。


  一方で、そんな大きな失敗をした青木に、
  声をかけてくれる支援者の方もいた。


  「仕事は自分でやり切らなきゃいけないけど、
  お金なら全部僕が払うよ。君のことは応援してるから」。


  こんな言葉をかけてくれる人がいることが嬉しくて、
  感謝の気持ちで一杯だった。


  「支援者の方たちの信頼を裏切らないためにも、
  もっともっと頑張らなくては…」。


  支援者の方たちの存在の大きさを感じた青木は、
  新たな使命感を抱いていた。
 

 ■■
 ■■ 挑戦から見えてきたリスク
 ■■

  
  2004年9月。
  かものはしプロジェクトがNPO法人格を取得すると同時期に、
  青木のもとに大学から「中退」の通知が来る。
  足りなかったのは、わずか2単位だった。
  後悔やショックはなかったのだろうか?


  「そういうもんなんだと理解しました。
  悔いはなかったですね。
  卒業して就職するなんて考えていなかったから。
  そもそも、長いこと大学に行ってなかったから、
  生活は今までと変わらないやと思いました」。


  青木はあっさりとこう語った。
  現在かものはしプロジェクトは、現地の駐在スタッフも抱え、
  28人の子どもたちにPCを使ってデザインを教えるなど
  現地での事業が徐々に進展してきている。


  「自分たちが思い描いていたことが実際に現地で着々と進み始めると
  自分たちにもできることがあるんだ、という実感が出てきて嬉しいですね。
  ただ、救うことができていない子どもたちはまだまだたくさんいる。
  これからはもっともっと一緒にやっていくメンバーを増やして
  事業を拡大させていきたいです」。


  今後の目標について、力強く語ってくれた。


  「みんな色々なものにこだわりすぎなんじゃないかな。
  僕が譲れないと思ったのは、お金でも地位でもなかった。
  自分たちの事業を思い描いたときに、
  何かできるんじゃないかというワクワクに正直に動いただけです」。


  分岐点にたったとき、何かに挑戦しようとするとき、
  周りのいろんな情報や価値観に惑わされて、
  なかなか前に進めなくなったり、
  選択を間違って後悔することはないだろうか。
  本当に自分が譲れないことって何なのだろう。
  青木の話を聞いていると、改めて考えさせられてしまう。


  「企業に入るのも、起業するのも、どちらでもいいと思うんです。
  ただ、やってみたいと思うことがあるなら、
  絶対やってみるべきですよ。
  僕は、挑戦したからこそ欠点に気がつくことができたし、
  自分はここまでできるんだっていう新しい発見もありました。
  何をやるにもリスクは伴うけど、
  やったらやっただけ、得るものは大きいですよ」。


  児童買春という複雑な問題に真っ向から勝負し、
  大きな失敗や中退も経験した。
  それでも、自分の気持ちに正直に果敢に挑戦していったからこそ
  迷いや後悔はなかった。逆に得たものもたくさんあった。


  「リスクを恐れて挑戦していなければ、
  今の僕はなかったと思います。それを考えると、
  挑戦しないことの方が、リスクがありますよ」。


  カンボジアの児童買春を撲滅するという
  大きな課題に立ち向かう、若き挑戦者の底力を感じた。

  
  終わり
  (文中敬称略)


  【スタッフ募集のお知らせ】

  かものはしプロジェクトIT事業部Xperlでは
    業務拡大にともない、人材を募集しています。

  「挑戦しなければ成長しない。成長しなければ成功しない。」
  本気で取り組むからこそ大きく成長することができます。
  
  ただ技術だけを追うのではなく人間としての成長、自己実現に向けて
  本気で取り組める仲間を募集しています。詳しくは下記HPをご覧ください。
  
  http://www.kamonohashi-project.net/support/staff_xperl.html

 ___________________________________
  
  【編集後記】

  最後までお読みいただき、ありがとうございます。
  2月5日号を担当しました、ライターの小磯亜矢子と申します。
  今回の青木さんのお話、お楽しみいただけましたでしょうか?

  「国際協力の分野では、
  もっともっと挑戦していっていいと思う。
  リスクを考えて消極的になりすぎている気がします」。

  国際協力活動に携わる私にとって、
  取材の中で青木さんが仰っていたこの言葉が、
  とても印象的で、胸に突き刺さりました。
  「国際協力」で扱う問題はとても複雑だと思いますし、
  その問題が深刻であればあるほど、
  慎重にならざるを得ないという面が当然あると思います。
  ただ、慎重になりすぎて、自分たちにできることの可能性を
  狭めてしまうこともあるのではないか、
  ということを改めて考えさせられました。

  かものはしプロジェクトの勢いを象徴する
  「挑戦しないリスク」という言葉。
  
  国際協力の分野だけでなく、何かに挑戦しようとするとき、
  あれが足りない、これが足りないと可能性を否定してしまい、
  挑戦するタイミングを先延ばしにしたり、
  諦めてしまいそうになることってありませんか?

  「先延ばしにしたって成功するかはわからないし、
  自分に足りないものは、後からついてくることもあるんだよ。
  だったら、やってみなきゃ損じゃない?」
  
  青木さんのお話を聞いていると、
  そんなポジティブなメッセージが
  背中を押してくれているような気がしました。
  読者の皆様は、いかがでしたか?

  最後に、お忙しい中、
  取材や執筆に快く協力してくださった青木さんに
  この場をお借りして、心よりお礼を申し上げます。
  本当にありがとうございました。
  
                        ライター:小磯 亜矢子
----------------------------------------------------------------------
          ■□次号予告□■

  次号は、17歳という若さで慶応義塾大学に入学し、
  在学中に様々なプロジェクトを自ら立ち上げ、
  活動していた女性のストーリーをお送りします。

  街中にあるもののデザインを考える仕組みを体系化し、
  世に広めた第一人者として活躍する彼女の生き様に迫ります。

  ご期待ください!

----------------------------------------------------------------------
▼読者アンケートのお願い --------------------------------------------- 


  メールマガジンをさらにより良くしていくために
  みなさんのご意見を是非お聞かせ下さい!!
 
  ご協力、よろしくお願いします。

【 宛先 】 info@etic.or.jp
【 件名 】 メルマガ2月5日号 アンケート


.......【コピー&ペーストしてご利用下さい】..........................

1.どのようにしてこのメルマガを知りましたか?
    1)ビラ
    2)ETIC.のイベント
    3)友人の紹介
    4)忘れた

2.今回(2月5日号)のメールマガジンの内容について、
  総合的な満足度をお聞かせください。

    1)非常に満足している
    2)まぁ満足している
    3)やや不満である
    4)非常に不満である

3.今回のメールマガジンを読んで
  どんなことを感じましたか?自由にお書きください。


4.主人公(もしくはライター)に一言!


5.今後どんな人の記事を読みたいですか?


6.他にとっているおもしろいメルマガがあれば教えてください。



▼購読中止・配信先変更 ----------------------------------------------

・配信解除    → https://g.ab0.jp/client/3100_p.php/6HsQ82
・登録情報の変更 → https://g.ab0.jp/client/6000_p.php/6HsQ82
・パスワード確認 → https://g.ab0.jp/client/5000_p.php/6HsQ82

*『まぐまぐ』の読者の方は(http://www.mag2.com/
*『melma!』の読者の方は(http://www.melma.com/
----------------------------------------------------------------------
 ETIC.メールマガジン
 「プロを目指す学生達〜学生時代に出来ること〜」
 発行人/編集長:甫守 美沙
 〒150-0041 渋谷区神南1-5-7
 APPLE OHMIビル4階
 本メールマガジンに掲載された記事を
 許可なく転載することを禁じます。
 Copyright (c) ETIC. All rights reserved.
----------------------------------------------------------------------
◆本メールはアルトビジョン社 http://www.altovision.co.jp
が提供する会員データ管理&メール配信ASP、AltoBase|ASP
http://altobase.jp/asp/ を利用しています 

最新の記事

ブックマークに登録する

TwitterでつぶやくLismeトピックスに追加するdel.icio.usに追加Buzzurlにブックマークニフティクリップに追加Yahoo!ブックマークに登録記事をEvernoteへクリップ
My Yahoo!に追加Add to Google

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

登録した方には、メルマ!からオフィシャルメルマガ(無料)をお届けします。


この記事へのコメント

コメントを書く


上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。
コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  1. コメントはありません。

このメルマガもおすすめ

  1. Japan on the Globe 国際派日本人養成講座

    最終発行日:
    2017/05/21
    読者数:
    13243人

    日本に元気と良識を。歴史・文化・政治・外交など、多方面の教養を毎週一話完結型でお届けします。3万8千部突破!

  2. 経営戦略考

    最終発行日:
    2017/05/24
    読者数:
    4455人

    第一線のコンサルタントが毎日、日経新聞の記事を題材として経営戦略の原理原則を解説します。経営者はもちろん、キャリアアップを狙うサラリーマン、OLの方は必読!毎日発行だから、話のネタ仕入れにも最適です。

  3. NPO/NGO Walker 市民活動の情報誌

    最終発行日:
    2012/06/20
    読者数:
    7566人

    NPO/NGO、ボランティア、コミュニティ・ビジネスなど幅広い市民活動をテーマにした週刊情報誌。イベント情報や書籍紹介に合わせて、様々なNPO/NGOの活動を紹介する。

  4. 当たる懸賞 TOKUTOKU

    最終発行日:
    2009/12/17
    読者数:
    51370人

    豪華商品を当てた人はみんな読んでる?。毎日、厳選したお徳懸賞・プレゼント情報を探し出してき、それをメールマガジンでお届けする。ひと目で分かりやすいので,ラクラク応募できます。豪華購読特典あり。

  5. 【起業家精神・人生を変えた言葉】

    最終発行日:
    2017/05/25
    読者数:
    4025人

    苦難を乗り越え人生を変えるきっかけになる言葉を、ほぼ毎日贈ります。

発行者プロフィール

過去の発行記事