芸術

バウハウス・コスモロジー

近代デザインの基礎をつくった「バウハウス」について、ドイツ留学・研究滞在経験のある発行者がわかりやすく解説していきます。いっしょにバウハウスの宇宙を旅してみませんか。

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[バウハウス・コスモロジー No.42]

2002/11/27

 Design: Art & Technology            - 不定期発行 - 
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○△□ バウハウス・コスモロジー (((bauhaus cosmology)))  No.42

                     発行者:ドクトル・ケンタ
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日本におけるバウハウスの受容
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○批判期:「バウハウス」をどう捉えてきたか(2)
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日本におけるバウハウス運動の啓蒙期、受容期、批判期、再考期という時代
的な流れを想定しました。

前回は、神代雄一郎の「バウハウスの影響と誤解」による、妄信的なバウハ
ウス(デッサウ)の神話化への批判を取り上げました。おそらくこの記事の
書かれた60年代以降、徐々に「批判期」に移行していったのだと思います。
--> No.37

70年代になってからの厳しい批判の時代は、50、60年代のバウハウス礼讃の
時代とのコントラストを強めているようです。そこには、「近代の超克」と
いう時代的な課題が背景にあったからだと思います。つまり、「ポストモダ
ン」の側からの価値判断が実施されたということです。「バウハウス=モダ
ン」という図式にあっては、バウハウスは乗り越えられるべき過去の障壁に
すぎなくなっていたのでしょう。

90年代にバウハウスを見直そうという再考期に入ると私は考えていますが、
それまでの批判期ではどのような展開がなされたのでしょうか。

『バウハウス その建築造形理念』(鹿島出版会)の著者、杉本俊多は、バ
ウハウスが特集された雑誌『ユリイカ』(第24巻第11号、1992年)において
「地球環境時代のバウハウス理念」という論を展開しています。

その「ポストモダン型のバウハウス批判」という冒頭の章には、下記のよう
な記述がありました。

「過剰な神格化がバウハウスの本来の姿を歪めさせ、一九七〇年代に逆に過
剰なまでの反バウハウス論が展開されたわけだが、それは正当な神話解体作
業でもあった。」

「ポストモダンは近代の芸術感覚を確立したとして神話化されたバウハウス
の成果を否定し、一面ではバウハウス以前に回帰しようとするところを見せ
たのだった。」

ここでの解体作業とは、近代合理主義による普遍的・一元的な価値観・知識
体系を、再び多元的・人間的なものに回復させようとするものでした。杉本
は、バウハウスの再現を考えるときに、「造形芸術の人間化」という意味で
「エコロジカルな環境」との関わりを、「工業技術と芸術の間の融和」とい
う意味で情報メディアなどの「ハイテク機器」との関わりが模索されなけれ
ばならないとしています。

そして、その解決策として提示されているものは・・・?

やはり、「初期バウハウスの戦略から学ぶ」ということでした!

「デッサウ・バウハウスだけを見ていてはバウハウスのなしたことの半分し
か見えてこない。二一世紀の新しいパラダイムの開発を目指す私たちが注目
すべきバウハウスの神髄というのは、一見屈折し、動揺しているように見え
る初期のバウハウスなのである。」

なんと、この記事は10年前のものですが、さらにそこから30年前の神代雄一
郎の記事の結論と同じになってしまいました。この傾向は、実は、私が関係
している美術・造形教育の領域でも同様で、バウハウスから影響を受けた日
本の構成教育の問題解決として、初期バウハウスを見直してみてはどうか、
という意見が以前から存在します。

さて、私のコメントとしては前回と同様であり、「全体を包括的に捉えない
限り、バウハウスのダイナミズムは見えてこないし、今日のアクチュアリテ
ィー(生きていること)も消失してしまう」ということになりますが、下記
に思うことをまとめてみます。

●当時のバウハウスは、暗黒の芸術の側面から明白な科学技術の側面まで、
政治的には右から左まで、様々な理念をもつ多元的な存在でした。ポストモ
ダンのバウハウス批判は、バウハウスを妄信的に受け入れた人々によってな
された「誤った神話化」のほうに向けられるべきだったと思います。ポスト
モダンが求めたものは、バウハウスの内部にすでにあったのです。

●確かに、初期バウハウスを見直すという作業は必要であると思います。こ
の作業がまだ完結していないことが、いろんなところで問題解決の結論とし
て導かれる理由になっているからです。ただし、表現主義的な時代といわれ
る初期バウハウスを「神話化」することにならないようにしなければなりま
せん。デッサウではだめだからヴァイマールで、というような短絡的な発想
では問題解決とはならないでしょう。

●杉本が、地球環境時代という視点によって「エコロジカルな環境」との関
わりを指摘していることは、先見の明があり、評価されるところでしょう。
現在のバウハウス・デッサウ財団では、都市論を中心にして、エコロジカル
な地域の再開発もプロジェクトとして進行しています。(デッサウで、とい
うのがまた面白いわけですが・・・。)

※敬称略

○△□

バウハウスの「再考期」、見直しの時期も確認したいですね。


●□□□(バウハウス・カフェ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

私の近況報告です。

○△□

「デジタル・イーハトーヴ・グランプリ2002」
審査発表会&記念講演会(11/30)

岩手県在住もしくは出身の方を対象として、デジタルメディア技術に関連し
た様々な分野の作品を表彰する総合コンテストです。

私は審査員の一人です。また、当日は自作音楽と映像演出(VJ)を披露!?

参考:
http://www-cg.cis.iwate-u.ac.jp/DIG02/event.html

○△□

今月の新曲!

Float:
アンビエントかチルアウト系でも作ってみるかな、と思っていましたが、 
やっぱり、ダンス系のリズムを入れてしまって・・・。結局・・・。 
ディストーションのフィルタなどは気持ちいいかも!?

Eiskalt --> Zwiebelsuppe:
タイトルの「eiskalt」とは、独語で「氷のように冷たい」という意味。
後日、タイトルは Zwiebelsuppe(オニオンスープ)に変更。
シンプルでクールなサウンド!?!?

RealPlayer(ストリーミング): 
http://kenta.edu.iwate-u.ac.jp/KENTA/SOUND/2002-11/float.ram
http://kenta.edu.iwate-u.ac.jp/KENTA/SOUND/2002-11/eiskalt.ram

RealPlayer(ダウンロード): 
http://kenta.edu.iwate-u.ac.jp/KENTA/SOUND/2002-11/float.rm
http://kenta.edu.iwate-u.ac.jp/KENTA/SOUND/2002-11/eiskalt.rm

RealPlayer(圧縮ダウンロード Mac): 
http://kenta.edu.iwate-u.ac.jp/KENTA/SOUND/2002-11/float.rm.sit
http://kenta.edu.iwate-u.ac.jp/KENTA/SOUND/2002-11/eiskalt.rm.sit

RealPlayer(圧縮ダウンロード Win): 
http://kenta.edu.iwate-u.ac.jp/KENTA/SOUND/2002-11/float.rm.zip
http://kenta.edu.iwate-u.ac.jp/KENTA/SOUND/2002-11/eiskalt.rm.zip


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